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80’s Dream~ベリンダ・カーライル/クリストファー・クロス/レイ・パーカー・Jr.

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 来る3月に行われるスペシャルなイベント「80’s Dream 90’s Magic PREMIUM CONCERT」。80年代から90年代にかけてヒット・ナンバーを生み出し、当時の音楽シーンを牽引した国内外のアーティストが集結したコンサートだ。この時代はメガ・ヒットが続出し、新しいスタイルの音楽が数多く生まれたが、このイベント出演者たちは間違いなくそのメインを歩んだといえるだろう。

 ここでは、海外から参戦する3人のアーティストをピックアップ。80年代AORの代名詞クリストファー・クロス、メロウでファンキーな世界を生み出すレイ・パーカー・Jr.、ガールズ・ポップの先駆者ベリンダ・カーライルという、今なお第一線で活躍するアーティストの魅力を振り返ってみたい。

BELINDA CARLISLE / ベリンダ・カーライル




 1958年生まれ、ロサンゼルス出身。もともとはパンク・バンドのドラマーだったが、1978年に女性ミュージシャンのみを集めてゴーゴーズを結成。1981年にアルバム『Beauty And The Beat / ビューティ・アンド・ザ・ビート』でメジャー・デビューを果たした。本作はじわじわとチャートを上昇し、ついには米ビルボードのアルバム・チャートで1位を獲得。女性だけのロック・バンドとしては初の快挙であり、その後6週連続首位をキープした。その後も「Vacation / ヴァケーション」や「Head Over Heels / キッスに御・用・心」などのヒットを飛ばすが、1985年に解散。




 ベリンダはソロへと転向し、翌1986年にはソロ・アルバム『Belinda / ベリンダ』を発表。ポップ・シンガーとしての新たなスタートを切った。そして、1987年には「Heaven Is A Place On Earth / ヘヴン・オン・アース」が、米ビルボードのシングル・チャートで1位という大ヒットとなり、この年の年間チャートでも7位という記録を残した。1990年にはゴーゴーズを再結成し、ソロと並行して活動。ツアーも積極的に行い、現在も全世界を飛び回っている。




 彼女の与えた影響は多大で、バングルス、ヴィクセン、少年ナイフから、ゴーバンズやプリンセス・プリンセスといったJ-POPのバンドにいたるまで多くのガールズ・バンドが生まれたのは、ベリンダ率いるゴーゴーズの目覚ましい活躍ぶりがあったからこそ。その精神は、昨今のハイムやウォーペイントにまで受け継がれていると言ってもいいだろう。また、彼女のポップ・センスは高く評価されており、ジョージ・ハリスンやブライアン・ウィルソンなどをゲストに迎えてレコーディングしたことでも有名だ。



CHRISTOPHER CROSS / クリストファー・クロス




 1951年生まれ、テキサス州出身。地元のローカル・バンドで歌っていたが、ソロとしてワーナーと契約。アルバム『 Christopher Cross / 南から来た男』でデビューする。本作はハイトーンながらソフトな雰囲気のヴォーカルを活かし、サウンドも当時のAORのスタイルを踏襲し、爽やかな内容に仕上がっている。また、素顔を一切出さず、フラミンゴをアイコンにしたことでも話題になった。ファースト・カットのシングル「Ride Like The Wind / 風立ちぬ」が米ビルボードのシングル・チャートで2位。続く「Sailing / セイリング」が同チャートで1位を獲得。グラミー賞でも主要5部門を独占した。




 彼の音楽が受けた理由のひとつに、そのサウンドの豪華さも忘れてはならない。デビュー作を手掛けたマイケル・オマーティアンは、スティーリー・ダンやピーター・セテラとも関わりがあるロサンゼルスの実力者で、ラリー・カールトンやジェイ・グレイドンといった名プレイヤーの他、マイケル・マクドナルド、ドン・ヘンリー、J.D.サウザー、ヴァレリー・カーターといったシンガーたちをコーラスに据えるなど、西海岸ならではの風通しのいいサウンドを生み出したのも成功の秘訣だ。




 1981年には映画『ミスター・アーサー』の主題歌 「Arthur's Theme (Best That You Can Do) / ニューヨーク・シティ・セレナーデ」が大ヒット。今度はアカデミー賞主題歌賞も受賞することで、彼の代表曲となっただけでなく、偉大な作曲家バート・バカラックの80年代における最大の名曲と評価されることになった。1984年にはセカンド・アルバム『Another Page / アナザー・ページ』を発表し、シングルの「All Right / オール・ライト」は初期代表曲として人気が高い。現在までコンスタントにアルバム・リリースを続けており、定期的に来日公演を実現。その変わらぬハイトーン・ヴォイスでファンを魅了し続けている。



RAY PARKER JR. / レイ・パーカー・Jr.




 1954年生まれ、ミシガン州デトロイト出身。編曲家兼プロデューサーのジーン・ペイジと出会い、セッション・ギタリストとして腕を磨き、バリー・ホワイト率いるラヴ・アンリミテッド・オーケストラやチャカ・カーン&ルーファスを筆頭に、スティーヴィー・ワンダーやアレサ・フランクリンなど数々のサポートやレコーディングに参加。




 1977年に自身のバンド、レイディオを結成。その後、レイ・パーカー・Jr.&ザ・レイディオに名前を変え、1981年には「A Woman Needs Love (Just Like You Do) / ウーマン・ニーズ・ラヴ」を米ビルボードのR&Bチャートの1位に送り込んだ。この曲は、いわゆるブラコンと呼ばれるコンテンポラリーなブラックミュージックのブームが巻き起こっていた頃に登場したこともあり、おしゃれでモダンなイメージを確立。日本でもディスコのチークタイムで定番となった。また、カシーフやグレン・ジョーンズ、ベイビーフェイスといったバラードが得意なシンガーたちにも影響を与えたであろうことは想像に難くない。




 バンド解散後はソロとして活動。「The Other Woman / ジ・アザー・ウーマン」や「I Still Can't Get Over Loving You / I STILL 愛してる」など、ディスコやファンクの要素を取り入れながらも、独自のメロウなグルーヴを活かしたナンバーで評価を得る。そして、1984年に映画『ゴーストバスターズ』の主題歌を手がけて大ブレイク。ビルボードのシングル・チャートで3週連続1位になった。その後もプロデュースやセッションに積極的に関わるだけでなく、精力的に全世界をツアーで周り続けている。

 

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