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自身初の全米TOP20入りした新星ヘイリー・スタインフェルド 来日インタビュー



ヘイリー・スタインフェルド 来日インタビュー

 2010年公開のコーエン兄弟監督作『トゥルー・グリット』に出演し、14歳という若さで【アカデミー賞】助演女優賞にノミネートされた演技派女優、モデル、そしてシンガー、ヘイリー・スタインフェルド。『はじまりのうた』、『ピッチ・パーフェクト2』らの音楽映画への出演を経て、2015年8月にはシンガーとして本格的に始動。デビュー・シングル「ラヴ・マイセルフ」は、米ビルボード・ソング・チャート30位をマーク、同年11月にはEP『ヘイズ』をリリース。今年に入ると精力的にライブ活動も行いながら、DNCEとコラボした「Rock Bottom」を発表、ZEDDをフィーチャーした最新シングル「Starving」では自身最高位となる米ビルボード・ソング・チャート14位を記録した。10月には、今年3度目の来日を果たしたヘイリーに、「Starving」の制作秘話や初となったツアー生活について話を訊いた。

TOP Photo: Getty Images Entertainment

何に対しても110%で挑みたいタイプなの

−−今年3度目の来日ですね。何か楽しみにしていることはありますか?

ヘイリー・スタインフェルド:日本でパフォーマンスをするのは、いつも楽しみにしている。でも、一番楽しみなのは、やっぱりファンのみんなに会うことね。

−−これまで日本のフェスには何度か出演していますが、まだ単独公演は行っていないので、そちらも楽しみです。

ヘイリー:うん、次回はぜひ自分のソロ・ショーで来日できたらいいな、と思ってる。

−−先日まで、メーガン・トレーナーのUSツアーのオープニング・アクトを務めていましたね。ヘイリーにとって初のツアーだったと思いますが、感想は?

ヘイリー:そう、初めてのツアーで、とってもアメイジングだった!それもメーガンと一緒にツアーができるなんて。彼女は【グラミー賞】受賞経験も持っていて、大好きなアーティスト、ソングライターの一人だから、「一緒にツアーをしない?」って聞かれたとき、「これって現実!?」ってめちゃめちゃパニクっちゃった(笑)。毎晩、違う都市に向かい、ソールドアウトとなった会場で何千人もの観客の前でパフォーマンスして、素晴らしい経験になったわ。彼女のファンが、私のパフォーマンスを観て、ファンになってくれるのもすごく嬉しかった。同様に、私のファンでメーガンのファンになる子もいたし。メーガンと私は性格が似ていて、ヴァイブも似ていると思うんだ。そういうのを、目の当たりにできて、アメイジングだった。




−−ツアー中の日々のスケジュールは、どんな感じだったのですか?

ヘイリー:ショーは一日おきにあったんだけど、会場に着いたら取材を受けて、サウンドチェックとミート&グリートをやって、ご飯を食べて、ヴォーカルとダンスのウォームアップをして、ステージに上がるって、感じかな。

−−もちろん移動は、ツアーバスですよね。

ヘイリー:そう(笑)。これも人生初の経験だった。私はすごく興奮してたんだけど、みんなには「2週間ツアーバス生活を送れば、絶対飽きるから。」って言われてて。でも、個人的にはすごく気に入ったわ!ハードな面も当然あるけど。だって、それがライフスタイルになるわけだから。寝るのも、バスの中のベッドだったし。そういう状況になってみないと、自分のベッドで寝ることができるのが、どんなに幸せなことがわからないじゃない?私は、小さい頃から映画の撮影で1週間とか家を空けていたから、慣れているけど。でも、それが何か月間も続いたら、やっぱりキツイと思う。夜寝ていても、道がちょっとでもデコボコだと起きちゃうし、決して快適ではなかった。体が痛くなったりもするし。けれど、自分のツアーバスで移動したり、そういう生活ができたのはクールで、まったく不満はないわ。

−−今回のツアーを経て学んだ、やるべきこと、やってはNGなことは何かありましたか?

ヘイリー:やるべきことは、キャンドルを持っていくこと。第一に…同じバスにライブ後の人間がたくさんいると…言いたことわかるよね(笑)?

−−汗の匂いとか、気になりますよね…。

ヘイリー:あと、食べ物を調理すると、バス中がその匂いになっちゃうでしょ。お家に置いているキャンドルと同じ香りのものを、いつも持ち歩いているの。どこにいても、そのキャンドルを灯すとお家の匂いがして落ち着くから。NGなことは…。

−−あまりハメを外しすぎないとか?

ヘイリー:私、パーティーとか全然興味ないから、その点は大丈夫よ!

−−バスの中で、みんなでよく聴いていた曲や音楽は?

ヘイリー:Spotifyの「Today's Top Hits」と「New Music Friday」のプレイリストがメインかな。それか誰かがハマってる曲があれば、それをずっと繰り返し、来る日も来る日も聴いてた。

−−たとえば?

ヘイリー:マーティン・ギャリックスとベベ・レクサの「In The Name Of Love」。あの曲は死ぬほど聴いた。それと「Cold Water」。あともう1曲あったんだけど…思い出せないな。




−−ツアー中に、曲作りを行うことはありましたか?

ヘイリー:そうね~、半々って感じかな。時間はあるけど…何に対しても110%で挑みたいタイプなの。今回は、初めてのツアーだったから、そっちにエネルギーを費やして、要領を覚えようと必死だった。移動日やオフの日も、ずっと仕事をしていたし。音楽を作るときは腰を据えて、作業に集中したい。インスピレーションが降りてきて、友達に「いいアイディアが浮かんだから、それを元にデモを作ってほしい。」ってことはあったけど。曲作りに近いことを行ったのは、それぐらいかな。

−−では、人前で歌ったり、パフォーマンスする上で、どのように自信をつけていったのですか?やはり、レコーディング・スタジオやセットで歌うのとは違いますよね。

ヘイリー:大抵のアーティストにとって、最初はスタジオでしか歌ったことがない期間があるわよね。その時はレコーディングに集中しているから、それらの曲をその後ライブやTVで生で披露するなんて…ましてその場所だって、小さなインティメイトなものから巨大なライブ会場まで様々。そういったことは、まったく考えていなかった。ある日パフォーマンスする日が来るんだろうな、それってクレイジーだな、とかふんわり思っていたけど、その程度に留まっていた。ツアー、NYでの『レイト・ショー』の番組収録、日本の音楽フェスとか、具体的なイメージは湧いていなかった。

 大切なのは、繰り返し、何度もやってみることね。その点、今回のツアーでの経験はとても役に立った。ルチーン化して体を慣れさせることで、自信をつけることができた。正直な話、【Untouchableツアー】初日と最終日のパフォーマンスではまるで別人のようだった。自信がついて、満足がいくパフォーマンスができるようになったし、そのおかげで楽しむことができるようになって、ライブをすることに抵抗がなくなり、愛着がわいたの。

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