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【Live Music Hackasong 参加企業インタビュー】東芝



LIVE MUSIC HACKASONG 企業インタビュー #1 TOSHIBA

 本ハッカソンに「SeeQVault対応microSDメモリカード」、「FlashAir」、「NFC搭載SDメモリカード」の3種類を提供する株式会社東芝に、それぞれの製品の特性や可能性についてインタビュー。今までハッカソンにも多数参加してきたこれらの製品によって、どのような「新たなライブ体験」が生まれるのだろうか。

SeeQVault対応microSDメモリカードがあれば自宅のみならず外出先でもコンテンツを楽しめます

−−今回のハッカソンでは、3種類のSDメモリカードをご提供いただきます。まずは、「SeeQVault対応microSDメモリカード」とは、どのような製品なのか教えていただけますでしょうか。

田村正文:SeeQVault対応microSDメモリカードは、見た目は通常のmicroSDメモリカードと同じですが、高いセキュリティ技術を備えているので、コンテンツを安全に保存することができるものとなっています。例えば、日頃 テレビ番組をハードディスクに録画することはありますか?

−−あります。

田村:たとえ外付けのハードディスクを使っていたとしても、テレビを買い替えたら新しいテレビでは録画した番組を見ることができないんです。

−−古いハードディスクを新しいテレビに繋げたらみられるんじゃないんですか?

田村:番組の著作権の問題で、基本的には一度繋げたテレビ以外では再生することができない仕様になっているんです。なので、もし過去の番組を残しておきたかったらテレビごと家に置いておくしかありません。

−−それは、現実的ではないですね…。

田村:そうですよね。そもそも、放送されているコンテンツを録画できるメディアというのは、Dpa(一般社団法人デジタル放送推進協会)が定めている規格によって定められています。現在、通常のSDメモリカードやmicroSDメモリカードは、ハイビジョンの番組を録画するにはセキュリティが弱かったため、これらのSDメモリカードへの録画は許可されていませんでした。

−−セキュリティが弱いというのは、具体的にどういうことでしょうか。

田村:SDメモリカードは、規格化されたのが10年以上前で、その当時は十分なセキュリティを確保できていたんですが、その後のIT技術の急速な進歩によって、当時の暗号化技術では十分なセキュリティを確保できなくなっていました。SeeQVault対応microSDメモリカードは、現在、ハイビジョンを記録できるメディアで利用されている暗号化技術以上の強固なものを使うことで、デジタル放送向けの規格化推進を行っているDpa(一般社団法人デジタル放送推進協会)、ホームネットワーク機器の間でコンテンツを伝送する際の著作権保護技術の管理運用を行っているDTLA(Digital Transmission Licensing Administrator)、主に光ディスクなどで使われる著作権保護技術を管理するAACS LA(Advanced Access Content System)といった団体から記録メディアとして認可を受けています。

−−現在は、どのように実用化されているのでしょうか。

田村:ハードディスクの録画番組を引き続き視聴できる機能は、弊社の“REGZA”ブランドのテレビやレコーダに搭載されている他、国内他社メーカーのテレビやレコーダでも搭載されている機種が多くなっています。その他にも、USBやmicroUSBと接続することができるカードリーダーがありますので、弊社の”REGZA”の場合、家でSeeQVault対応microSDメモリカードに記録した番組を、タブレットやスマートフォンを使って家の外でも見ることができます。なお、iPhoneやiPadに接続できるLightning端子付のカードリーダーも近日(10月22日)に登場します。

中川知美:現在、映像のコンテンツを視聴するメディアとして主流なのはDVDやBlu-rayですよね。ですが、今そもそも外でDVDやBlu-rayを再生できる機器を持っている人が減ってきていますよね。

−−たしかに、私のパソコンにもDVDドライブは付いていませんし、映像は移動中にスマートフォンで見ることが多いですね。

中川:このSeeQVault対応microSDメモリカードの場合は、microUSBの付いたカードリーダを使ってスマートフォンやタブレットに繋げることができるので、自宅だけではなく外出中にもコンテンツを楽しむことができます。

−−今回のハッカソンでは、どんなものが生まれたら良いなと思いますか?

田村:このSeeQVault対応microSDメモリカードには1枚ずつ異なるIDを付けていて、映像の再生回数や再生期間、コピーできる回数などを設定することもできます。なので、録画したテレビ番組を外で視聴するのみならず、あらかじめコンテンツを記録して販売したり、プロモーションとして無料で配布する時にも使用できると思います。

−−細かな設定によって幅広い使い方が考えられそうですね。

中川:コンテンツを視聴するのにIDが必要になるので、複製したり偽造したりしても正しいIDがないと再生できなくなります。結果、海賊版がなくなり、コンテンツ業界にとっては、もともとのコンテンツを正規のルートで販売することが可能になればというのが私達の願いです。それに、今、映像コンテンツを見る方法として主流なのは、ダウンロードやストリーミングです。ですが、スマートフォン本体へのダウンロードは容量に制限がありますし、ストリーミングは通信状況が悪いと途中で止まったりスムーズに見ることができません。なので、今後はダウンロードやストリーミングとのコラボレーションを進めていきたいと思っています。イベントでの使用ですと、例えば、コピーできないという特性を活かして、限定数の映像コンテンツ入りSeeQVault対応microSDメモリカードを作り、そのコンテンツを入手するためのイベントを開催すれば、イベントの集客力向上やイベントにプレミア感を付けることにも寄与できるのではと考えています。

−−このカードリーダのデザインを工夫すれば、グッズにもできそうですよね。

中川:ちょうど、今それを考えているところです。ツアーごとにデザインを変えることで、コレクションしたくなるようなグッズにできればと思っています。例えば、キオスク端末をライブ会場に設置し、特定のSeeQVault対応microSDメモリカードを持っている人だけが限定映像や限定写真をダウンロードできるようにすることもできるのではと考えています。

−−プリントされた写真だと変色したり、折れ曲がってしまったり、綺麗なまま保存しづらいので、データでプレゼントされるのは良いアイディアですね。

中川: ID管理ができるという特性を活かして抽選することも可能ですね。例えば特定のIDの人だけに、サイン入りの写真をプレゼントしたり。

−−このSeeQVault対応microSDメモリカード自体をファンクラブの会員証にしても良いかもしれませんね。色々、使い道が考えられそうで楽しみです。

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