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リー・フィールズ 初来日記念特集~“再発見”されたソウル/ファンク界の生きる伝説&来日公演に向けてのコメントが到着!

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 キャリア40年以上を誇るソウル/ファンク界の“生きる伝説”であり、90年代以降のディープ・ファンク・ムーヴメントやレア・グルーヴの潮流で世界的ブレイクを果たした“リトルJB”ことリー・フィールズの初来日公演が決定した。シーンの変遷に流されずジェームス・ブラウン直系の“ドス黒い”ファンク・ミュージックを歌い続けるフィールズの半生を辿る。

 1951年、アメリカ・ノースカロライナ州生まれのリー・フィールズ。世の中にジェームス・ブラウン旋風が吹き荒れ[ファンク]という言葉が誕生し、その土台が築かれた1960年代の終わり頃、フィールズは当時数多く登場したJBフォロワーの一人として音楽活動をスタートさせた。出身地であり活動拠点となったノースカロライナ州は、ファンク・ミュージック界の重要人物を多数生み出した場所としても知られている。なかでも代表的なのはジェームス・ブラウンのホーン隊=J.B.’sやPファンクでの活躍で知られるメイシオ・パーカー。そして、Pファンクの生みの親、ジョージ・クリントンもノースカロライナの生まれだ(育ちはニュージャージー)。彼らよりひと世代ほど後輩にあたるフィールズは、多くのライバルのなかでも、ひときわ歌声や立ち振る舞いなどがジェームス・ブラウンに似ていることから、界隈では“リトルJB”とのニックネームで親しまれていた。決して派手なヒット曲があったり、世界的な知名度を誇るシンガーというわけではなかったが、音楽シーンの流行の変遷にとらわれず、JB直系の“ドス黒い”ファンクをローカルシーンで地道に歌い続けていた。

CD
▲『Let’s Talk It Over』

 そんな彼に最初の大きなスポットライトが当たったのは、なんとシングルデビューから30年もの月日が過ぎてからのことだった。きっかけは、90年代以降に訪れた世界的ディープ・ファンク・ムーヴメントやレア・グルーヴの潮流。これにより、彼もまた数多くの知られざる名手や名盤同様、シーンの最先端をいくDJやヒップホップ系のアーティストたちによって発掘~再評価を受けるようになっていった。なかでも79年に発表した1stアルバム『Let’s Talk It Over』は“幻のレア名盤”として今も人気を(のちにリイシュー)誇っており、それらの盤と、誰が聴いてもJBを彷彿するであろう歌声とパフォーマンスをバリバリの現役シンガーとして続けていることで“真のJB後継者”として注目を浴びるようになる。このムーヴメントを追い風に、フィールズは2001年に『PROBLEMS』をリリース。これが傑作ディープ・ファンク・アルバム と賞賛され、ニューヨークの新進気鋭ソウル&ファンク・レーベルTruth & Soul Records(T&S)と契約。以降、精力的に新曲を発表するようになっていく。

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▲『MY WORLD』

 何曲かのシングルのリリースを経て2009 年にアルバム『MY WORLD』を発表。プロデュースを担当したのはアロー・ブラックを世に送り出したことでシーンの注目を集めたジェフ・シルヴァーマン&レオン・ミシェルズ率いるT&Sプロダクション・チーム。彼らの作り出すレトロ&モダンなサウンドは、クラブ界隈のDJたちのウケもよく、シングルとして発表し話題となった「Do You Love Me (Like You Say You Do)」を筆頭に、“現在進行形”のサウンドに“本物”の歌声と魂(ソウル)を吹き込んだ楽曲で世界中の新旧リスナーの心を揺さぶった。



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▲『Emma Jean』

 以降、2012年に『Faithful Man』、2014年には亡き母の名前を冠した『Emma Jean』とコンスタントに新作を発表し、“ヴィンテージ・ソウル”“ネオ・ソウル”といったシーンにガッチリと地盤を固めていった。ちなみに、フィールズの再評価以降の活動を語る上で、彼のバックでそのグルーヴを支えているT&Sの看板バンド、ジ・エクスプレッションズの存在も忘れてはならない。JB直系の“ドス黒さ”もありながら、コンパクトで洗練された彼らの演奏は、フィールズの新作がリリースされるたびにファンの間で話題に。それゆえアルバムの中にもインスト曲が数曲収録されているが、2014年『Emma Jean』のリリース後には同アルバム丸ごと“インスト・バージョン”も発表されている。

  オリジナル曲はもちろん、J.J.ケイルのカバーなどの意外性も話題となり、ついにレーベルを代表するアーティストとしてキャリア史上最高の注目を集めるようになったフィールズ。さらに、2014年8月に全米公開されたジェイムス・ブラウンの伝記映画『ジェームス・ブラウン~最高の魂(ソウル)を持つ男~』(日本公開:2015年)で歌の吹き替えを担当したことにより、“リトルJB”の名はさらに世界的に広まることになる。とはいっても、日本での注目度はやはりジル・スコットやラルフ・トレスヴァントなどのキャストや音楽製作総指揮を務めたミック・ジャガーなどが上だったため、JB役の“歌声の主”というのを知らずに映画を観た人も多いかもしれない。すでにDVD化されているので、これを機にもう一度映画を見直してみるのもいいだろう。



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▲『Special Night』

 そして今回、初来日の知らせとともに飛び込んで来たのが、2年ぶりの新作『Special Night』のリリースだ。もちろん今回もジ・エクスプレッションズとともにレコーディングを敢行。すでに公開されているメロウなタイトル曲や、疾走感&グルーヴ感ががたまらないファンキー・チューン「Make The World」を聴けば、新作も、そして来日公演への期待もおのずと高まってくる。

 こうして改めて彼のキャリアを辿ってみると、フィールズがレトロ&モダン~“古くて新しい”レジェンドという稀有な存在であることを改めて痛感させられる。なかでも“再発見”以後、つまりは50歳を過ぎてからローカルシーンを飛び出し、世界的な注目を集めるというキャリアを描いたアーティストは、長い音楽史においても本当に数少ないだろう。キャリア40年超にしてようやく実現した来日公演では、貫禄あふれる歌声はもちろん、シーンを生き抜きチャンスをつかみ取ったエネルギーと魂(ソウル)を存分に体感させてくれるだろう。



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リー・フィールズ&ジ・エクスプレッションズ「スペシャル・ナイト」

スペシャル・ナイト

2016/11/16 RELEASE
PCD-24568 ¥ 2,640(税込)

詳細・購入はこちら

Disc01
  1. 01.Special Night
  2. 02.I’m Coming Home
  3. 03.Work To Do
  4. 04.Never Be Another You
  5. 05.Lover Man
  6. 06.Make The World
  7. 07.Let Him In
  8. 08.How I Like It
  9. 09.Where Is The Love
  10. 10.Precious Love

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