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わーすた『完全なるアイドル』インタビュー
iDOL Street発、第4弾グループとして今年5月にメジャーデビューした5人組アイドル わーすた。ハイレベルなビジュアルとパフォーマンス力を併せ持ち、結成から1年半、その勢いは留まるところを知らずアイドルファンや関係者から絶賛され続けている彼女たちに、“わーるどすたんだーど”を目指すというその真意について訊いた。
<わーすたに選ばれた嬉しさと少人数ならではの絆>
▲YouTube「わーすた / ぱわわわわん!!! パワーパフ ガールズ【公式ダンスミュージック】OA Ver.」
--ビルボードでは昨年春の結成当初から取材してきましたが、あれからもう1年半が経ちました。
廣川奈々聖:あの頃がすっごい前に感じるくらい、濃い1年半だったと思っています。アイドルとして、わーすたとして充実していて、信じられないくらい夢のような世界に舞い込んだなって(笑)。 小玉梨々華:びっくりするくらい色んな経験、体験をさせていただいたから早く感じられたんだと思います。 松田美里:今年の5月にメジャーデビューさせてもらったんですけど、それすらも1?2年前のような感覚です。夏にはイベントもたくさん出させていただきましたし、先日も【東京ゲームショウ2016】のオフィシャルサポーターに就任させていただいたり……。結成が決まって喜んで「これからどうなるんだろう♪」ってウキウキのほほんと考えていた過去の自分が、本当に甘いなあって(笑)。 坂元葉月:『パワーパフ ガールズ』の公式ダンスミュージックもやらせていただいたりとか、この短期間でこんなに色んなことが起きると思っていなかったですし、普通の女子高生だったらできない体験をたくさんやらせていただいているので、わーすたに選ばれて良かったなって!--坂元さんはiDOL Streetのストリート生という、いわゆる候補生時代が長かっただけに、その喜びは一入だったのでは?
坂元葉月:先輩たちがグループを結成していく、デビューしていくのをずっと見てきたから、最初わーすたに選ばれた時は「期間限定グループなのかな?」って思っちゃったくらいなんです(笑)。自分がまさかメジャーデビューするグループに選ばれるなんて思っていなかったですし、スト生のころには考えられないくらいたくさんのイベントに出させていただいて、「たった数か月でこんなにも変わるものなんだ!」って……。1年半前の自分では考えられなかった出来事が一気に押し寄せてきたので、今は嬉しい気持ちがいっぱいで感謝しています!
▲左から松田美里、三品瑠香、廣川奈々聖、小玉梨々華、坂元葉月
--また、わーすたは先輩グループとくらべて5人と少人数なチームになっています。
三品瑠香:メンバーの多いグループだと、推しを変えても正味バレないと思うんですよ!(笑) でも5人だと個別握手会の時とか、他の子に並んだらすぐにわかって把握しやすい! 小玉梨々華:やっぱりメンバーが少ない方がひとつになりやすいと思うので、グループとしてちゃんとに進んでいこうって気持ちになれるんですよね。 松田美里:オフの時も5人で映画を観に行ったり、お泊りしたりとか、全員で一緒に行動していることが多いんですよ。大人数だと集まることがまず大変だと思いますし、少人数ならではのチームの絆が生まれますね。<いつかは世界中の人に伝わるような歌がうたえるように>
--また、皆さんは“わーるどすたんだーど”を名乗るだけあって、それぞれ語学も勉強しています。
松田美里:先日3か月連続で上海、シンガポール、台湾とアジアでライブさせてもらったんですけど、私は中国語を担当しているのでがんばろうと思ってたんです。でも、実際に行ってみると各国の方々が日本語を勉強してくださっていて、すごく応援してくれてるとわかったんです。お互いに理解し合おうとしている気持ちになれて嬉しくって、また行きたいって心から思いました! 廣川奈々聖:最初に“わーるどすたんだーど=わーすた”と聞いた時は「大きすぎるし、そんなことを言っていいのかな……」って思っちゃうくらいでした。もちろん日本の方に知ってもらうことが一番ですけど、今年海外に行かせていただいて、こんなに興味を持ってくれてがんばって日本語を勉強してくれているんだなって思ったら、そんな方々のためにも世界標準にならなきゃいけないんだなって。 小玉梨々華:YouTubeにあがっているミュージックビデオやライブの映像のコメント欄を見ると外国語のコメントもたくさんあって、前よりも増えてきている気がするんです。世界標準になるために、ちょっとずつなんですけど進歩できてるんじゃないかなって思います。--また、世界を狙うとなると歌唱力やダンス力など高いパフォーマンススキルも求められます。
三品瑠香:“わーるどすたんだーど”なんて、恥ずかしいくらい大きすぎる目標ですし、今はまだ全然遠いと思います。でも音楽は世界中で共通のものなので、いつかは世界中の人に伝わるような歌がうたえるようになりたいですね。--わーすたはアーティスト志向が強いメンバーとアイドル性が高いメンバーに分かれていると思っていて、三品さんは前者だと思うんですよ。
三品瑠香:たしかに元々、アイドルにはあんまり興味が無かったです……(笑)。でも、ストリート生を続ける中でステージに立つことが嬉しいって気づいて、たくさんの方に「曲が好き」 「歌が好き」って言っていただけるのも他では無いことだと思うので、自分の歌で楽しんでもらえていることが幸せです。--それで言うと、小玉さんもアーティスト志向……?
小玉梨々華:……わかりますぅ? 松田美里:何で偉そうなの?(笑) 小玉梨々華:いや、そう言っていただけたことにビックリしちゃって!(笑) 私は元々芸能スクールのような所に通っていて、演技や歌、ダンスのレッスンをしていたんですけど、その頃はアーティストさんの曲を聴いて練習していたんですよ。iDOL Streetに入ってからアイドルに触れる機会が多くなったので、どちらかというとアーティストさんの方が聴いていると思います。 松田美里:わーすたは年下のふたりがアーティストっぽいんです(笑)。リリース情報
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Interviewer&Photo:杉岡祐樹
<自分の素が許される場所がアイドル、わーすたは幸せな空間>
--そんな松田さんはたしかにアイドル寄り……
松田美里:わかりますぅ?(笑)--「待ってました!」じゃないですよ(笑)。
松田美里:私はアイドルになりたくてiDOL Streetのオーディションを受けたんですけど、元々は友だちがアイドルになったのがきっかけなんです。地元 広島に住んでいたころ、ダンススクールでヒップホップとかフリースタイルのダンスをやっていたんですけど、その友だちがアイドルになったのを見たら突然「私もアイドルをやりたい!」っていう気持ちが爆発して。--啓示を受けたんですね(笑)。
松田美里:私は昔からぶりっ子だってよく言われていたんですけど、自分ではしているつもりが本当に無いので、最初はそう言われるのが嫌で家で泣いたりしたこともあったんです。でも、“しているつもりがない”ってことはそれが私の素っていうことじゃないですか。その素が許される場所を見つけたと思ったんです、アイドルに。だから今は思う存分、素のまま、ぶりっ子のままアイドルをできているので、なって良かったなって思ってます!--ちなみにそのきっかけになった同級生のアイドルというのは?
松田美里:乃木坂46の和田まあやちゃんです。地元も通っていたダンススクールでのクラスも一緒で、今でも時々会うし、毎年実家に帰るとお鍋パーティをしてます!--そしてアイドル系といえば廣川さんも……、ん?
廣川奈々聖:……わかりますぅ?(笑)--皆さん言うんですね(笑)。
廣川奈々聖:私も昔からダンスを習っていて、歌うことも好きだったので、それを活かせないかと思ってオーディションを受けたんですけど、私、本当に地声がかわいくないんですよ(笑)。昔は男性アーティストさんの曲ばっかり歌っていたんですけど、声が低くて……。今も無理にアイドルらしくしていることもないんですけど、瑠香とは対照的って言ってもらえますし、やりやすいのでそれでいいのかなって。--でも、昨年HKT48の指原さんから絶賛されたくらいのアイドル性ですから。……えっと、坂元さんも、言います?
坂元葉月:私は言わない方向で行きます。--ただ、実は坂元さんに関してはちょっと別の立ち位置だと思ってまして……
坂元葉月:わかりますぅ?--結局言う(笑)。坂元さんはどちらかというとアイドルらしい性格では無さそうですね。
坂元葉月:たしかにアイドルアイドルしてるかって言われればそうでもないかもしれないですね。かわいいものとかぬいぐるみとか好きなんですけど、性格がアイドルっぽいかって言われたらそうではないですし、かといってアーティストっぽくもないんですけど……(笑)。 小玉梨々華:はーちんははーちんというか、すごく楽しんでやってる気がする。 坂元葉月:「楽しければいい」っていう人なんです。スト生をやっていた時も、インタビューやファンの方から「何でそんなに続けてられるの?」「オーディションに落ちて悔しいって気持ちはないの?」って訊かれることが多かったんですよ。もちろんその日は悔しいんですけど、寝て起きたら忘れてる(笑)。辞めようかなって思ったこともあったんですけど、ステージに上がることは楽しいから続けてたら、わーすたに選んでもらえてずっとステージに立っていられている。ふたりの歌が本当に大好きですし、音楽があって幸せな空間の中で踊れて、ファンも観てくれて、煽ったら応えてくれる。パフォーマンスをしている時間が活動の中で一番好きかもしれないです。
<女性クリエイターが集う わーすたの見据える理想像>
▲YouTube「わーすた / 完全なるアイドル MUSIC VIDEO Short Ver. (The World Standard / The Perfect Idol)」
--また、わーすたはサウンドプロデューサー 鈴木まなかさんをはじめ、クリエイター陣に女性が揃っているのも特徴です。
松田美里:一緒に作ってくださっているのが女性の方ばっかりだから、色んなことを話しやすいですし、ひとつの作品を作りやすい環境だと思います。わーすたとしてステップアップしていきやすい、メンバー同士がやりやすい状況を作ってくださっているのはありがたいですね。 廣川奈々聖:私はきゃりーぱみゅぱみゅさんが表現していたようなかわいさとアイドルが合体した世界観っていう理想のアイドル像があって、女性の方がたくさんわーすたに関わってくれることで、よりそこに近づけていると思います。それに鈴木まなかさんのことは本当にすごくすごく信頼していて、作ってくれる音楽はまなかさんにしか出せない世界観だし、それを精一杯表現できるのは幸せです。
松田美里:女の子が考える世界って夢があるというか、キラキラしている感じがするんですよね。男性から見るかわいいってこういう猫耳だったり萌えだったりすると思うんですけど、男性スタッフさんも女性クリエイターの皆さんと作っていくことを推してくださっているので、皆さんから「わーすたのかわいいを世界に発信していこう」っていう思いを感じます。--今回リリースしたシングル『完全なるアイドル』って、タイトルからして“わーすた”級に挑戦的なところがあり、歌詞も“猫耳しんどい”など攻めた内容になっています。
廣川奈々聖:1stシングルとしては言い過ぎなんじゃないのかな……? と最初は思ってたんですよ。でも、実際にやってみたら衣装もかわいいし曲もかっこいいので、後は私たちの表現次第だなって! 三品瑠香:鈴木まなかさんが作ってくださる曲は、毎回歌のハードルが上がるので必死なんですけど、そんな歌をかっこいいって言ってもらえるのは嬉しいですね。 小玉梨々華:すべてまなかさんが作ってくださっているからか、曲の世界観がバラバラなようでちゃんと統一感があるんですよね。だから安心して歌って踊れます。--今、わーすたのライブやイベントは女性客がどんどん増えてきてますよね。同性からも評価されるのは、男女問わずアイドルが売れるためには絶対に必要な要素だと思います。
小玉梨々華:それはメンバーからしても本当に嬉しくて、女子クリエイターさんと一緒に女子のかわいいを発信して、それが女の子からも受け入れてもらえるのは目指していたものに近づいているというか。男女関わらず好きになってもらえるのはすごく嬉しいことなので、誰からも愛されるアイドルになりたいって思います。リリース情報
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Interviewer&Photo:杉岡祐樹
<ぶっ飛んでる歌詞から魅せる曲まで、表現の振り幅がわーすたの魅力>
--「完全なるアイドル」の歌詞には意味深なものも多いですが、“神のみぞ知る支配者( - Dragon boy - )”ってプロデューサーの樋口竜雄さんのことですか?
5人:そうです(笑)。
小玉梨々華:最初はぶっ飛んでるって思うかもしれないんですけど、この曲に限らずひとつひとつの歌詞に意味があって、歌詞を見ながら何回も聴いて理解していくと深い意味に気づけたりするんですよ。 松田美里:最近、Twitterで“わーすた”とかエゴサするんですけど、“『うるとらみらくるくるふぁいなるアルティメットチョコびーむ』って恋愛の曲なんだ!”っていうツイートを良く見るんですよ。それが嬉しくて、「やっと気づいてくれたか!」って(笑)。 廣川奈々聖:「うるチョコ」とか「いぬねこ。青春真っ盛り」みたいに盛り上がる曲がフィーチャーされがちですし、それをきっかけにわーすたを知っていただけるのはすごく嬉しいんですけど、他にももっともっと良い曲があるんだよって深く知ってもらえるくらい魅力を出していきたいと思ってます。--40歳前後の僕と同じくらいの年齢の人たちからは、「らんらん・時代」とか「ちいさな ちいさな」のような曲が人気だったりしますね。
三品瑠香:そういう良い曲はワンマンなど披露する機会が限られてきてしまうので、そこまで知ってもらいたい、他の曲も聴いてもらいたいっていう思いはありますね。 小玉梨々華:イベントやフェスだとみんなで盛り上がることを重視したセットリストになるので、魅せる曲とかかっこいい曲ってたまにしかやれなかったりするんですよ。 松田美里:そういう所で「うるチョコ」とか「いぬねこ」を歌って興味を持ってもらった所から、ワンマンに来てもらうためにはどうすればいいかとか、最近すごい考えます。 廣川奈々聖:曲や表現の振り幅もわーすたの魅力だと思っていて、「完全なるアイドル」が新しく増えたことによってまた幅が広がったと思うんですよ。そこはこれからも全面的に、リーダーとしても出していきたいって思います!<松田美里が挙げるわーすたの良い所と猫耳を捨てて走り出したい時>
▲YouTube「わーすた / らんらん・時代 LIVE Ver.(The World Standard / Lan Lan Era)」
--ただ、時代はそれこそ「完全なるアイドル」で歌われているように、“アイドル多すぎ”な状況で、抜きん出ることは本当に難しい。
松田美里:わーすたの良い所を2つ挙げるとするのなら、ライブと仲の良さです! 私は「このアイドルさんは仲が良いんだな」って思えないと好きにならないんです。仲が良いからこそ出るライブの雰囲気もあると思いますし、すべてに繋がってくると思う。こうして今取材させていただいていてもなぜだか笑っていて楽しそうな感じを(笑)、親目線で見て下さるファンの方もいらっしゃいますし、それはメンバー全員が居心地が良いからこそ出せるものだと思っています。 廣川奈々聖:メンバー同士が仲良くて家族みたいだから、ファンの方も家族みたいな心の近さになるというか。やっぱりツラいことがあっても笑っていなければいけないのがアイドルじゃないですか。でも、わーすたはそういう時でも自然に笑えるグループなんです。わーすたオフィシャル動画番組「わ→Tube2016」では楽屋の映像とかを見ていただいているんですけど、内側まで見て好きになってくれるファンの方って本当に心強い。昔から支えてくれていたからこそ今があるわけですし、新規のファンの方もついてくれるわけですよね。だから、本当に感謝です。幸せです! 三品瑠香:もちろん何が売れるかわからないから、このままやっていてだいじょうぶなのか、心配になる時もあるんですよ。でも、今は曲に毎回インパクトがあって注目してもらえているので、この勢いのままもっともっと広めていきたいなって! 同じくらいの状況のアイドルさんたちはたくさんいるから、途中で止まってしまうと終わってしまうような気がする。少しでも前に出なきゃっていう気持ちでいっぱいです。 小玉梨々華:わーすたの世界観を大切に、この衣装とか曲とかを全部大事にして、ブレずにやっていきたいって思っています。 坂元葉月:奈々聖も言ってたんですけど、やっぱり仲の良さって大事だと思うし、Twitterとかでも本当に飾らず、素のままの自分でいるので、裏表なくみんなと仲良くなれるのは本当に良い所だと思います。
--最後に訊くのも何ですが、「完全なるアイドル」に“女の子には、猫耳を捨てて走り出したい時がある。”という歌詞がありますけど、それってどんな時?
▲左から松田美里、三品瑠香、廣川奈々聖、小玉梨々華、坂元葉月
--本当にみんな“猫耳しんどい”なんですね(笑)。
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Interviewer&Photo:杉岡祐樹
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