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レトロ・ソウルの最注目シンガー、リオン・ブリッジズ初来日インタビュー

レトロ・ソウルの最注目シンガー、リオン・ブリッジズ初来日インタビュー

 2015年のSXSWにて最もパフォーマンスが評価されたアーティストに送られるGrulke賞受賞、2016年の第58回グラミー賞 最優秀R&Bアルバム部門にデビュー・アルバム『カミング・ホーム』がノミネートされるなど、アメリカやヨーロッパのソウル・ファンの間でも話題沸騰中のレトロ・ソウル最注目シンガー“リオン・ブリッジズ”。そんな彼がフジロック出演のために初来日した。Billboard JAPANでは、その出演翌日にインタビュー。2014年秋のデビューからたった2年でグラミー賞にノミネートされるという、まさに大注目なニュー・ヒーローが魅せる懐かしくも新たなスタイルとは? 甘い歌声、クラシックなソウル・マナーに忠実に、クールにスーツを着こなすスタイル…、声、容姿ともにパーフェクトなスター性を備えた注目の27歳に迫った。

ある時期に「ダンサーから歌手に移らなきゃ」と思ったんだ。


▲リオン・ブリッジズ

――初来日でフジロック初出演でしたが、どうでしたか?

リオン・ブリッジズ: 最高だったし、とっても気に入ったよ。衝撃を受けたというか、本当に興奮したね。初来日であんなに大勢の人達の前でパフォーマンスできて嬉しかったし、みんなも楽しんでくれたように見えたよ。

――プライベートでも日本には来たことがなかった?

リオン・ブリッジズ:そうなんだ。これがプライベートだったらよかったな~なんてね(笑)。

――日本の印象は?

リオン・ブリッジズ: とても親切な人が多いし、色んなものや場所を見たけど、日本は美しくてユニークだと思うね。

FUJI ROCK
left left left 

――元はダンサー志望だったそうですが、音楽を始めたきっかけは?

リオン・ブリッジズ: ある時期に「ダンサーから歌手に移らなきゃ」と思ったんだよ。このままダンサーを続けていっても将来のキャリアとして難しいんじゃないかっていう壁にぶち当たったんだ。

その時は大学でダンスの授業も受けてたんだけど、母を手伝うために仕事を掛け持ちしなくちゃいけなくなって、授業を受けるのを辞めたんだ。だからその後は、ギターを弾いて歌うことくらいしかできなくて。でも、そっちの方が自分でもすぐ出来ることだったし、オープン・マイクに行けば自分の曲を歌えることもできた。だからダンサーになるよりも歌手になろうと思ったんだ。

――オープン・マイクで歌い始めてからは、プロのダンサーを目指すことを辞めたんですか?

リオン・ブリッジズ: そうだね、歌い始めてからは、あまりダンスの練習もしなくなったし、授業も受けなくなったからね。ただ音楽をやりながら働いてたってかんじだったかな。

――なぜ50、60年代のレトロ・ソウルを参考にしたスタイルなのでしょうか?影響を受けたアーティストはいますか?

リオン・ブリッジズ: この時代にこうゆうスタイルの音楽をやろうと思ったのは、ラファエル・サディークとかの音楽にインスパイアされたからってこともあるかな。もともとR&Bが好きで、特に50、60年代の頃のR&Bのスタイルやフォームがとても魅力的だと思ってたんだ。でも、何で今の時代に、ブラック・ミュージックのカテゴリーの中でこういう音楽をやってる人がいないのか疑問に思ったんだよ。それをきっかけに、自分がこの伝統的な音楽を受け継いで、自分のスタイルで音楽を作りたいと思ったんだ。

▲Leon Bridges - Coming Home


――ラファエル・サディークという名前が出てきましたが、自分もラファエルのように色々なジャンルの音楽をやっていくアーティストになると思いますか?

リオン・ブリッジズ: まだ具体的にはわかんないんだけど、今はソウルをやってる自分しか考えられないかも。でもコンピレーションとかでコラボして、自分はビートに合わせて歌うっていうこともやりたいと思ってるよ。ナインス・ワンダーとかフライング・ロータスとかも好きだから彼らとも一緒にやってみたいとは思ってるよ。でも今はこのソウルっていう路の上にいるから、もしかしたら自分の楽しみとしてカントリーとかゴスペルのレコードを出したりするかもね。今は、自分が乗ってるこの線路に沿ってやっていこうと思ってるよ。


――アッシャーやジニュワインのファンともお聞きしましたが?

リオン・ブリッジズ:彼らの音楽ってすごくいいよね。彼らのような音楽が出来る人って他にいないんじゃないかな。歌もすごくいいしね。ラジオでかかってる曲なんかはかかさず聞くよ。

――彼らのダンスもチェックしてます?

リオン・ブリッジズ: もちろんだよ。彼らはダンサーでもあるからね。次のMVではどんなダンスをするのか?とか。自分のMVの参考にもなるからいつもチェックするようにしてるね。

――ブレイクのきっかけとなったアルバム『カミング・ホーム』ですが、ヴィンテージ機材でライブ・レコーディングをしたと聞きました。なぜ最新機材が揃う現代で、あえてヴィンテージで収録したのでしょう?

リオン・ブリッジズ: 一緒にアルバムを作ったプロデューサーたちが、そのヴィンテージ機材を持っていてね。面白い話なんだけど、そのプロデューサーたちは僕と会う前から、その機材を使って歌ってくれるソウル・シンガーを探してたみたいで、もし見つからなかったら自分たちからそういうシンガーを探しに行こうと思ってたんだって。そしたら偶然にも僕がそこでアルバムを作ることになってね。それで、そのヴィンテージ機材を使ってライブ・レコーディングしたんだ。今の時代、ヴィンテージ風の音を作り出す機材もあるけど、そのサウンドはやっぱり同じではないんだよ。

▲Leon Bridges - Smooth Sailin'


――ホワイト・デニムのアーティストとも一緒にアルバムを作ったようですが、もともとホワイト・デニムのことを知っていましたか?

リオン・ブリッジズ: これも面白いんだけど、レコーディングに参加する前は、ホワイト・デニムのことを全く知らなかったんだ。聴いたこともなかったね(笑)。でもたまたま彼らがオースティンでショーをしていて。たぶんあれは彼らと実際に会う1週間前とかだったかな。みんなで彼らのショーを見てて、誰なんだろうこの人たち?って思って、すぐにネットで調べたよ。(笑)

――そうなんですね(笑)レコーディングはどうでしたか?

リオン・ブリッジズ: レコーディングは上手くいったよ。すぐに意気投合したね。スタジオに入る前はとても緊張したけど、すぐにリラックスした雰囲気になって、「この曲はこういう意味だからこういう風にしよう」っていう感じで、テープマシーンをオンにして、歌って曲を収録していったよ。

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