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メロン記念日 『MELON’S NOT DEAD』 インタビュー

メロン記念日 『MELON’S NOT DEAD』 インタビュー

 楽器を持たない至高のロックバンド メロン記念日。と言われてもピンと来ない人は多いかもしれないが、今の彼女たちはアイドルグループの常識を覆し、BEAT CRUSADERS、ニューロティカ、ミドリ、THE COLLECTORS、GOING UNDER GROUNDといったロックシーンのビッグネームたちとコラボレーションを次々と実現。その“ロック化計画”の集大成と言えるアルバム『MELON'S NOT DEAD』がここに完成した。どのようなストーリーと意志のもと、彼女たちはロックに成り得たのか、4人が語る。

ロック化計画の集大成=人との繋がりの集大成

--紙資料にも“楽器を持たない至高のロックバンド”とありますが、そもそもデビュー当時から4人の中では「ロックでありたい」とか「ロックをやりたい」という意識はあったんでしょうか? それともいつの間にかロックに魅了され、自らもロックになっていった感じなんでしょうか?

インタビュー写真

斉藤瞳:デビュー当時はロック路線っていうのは全く意識していなかったです。最初は何も分からなかったので、どういう楽曲が私たちに合っているのかも分からなかったし、ハロー!プロジェクトのユニットとしてデビューしてますから、ロックはやっぱり遠い存在だったんですよね。でも『This is 運命』という曲をもらってから、周りが「メロン記念日ってロックが似合うんじゃない」って言い始めて、それがロック路線になっていくキッカケになったんだと思います。

村田めぐみ:あと、ずっと「メロン記念日単独のライブをやりたい」って言ってまして、それが叶ったのがデビューから2年ぐらい経ったときで。ファンの気持ちも「早くメロン記念日単独のライブを観たい」って高まりきっていたんですよ。それで単独ライブの会場でダイブやモッシュが起きたりして。それを目の当たりにしたのも大きかったと思います。「これはロックだ!」って思えたんですよね。

--1stコンサートからモッシュやダイブが起きるって、アイドルとしては今も昔もあり得ない状況ですよね。

柴田あゆみ:そうですね。しかもその日は東京に初雪が降りまして。今、思えばメロン記念日の前途多難だなって(笑)。でも初ライブということで自分たちに余裕がなくて、あらかじめ決めておいた挨拶用の台本とかあったんですけど、それを「一語一句間違えないように言わなきゃ」みたいな感じとかになっちゃって、すごく緊張してたんですよ。そんな中、お客さんは各々盛り上がってて、お客さんの目線と私たちの目線が一緒になったりして。みんなダイブしてるから。なので今振り返ると、あの日はとんでもない1日でしたね。

--そこからロックに対する覚醒っていうのは始まっていくの?

インタビュー写真

斉藤瞳:いや、そのライブにおけるダイブとかが危険っていうことで「ダイブはやめましょう」っていう呼びかけをするようになって、頂いた楽曲とかもまたロックからは外れたんですよね。バラードとかが続いたので、そのタイミングで自然とロック路線にはならなくて。でも「メロンのライブはロックっぽさを追求した方がいいんじゃないか」とか「メロンにはロックの楽曲を与えた方がいいんじゃないか」とか、そういう意見が周りからたくさん出てきたんですよ。それで「私たちにはロックが似合ってるのか」って知っていった気がします。

--それから徐々に自らもロックに魅了されていった感じなの?

大谷雅恵:ロック好きになりましたね。昔は洋楽ばっかり聴いていて、なかなか日本のバンドさんを聴けてなかったんです。多すぎてどこから入っていいのか分かんなかったんですよ。でもお仕事を一緒にさせて頂くようになって、ビークル(BEAT CRUSADERS)さんと一緒にイベントをやったのが最初なんですけど「すごく良いキッカケをもらったな」って。ビークルさんの曲はポップなのもあって聴き易いじゃないですか。なので入り口がまず良かったんですよね。最初ロックって言うと、重くてキィキィ言ってるイメージだったんですよ(笑)。でもバンドさんによって全然色が違って「幅広いんだぁ」っていうのを分かってからは、もうロックばっかり聴くようになりましたね。

柴田あゆみ:だからビークルさんやいろんなバンドさんと出逢えたのは本当に有り難いです。ロックの楽曲を頂いて、それを私たちらしく歌えるのも嬉しいですし、たくさんの人と出会えて、ここまで素敵な楽曲たちを作って頂いたっていう過程がおいしいなって。10年やってきて振り返ってみると、やっぱりそういう人と人との繋がりっていうのは、メロン記念日にとっては大きかったと思います。そういう意味では、今回のアルバムはロック化計画の集大成ですけど、これは人との繋がりの集大成とも言えるなって。10周年の区切りに「いろんな人たちに育てて頂きました」って改めて感じさせるアルバムですね。

--大谷さんは……、あ、ごめんなさい! 本当にごめんなさい!

村田めぐみ:よく間違えられるんで大丈夫です。

一同:(爆笑)

村田めぐみ:よく姉妹って言われたりもして。

斉藤瞳:これ、載せておいてください(笑)。

--もう間違えない!村田さんですよ、村田さん。

村田めぐみ:いや、もう一回ぐらい間違えてほしい。

--(笑)。で、今のメロン記念日はそうしたバンドたちと近しい存在になってる訳ですが、今の居場所は非常にしっくり来てる感じですか?

斉藤瞳:いやぁ~、まだ若干……、心地は良いんですよ。ライブハウスの凄まじい密接感でライブできるのはテンション上がるし、私たちには合ってるねって感じてますし。でも実際、バンドマンではないので「楽器を持っていたらどれだけ格好良くできるんだろう?」みたいな、そういうもどかしさがあったりとか。あとはロックに関して知らない部分もまだまだあるので。

大谷雅恵:やっぱりバンドの方って音からちゃんと作っていくじゃないですか。でも私たちは音を作ってもらって歌をうたう立場だから、ヒダカトオル(BEAT CRUSADERSのボーカル&ギター)さんが「こうすると、よりエモい」とかよく言うんですけど、そういう楽器を持っている方の感覚は私にはまだわからないんで。だから「まだまだだな」って感じる。もっと勉強しなきゃなって。

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メロン記念日「MELON’S NOT DEAD」

MELON’S NOT DEAD

2010/02/17 RELEASE
EPCE-5692/3 ¥ 3,240(税込)

詳細・購入はこちら

Disc01
  1. 01.メロン記念日のテーマ (Rock Ver.)
  2. 02.DON’T SAY GOOD-BYE/メロン記念日×BEAT CRUSADERS
  3. 03.ピンチはチャンス バカになろうぜ! (Album Ver.)/メロン記念日×ニューロティカ
  4. 04.sweet suicide summer story/メロン記念日×ミドリ
  5. 05.青春・オン・ザ・ロード/メロン記念日×THE COLLECTORS
  6. 06.メロンティー/メロン記念日×GOING UNDER GROUND
  7. 07.ロマンチックを突き抜けろ!~Break it now~
  8. 08.ALL AROUND ROCK
  9. 09.愛だ!今すぐ ROCK ON!
  10. 10.ALWAYS LOVE YOU/メロン記念日×BEAT CRUSADERS

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