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小室哲哉×BiSH運営(松隈ケンタ&渡辺淳之介)インタビュー
TM NETWORK~trf、globe、安室奈美恵、篠原涼子、華原朋美、鈴木あみなど数えれないほどのトップスターとヒット曲を手掛けてきた稀代の音楽プロデューサー・小室哲哉。そんな雲の上の存在であった小室哲哉とavex松浦社長に憧れ、スタジオのしがない店員からアイドルシーンに伝説を残したBiS、そして現在はBiSHやPOPなど様々なグループを同時進行でプロデュースしている松隈ケンタ&渡辺淳之介。
小室哲哉からBiSHへの楽曲提供を受け、かつては有り得なかった三者対談を実現! 前述したアーティストたちの話もフォーカスしつつ、双方の共通点/相違点も探りつつ、松隈ケンタ&渡辺淳之介が小室哲哉&avex松浦社長のような存在になれるのか? 最終的にジャッジしてもらう歴史的瞬間インタビュー。音楽やエンターテインメントが好きな者であれば必読のエピソード&アドバイスばかりなので、ぜひご覧頂きたい。
BiSH運営の夢「松隈さんが小室哲哉で、僕が松浦社長みたいに」
--何故この3人の対談を実現するに至ったのか? その理由でもある、渡辺さんが小室さんに楽曲提供をオファーした経緯から聞かせて下さい。
渡辺淳之介:僕は元々エイベックスが大好きでして、僕が小学生の頃はそれこそ小室さんの曲しか聴いていないぐらいの感じだったので、もうずっと憧れの存在だったんです。なので、僕の音楽人生の中でいつか小室さんに何かお願いできたらなと思っていて。そしたら、今回エイベックスからBiSHがメジャーデビューすることになって、小室さんと部署が近いということで「この機会にお願いできるかもしれない」というところで、満を持してオファーさせて頂いたという経緯です。 小室哲哉:ただ、ジャンルが違ったんですよね。 渡辺淳之介:そうですね(笑)。BiSHはパンクロックというか…… 小室哲哉:オルタナというか。 松隈ケンタ:僕が元々ロックバンドをやっていたので、それで実はエイベックスさんから一度メジャーデビューさせて頂いているんですけど、ロックばっかりやっている中でアイドルのサウンドプロデュースを始めたので、そういう音楽性だったりするんです。--そんなチームからオファーがあった訳ですけど、小室さんはBiSHというアイドルグループのことは知ってました?
小室哲哉:メジャーデビュー前ということで、そのときは知らなかったです。まだこれからのグループでしょ? 渡辺淳之介:そうですね。--その中で「earth」という楽曲を制作/提供するに至ったのは?
小室哲哉:制作のチームが近かった、というのが一番大きいですかね。これが遠いと僕のところまで届かなかったりもするんですよね。話が途中で止まっちゃったりして。でも今回は間に入っていたチームが近かったからちゃんと届いて「良いんじゃないの?」っていうことですぐ動きました。 渡辺淳之介:ありがとうございます! 小室哲哉:で、音はアレンジですごく変わってるんだけど、でもメロディーは「あ、僕っぽいな」って思ってもらえるというか。--ザッツ小室哲哉でしたね。
小室哲哉:それを上手く生かしてもらっていて良かったなって思いました。--松隈さんからすると、小室哲哉の楽曲をサウンドプロデュースするってプレッシャーもあったと思うんですけど……
▲BiS / survival dAnce ~no no cry more~
--普通はあそこまで派手にアレンジしたら「誰の曲だか分からない」ってなるはずなんですけど、小室さんの曲はどうアレンジしても全然消えないっていう。
▲BiSH/earth
--「earth」の作詞は渡辺さんですが、何を意識して書かれたんでしょう?
渡辺淳之介:僕が青春時代に聴いてきた小室さんの歌詞を……今、BiSHのファンは大学生とかも多いので、その世代にも聴いてもらいたいなと思って……あの……ちょっとずつ変えながら引用させてもらってます。 一同:(笑)--たしかに引用的なフレーズがありましたよね。
▲globe / 「FACE(20th Special Edit Version)」
--当時、globeを聴いていたのも小学生の頃?
渡辺淳之介:小6ぐらい。 小室哲哉:今、業界とかメディアで活躍している人たちって、当時、小中学生だった人がすごく多いですよね。あと、僕がその時代のglobeの歌詞を書いていた頃もちょうど30代だったんですよ。そのときの感覚で若い人たちに向けて書いていたのでね。--ゆえに渡辺さんも今聴いて再発見があったのかもしれないですね。
小室哲哉:もっと昔、渡辺美里さんのプロデュースをしていた人が、僕はまだ当時24歳か25歳ぐらいだったんだけど、「まだわかんないかもしれないけど、10年後に分かるよ」って言われたことがあって。なので、そういう話を聞くと僕はその頃のことを思い出すし、それがずっと繰り返されてるんだなって思います。--繰り返されていると言えば、小室哲哉とエイベックスの出逢い、松隈ケンタと渡辺淳之介の出逢いもリンクするかもしれません。2人は小室さんと松浦社長のような存在を夢見て動き出したんですよね?
渡辺淳之介:そうなんです。僕はとにかく音楽業界に入りたくて、それこそエイベックスもそうですし、片っ端から受けたんですけどどこも決まらなくて。とりあえず音楽に関われる場所で何かしらの足がかりを見つけようと思って、池尻大橋のリハーサルスタジオで働き出したんです。そのときに、そこでバイトをしていた松隈ケンタと出逢ったんですよ。 松隈ケンタ:それまで僕は九州でずっとバンドをやってて、エイベックスからデビューするときにメンバーと一緒に上京したんです。でも3年で活動停止になっちゃったんで「バイトしなきゃ」と思ってスタジオでバイトしてたら、渡辺淳之介と出逢って。で、その頃、僕は作曲家を目指したいと思っていて、店番しながら曲を作ってたんですよ。 渡辺淳之介:その松隈ケンタの曲を聴かせてもらっているうちに「松隈ケンタの楽曲で、僕がプロデュースをして、何かしらやりたい」って思うようになって。で、僕、エイベックスの試験を受けるときに『avex way』っていう本を読みなさいって言われて読んだんですけど、松浦社長と小室さんがダンスカルチャーをメインストリームに上げていく為にタッグを組んだ話がそこには載ってて、それに感化されて「松隈さんが小室哲哉で、僕が松浦社長みたいになれるところまで目指したい」っていう話をいつも飲みながら話していたんです。 松隈ケンタ:まだ何の実績もないのに! 一同:(笑)- 「とにかくトップを目指したい」女の子ばかりが集結した小室ファミリー
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Interviewer:平賀哲雄|Photo:Jumpei Yamada
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