Special
The Sketchbook 『Message』インタビュー
課せられた試練が、3人を大きく成長させた
昨年、アニメ「SKET DANCE」のオーディションから誕生した新星バンド The Sketchbook(ザ・スケッチブック)が初登場! 1300名の応募者の中からファンに選ばれた彼らだが、直後に指定ノルマを超えなければ即解散という試練が。
大人への不信感にも負けず、一回り大きく成長した3人が、新たに「SKET DANCE」オープニングテーマとしてリリースするシングル『Message』について。これまでの経緯を振り返りながら伺ってきました!
下手したら一週間で解散って何!?
--The Sketchbookの結成は、アニメ「SKET DANCE」で開催されたオーディション(※1)がきっかけなんですよね?
多田宏:はい。僕は20歳くらいからギターを始めたんですけど、昨年のオーディションの時からベースに変わったんですよ。主人公のパートがベースボーカルだったので。
小原莉子:私は高校1年生の頃から始めたんですけど、18歳から音楽学校に通うようになって、ちゃんと弾くようになって。
--渡邊さんは家に凄い漫画の棚があるんですよね?
渡邊悠:おぉ、それは最近のブログを読んでくれたんですね!(笑) そうなんですよ、元々好きでハマッていたアニメ「SKET DANCE」のオーディション情報をネットで見つけたので、運命的なモノを感じたんですよ。
--あと、小原さんはこうして話しているとおしとやかな感じなので、ギターを弾いている時とのギャップがありますね。
小原莉子:えー、そうですか!?(笑) 正直、自分の中ではあんまり変化がなくて、弾いてる時は曲に集中していて、そのことしか頭にないんですよ。それが欠点でもあるんですけど、ギターを弾いてる時が本当の自分なのかなって思いますね。
渡邊悠:でも、莉子ちゃんは普段から色んなことに対して頑固で、僕らは“ラストサムライウーマン”って呼んでるんです(笑)。ギターを侍の刀のように、絶対に手放さないんですよ! 店で店員さんから「楽器をお預かり致しましょうか?」って声をかけてくれても、絶対に渡さない。そういう信念のようなものが、ギターにしても音楽にしてもあると感じてます。
小原莉子:私はあんまり意識してないんですけど、弾く時も一回一回全力で、最高のプレイをしたいので気を抜きたくないって気持ちがあるんです。ギターを手放さないのは……、ぶっちゃけけっこうなお値段がしたし、一生使うつもりで苦労して手に入れたギターなので……、はい(恥ずかしそうに)。
--また、皆さんは各々別の土地で、まったく異なる音楽活動をしていた3人です。オーディションで決定したバンドとなると、どうやって関係性を築いていくものなのでしょうか?
渡邊悠:確かにオーディションに受かるまでは赤の他人でしたし、音楽をやる上での意見の相違はあるんですけど、それがひとつの刺激になりますし、むしろぶつかり合いをするようにしていますね。
多田宏:言いたいことはちゃんとに言う。音楽に関してはシビアに考えてますね。
--小原さんは唯一の女性メンバーになりますが、そこでの苦労というのは?
小原莉子:あんまり人懐っこい性格ではないので、最初は溶け込めるかなって不安がありました。でも、バンドってそれこそ毎日一緒にいる感じになるので、段々本当の気持ちとかを話せるようになってきて、ふたりに失礼かもしれないですけど、今では男というよりも仲間って気持ちの方が大きいです。
--The Sketchbookは結成直後、着うた(R)と着うたフル(R)のDL数と、ファンからのメッセージ数が、共に1万を超えないと即解散、という試練が課せられました。当時はオーディションに合格したばかりなのに……って想いもあったと思うのですが?
小原莉子:それは3人とも思いました……(笑)。
渡邊悠:特に僕は、「本当に何だよ……」って(笑)。レコーディングが終わって「さあ、これからライブを頑張るぞ!」ってタイミングで解散っておかしいじゃないですか!? しかも、そのノルマが、デビューから一週間後だったんですよ? 「下手したら一週間で解散って何!?」 って思ってたんですけど、そこはふたりが逞しくて、「言われたからにはやるしかないし、やるなら中途半端じゃダメだ!」って。バンドとして仲間として引っ張ってくれた部分はありますね。
--ただ、1万という数字って、当時は全然想像つかない部分もあったのでは?
多田宏:その企画を伝えられた後、実際にライブをやってみても1日に300通くらいのメッセージしか集まらなかったりで、「うわ、リアルな数字だな……。ヤベェ」って気持ちになりました(笑)。そのプレッシャーで潰されそうになったけど、やらないと解散しちゃうし、諦めたらそこで終わっちゃう。この3人でやりたいって夢があったからこそ、やり切れた所はあるし、それがきっかけでお互いのことをより深く知って結束が強くなった。バンドとして成長したような気がします。
渡邊悠:今となっては、やってよかったと思いますね。今となっては、ですけど(笑)。
- < Prev
- 原作とリンクしている部分も表現していける
- Next >
Interviewer:杉岡祐樹|Photo:佐藤恵
0