Special
「自分がなぜ音楽を作っているか、再確認するためでもあった」 ― ダイアン・バーチ 『NOUS』インタビュー
2009年に『バイブル・ベルト』でアルバム・デビューし、キャロル・キングを彷彿させるスモーキーでソウルフルな歌声と卓越したソングライティング・センスで一躍注目を浴びたダイアン・バーチ。2014年の『スピーク・ア・リトル・ラウダー』では、80年代ポップス、ソウル、AORなども取り入れ、さらに音楽と表現の幅を広げ、アルバムを引っさげた【ビルボードライブ】でのツアーでも大喝采を浴びた。そして2016年1月には、ベルリンでレコーディングを行った最新EP『NOUS』をBandcampで発表。今月には、iTunesでも配信がスタートした今作とともに5月に【ビルボードライブ】にて来日公演を行うダイアンに話を訊いた。
4/27更新:ダイアンの最新作&来日公演にも参加するサックスのスチュアート・マシューマンのインタビューが到着!
何にも束縛されることなく、全世界の人々に自分の音楽を聴いてもらいたい
−−今日、晴れて『NOUS』のiTunes配信がスタートしましたね。おめでとうございます。
ダイアン・バーチ:ありがとう!みんなに気に入ってもらえると嬉しいな。
−−まず、なぜ今作をBandcampで先行リリースしたのか教えてください。
ダイアン:何年間かレコード会社に所属にしていてわかったのは、アルバムがリリースされるまでにすごく時間がかかるということと、多くの人々がそのプロセスに関わってくるということ。この1年半ぐらい自ら主体となって活動を行いながら、アーティストととしての自分を再構築してきた。そうしたことは、自分で好きなように物事を進められる、という可能性と解放感をもたらしてくれた。これまでは金銭的なことだったり、ここの国ではアルバムをリリースできない、ってレーベルに言われたり、活動を制限されることが多々あった。何にも束縛されることなく、全世界の人々に自分の音楽を聴いてもらいたい。曲を聴きたいと思ってくれているファンへむけて作品をリリースするのが、私にとって第一だから。1stを発表して、2ndアルバムがリリースされるまでにすごく時間がかかった。今後はそんなことがないようにしたいと思ったの。そのためには、自分が主導権を握らなければならないと感じた。私のファンは素晴らしい人々ばかり。みんな率先して音楽を聴いてくれる。もちろん日本のファンもそう。リリースできる音楽があるんだから、思い切ってリリースしたほうがいいって気づいたの。
−−今、おっしゃった通り、今作は昨年末にレコーディングされ、即リリースされたものなんですよね。
ダイアン:そうよ。すっごくバタバタで、マスター音源がスタジオから送られてきたのが、Bandcampに曲をUPする数時間前だった。ほんと締切りギリギリで完成させたの。マスタリングを行っていた数日間は、眠れない夜が続いたわ。
−−これまでの作品でも多少プロデュースには参加していたと思いますが、今作はすべてセルフ・プロデュースということで学んだこともたくさんあったと思います。
ダイアン:うん。技術的な部分では、まだ未熟だから、何度もやり直さなければならないこともあったけど、やりがいがあったし、多くのことを学んだ。クリエイティヴ面において、自分ですべて決断を下せるのは、最高の気分だった。今回プロデュースとエンジニアをするにあたって、これまでのアルバム制作からの経験しかなかったけど、今作を経て様々なことを理解できたから、今後もよりいい作品が作れるようにミキサー、プロデューサー、エンジニアとしてスキルアップしていければと思ってる。
−−それに技術的なことに加えて、自身の作品に対して客観的になる力も必要となりますよね。
ダイアン:確かに「あれはやっちゃダメ!」とか「これはリリースしないほうがいいんじゃない?」とかアドヴァイスする人がいないから、その点ではボーイフレンドにかなり頼ってる(笑)。彼はこのプロセスの間、ずっと私を支えてくれたし、彼のことはとても信頼している。むしろ、心から信頼しているのは彼ぐらいしかいないわ。
−−彼も音楽関係の仕事をしているのですか?
ダイアン:いいえ、違うわ。彼は映像作家で、ヴィジュアル・アーティストなの。
−−「Kings of Queen」のミュージック・ビデオのディレクターの方ですか?
ダイアン:そう!レコーディングのスケジュールやプランを立てるのにも、一役買ってくれたし。彼には、本当に感謝してるわ。
- < Prev
- ここ数年間やってきたことは、自分が何なぜ音楽を作っているか、
再確認するためでもあった - Next >
来日公演情報
Diane Birch
~NOUS tour 2016~
ビルボードライブ東京:2016/5/9(月)~5/10(火)
>>公演詳細はこちら
ビルボードライブ大阪:2016/5/11(水)
>>公演詳細はこちら
INFO: www.billboard-live.com
BAND MEMBERS
ダイアン・バーチ / Diane Birch (Vocals, Piano, Keyboards)
エリヤ・ライヒェン / Eliyah Reichen (Keyboards)
スチュアート・マシューマン / Stuart Matthewman (Saxophone)
マーティン・シュトゥンプフ / Martin Stumpf (Bass)
ヤニス・ゲルラッハ / Janis Görlich (Drums)
リリース情報
関連リンク
スピーク・ア・リトル・ラウダー
2014/01/29 RELEASE
WPCR-14967 ¥ 2,075(税込)
Disc01
- 01.スピーク・ア・リトル・ラウダー
- 02.ライトハウス
- 03.オール・ザ・ラヴ・ユー・ガット
- 04.テル・ミー・トゥモロー
- 05.スーパースターズ
- 06.プリティ・イン・ペイン
- 07.ラヴ・アンド・ウォー
- 08.フローズン・オーヴァー
- 09.ダイアモンズ・イン・ザ・ダスト
- 10.アンファクト
- 11.イット・プレイズ・オン
- 12.プッシュ (日本盤ボーナス・トラック)
- 13.イレイズド (日本盤ボーナス・トラック)
50