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SuG武瑠×北村諒×篠崎こころ(プティパ -petit pas!-)「桜雨」対談
SuGの新作『VIRGIN』収録曲「桜雨」のMVで主演を務めた北村諒×篠崎こころ(プティパ -petit pas!-)、そして監督を務めた武瑠の3者対談。過激な暴力シーンや性描写ゆえに地上波・CSでのフル尺オンエアが不可となった問題作について、3人がどんな想いでMV制作/撮影に臨んだのか。賛否両論、そのどちらの論者にもご覧頂きたい。
「桜雨」MV視聴はこちら→https://twitter.com/sug_takeru
北村諒×篠崎こころが演じた“東京のシド&ナンシー”の真相
--あのMVを観てまず思ったことがあって、武瑠くんは2人の人生を変えるつもりなんだなって(笑)。
武瑠:なんでなんで(笑)!?--いや、変な意味じゃなく、あれは人の人生を変えるレベルのMVですよ。出演者も、おそらく観る人たちも含めて。
武瑠:わりと衝撃的な内容ですからね。今回はカットとかせず結構余すことなく使っているので、ほとんど撮った映像を捨ててない。2人がやったことをほぼ全て使ってる。 北村諒:いろんなシーンをちゃんと使ってくれてた。 篠崎こころ:「こんなにキスシーン使うのか」って思いました(笑)。 武瑠:アハハ! 北村諒:5連発ぐらいで出てきますもんね。--MVの仕上がりを最初に観たとき、どんな感想を持たれました?
北村諒:映像が本当に綺麗だなと思いました。あと、わずか2日間で撮ったとは思えないボリューム感というか、内容の濃さだったから「凄いな」って感動しました。僕らは演奏シーンを撮っているところは見てなかったんですけど、すごく綺麗で、めっちゃ格好良くて、もっとそっちを使ったほうがいいんじゃないかと思うぐらい(笑)。 武瑠:たしかにすごく綺麗に撮れてて、もうこれだけで成立するんじゃないかと思うぐらいだったんだけど、やっぱり2人のドラマのシーンもすごく良かったので。SuGの曲なんだけど、SuGの顔があんまり見えないっていうのも逆に面白いと思ったし、曲自体が出来たときから曲だけでも勝負できるレベルだと思っていて、自分が歌ってるシーンを全面に出しすぎると曲の説得力が落ちそうだったから、ドラマに曲が乗ってる形のほうが良いと思ったんですよね。--昨年、映画『WE CRY OUT HELLYEAH』を作った経験がすごく活きてると思いました。
※短編映画『WE CRYOUT HELLYEAH』 Teaser
--篠崎さんはどんな感想を持たれました?
篠崎こころ:撮影中、私は何をやるにも初めてで、キスシーンとかもちろん初めてだったし、映像モノや演技自体ほとんど初めてだったんですよ。しかも一番最初に諒くんと会ってすぐに「ベッドシーンの撮影です」って言われて。--いきなり抱き合えと(笑)。
北村諒:「はじめまして」って挨拶した5分後ぐらいに(笑)。 篠崎こころ:「本当に!?」みたいな。--なかなか有り得ないシチュエーションですからね。
篠崎こころ:そのあともお風呂のシーンとかシャワーのシーンがあって、演じてる側からすると「これ、エグくなんないのかな?」ってすごく心配だったんですよ。 武瑠:やっぱり心配だったんだ? 篠崎こころ:ちょっと心配でした(笑)。 北村諒:「これ、大丈夫かな?」って思ったよね。 篠崎こころ:「これを観る人がどう思うのかな?」って。でも実際に映像を観てみたら本当に綺麗で、1本の映画を観ているみたいで、私は出ている側だけど、そんなことを忘れるぐらい「すごく格好良いな」って思えたんですよね。 武瑠:撮ってる側からすると、心配してる感じが一切なくて。「2人とも戸惑うのかな?」と思ってたら、まぁ逆に「仕事だ!」って気持ちでやってくれていたんでしょうけど、「あ、いつでも脱ぎます!」みたいな。 一同:(笑) 武瑠:速攻で脱ぎ出したから「すげーな! 切り替えが早いな!」と思って。 北村諒:「何でもします!」スタンスで行こうと決めてたんで。 篠崎こころ:「やらなきゃ!」みたいな。 北村諒:逆に「自分の今までのイメージを変えたい」という想いも今回の役をやらせてもらう上であったんで。--結果、恋人をボッコボコにする役という(笑)。
北村諒:「おまえ、何やってんだよ!」って自分でも思いました(笑)。--今回のMVのイメージを“東京のシド&ナンシー”にしようと思ったのは?
武瑠:2年ちょい前ぐらいに曲が出来て、曲とサビの歌詞だけがあったんですよ。それをボイスメモに録っておいていて、桜の時期に出したいなと思ってて。それで去年ちゃんとデモを録る際にAメロ、Bメロ、サビ、大サビまで全部作って、そのときに「あ、こういう話にしたいな」って。和風のメロディーというか、歌謡メロというか、すごく分かりやすいメロだったんで、ちょっと空間的なアレンジにしたりしているうちに「和風と洋風が混ざり合ったような世界観にしたいな」と思って、それでシド&ナンシーの東京バージョンにしようと思ったんです。--以前、武瑠くんと飲んでいたときに「実は王道のバラードを温めてる」って言ってたじゃないですか。で、今回「桜雨」を聴いて「いよいよ世に出すのか」と思って。
武瑠:そうです、この曲です。メロディーとしては誰もが「良いな」って思う普遍的なものなので、そこにSuGらしさを加えたらこういう世界になった。--王道だけど、MVは子供には見せられない感じがSuGらしいと思いました。
武瑠:ハハハ! でも今回はとにかく美しい撮りたいと思っていて。衝撃的なシーンを使うことは自分の中で分かっていたんで、よくある「どうだ? エロいだろ?」みたいな感じには絶対したくなかったんです。だから重点的に小物とかも撮っておかないといけないし、ファッション的に見える余白のある画も撮っておかないといけないし、それをミックスすることで衝撃的な描写だけが際立たないようにしているし、自分が演じている訳じゃないので、そういう使命感をより持たなきゃいけないと思ってましたね。ただ、衝撃的なシーンだけピックして「話題作にしたいです」っていう感じにはしたくなかったので。--SuGの作品として成立させるってことですよね?
武瑠:衝撃的なシーンを撮るのが目的なのではなくて、曲の世界観でもある美しい恋愛を描く。その為にはいわゆる衝撃的なシーンも必要なので出てくる、そういう感覚でしたね。--このMVに描かれている世界は武瑠くんの願望でもあるの?
※SuG「Smells Like Virgin Spirit」(MUSIC VIDEO)
--東京のシド&ナンシーをこのお2人に演じてもらおうと思ったのは?
武瑠:シドに関しては、ちょっと影があって、女性的じゃない男の人がいいなと思って。綺麗だけど、男の子っぽい人。子供っぽく笑ったりして、母性が惹かれるような人がいいなと思ったときに、なんとなく「諒くん、いいな」って思ってたんですよ。その時期にたまたま対談する機会があって、そこで提案したら奇跡的にスケジュールが合って。「そこしか空いてない」みたいな日が偶然噛み合って、しかもそれがSuGの結成日だった。そこから「次はナンシーを探そう」ってなったんですけど、実はなかなか見つからなかったんです。涼くんが髪長くて黒いから、ショートカットで髪が明るい人がいいと思って、いろんな人にオススメの女の子をたくさん教えてもらって、「この人は?」「ちょっと濃すぎるな」みたいなやり取りをしていたんですけど、きゃりー(きゃりーぱみゅぱみゅ)ちゃんから「こころちゃん、どう?」って薦められて「いいかもしんない」と思って。それでオファーさせてもらいまいした。--2人は元々SuGや武瑠くんにはどんな印象を抱いていたんでしょう?
北村諒:元々好きだったんですけど、僕が出ていたファッションショーのシークレットゲストでライブやってるのを生で観たりして、それが凄く衝撃だったんですよ。エンターテインメント性とか、武瑠くんのボーカリストとしてのパワーとか。だから最初に対談したときに、俺、すごく緊張してて(笑)。 武瑠:え、全然わかんなかった! 北村諒:実は緊張してたんだよ。「武瑠くんと対談? マジか!」みたいなドキドキがあって。そこでいろいろお話をしていたら今回の件に繋がったので、縁があったんだな、良かったなって思ってます。 篠崎こころ:私は、SuGさんのことはすごく好きで聴いてて、武瑠くんのファッション性やカリスマ性にもすごく憧れていて、それで10代をずっと過ごしていたんです。だからSuGさんのライブに行ったこともありますし…… 武瑠:後から聞いてビックリしました。 篠崎こころ:なので、オファーがあったときに「え、私でいいんですか? 間違ってませんか?」って本当に思って。--なんで私の想いが届いたのかと。
篠崎こころ:「念じ過ぎたのかな」って(笑)。リリース情報
SuG『VIRGIN』
- 2016/03/09
- [PCCA-4344]
- 定価:4,860円(tax in.)
- 詳細・購入はこちらから>>
- LIMITED Bの詳細・購入はこちらから>>
- STANDARDの詳細・購入はこちらから>>
関連リンク
Interviewer:平賀哲雄|Photo:外林健太
少女マンガの『NANA』(矢沢あい)を読んでるときみたいな感覚
--そんな大好きなアーティストと実際に会って仕事してみていかがでした?
篠崎こころ:私の中ではクールなイメージが強くて、しかもセンスも凄い方なんで、実際に会ったら無口だったり、ツンツンしてたりするかもしれないと思っていたんですけど、全然そんなことなくて。今回の撮影中、私が夏っぽい格好をするシーンがあって「寒いなー」と思ってたら「大丈夫?」って心配してくれたり、常に気配りを忘れないし…… 武瑠:めちゃくちゃ寒い朝、2人とも薄着のシーンの撮影があったんですけど、誰もコートを持ってきてくれなかったんですよ(笑)。だから「コート持ってきて下さい」って言ったり、そういうのはありましたね。 篠崎こころ:勝手に抱いていたイメージとは違って、優しい人でした。 武瑠:これ、見出しにしておいてください。 一同:(笑)--「武瑠くんは優しい」……見出しとして弱い(笑)。
武瑠:全然読みたくならない(笑)。--逆に武瑠くんは2人と仕事してみてどんな印象を持たれました?
武瑠:諒くんは元々モデルのイメージが強かったんで、演技をしている姿は見てなかったんですよ。だから良い意味で裏切られましたね。「こんなに上手いんだ」って。最初にイメージシーンを撮っていたときも、自分の角度を映像にはめるのが上手い。今、何をしているシーンで、どういう風にしたら顔がこうなるか、どうしないとズレてしまうか、全部分かってる。それはモデルでの経験も活きているのかもしれないですけど、物理的に使えない角度とかがほとんどなかった。だから使えるシーンばっかりだったし、撮影も全然押さなかったんです。ああいうドラマシーンをいっぱい撮ると絶対押すのに、まさかの巻きっていう。信じられない早さで終えることができた。--おぉー!
武瑠:それはこころちゃんにも言えることで、元々情報がなかったんですよ。きゃりーちゃんに教えてもらってからツイッターとかで最近の画像をババババって見て、それで「こういうメイクが一番合いそうだな」とか「こういう感じだと違うかな」っていう予想はしていたんですけど、実際に撮影で会ったら「あ、こんな表情も出来るんだ?」と思ったり。あとは普通に演技が上手くてビックリしました。羽根が降ってる中で、諒くんを見下ろしながら一瞬瞳孔が開いて笑うシーンがあるんですけど、その顔がめっちゃ良くて、他の監督とかスタッフとかも「あの表情良いよね」って絶賛してて。派手な演技じゃないけど、深みがある。作品性を肌で理解してないと出来ない顔だった。--大絶賛ですけど、今の話を聞いていかがですか?
篠崎こころ:そんなこと言われたらハードルが上がっちゃう(笑)。撮影中は諒くんがリードしてくれたというか、演技のやり方を教えてくれてたんですよ。私はそれに従って演じていただけなので……。--何を基準に演技が上手いと言うのか分かりませんけど、個人的には「これ、ドキュメンタリー?」って思うぐらい、2人のやり取りがナチュラルなシーンばかりで驚きました。
武瑠:たしかに現実っぽく感じられた。--だから初演技と聞いてビックリしてます。
北村諒:すごく自然で、すごく良かった。 篠崎こころ:いや、そんなことないですよ! 自分だけの演技を見てると「すっごい硬いな」って思いますし(笑)。 北村諒:まだカメラ回ってないと思って2人でただ会話してたら「OKです!」って言われて、「え?」みたいな。ベッドで横になって喋ってるシーンなんですけど。--ゆえにナチュラルに映っていたりもするんですね。でもどちらも難しい役ではありましたよね? 情緒不安定で感情の起伏も激しいし。
北村諒:そうですね。僕も舞台経験はあるんですけど、映像はそんなに経験がなくて、ああいうベッドシーンも初めてだったんですよ。だから本当に緊張してて、まずは仲良くなろうと思ったんです。 武瑠:そうだよね。いきなりベッドシーンだし。 北村諒:それで「今日、朝ごはんは何食べたんですか?」みたいな。そしたら「お寿司」って返ってきて「マジか! 朝からお寿司?」みたいな。 篠崎こころ:前日の残りのお寿司食べてたんです(笑)。 北村諒:しかも「ネタは?」って聞いたら貝しか食べてなくて。 篠崎こころ:「え、貝だけ!?」みたいな。 北村諒:おかげで溶け込めました(笑)。 武瑠:それで話が広がってよかったよね。普通にパンとかだったら…… 北村諒:「おにぎりじゃなくパン派なんだ?」ぐらいしか言えない。--では、今回のMVは篠崎こころが寿司を食べていてくれたおかげで上手くいったと?
北村諒:しかも貝だけ(笑)。あとは、お互い緊張してたけど、彼女も嫌な顔ひとつ見せずに「全然やります」って感じだったから、僕もおかげで自然に出来た部分はあります。 武瑠:緊張は感じたけど、照れはなかった。で、その若干の緊張が結果としてすごく良かった。男の子にも設定があったように、女の子にもあったんですよ。強い感情があるけど、自分の想いを伝えられない。内向的な感じとか神経質な感じが、その緊張感によって出てる。だから2人のバランスが物凄く良かったって思ってます。 篠崎こころ:私自身は何もかも探り探りだったので、ただただ必死で。エレベーターのシーンを何度も撮り直したんですけど、今回タイミング重視の演技が多くて、それがすごく難しかったです。扉が閉まる瞬間に諒くんの肩にポンってやらなきゃいけないんですけど、そのタイミングが合わなくてなかなか「OK」が出なかったんですよ。だからとにかく試行錯誤して。でもすごく勉強になりました。--キスシーンやベッドシーンに対してはどんな気持ちで臨んでたんですか?
北村諒:深く考えないようにしました。 一同:(笑) 北村諒:考えたらダメだと思って! 篠崎こころ:私もです。 北村諒:だから「今日は普通の撮影です」って思い込ませてました。 篠崎こころ:そう思わないと緊張しちゃうし、恥ずかしくなっちゃうから。 北村諒:煩悩を振り払って臨みました(笑)。--すごく悲しい物語でもありますけど、2人の関係性は素直に羨ましいと思わせるところもあって、とても愛らしかったです。
武瑠:公開前に何人かに見せたんですけど、マネしたいって言ってました。「「桜雨」ごっこしたくなる」って。 篠崎こころ:私も思いました。もし彼氏と呼べる人が出来たらやってみたい(笑)。--どのシーンを?
武瑠:金網ごしのキス、超良くない? 一同:良い(笑)! 武瑠:あれは半端ない。 北村諒:金網ごしのキスは、あの場で武瑠くんが思いついて撮影したんですよ。 武瑠:違うシーン撮ってたら金網があったから「諒くん、この中入って」って。 北村諒:「金網飛び越えて入って」って言われて(笑)。 武瑠:めっちゃ良いシーンが撮れました。綺麗に映ってるし。 篠崎こころ:本当に見ててキュンとする。私は全体的に少女マンガの『NANA』(矢沢あい)を読んでるときみたいな感覚になりますね。ハラハラするし、ドキドキする。--ナナとレンもシド&ナンシー的ですもんね。
武瑠:『NANA』っぽさもテーマだったんですよ。東京のシド&ナンシー=『NANA』みたいな。自分も『NANA』は10代のときに読んでたから、自ずとアルバム『VIRGIN』のコンセプトにも通じてくる。でもそれを撮る側としてはすごく不安もあって「ケガさせちゃったらどうしよう?」「本当に大丈夫かな?」みたいな感じで、2人のマネージャーさんに「これ、大丈夫っすかね?」「あれ、大丈夫っすかね?」って何度も確認させてもらって(笑)。その中で、今までのSuGの作品も観てもらって「ちゃんと作品として良いものを創ろうとしているのが伝わったんで、大丈夫です」って言ってもらえて。そういった気持ちも背負わなきゃいけないから、必要以上に衝撃的なシーンを使いまくるとか、逆に気にしてカットしまくるとか、そういうんじゃなくて、とにかくフラットに、良い作品を創る上で必要なものだけで構成しようと努めました。--これまでもタブーや危険な世界を抽象的に表現するMVはありましたが、今回は歴代最も直接的な表現を取り入れてますよね。何故こうなったと自身では思いますか?
武瑠:企画が先行してないんですよ。「こういう人にキスさせたら話題になるだろう?」とかは全く考えてなくて、こういう話を撮りたくて、こういう曲のイメージを広げたくて、そこで演じてくれるこういう2人に出逢えて、その2人が「こういうこともできる」「こういうシーンも撮れる」ってなったから「じゃあ、やろう」ってなった。で、思い浮かべた画をなるべくリアルに撮りたかったので、キスシーンもベッドシーンも撮って。あそこまで相手を想う気持ちよりも自分の想いが勝っちゃう、10代のときの衝動的な恋愛を描く上で、ああいうシーンがないと説得力がなくなっちゃうと思ったんですよね。必要不可欠だなって。リリース情報
SuG『VIRGIN』
- 2016/03/09
- [PCCA-4344]
- 定価:4,860円(tax in.)
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Interviewer:平賀哲雄|Photo:外林健太
SuG×プティパ -petit pas!-×北村諒!? 3マンライブ実現なるか?
--そのMVの撮影に臨む上で「桜雨」は何度も聴かれたと思うんですけど、あの楽曲自体にはどんな印象を持たれました?
北村諒:「俺も恋愛してー」って思いました。 一同:(笑) 北村諒:季節的に寒い中で「桜雨」を聴きながら帰ったりしていたので、「俺は独りか……」「この寒い中、俺はなんで独りなんだろう?」って思ったりして(笑)。すごく切なくなるし、キュンキュンもするし、傷付け合っちゃうけど、そこには愛もあって、「これもひとつの愛の形なんだな」って思いながら聴いてました。 篠崎こころ:歌詞の中で「移り気な心も君だけがなぜ離せない」っていうフレーズがあるんですけど、好きなんだけど、傷付け合ったり、自分がしたい恋愛を書いてくれている曲だから、本当に聴いてると「恋したいなぁ」「彼氏ほしいなぁ」って思う。あんまり大きい声では言えないんですけど(笑)。--篠崎さんはアイドルでもありますからね(笑)。
北村諒:でも誰もがそういう気持ちになる曲だと思いますよ。 篠崎こころ:切なくなるし、恋もしたくなるし、いろんな要素が1曲の中に入ってる。--傷付け合うと言えば、引っぱたいたり、首を絞めたり、バイオレンスなシーンもいくつかありましたが、その撮影はどうだったんでしょう?
篠崎こころ:車の中で私が諒くんにビンタするシーンがあるんですけど、それを撮影する上で「ケンカの題材を決めよう」ってなって。諒くんが「椎茸を食べれない」って言ってたので、“私が作った料理にキノコを入れちゃった”っていう設定にしたんです。そしたら「なんで今日の料理に椎茸入れたんだよ?」って真剣な顔でキレ出して(笑)。そんなの、笑うじゃないですか! 北村諒:「ケンカしてください」って言われて、リアルな口喧嘩ってどんなものか考えたんですよね。で、そのシーンの撮影のちょっと前に「椎茸を食べれない」って話をしたんですよ。--というか、食べ物の話しかしてないじゃないですか。
篠崎こころ:たしかに! 武瑠:椎茸と貝の話しかしてない(笑)。 北村諒:それで「よーい、スタート」って言われた瞬間に「なんで今日の料理に椎茸入れたんだよ、てめぇ! キライって言ったろうが!」ってキレたら、こころちゃんが全然怒れなくて(笑)。それでNGになっちゃったんですよ。--全然切羽待ってないですもんね。
武瑠:車から飛び出すには至らない。 北村諒:キノコの話じゃビンタ出来ない(笑)。それで浮気した設定に変えたんです。「おまえ、アイツと寝ただろう?」「アンタこそ!」っていう。 篠崎こころ:それで「本気で殴ってくれていいよ」って言われたんで、「じゃあ、本気で行きます」って。--どうだったんですか? 本気のビンタは。
北村諒:いやぁ~もう、パーン!やられて、シートに頭ボーン!ってなって、耳キーン!みたいな(笑)。でもリアルにやってもらったほうが良いと思って。そしたら本気で痛かったから自分も本気でリアクションできて。 武瑠:超良かった!「やるねぇ! ちゃんと叩くね!」と思って。 北村諒:それで「今のカット、すごく良かった」って言ってもらえて。 篠崎こころ:すごく嬉しかった。--こういう作風だったりするので、2人の中でも「振り切らなきゃ」っていう想いは強くあったんですか?
篠崎こころ:ありましたね。 北村諒:どんな芝居でもそうですけど、恥ずかしがってちゃダメだし、そのときは自分じゃなくて、そのキャラクターでいるので、そしたら別に何でも出来るじゃないですか。そこにいるのは北村諒じゃないんで、もう。だからその中で思ったことをやるだけだし、今回であれば武瑠くんの言っていることを実現する。あとは、本当に今まで自分が演じてきた役にはないイメージだったので、そういう意味でも本当にやれて良かったなって思ってます。--そんな「桜雨」のMV、世にどんな風に受け止めてもらえたらいいなと思いますか?
武瑠:一番は「恋したい」と思ってほしいです。あと、マンガとかの世界に憧れすぎていて、現実にドキドキできない。多分そういう人っていっぱいいると思うんですけど、実際に自分にとって大事な人を大切にし続けて、壊れそうになっても繋ぎ直して、それを何度も何度も繰り返していけば、それも運命って言えるんじゃないかなって。そう思ってもらえたらいいなって思います。悲しい話だけど、何度も壊れそうになる2人の話だけど、それでも何とか繋ぎ直していけば、それは永遠とか運命になる。そういうメッセージを届けたいと思って創ったので。--篠崎さんは?
篠崎こころ:私は今まで演技をやったことがなかったので、私を応援してくれている方に観て頂いて、キスシーンとかあるけど、また今までと違う「こういうことも出来るんだ!?」っていうことを知ってもらえたら良いなって思います。--アイドルとしては前代未聞のことをやってるので賛否両論は起きると思いますけど、これで活動の幅や活躍できる場は確実に広がると思いますよ。
※2015/05/09 プティパ- petit pas!- 1st~3rdシングルリリースイベント@大阪HOLIDAY
--たしかにハミ出しました。
武瑠:一気にハミ出したね(笑)!--北村さんにとっても今までのイメージから逸脱した作品になったと思うんですが、どんな風に受け止めてもらいたいですか?
北村諒:衝動に対してすごく素直になることって難しいじゃないですか。それはこのMVを通して思ったことなんですけど、やっぱりどうしても素直に動けなかったり、アプローチできないことって多い。でももっと素直にぶつけ合う勇気も必要なんだなって思ってもらえたらいいですね。あと、個人的なことで言えば、いろんなことに挑戦したいし、北村諒のイメージも壊していきたいと思ってるので、そこも見てもらえたら嬉しいなって。今持ってるイメージを変えるすごく良いきっかけになったと思うので、このMVを経て「今後どうなるんだろう?」って思ってくれたらいいなって思います。--ちなみに、再びこの3人で集まって何かする機会があったとしたら、どんなことがしてみたいですか?
北村諒:今回はミュージックビデオという形ですけど、武瑠くんは脚本も書ける人だと思うんで、武瑠くんの監督と脚本で短編映画がやれたら面白そうだなって。それは今回の撮影をしている中で思いました。 篠崎こころ:今回のMVに出てくる2人の短編映画が観たいです。この2人はそもそもどうやって出逢ったのか、もしくはこの2人がこれからどうなっていくのか。 北村諒:映画『桜雨』。単純に観てみたい。 武瑠:自分もそう思いましたね。ストーリーが浮かぶ2人だなって。実際、今回も“あたしたちでつくっちゃえばいいんだよ、運命なんか”っていうキャッチコピーは、2人の撮影を見てて、その夜に思い浮かんだんですよ。それで後日「声だけ録らせてください」って急遽お願いして。 篠崎こころ:ライブ会場で録らなきゃいけなくて、凄いいろんな声や音が入っちゃうから、トイレに篭って録りました(笑)。 武瑠:ティザー映像で使いたくて「申し訳ないんですけど、録って下さい」って。--あと、個人的には、3人の対バンも観てみたいなと。実は、北村諒さんも歌をうたわれることになったんですよね?
武瑠:え、そうなの!? 篠崎こころ:へぇー!--音楽ユニットを結成して、アニメ『遊☆戯☆王ARC-V(アーク・ファイブ)』の新オープニングテーマ「キボウノヒカリ」を歌われるということで。
北村諒:そうなんです。役者3人のユニットで、ヒャダインさんがプロデュースしてくださって、先日レコーディングしたんですけど…… 篠崎こころ:凄い! 武瑠:知らなかった!--でもこれで3者とも音楽で繋がれるということで……
武瑠:3マンライブの可能性がある! 北村諒:いやいやいや! 篠崎こころ:やったー!「桜雨」フェスだー! 北村諒:ダメダメダメ! 篠崎こころ:私、BiSさんみたいにSuGさんと対バンするのがひとつの目標なんですよ。それでプティパ -petit pas!-を頑張ってるところもあるので……、でも怒られますかね? 武瑠:いや、SuGはもう散々アイドルとバトってきてる(対バンしてきてる)から全く問題ないと思うよ。--じゃあ、この3組で。
北村諒:うーん…… 武瑠:3マンが一番ウケるけどね(笑)。--北村さんはユニットじゃなく1人で参戦でも。
北村諒:それが一番ツラい! 一同:(笑)Interviewer:平賀哲雄
Photo:外林健太
リリース情報
SuG『VIRGIN』
- 2016/03/09
- [PCCA-4344]
- 定価:4,860円(tax in.)
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Interviewer:平賀哲雄|Photo:外林健太
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