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SuG武瑠×北村諒×篠崎こころ(プティパ -petit pas!-)「桜雨」対談
SuGの新作『VIRGIN』収録曲「桜雨」のMVで主演を務めた北村諒×篠崎こころ(プティパ -petit pas!-)、そして監督を務めた武瑠の3者対談。過激な暴力シーンや性描写ゆえに地上波・CSでのフル尺オンエアが不可となった問題作について、3人がどんな想いでMV制作/撮影に臨んだのか。賛否両論、そのどちらの論者にもご覧頂きたい。
「桜雨」MV視聴はこちら→https://twitter.com/sug_takeru
北村諒×篠崎こころが演じた“東京のシド&ナンシー”の真相
--あのMVを観てまず思ったことがあって、武瑠くんは2人の人生を変えるつもりなんだなって(笑)。
武瑠:なんでなんで(笑)!?--いや、変な意味じゃなく、あれは人の人生を変えるレベルのMVですよ。出演者も、おそらく観る人たちも含めて。
武瑠:わりと衝撃的な内容ですからね。今回はカットとかせず結構余すことなく使っているので、ほとんど撮った映像を捨ててない。2人がやったことをほぼ全て使ってる。 北村諒:いろんなシーンをちゃんと使ってくれてた。 篠崎こころ:「こんなにキスシーン使うのか」って思いました(笑)。 武瑠:アハハ! 北村諒:5連発ぐらいで出てきますもんね。--MVの仕上がりを最初に観たとき、どんな感想を持たれました?
北村諒:映像が本当に綺麗だなと思いました。あと、わずか2日間で撮ったとは思えないボリューム感というか、内容の濃さだったから「凄いな」って感動しました。僕らは演奏シーンを撮っているところは見てなかったんですけど、すごく綺麗で、めっちゃ格好良くて、もっとそっちを使ったほうがいいんじゃないかと思うぐらい(笑)。 武瑠:たしかにすごく綺麗に撮れてて、もうこれだけで成立するんじゃないかと思うぐらいだったんだけど、やっぱり2人のドラマのシーンもすごく良かったので。SuGの曲なんだけど、SuGの顔があんまり見えないっていうのも逆に面白いと思ったし、曲自体が出来たときから曲だけでも勝負できるレベルだと思っていて、自分が歌ってるシーンを全面に出しすぎると曲の説得力が落ちそうだったから、ドラマに曲が乗ってる形のほうが良いと思ったんですよね。--昨年、映画『WE CRY OUT HELLYEAH』を作った経験がすごく活きてると思いました。
※短編映画『WE CRYOUT HELLYEAH』 Teaser
--篠崎さんはどんな感想を持たれました?
篠崎こころ:撮影中、私は何をやるにも初めてで、キスシーンとかもちろん初めてだったし、映像モノや演技自体ほとんど初めてだったんですよ。しかも一番最初に諒くんと会ってすぐに「ベッドシーンの撮影です」って言われて。--いきなり抱き合えと(笑)。
北村諒:「はじめまして」って挨拶した5分後ぐらいに(笑)。 篠崎こころ:「本当に!?」みたいな。--なかなか有り得ないシチュエーションですからね。
篠崎こころ:そのあともお風呂のシーンとかシャワーのシーンがあって、演じてる側からすると「これ、エグくなんないのかな?」ってすごく心配だったんですよ。 武瑠:やっぱり心配だったんだ? 篠崎こころ:ちょっと心配でした(笑)。 北村諒:「これ、大丈夫かな?」って思ったよね。 篠崎こころ:「これを観る人がどう思うのかな?」って。でも実際に映像を観てみたら本当に綺麗で、1本の映画を観ているみたいで、私は出ている側だけど、そんなことを忘れるぐらい「すごく格好良いな」って思えたんですよね。 武瑠:撮ってる側からすると、心配してる感じが一切なくて。「2人とも戸惑うのかな?」と思ってたら、まぁ逆に「仕事だ!」って気持ちでやってくれていたんでしょうけど、「あ、いつでも脱ぎます!」みたいな。 一同:(笑) 武瑠:速攻で脱ぎ出したから「すげーな! 切り替えが早いな!」と思って。 北村諒:「何でもします!」スタンスで行こうと決めてたんで。 篠崎こころ:「やらなきゃ!」みたいな。 北村諒:逆に「自分の今までのイメージを変えたい」という想いも今回の役をやらせてもらう上であったんで。--結果、恋人をボッコボコにする役という(笑)。
北村諒:「おまえ、何やってんだよ!」って自分でも思いました(笑)。--今回のMVのイメージを“東京のシド&ナンシー”にしようと思ったのは?
武瑠:2年ちょい前ぐらいに曲が出来て、曲とサビの歌詞だけがあったんですよ。それをボイスメモに録っておいていて、桜の時期に出したいなと思ってて。それで去年ちゃんとデモを録る際にAメロ、Bメロ、サビ、大サビまで全部作って、そのときに「あ、こういう話にしたいな」って。和風のメロディーというか、歌謡メロというか、すごく分かりやすいメロだったんで、ちょっと空間的なアレンジにしたりしているうちに「和風と洋風が混ざり合ったような世界観にしたいな」と思って、それでシド&ナンシーの東京バージョンにしようと思ったんです。--以前、武瑠くんと飲んでいたときに「実は王道のバラードを温めてる」って言ってたじゃないですか。で、今回「桜雨」を聴いて「いよいよ世に出すのか」と思って。
武瑠:そうです、この曲です。メロディーとしては誰もが「良いな」って思う普遍的なものなので、そこにSuGらしさを加えたらこういう世界になった。--王道だけど、MVは子供には見せられない感じがSuGらしいと思いました。
武瑠:ハハハ! でも今回はとにかく美しい撮りたいと思っていて。衝撃的なシーンを使うことは自分の中で分かっていたんで、よくある「どうだ? エロいだろ?」みたいな感じには絶対したくなかったんです。だから重点的に小物とかも撮っておかないといけないし、ファッション的に見える余白のある画も撮っておかないといけないし、それをミックスすることで衝撃的な描写だけが際立たないようにしているし、自分が演じている訳じゃないので、そういう使命感をより持たなきゃいけないと思ってましたね。ただ、衝撃的なシーンだけピックして「話題作にしたいです」っていう感じにはしたくなかったので。--SuGの作品として成立させるってことですよね?
武瑠:衝撃的なシーンを撮るのが目的なのではなくて、曲の世界観でもある美しい恋愛を描く。その為にはいわゆる衝撃的なシーンも必要なので出てくる、そういう感覚でしたね。--このMVに描かれている世界は武瑠くんの願望でもあるの?
※SuG「Smells Like Virgin Spirit」(MUSIC VIDEO)
--東京のシド&ナンシーをこのお2人に演じてもらおうと思ったのは?
武瑠:シドに関しては、ちょっと影があって、女性的じゃない男の人がいいなと思って。綺麗だけど、男の子っぽい人。子供っぽく笑ったりして、母性が惹かれるような人がいいなと思ったときに、なんとなく「諒くん、いいな」って思ってたんですよ。その時期にたまたま対談する機会があって、そこで提案したら奇跡的にスケジュールが合って。「そこしか空いてない」みたいな日が偶然噛み合って、しかもそれがSuGの結成日だった。そこから「次はナンシーを探そう」ってなったんですけど、実はなかなか見つからなかったんです。涼くんが髪長くて黒いから、ショートカットで髪が明るい人がいいと思って、いろんな人にオススメの女の子をたくさん教えてもらって、「この人は?」「ちょっと濃すぎるな」みたいなやり取りをしていたんですけど、きゃりー(きゃりーぱみゅぱみゅ)ちゃんから「こころちゃん、どう?」って薦められて「いいかもしんない」と思って。それでオファーさせてもらいまいした。--2人は元々SuGや武瑠くんにはどんな印象を抱いていたんでしょう?
北村諒:元々好きだったんですけど、僕が出ていたファッションショーのシークレットゲストでライブやってるのを生で観たりして、それが凄く衝撃だったんですよ。エンターテインメント性とか、武瑠くんのボーカリストとしてのパワーとか。だから最初に対談したときに、俺、すごく緊張してて(笑)。 武瑠:え、全然わかんなかった! 北村諒:実は緊張してたんだよ。「武瑠くんと対談? マジか!」みたいなドキドキがあって。そこでいろいろお話をしていたら今回の件に繋がったので、縁があったんだな、良かったなって思ってます。 篠崎こころ:私は、SuGさんのことはすごく好きで聴いてて、武瑠くんのファッション性やカリスマ性にもすごく憧れていて、それで10代をずっと過ごしていたんです。だからSuGさんのライブに行ったこともありますし…… 武瑠:後から聞いてビックリしました。 篠崎こころ:なので、オファーがあったときに「え、私でいいんですか? 間違ってませんか?」って本当に思って。--なんで私の想いが届いたのかと。
篠崎こころ:「念じ過ぎたのかな」って(笑)。- < Prev
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リリース情報
SuG『VIRGIN』
- 2016/03/09
- [PCCA-4344]
- 定価:4,860円(tax in.)
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関連リンク
Interviewer:平賀哲雄|Photo:外林健太
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