Special
Especia 脇田もなり/三瀬ちひろ/三ノ宮ちか卒業インタビュー
Especia第一章終了を告げるまさかの重大発表。
急遽決定した3人のメンバーの卒業。
それに伴う3人への最後のインタビュー敢行。
君たちはたしかにEspeciaだった。
脇田もなり卒業インタビュー
--1月17日 過去最大規模のワンマンライブとなった新木場STUDIO COAST。自分の中ではどんな公演になりましたか?
脇田もなり:去年のツアーは、渋谷O-EASTでのワンマンライブが過去最大規模だったんですけど、ガチガチに緊張しながら臨んだんです。でも今回の新木場STUDIO COASTは全然緊張せずに、Especiaの脇田もなりとしてやりきった感覚が強くて。今まで以上に気合いを入れてダンスも歌も力いっぱい頑張りました。--直前のインタビューでは「Especiaに人生懸けて良かったな!って、そう思えるぐらいのライブをお届けします」と語ってくれていましたが、あの時点で卒業する事は決めていたんでしょうか?
脇田もなり:はい、気持ちは決まっていました。でもあの時点では公に出来なかったので、あの日のインタビューは「何を喋ろう?」って悩んでました(笑)。--もう悔いはない?
脇田もなり:…………本音を言うと、ちょっと悔しさはありますね。--どんなところに?
脇田もなり:うーん、もっと…………いや、やっぱり悔いはないですね(笑)。--いやいや、今の流れで何も語らないのは不自然過ぎます(笑)。
脇田もなり:Especiaには、歌をめっちゃ歌わせてもらったし、ステージの場数もいっぱい踏ませてもらったし、清水さんとかスタッフの方からいっぱい教育してもらったので、自分の中でここはもうお家みたいになってたんですよ。それがあたりまえで、“Especiaの脇田もなり”でいることがあたりまえって思っていた。何回も逃げ出したくなったこともあったんですけど、それでも清水さんが「ここで諦めてどうすんねん!」みたいな感じで引き止めてくれて、だからこそ今までステージに立ててこれたし、ファンの方たちも応援してくれるから頑張ってこれたんです。だからまだ頑張れ…………頑張りたかった。(※もなり、涙が溢れ出す)--そっか。
脇田もなり:…………すみません。でももう自分が前に進むしかないので。メンバーのことはめっちゃ好きやし、清水さんとかイケちゃん(※Especiaマネージャー)のことも好きやし、私が卒業するのは誰のせいでもないというか……そんな感じです。--こんなに涙が溢れ出るぐらい大好きなEspeciaから卒業する。そう決断した要因は何だったんですか?
脇田もなり:純粋に歌をほんまに頑張りたくて。歌が楽しい……楽しいだけじゃやっていけないんですけど、歌を楽しみながらステージに立ちたい、前に突き進みたい。っていう気持ちがめちゃめちゃあるんですよ。でも現状のままでは「そう思えない」って自分が思ってしまった。--Especiaの活動拠点が大阪から東京に変わる。それが各メンバーにとって今後も続けるかどうか考える機会になり、続けるメンバーと卒業するメンバーに分かれたんだと思っていたんですけど、脇田もなりの卒業理由はそこではなさそうですね。
脇田もなり:私ももし頑張れるんだったら東京に来ようと思っていて。とは言え、何かやれるとか、新しいことが始まるとか、卒業後のことは何も決まってないんで断言は出来ないけど、もう一回純粋に歌を楽しんで、その状態で上を目指していきたい、また新しく自分でスタートを切りたいとは思ってます。気持ちは、まだ歌いたい。楽しんで歌うことができるなら、また人の前で表現がしたい。というのが本音ですけど、そんなに現実は甘くないんで、もしかしたらどこかに就職しちゃうかもしれないんですけどね。--なんでそこまで歌が好きになったんだと思いますか?
脇田もなり:元々は『ミュージックステーション』で「JOY」を歌っていたYUKIちゃんにどハマりして、それからカラオケで友達の前で歌う楽しさを知って。その時点では自分が表に出て歌う人になるなんて思ってもいなかったし、Especiaに入ってからも最初は下向いてばっかで(笑)何も表現できてなかったんですよ。でも場数を踏んでいったり、清水さんからアドバイスをもらったりしていく中で、少しずつ評価されるようになって「あ、自分に自信持っていいんだ!」って。ツイッターに「あの声、好き」って書かれてたり、握手会とかで「声が好きでライブに来ました」って言ってもらえる度に自信も持てたし、歌が好きになれた。だからファンのみんなのおかげですね。--Especiaで過ごした3年半はどんな日々でした?
脇田もなり:波みたいというか、浮き沈みが激しい日々でした。良いときはどこまでも波に乗っていけるけど、悪いときは海のどん底まで沈んでいく。ずっとそれの繰り返しでした。「もう辞めたい、もうこんなしんどいのイヤ。こんな想いするのイヤ」って思っても、清水さんから「諦めるな、まだ」って言われて踏ん張って「まだいける、もっと上に行きたい。自分は行ける!」って言い聞かせる。その結果として「これがEspecia脇田もなりの集大成なんや」と思って新木場STUDIO COASTのステージにも立てたので、そういう意味ではもう納得してるんです。--新木場STUDIO COASTで卒業を発表して、自らの想いをファンの目の前で語るのはどんな気分でした?
脇田もなり:あんなに良いライブを楽しんでもらった後に、みんなをどん底に突き落としてしまって「ごめんね」っていう気持ちと、応援してくれたみんなを裏切ってるんじゃないかな?と思って複雑な気持ちになりました。だけど、もうこれ以上はここに居れないと思ってしまったので……--客席には泣きながらもなりの名前を叫んでいるファンもいました。
脇田もなり:また泣きそう……。--そんなこれまで応援してくれたファンに対してはどんな気持ちを抱いてます?
脇田もなり:私は表現者なんで、みんなに元気を与えて楽しませるのが役目だと思ってるんですけど、でも私は逆にファンの人にすごく元気付けられたというか……(※もなり、涙を滲ませる)ツラい状況になると、私すぐ顔に出ちゃうんで、ファンの人たちにもすごく伝わっちゃってて、表現者として失格なんですけど、でもみんなはいつも励ましてくれて、「歌が好きだよ」とか「笑顔が素敵だよ」とか言ってもらえたおかげで3年半やってこれたんで、感謝以上の想いがあるというか……みんながいなかったらもう歌も諦めていたと思うし、愛されていたなって思います。だから新木場STUDIO COASTでの卒業発表は「ごめんなさい」って気持ちでいっぱいでした。--実際の卒業理由が何であったとしても、今回の卒業は“脇田もなりが歌い続ける為の卒業”だった。そうしていかなきゃいけないと個人的には思うんですが、自分ではどう思いますか?
脇田もなり:自分でもそう言い切りたいんですけど……「Especiaの脇田もなりだったから声が生かされていただけで、1人になったらダメでしょ」とか言ってる人もいる訳じゃないですか。あと、Especiaもこれから新しい形になっていく上で、すでに前向きに話し合っていたりもするし、2人は東京行く準備もしているんですけど、それに比べて、私は自分で事務所探して電話したりとかしてて、そんな中でお母さんとケンカしたりとか……複雑すぎて、前に踏み出したいのにどんどん未来が遠ざかってるように感じて。--なんで親とケンカしたんですか?
脇田もなり:私が事務所も決まってないのに「もう東京に行く」って言ったんですよ。そしたら「何も決まってないまま行っても、どうせひとりじゃ稼がれへんし、どうすんの?」って聞かれたから、「じゃあ、どこかで社員として1年働いて、お金貯めてもう1回頑張る」って答えたらバシコーン!ってビンタが飛んできました(笑)。それもあってどうしていいか分からなくなってる。--最短距離での再デビューを考えるから焦っちゃうと思うんですけど、新しい事務所探すにしても電話するだけじゃ向こうも困っちゃうし、だったらまずは脇田もなりソロの音源とか映像とか資料を用意するとか……なんか話が転職相談所みたいになってますけど。
脇田もなり:ハハハ!--理想はどんな活動が将来的に出来たらいいなと思ってる?
脇田もなり:理想は……私、曲も作れないし、歌しかやってこなかったんで、勉強不足のままここまで来てしまったんですけど、これから知らないこともしっかり勉強して、もう1回シンガーとして世に出ていきたいと思っています。みんなに認めてもらえるような、いつか「1人になって正解だったんじゃない?」って納得してもらえるようなシンガーになりたいです。卒業して違う道を歩むからには、私もEspeciaに負けたくないんで。1人になって何もせず中途半端に「あ、終わった」ってなるのは格好悪いし、シンガーとしてやっていけるって決まったら最後までやり切りたいと思ってます。--では、最後に。ファンの皆さんにメッセージをお願いします。
脇田もなり:2/28の卒業ライブでEspecia第1章が終わるので、そこでみんなの中に私という存在が残るように頑張りたいです。そして、3年半ありがとうございました。さっきまで迷っていたんですけど、やっぱり歌は続けたいので、どんな形でもいいから頑張ってみんなの前に戻ってこれたらと思っています。そのときはまた私の歌を聴いてください。よろしくお願いします!リリース情報
CARTA
- 2016/02/24
- DVD盤(初回盤)[VIZL-923]
- 定価: 5,000円(tax in.)
- 詳細・購入はこちらから>>
- Remix & Inst盤(初回盤)の詳細・購入はこちらから>>
- 通常盤の詳細・購入はこちらから>>
関連リンク
Interviewer:平賀哲雄|Photo:外林健太
三瀬ちひろ卒業インタビュー
--1月17日 過去最大規模のワンマンライブとなった新木場STUDIO COAST。自分の中ではどんな公演になりましたか?
三瀬ちひろ:ライブ自体は思ったよりも人が来てくれてて、今まで一緒にやってきてくれたバンドの皆さんが演奏してくれて、最高のライブだったんじゃないかなって思ってます。ただ、卒業発表があることは決まっていたので、「絶対ビックリするだろうな」「みんな、大丈夫かな?」と思っていて、実際、状況がよく掴めなかったと思うし、今も掴めてないと思うんですけど……大丈夫ですかね?--大丈夫じゃなかったね(笑)。
三瀬ちひろ:ですよね(笑)。「おかしいじゃないか!」っていう。--三瀬さん、前回のインタビューでは「Especiaがないと、この先どうしていいか分かんない。7年ぐらい引き篭もっちゃう」と仰ってましたよね。あの時点では卒業するつもりはなかったんですか?
三瀬ちひろ:全くなかったです。だからあそこで話したことは嘘じゃない。--では、いつ卒業を決めたんですか?
三瀬ちひろ:新木場STUDIO COASTワンマンの1週間前ぐらいです。だからほとんどのメンバーが本当に直前まで知らなかったし、知っていたのはマネージャーさんとちか(三ノ宮ちか)だけ。--なんで卒業という道を選んだんでしょう?
三瀬ちひろ:Especiaが拠点を大阪から東京に引っ越すってなって、それも新木場STUDIO COASTワンマンの前に決まったことなんですけど、自分が東京でやっていけるのかどうか考えたんです。Especiaのことは本当に好きだし、ずっと続けていきたいって思っていたけど、心と身を壊してまで行きたいか?って自分に問いかけたときに「怖いな」って思ってしまって。東京へ行けば、その分生活費もかかってくるし、親に甘えたらいいと思うんですけど、自分の夢の為にそこまで甘える訳にはいかないなと思ったし、とは言え東京でバイトをする時間もそんなにないだろうし、現実的に考えて「あ、無理だ」って。で、Especiaにいた3年半を振り返ったときに、やりたいことは本当に出来たし、STUDIO COASTっていうすごく大きい場所にも立てたんで、後悔はもうないなと思って……東京に行くか卒業するかのどっちかだったので、だったら卒業してもいいかなって思いました。--東京に行くか卒業するか。その選択を迫られたときはどんな気持ちだったの?
三瀬ちひろ:「え!?」ってなりました。ただ、本当の気持ちは誰に言っても分からないだろうし、メンバーでも感じ方が違うと思うから、きっと誰にもすべてを理解してもらうことは出来ないと思うんですけど、本当に寝れないぐらい考えました。--誰かに相談したりもしなかったの?
三瀬ちひろ:しなかったです。……そしてこういう結果になりました。--自分はともかく3人一緒に卒業すると知ったときはどんな気持ちになりました?
三瀬ちひろ:「ヤバいな」って思っちゃったことは事実なんですけど、でもきっとこの3人がいなくなったとしても、あの2人だったら……これから新メンバーを増やすかどうかも分からないんですけど、もし2人でやるってなってもやっていけるんじゃないかなって思ってます。Especiaの意味ってスパイス=個性なんですけど、2人ともそれぞれ異なるスパイスを持ってるし、歌も上手いし、ダンスもすごく成長している。そして「Especiaを続けていきたい」って気持ちが強い。その気持ちさえあれば乗り越えられるんじゃないかな。--もし東京で暮らしていける余裕が三瀬さんにあったとしたら、これからのEspeciaに自分も参加していたと思いますか?
三瀬ちひろ:あそこで迷いが生じてしまった時点で、一緒に行きたい気持ちが100%ではなかったということなので、仮に残っていたとしてもダメになっていたと思います。--ただでさえ人見知りですもんね。東京で一人暮らしなんかしたら……
三瀬ちひろ:「東京、怖い」って本当に引き篭もってたと思います(笑)。--前回のインタビューで「やりたい」って言ってた企画『三瀬さんぽ』はどうするんですか?
三瀬ちひろ:どうしましょうね? ユーチューバーになります!--(笑)
三瀬ちひろ:ユーチューバーならどこに所属してなくてもデビューしてなくても勝手に出来る。--応援しますよ。いっぱいコメント書きます(笑)。
三瀬ちひろ:ちょっと考えます(笑)--それはそれとして、Especia卒業後はどうするんですか?
三瀬ちひろ:何も決まってないです。でも車の免許がすごく欲しくて。だからとりあえずお金を貯めて免許を取りにいきたいなと思います。それで車に乗って空港に行きます。私、飛行機がすごく好きなんですよ。見るのも乗るのも。なので、とりあえず近場の空港に行って、飛行機が離陸するのと着陸するのを見て、夜になったら山道登って星を見に行きたいなって思ってます。日中はぼーっと飛行機眺めて、夜はぼーっと星空眺めて……--優雅ですね。というか、隠居生活ですね(笑)。
三瀬ちひろ:ハハハ!--卒業でも引退でもなく隠居。
三瀬ちひろ:レアですね(笑)。--なんでだろう? この卒業インタビュー、全然悲しくならない。
三瀬ちひろ:(笑)--Especiaで過ごした3年半はどんな日々でした?
三瀬ちひろ:この3年半で自分自身が変われたし、見えない世界まで見せてくれたというか。普通に就職して仕事してたら経験できないことも経験させてもらったし、行けないところにも行かせてもらって、学べないこともたくさん学ばせてもらって、すごく成長できたと思ってます。プラス、大事な人も作れたし、Especiaで出逢った人にも感謝しているし、Especiaをやってこれた環境にも感謝してます。Especiaに入れて本当に良かった。--後ろにEspeciaのポスターが貼ってありますけど、どんな5人組だったなって思いますか?
三瀬ちひろ:ハチャメチャでした。ひとりひとり性格も全然違うし、考え方も似ているようで違うし、今まで本当に出逢ったことのない人たちばっかりで、最初は慣れなかったりもしたんですけど、でも……大変でしたね。子供を見ているようでした(笑)。「支えてあげないと」みたいな。--それは自分の中で楽しかったの?
三瀬ちひろ:楽しかったです! 一緒にいてメンバー4人が成長していく姿も間近で見れたし、悔しくて泣いたりしている姿も見てたし、ほぼ365日一緒にいて、一緒に生活して……なんて言ったらいいかよく分かんないんですけど、そうやってメンバーの人生に関われたことが嬉しかった。--では、これから離れ離れになってしまう子供たちへお母さんからメッセージをお願いしたいんですけど、まず脇田もなり。
三瀬ちひろ:もなりは本当に抜けてる娘だし、誰かが見ててあげないとどっか行っちゃいそうな娘なんで、今でも心配はしているんですけど、もう二十歳も超えて大人なので、独り立ちして、ひとりで何でも出来るようになってもらいたいなって。お母さんはいつまでも一緒にはいれないので(笑)。でももし何か困ったことがあったときは、他の娘もそうですけど、相談してくれれば……まぁ話を聞くぐらいしか出来ないですけど、それぐらいなら出来るんで連絡ください。--続いて、リーダーの冨永悠香。
三瀬ちひろ:はるかはしっかりしてるんですけど、プライベートのときは普通の女の子だったりするし、何でもひとりで抱え込んじゃう娘なので、今もメンバー3人抜けることが決まって、最年長のちかもいなくなっちゃうから大変だと思うんですけど、でもEspeciaに懸ける想いは人一倍強いから、この娘ならやっていけると思ってます。だからEspeciaに不安はない。ただ、プライベートでご飯が上手く作れないとか、片づけができないとか、そういうところは不安なので(笑)、どうにもならないときは手伝ってあげたいなって思ってます。--続いて、東京行きを決めた森絵莉加。
三瀬ちひろ:あの娘は世渡り上手だと思うし、自分のこと「人見知り」って言ってるけど、私に比べたら全然そんなことないし(笑)、本当に天真爛漫で明るい娘なので、きっとこれから関わる人たちにも好かれる。でもやっぱり明るいからこそ他の人には見せれない顔があったりするんで、悩んでいるときは私じゃなくてもいいですけど、リーダーのはるかとか、誰かに相談してくれたらなって思います。まぁでも絵莉加は芯の強い娘なんで、やると決めたら最後までやり遂げる娘だし、きっと大丈夫。--続いて、三ノ宮ちか。
三瀬ちひろ:あの娘は最年長ですし、きっと将来のこともちゃんと考えて……ないかもしれないですけど(笑)、意外としっかりしてるし、そんなに心配することもないかなって。まぁ「呑みに行こうか」って感じです。車の免許取ったら一緒に旅もしよう。温泉行きたいですね。--卒業ライブがある2/28はどんな1日に出来たらいいなと思いますか?
三瀬ちひろ:寂しさや悲しさはあると思うんですけど、でも私は最後も「来てよかったな。やっぱりEspeciaは楽しい!」って感じてほしいし、「この3人がいなくなってもまた来よう」って思ってもらえるような、次に繋がる卒業ライブに出来たらなと思ってます。2人の未来へのチケット役になりたいです。リリース情報
CARTA
- 2016/02/24
- DVD盤(初回盤)[VIZL-923]
- 定価: 5,000円(tax in.)
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Interviewer:平賀哲雄|Photo:外林健太
三ノ宮ちか卒業インタビュー
--前回のインタビューでちかぶぅ(三ノ宮ちか)は「年齢で卒業することはない」と断言していたんですけど……
三ノ宮ちか:言い切りました。--1月17日 過去最大規模のワンマンライブとなった新木場STUDIO COASTにて、三瀬ちひろと脇田もなりと共に卒業発表。なんで卒業しちゃうんですか?
三ノ宮ちか:Especiaの三ノ宮ちかとして「年齢を理由に卒業はない」ってずっと言ってたんですけど、イチ個人の三ノ宮ちかとしていろいろ考えてみて……自分からEspeciaが失われてしまったとして、それが28歳とか29歳だったとして、もしそうなったら怖いなって思ってしまって。で、Especiaが拠点を大阪から東京に移すこのタイミングがちょうど人生の分岐点だと思って、卒業するなら第一章のEspeciaが終わってしまう今だと思って決めました。--ただ、今回のツアーの最中は「パフォーマンス凄いなって毎回感動してほしい」「年齢で卒業することはない」と、継続の方向しか考えてなかったですよね?
三ノ宮ちか:あの時点ではそうですね。きっかけとして一番大きかったのは東京行きが決まったときで、そこでいろいろ考えてしまって……東京で活動していくってなったら今まで通りの状態では絶対ムリやし、そこで生活する為にかける時間も倍になってくるし、そこで年齢が出てきたんですよね。若いときの勢いで「行く」って言えないもどかしさ。私がはるか(冨永悠香/リーダー)やえりか(森絵莉加)ぐらいの歳やったら「何とかなるやろう」「1年ぐらい懸けてみよう」って思えたと思うんですけど、そういう勢いで考えられなかった。今年27になってしまうから、その1年を頑張ってガムシャラにやってみたとして、その結果が良かったとしても悪かったとしても、もう気付けば28とか29になってる。それが怖くて。で、そこでダメになってしまう自分をイメージしている時点でダメだなって。ポジティブに考える事ができなければ、やる気あるメンバーのモチベーションを下げてしまうし、メンバーに対して嘘ついてる感じになってしまうのもイヤやし……素直に言うと、まだ大阪でやりたかった。--なるほど。
三ノ宮ちか:東京で活動していくことに対しての不安に負けたというか、27で新たな環境に飛び込んでいく勇気が自分の中に作れなかった。そんな状態のままではEspeciaのプラスにならない。自分のことを全否定する訳じゃないんですけど、実力的に見てもプラスになってるか?って言ったら足を引っ張ってることが多いやろうし、そう思ったときに「向いてないんかな」って。Especiaは運が良かったと思っていて、いろんな巡り会わせとかタイミングの良さでここまで来れた。だから自分がここで仕事していることも奇跡だと思ってるし、芸能界に憧れてはいたけど、何か飛びぬけた才能があった訳でもないし、そんな娘がメジャーデビューまでさせてもらって、こういう仕事をさせてもらっていることも奇跡だと思うから。その奇跡を実力に変えて生き残っていくって考えたときに、なかなか上手く成長できない葛藤とかも結構あって、「自分ではこれ以上はムリかもしれない」っていう想いが強くなっていた。そんな状態で上京するのはどうなんだろうなって。--とは言え、Especiaはちかぶぅがメンバーを集めたグループであり、ちかぶぅはいなければ存在しなかった訳じゃないですか。その分、思い入れも強いし、とても大事な場所だったと思うんですけど、そこから離れてしまうのはどんな気分なの?
※Especia - We are Especia ~泣きながらダンシング~(ショート ver.)
--これからどうするんですか?
三ノ宮ちか:「違う形でもいいから残ったら?」って言われるんですけど、何をするにしても頑張らないといけないことがいっぱいあるから。私は自分に秀でたものがないと思ってるんで、なかなか前向きに考えられない。何が自分に出来るんだろう、果たして……なんですかね? 歳ですかね? 奥の奥まで考えてネガティブになってしまう。勢いがなくなってしまいましたね、最初の、若い頃の(笑)。でもチャンスがあれば! 元々やりたかった仕事なんで、話があれば「ぜひ!」って感じなんですけど……--今までとは別の形で芸能活動を続けていく?
三ノ宮ちか:はい。でも無理に自分から「仕事ください!」って感じではなくて、「こんな私でもよければ」っていう。--せっかく始めた女優業は? 舞台デビューされましたよね。
三ノ宮ちか:楽しかったですね。自分の中で歌に対する苦手意識が強くて、ダンスも褒められはするけど、一歩外に出されたら低レベルというか、全然踊れてないですし、それよりもセリフを覚えてお芝居するほうが変にいろいろ考えずにできる。暗記とか元々得意なので。どう感情を込めるか?とかいろいろあるんですけど、自分の中では「向いてるかもしれない」って思えた。自分じゃないものになれるんで、楽しい仕事だなって思います。--では、新木場STUDIO COASTでの卒業発表時には「イチ女性・三ノ宮ちかとしてこれからの人生を歩んでいくことに決めました」と仰っていましたけれども、今後も芸能活動を続けていく可能性はある?
三ノ宮ちか:そういうお話があれば、ですね。今から社会人になる可能性も十分にあるので、そうなると私はひとつのことしか出来ないので、どっちかにしたほうがいいだろうなって思ってます。私は簡単に「辞めたい」って言うタイプじゃないんで、決めてしまったその意志は固い。やるかやらないかどっちかにしか向かないんで、そう簡単には芸能の道へ進まないだろうし、「だったらEspecia続けろよ」っていう話なんで。そこはちゃんと考えて決めたいと思います。--Especiaで過ごした3年半はどんな日々でした?
三ノ宮ちか:不思議な世界でしたね。「なんで、こんな私を応援してくれるんやろう?」ってずっと思ってました(笑)。私は着飾ったりするのがキライなんで、ブリッコとかも出来ないし、ストレートに表しか見せられない。それでも、作ってないありのままの私を好きだって応援してくれる人がたくさんいる。それが目に見えて分かったのは嬉しかったです。私はこんなにチヤホヤされる仕事って他にないと思ってるんで、すごく甘い時間を過ごさせてもらったなって。いっぱい褒めて頂けて、みんなに可愛がってもらえた時間だったなと思います。--清水さん(マネージャー)に対してはどんな気持ちを抱いてますか?
三ノ宮ちか:これもまた不思議なんですけど、大阪支社には私のほうが清水さんより先にいたんです。だから付き合いは長くて、でもその中で関係性は変わりましたね。Especiaを始めるまでは友達感覚でいろいろ話してもらったり、ご飯連れて行ってもらったり、泣きながらタメ口で相談に乗ってもらったりして(笑)、甘えていたところがいっぱいあったと思うんですけど、Especiaが始まってからは「清水さんは上の人」っていう感覚に切り替わっていたので、昔みたいに甘えて相談したことはないですね。そういう意味で若干カベを作ってる自分はいたと思う。でも1対1で話すときは、Especiaの三ノ宮ちかっていうよりかは、長い付き合いの三ノ宮ちかとして話をしてくれていて、それはすごく有り難かったです。向き合ってくれてた。他のメンバーは「お父さんみたい」ってよく言ってるんですけど、ちかにとってはお兄ちゃん。無口で不器用な人ですけど、温かく受け止めてくれる人だし、Especiaをここまで持ってきて頂けたことには感謝しかないです。--これは清水さんとの酒席の話なんで言っていいか分からないんですけど、「ちかがまた何か芸能活動をすることになったら、俺は応援したいと思ってる」って言ってました。
三ノ宮ちか:それは親からも聞きました。清水さんがそう言ってたよって。この世界って「辞める」ってなったら突き放すところが多いと思うんですよ。一歩出てしまったら敵みたいなところがあるじゃないですか。でもそういう感じじゃなくて「協力したい」って思ってくれているのは本当に有り難い。素直に「じゃあ、よろしくお願いします!」って言えないのがもどかしいし、悔しいんですけど、そう思ってくれた気持ちが嬉しいです。--そんな清水さんとメンバーと作り上げたEspeciaは、ちかぶぅにとってズバリ何だったんでしょう?
三ノ宮ちか:自分の人生と言えるぐらい大きなもの。きっと一生忘れないし、一生感謝し続けると思うし、卒業しても自分の中に在り続けるもの。辞めようが続けようが関係なくもう自分の人生の一部、生活の一部、自分の体の部位になっている気がします。だから「楽しかったなぁ」って思い出すこともあるだろうし、本当に素晴らしい時間をプレゼントしてもらったなって。汗水垂らして、涙も流して、ケンカもして、家族以上に一緒にメンバーといて……私の青春そのものです。まだ26ですけど、私の人生を懸けたもの、大切なものでした。--自分が卒業した後のEspeciaにはどうなっていってもらいたい?
三ノ宮ちか:Especiaってひとりひとりをスパイスに例えてるじゃないですか。はるかとえりかは今のままのスパイスであってほしいんですけど、もし新メンバーが入るとしたらその娘に負けないぐらいの何かを身につけないといけないと思うんで、良いスパイスを調合しつつ成長してほしい。で、もし新メンバーが入るんだとしたら、今回卒業するもなり、ちひろ、ちかと同じスパイスだと意味がないんで、じゃないと強みにならないと思うんで、また違った雰囲気のスパイスがきいたメンバーに入ってきてほしいです。その娘が引っ張ってくれれば何かが変わるかもしれない。今まで振り向いてくれなかった人たちも「お!」って思ってくれるかもしれない。あかね(杉本暁音)が抜けたときに痛感したんですけど、そのメンバーへの想いが深ければ深いほどステージにその娘の姿を探してしまうんです。それは自分たちがどれだけ頑張っても埋められないし、実際に離れていった人たちもいるし。だったら新たなファンを惹き付けられる新メンバーを入れて、今までしたことがないことをして、大きくなるのが一番良いんじゃないかなって思いますね。--さすがによく見えてますね。
三ノ宮ちか:辞める自分が言うのもアレですけど、辞めるからこそ冷静に見えるものもあるので。あと、私はこれからもEspeciaを応援しますし、観に行きたいと思っていますし、第2章のEspeciaが上手くいって、今まで以上に大きい会場でもライブが出来るようになって、大阪にも来て頂きたいなって。人がたくさんいる客席からEspeciaを観たいと思ってます。--卒業ライブがある2/28はどんな1日に出来たらいいなと思いますか?
三ノ宮ちか:一番は平和に終わりたいです(笑)。修羅場にはしたくないですね、やっぱり。心に残るライブがしたいし、その為にも楽しく終わりたい。だから自分たちがどれだけ楽しめるかだと思ってますし、笑顔でEspeciaでの活動を終えたいと思ってます。私、家族とか親戚がいると緊張するんで呼ばないんですけど、今回は「観に来て」って伝えているので、Especiaの三ノ宮ちかとしての全てが出せたらいいな。そういう想いはどのメンバーにもあると思うんで、今まで観たことのない何かが観れるんじゃないですかね(笑)。楽しみにしててください!Interviewer:平賀哲雄
Photo:外林健太
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- 2016/02/24
- DVD盤(初回盤)[VIZL-923]
- 定価: 5,000円(tax in.)
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Interviewer:平賀哲雄|Photo:外林健太
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