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「完成したアルバムを“リークしちゃおうかな?”って毎週思う」― シナトラ愛炸裂!?の最新作をパニック!アット・ザ・ディスコが語る
「エキサイティングすぎて、自分のラップトップの中に入ってる完成したアルバムを「リークしちゃおうかな?」って毎週思うんだ。」と話すのは、米ラスヴェガスを拠点に活動するパニック!アット・ザ・ディスコのソングライター/フロントマンのブレンドン・ユーリ。彼が差しているのは、2016年1月15日にリリースされパニック!アット・ザ・ディスコの最新作『Death Of A Bachelor』(邦題:ある独身男の死)だ。
米ビルボード・アルバム・チャートで2位を記録した『Too Weird To Live, Too Rare To Die!』(邦題:生かしておくには型破り過ぎるが、殺すにはレアすぎる!)に次ぐ、約2年ぶりの新作のタイトルは、腕にタトゥーを入れるほど敬愛するフランク・シナトラへのトリビュート・ナンバー「Death Of A Bachelor」からとられたもので、曲が今年9月にBeats1にて解禁された際には、自身のInstagramで彼やその音楽への想いを綴っている。そんなブレンドンを去る12月13日に開催された米ラジオ局KROQ主催の【KROQ’s Almost Acoustic Christmas】出演前にキャッチ、最新作や溢れるシナトラ愛について話を訊いた。
俺にとって「My Way」となる曲が書きたい
まだ、そんな“傑作”は書けてないね
−−過去にフォーラムで演奏したことはありますか?
ブレンドン・ユーリ:いや、ないよ。でもアメイジングだ。これまで出演したアーティストや彼らが何度出演したかが書いてあって―8回、10回、3回とか。すごくクールだね。
−−壁に飾ってある過去の出演アーティストの写真を見回してみて、生で観たかったと思うアーティストはいますか?
ブレンドン:やっぱりシナトラ。昨日ちょうど彼の誕生日だったんだ。50年代後半~60年代前半頃のシナトラが観たかったな―ヴェガスのサンズみたいなとこで。タバコを吸いながら、ウィスキーを飲んで。一緒にハングアウトできたかまではわからないけど―かなり強烈な人だったみたいだし。前にHBOで放映された特番を観たけど、彼は本当にクール。俺が子供の頃に思ってたよりも、かなり“バッドアス”な人物だった。次点はクィーン、フレディー・マーキュリーだな。
−−では今晩シナトラの曲も歌う?
ブレンドン:昨晩「My Way」を20秒ぐらい歌ったよ。俺が死んだら、葬式で流して欲しい曲だ。めちゃくちゃいい曲だよね。
−−最近のインタビューでシティー&カラーのダラス・グリーンは、自分を曲をかけてもらいたいと言ってました。
ブレンドン:いい根性だな。俺も自分の葬式でかけれられるような曲をいずれ書ければとは思うけど。
−−今まで書いた曲でそれに一番近いものは?
ブレンドン:多分まだないな。「End Of All Things」って曲は、タイトルだけだったらピッタリだけど。俺にとって「My Way」となる曲が書きたい。まだ、そんな“傑作”は書けてないね。
−−ニール・ダイアモンドは64歳の時に「Hell Yeah」を書いたので、歳と経験とともにという感じですかね。
ブレンドン:願わくば40年後、俺が80歳ぐらいになった時に、“これだ”と思える曲が書けたらいいね。
−−80歳になってもツアーをしてると思いますか?
ブレンドン:それまで元気だったらね。多分バク転はもうできないと思うけど、ツアーは続けたい。ストーンズなんて、周りのことなんてカンケーないって感じで、今でも現役でやってるしね。シナトラの話に戻るけど、彼は80代に差し掛かってもライブを続けていた。確か85歳ぐらいのときも、まだツアーしてたはずだ。
−−では、待望のニュー・アルバムについて教えてください。
ブレンドン:『Death Of A Bachelor』ね。これまで、曲はほとんど自分で全部書いてきたけど、今回ホーン以外の楽器を自分でレコーディングできたのはクールだったし、俺にとって一大事だった。ドラムやバックグラウンド・ボーカルだったり。バックグラウンド・ボーカルを録った時、色々なキャラを演じたんだ。たとえば「Victorious」や「Emperor’s New Clothes」では、オペラチックなクィーン風とか。すごく楽しかったよ。で、しつこいけど、もちろんシナトラの影響も伺える。ネルソン・リドル風のアレンジを試みた曲もいくつかあるんだ。
−−新曲をツアーで披露するのも楽しみなんじゃないですか?
ブレンドン:まるで波のようなダイナミズムを与えてくれる。波が押し寄せてきて、シナトラ的なナンバーで一息ついて、1stアルバムのハイエネルギーなナンバーで再び押し寄せてくる。そこからまた静めていく、って感じさ。
−−ステージ上でより自分をさらけ出しているような感覚はありますか?
ブレンドン:そうだね。最近書いた曲は、昔より心情を吐露するような内容になっていて、すべて自分にとって意味があるもので、自分が経験してきたことについてだから…主にここ数年の間に。
−−そんな中、自分でも驚かさせられたものはありますか?
ブレンドン:もちろんあるよ。「The Good, The Bad And The Dirty」って曲は、この10年の間にツアー中に出会った人々を曲にしてみようと思い立ったことがきっかけに書いた。俺は大体の人を褒めるけど、リアルにそうできないこともある。みんなと仲良くできるわけじゃないから、それについて書くことにしたんだ。これはコーラスを書き上げるまで気づかなかったことで、思いついた時に「これはちょっと残酷で、気に入った。」って感じだったね。
−−その曲の中で題材にしている人々から何かレスポンスはありましたか?
ブレンドン:俺が嫌いな連中は大体が自己中心的なやつばっかりだから、きっとすぐには気づかないんじゃないかな。だから大丈夫だと思う。きっと「これ誰のことだろう。自分は友達だから、絶対自分ではない。」って感じだと思うよ。
−−最後に、ブレンドンの“ホリデー・ウィッシュ”は何ですか?
ブレンドン:俺はいつだってライブに命をかけてる。デビュー当時、注目してもらうためだけにサーカスみたいなツアーをやったけど、常にそれを超えたいと願望があるんだ。来年の夏にツアーをやる予定だけど、どんなものになるか自分でもすごく楽しみにしてる。すでにいくつか話し合ってるアイディアがある―ファイヤースーツを着て、曲の途中で自分に火をつけるとか。でも、消防法的に可能なのか、俺にはわからない。数年前、観客の頭上にネットを張って、大砲から自分を発射するスタントをやろう、って話したこともある。何が可能か、そのうち分かると思う。いろんなアイディアを打診するんだけど、いつもレーベルに「ノー」って言われるんだ。
Q&A by Steve Baltin and Monica Molinaro / 2015年12月15日 Billboard.com掲載
"Victorious" Music Video
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