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「最近のお笑いは誰かにマネをしてもらってヒットに繋がることが多い」 ― クマムシ インタビュー
お笑い芸人でありながら「あったかいんだからあ」の印象的なフレーズでCDデビューを果たし、今年の流行語大賞にもノミネートされたクマムシ。クマムシがヒットしたなと感じた瞬間とは?日頃の音楽の聴き方や、12月にリリースする初のアルバムの中身まで話を聞いた。
佐藤:iTunesで買う 長谷川:レコードを買う
−−クマムシのお二人は、日頃音楽チャートをご覧になりますか?
佐藤:見ます。アメリカのビルボードチャートは、よく見ています。
−−ありがとうございます。佐藤さんは、洋楽がお好きなんですよね。
佐藤:大好きです。今、一位があれですよね。(歌いだす)
−−ザ・ウィークエンドですね(笑)!長谷川さんは、いかがですか?「あったかいんだからぁ♪」がリリースされた時は、チャートを見たりしましたか?
長谷川:リリースした時は、けっこう気にしていましたね。でも、普段はあまり見ないかな。
−−Billboard JAPAN CHART insightでは、チャートの結果だけではなく、ラジオやTwitterなどのデータごとの順位なども見ることができます。ちなみに「あったかいんだからぁ♪」は、リリース前にtwitterとラジオで話題になり33位、翌週にデジタルが先行リリースされて7位を獲得し、そこから5月中旬までずっとチャートインをしました。
佐藤:おー!ほんとだ!すごい!
−−あとは6月の上旬に再度上昇していますね。Billboard JAPANチャートでは、人々の音楽の聴き方に合わせて、ラジオ、ストリーミング、YouTubeなど複数のデータを使い、世の中への浸透度を測っています。お二人は、普段どうやって音楽を聴いてらっしゃいますか?
佐藤:僕は、YouTubeで見るか、iTunesで買います。
長谷川:僕もYouTubeが多いかも。あとは、元々DJをやっていたので、好きな曲のLP盤が出たら買っちゃいますね。
−−最近買った曲はなんですか?
佐藤:俺は、昨日iTunesで「Your Song」を買いました。
−−なぜ「Your Song」を買おうと思ったんですか?
佐藤:なんかBSテレビで、エルトン・ジョンの「Your Song」が出来るまでの特集をやっていて。改めて聴くと「綺麗な曲だな~」と思って。
長谷川:いい歌だよね。
佐藤:で、歌詞を見てたら、すごく内容が等身大で。恋した歌うたいがその人のために作った曲なんですよ。僕、別に歌を歌わないですけど、すごく共感しちゃって。「すごい良い歌だな。歌詞も良いな」って思って。ジョンのピアノも味があるなって思いました。何かジョンって孤高の人らしいんだけど、この「Your Song」とかファースト・アルバムって、色んな人のために作ったんだって。何かねジョンのそういう想いとかを知ったら、ただの恋愛の歌だけじゃなくて、ジョンの気持ちも入ってきて、今すごい好き。
長谷川:ジョンのことめっちゃ語るじゃん!
佐藤:昨日、寝る前にずっと聴いてたもん。
長谷川:昔、佐藤君の家に3泊4日して、ネタ作り合宿をしたことがあるんですが、佐藤君って毎朝、ジャミロクワイを流すんですよ。
佐藤:テンションが上がるから。ちょっと前までは、テイラー・スウィフトの「Shake It Off」を聴いていたんですが、今はまたジャミロクワイに戻りました。(エルトン)ジョンで寝て、ジャミロクワイで起きる生活です。
−−長谷川さんは、最近 何を買いましたか?
長谷川:僕は、大貫妙子さんの「都会」のレコードを買いました。イントロのサックスが渋い感じと、「その日暮らしは止めて」っていう歌詞が好きで。音源としては持っていたんですけど、LPが限定販売されていたので、買っちゃいました。他には、山下達郎さんも大好きです。洋楽だと、スティーヴィー・ワンダーさんとか、ノラ・ジョーンズさんとか。ノラ・ジョーンズさんは、彼女がまだ売れる前にライブにも行ったことあります。
佐藤:昔、長谷川に電話したら待ちうたがノラ・ジョーンズの「Don’t Know Why」でした。
長谷川:そうそう。
佐藤:俺それで嫌いになっちゃった。
長谷川:え?
佐藤:長谷川思い出しちゃうから。
長谷川:いいじゃんか別に! 僕は結構しっとりした曲が好きですね。
−−ライブにも行きますか?
長谷川:最近は行けていないですね。むしろ出させてもらうことの方が多いです。今年は、【FREEDOM aozora 2015】や【MUSIC CIRCUS’15】に出演させてもらいました。
リリース情報
特別なスープ
- クマムシ
- 2015/12/16 RELEASE
- [初回盤A CH-7096 定価:¥3,200(tax in.)]
- 初回盤A 詳細・購入はこちらから>>
- [初回盤B UPCH-7097 定価:¥2,300(tax in.)]
- 初回盤B 詳細・購入はこちらから>>
関連リンク
長谷川:Twitterのタイムラインやイベントの動員数で人気の度合いを感じます
−−ネタを作る時に音楽を聴いたりしますか?
長谷川:ネタを作るときは一切聴かず、家の中で、ひたすら考えて作ります。曲を作る時も、そうですね。
−−「あったかいんだからぁ♪」は、どうやって作ったんですか?
長谷川:「あったかいんだからぁ♪」はドラッグストアのアルバイトで、コーンスープの数を数えていたら、突然「特別なスープー」の部分が思い浮かんだんです。で、パッケージを見たら、「あったかーい」って書いてあったので、そのまま繋げて、あの曲ができあがりました。
−−その時に、CDを作ることを想像していましたか?
長谷川:全然! 夢にも思ってなかったですね。
−−「あったかいんだからぁ~♪」がヒットしたなと実感したのは、どんな時ですか?
長谷川:僕は、新宿の大型ビジョンに流れているPVを見た時ですね。自分が歌っている姿が街中に流れて、みんながそれを聞いているのを見た時に、すごく実感しました。
−−佐藤さんもですか?
佐藤:いや、俺もその映像見たけど、俺は写ってなかったっす…。
長谷川:そうだね…。俺が歌ってるシーンから始まっちゃってるからね…。
佐藤:俺の場合は、AKB48の松井珠理奈さんやBIGBANGさんが、マネしてくれた時に「くるんじゃないか!」って思いました。その後、きゃりーぱみゅぱみゅさんとかSEKAI NO OWARIセカオワのFukaseさんもTweetしてくれて、さらにそれがYahoo!ニュースに取り上げられたりして。その頃に、これはヒットするんじゃないかなって思いましたね。
長谷川:確かに、色んなアーティストがマネしてくれた影響は、でかかったね。しかも、その後一緒に仕事できたり。
佐藤:そうだね。そういう意味では、最初にマネしてくれた松井珠理奈さんには感謝していますね。
−−私たちは、CDの売り上げやダウンロードなどのデータを使ってヒットチャートを作っていますが、お笑いの世界では、誰が売れているかはどうやって測るんですか?
長谷川:そうですね。Twitterのタイムラインで見る頻度や、ショッピングモールの動員数などを知って、売れているかどうかを感じることが多いですね。例えば、以前8.6秒バズーカーがイベントの様子をTweetとしていたんですが、その時写真に写ってたお客さんの数が尋常じゃなくて。そういう写真を見て、流行っているなあって実感することが多いです。
佐藤:俺たちもイオンモールでイベントした時、すごかったよね。3000人だっけ?
長谷川:お客さんが集まり過ぎて、1階のお店の棚が倒れそうになったこともありましたね。
佐藤:イオンモールに向かうためのクマムシ渋滞も起こりました。
長谷川:結果、僕らが渋滞に巻き込まれて遅刻しそうになったり(笑)あとは、色んな人がマネしている動画をSNSで見ると、「流行ってるんだなあ」って実感しますね。俺らに限らず、最近はアーティストがマネしてくれたことをきっかけにヒットする芸人が多いですね。日本エレキテル連合も、aikoさんにマネされてましたし、他にもピスタチオとか、厚切りジェイソンとか。
−−マネをして、それがSNSで拡散されて流行に繋がっていくというのは、お笑いの世界も音楽も同じなんですね。ただ、音楽業界では今YouTubeなどの無料動画配信サービスのせいで、CDが全然売れないとも言われています。お笑いも検索すればコントや漫才をたくさん見ることができますが、YouTubeの影響でお笑いライブへの動員が減ったりしていますか?
佐藤:俺は、YouTubeのせいでライブの動員が減ることはないと思う。面白かったら、人は集まってくれると思います。
−−無料で見られるかどうかは関係ないと?
佐藤:僕は関係ないと思っています。ただ、テレビの場合はYouTubeにアップされると、同じネタをできなくなるんです。テレビ局の方から「別のネタを作って」って言われます。
−−なるほど。
佐藤:なので、どんどん新しいネタを作らないといけないという大変さはありますが、やはりYouTubeの影響力は大きいし、YouTubeで知ってもらって拡散されることの方がメリットが大きいと思います。
−−「あったかいんだからぁ♪」ぐらい流行すると、YouTubeで見たけど生でも見たいからライブに行く人も多いでしょうしね。
長谷川:そうですね。実際そういうファンの方も多いです。
佐藤:逆に、アーティストの皆さんは、YouTubeについてどう思ってらっしゃるんですか?
−−私達がインタビューした方々は、佐藤さんのようにプロモーションとしてのメリットがあると感じてらっしゃる方ばかりですね。そして良い音楽を作り続ければ、絶対にライブにも来てくれるし、CDも買ってくれるとおっしゃっていました。
佐藤:ですよね。なので、これからもみんなの気持ちに残る歌を常に作り続けていきたいなと思っています!
−−なんか、佐藤さん アーティストみたいですね!
長谷川:作り続けていきたいっていうのは、僕の意見ですよ!
リリース情報
特別なスープ
- クマムシ
- 2015/12/16 RELEASE
- [初回盤A CH-7096 定価:¥3,200(tax in.)]
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- [初回盤B UPCH-7097 定価:¥2,300(tax in.)]
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佐藤:ジョン・レノンとジョニー・ロットンを足して2で割ったような声です
−−佐藤さんは、作曲はしないんですか?
長谷川:来年は、機会があれば佐藤君がパーティーピーポーソングみたいなのを作ったら面白いかなと思ってます。
佐藤:あー、EDMね。じゃあ、日本語でEDM作ろうかな。そしたら、PSYみたいに世界中で有名になれるかな。ユニバーサルさん、お願いします!
(ユニバーサル担当者):でも、全然作る気配ないじゃないですか。
佐藤:え?俺は作んないですよ。
長谷川:え?作曲は、俺頼みなの?
佐藤:はい。長谷川とユニバーサルさんで作ってください。できたら行きますから。
−−そもそも、歌はお上手なんですか?
佐藤:そうですね。味のある声というか…。ジョン・レノンと、セックス・ピストルズのジョニー・ロットンを足して2で割った声とは言われてますね。
−−そうなんですか。
佐藤:ええ。そんな声をしています。
(ユニバーサル担当者):ちなみに、ここに佐藤さんの演奏シーンがあるんですけど、見ますか?
佐藤:え!いいですよ!
長谷川:「モグラのブルース」ですね。 これは、アルバムの初回盤Aの特典DVDに入っているんですが、演出もすべて佐藤君が考えたんです。
佐藤:あー、流れちゃった・・・。
「もーぐーらーのブルース♪」
一同:・・・・・。
佐藤:もういいです!止めてください!
−−・・・。いい声ですね。
佐藤:・・・。もう消してください・・・。
▲ 「Attakaindakaraa♪feat.カストロさとし」 MV
−−今回、リリースされるアルバムは「あったかいんだからぁ♪」の色んなバージョンが入っていて面白いですね。
長谷川:盆踊りバージョンは、盆踊り発祥の地の遊行寺でも歌わせてもらいました。
−−メロディがシンプルなので、どんなバージョンにも合って楽しいですよね。カストロさとしさんの英語バージョンも、面白い仕上がりでした。どういう経緯で、カストロさとしさんと一緒に作ることになったんですか?
佐藤:こいつが勝手に作ったんです。
長谷川:こいつって、言うなよ!
佐藤:だって、こいつ俺の歌う場所、1つも入れなかったんだもん。
長谷川:アルバムの全曲あわせて、佐藤君が歌ってるところって…。
佐藤:17文字です。
−−数えたんですね・・・。
佐藤:はい。
長谷川:でも、アルバムの特典映像に入っているPVには、佐藤君は大活躍していて、すごく良い演技をしているって話題になっているので、楽しみにしていてください。
佐藤:そうですね。ファンの方から「CD買ってもPV付いてこないんだ」っていう声がいっぱいあったので、今回のアルバムで付けることになりました。女装したやつとか、バービーさんとのベッドシーンやらキスシーンやら、色々頑張っているので見てください!
長谷川:特にモグラのブルースは、一度見た後に、もう1回見るとさらに面白くなりますから。見れば見るほど味が出てきます。
佐藤:もう、いいって・・・。
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特別なスープ
- クマムシ
- 2015/12/16 RELEASE
- [初回盤A CH-7096 定価:¥3,200(tax in.)]
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