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AOR AGE Vol.2発売記念&ボビー・コールドウェル再来日記念インタビュー

デイム・ファンク インタビュー

 中田利樹氏執筆・監修による、入魂の1冊丸ごとAOR。今年シンコー・ミュージックから新たにスタートしたムック・シリーズ『AOR AGE』の第2弾がついに発売。エアプレイの『ロマンティック』発売35周年を記念して大フィーチャーした第1弾に続いて、11月にリリースされた第2弾は、ビルボードライブ最多登場アーティストの一人であり、11月にジャック・スプラッシュとの共作アルバム『クール・アンクル』をリリースしたボビー・コールドウェルを46ページに渡って徹底特集!
今回はAOR AGE Vol.2の発売とボビーの12月の再来日を記念して、AOR AGEに掲載されたボビーの最新インタビューを特別に掲載。現代のR&Bに精通する若手プロデューサー、ジャック・スプラッシュと合体した新プロジェク卜の狙いとは?そして、12月に行われる今年2回目の来日公演についても語ってもらった。

フェイスブックでつながった新コンビ

−−今回のアルバムはこのところのボビーさんのアルバムとは全く違うサウンドですね?

ボビー・コールドウェル(以下、BC):うん。自分よりとっても若い人間と制作した初めての作品だよ。彼の名前はジャック・スプラッシュ。この4年で2度、グラミーを受賞しているプロデューサーで、マイアミ・ヘラルド紙に載った彼のインタビューを読んだら「誰からの影響が一番大きいのかな?」という質問に対して、「ボビー・コールドウェルかな?」って答えていたんだ。それで、何だって~?!よし、ちょっと様子を窺ってみよう、ってフェイスブックでコンタクトを取って、その4週間後にはマイアミに向かっていたんだ。それでプロジェクトがスタートし、5回、マイアミに足を運んだ。毎回、3日間滞在し、午前10時から夜中まで制作に打ち込んだよ。その15日間でアルバムの曲を全て書き上げたんだ。

−−実作業はどう進んで行ったのでしょうか?例えはどちらかが音楽を書き、もう1人が歌詞を書く、とか…。

BC:いや、全てにおいて同等に共作したんだ。ジャックとの作業はとても楽しくて、ケミストリーがちゃんと存在していたし、スタジオでの作業もうまく行った。各3日間の作業で、1日のうちの半分は曲を書いて、残りの半分は歌ってバッキング・ヴォーカルもやって、オーヴァーダブもやった。だから、3日毎に平均4曲仕上げていたんだ。

−−それは本当に早いですね!いつもはそんなペースではないですよね?

BC:全然!(笑)。僕は結構うるさいんだよ。あと1つ付け加えておきたいのは、各3日のセッションとセッションの間は、かなり空いていたということ。正味は15日間だったけど、2人ともやることがいろいろあるんだ。彼には彼のやることがあったし、 僕はツアーに出てライヴをやったりしていたんで、2人のスケジュールが合った3日ずつ時間を作っては作業していたんだよ。だから、延べにすると3年かかったんだ。長く思えるかもしれないけど、実際には15日しかかからなかった。

−−アルバムの音を聴かせていただいてとても驚き、 そして感動しました。1970年代終盤のボビー・コールドウェルでありながら、今の時代にとってもフィッ卜しています。

BC:ありがとう!それこそまさに、僕たちがやりたかったことなんだ。

−−実は、アルバムを聴く前は、もっとヒップなR&B系で、より若い人向けになっていたらどうしよう…って,思ってたんです。ウィル・アイ・アムと組んだセルジオ・メンデスのように。ところがもうど真ん中でした!

BC:それはどうもありがとう。そう言ってもらえて嬉しいよ。

7 Days of Funk Release Party
▲ 「Cool Uncle (Bobby Caldwell & Jack Splash) - Mercy (Audio) ft. CeeLo Green」

−−ゲスト・アーティストに関してコメントを頂けますか?

BC:まず誰よりも先に挙げたいのが、シーロー・グリーンだね。彼はアメリカではスーパースターだよ。彼からのインプットがあったのは素晴らしいことだった。僕たちが一緒にやったのは「Mercy」だ。あと、メイヤー・ホーソーン。白人だけど、R&Bにものすごく影響されているんだ。彼はこっちで素晴らしいキャリアを積んでいる。この間、東京のビルボードライブでやったんで、日本でもブレイクするんじゃないかな。それから、英国の女性、ジェシー・ウェア。一緒に仕事が出来て素晴らしかったよ。デニース・ウィリアムスはよく知られたスーパースターだね。

−−アルバム・タイトル『Cool Uncle』に関して、少しコメントをいただけませんか?

BC:どうしてそのタイトルになったのか、僕にはさっぱりわからない(笑)。あれは完全にジャックのアイディアだったんだ。

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メロディと歌詞に専念した新作

Cool Uncle
▲ 「Cool Uncle (Bobby Caldwell & Jack Splash) - Miami Nights (Audio)」

−−アルバムの曲について一言ずつコメントして頂けないでしょうか?

BC「Miami Nights」は、書かずにはいられなかった。僕たちはマイアミにいたんだからね。そしてそこにいた間中、天気は完璧だった。この曲を聞くと、僕はすぐにマイアミのことを思い出す。僕の過去に遡って、ラテンやレゲエといったマイアミのローカル音楽からの影響に触れることが出来たんで、この曲を書くのはとても楽しかった。すごくエキサイトしたよ。

「Breaking Up」は、僕たちが最初に書いた曲。初日を終えて、早く帰りたいという気持ちだったことを憶えているよ。こっちでのファースト・シングルはこの曲になるんじゃないかな。

「Mercy」は、夜遅く出来た曲なんだ。2人とも顔を見合わせて、「なんてこった!これは素晴らしい!」と思ったね。すごく早く出来たんだ。元々、ヴォーカルは全て僕が歌ったけど、後になってからジャックがシーローを参加させようというアイディアを思いついたんだ。もちろん、僕には異存がなかった。曲のためになったと思う。

Cool Uncle
▲ 「Cool Uncle (Bobby Caldwell & Jack Splash) - Embrace the Night (Audio)」

「Embrace The Night」はいかにもボビー・コールドウェルって感じだね。とても気に入っているよ。「Miami Nights」と共にすごくエキサイトしている曲のうちの1つだ。

「Break Away」は、ジャムっていたら突然歌詞が出だしたんだ。大抵、曲作りの際にはキーボードかギターの前にマイクが置いてあって、メロディのラフなアイディアを出していた。

「Destiny」は、すごくアップ・テンポの曲が欲しかったんだ。

「Never Knew Love Before」はこっちでリリースされる最初の2枚のシングルのうちの1枚なんだ。

「My Beloved」はヴァンパイアについての曲。こっちでは、ヴァンパイアはとっても人気があるんだよ(笑)。

「Lonely」は僕がエレクトリック・ギターを弾きだして出来た曲なんだ。そこにドラム・ビートを加えて、歌詞が出来て行って、といった具合に曲が出来て行った。

「End Of Days」はアルマゲドンについての曲を作りたかったんだ。つまり、とある人々がアルマゲドンの到来を待っていて、最後のパーティを開いているところなんだよ。とてもポジティブな形で世界について歌っているんだ。

「A Dream」はジャックも僕も、ジョン・レノンの「Imagine」を彷彿させるものを求めていたんだと思う。そこで、そういうイメージをまとめたんだけど、音楽的には奇妙な背景だった。ああいう音楽だと、どういった歌詞にするかというのはおのずと決まって来るものだ。そうして出来たのがこの曲だよ。これもかなり早く出来上がったんだ。

 このプロジェクトの素晴らしかったところは、いつもは僕が考えないといけないいろいろなことを考えなくても良かったということ。特に、プログラミング。キーボードやストリングスの追加のプログラミングは僕がかなりやったけど、ドラムのプログラミングはジャックに任せたんだ。そのおかげで、僕が心配しないといけないことが1つ減って、僕はメロディと歌詞に専念することが出来たんだ。

−−イントロとアウトロがありますが、これにはどういった意図があるのですか?

BC:あれは、ジャックのアイディアだったんだ。さっきも言ったように、僕はジャックのやり方にはほとんど賛成だった。アルバム全体がうまい具合にまとまったよ。

−−12月にまた日本公演を行なってくれますが、今までと全く違うものになりますか?

BC:なるよ!ニュー・アルバムからの曲をたくさんやるし、過去の全てのアルバムから久しくやっていなかった曲もやる。だから、すごく楽しみにしているんだ。新曲をパフォーマンスするのって楽しいんだもの。でも、オーディエンスが聴かないといけない曲というのもあるんで、それをやらなかったら僕は生きて帰れない(笑)。

−−今後のボビーさんはこの路線を踏襲していきますか?あるいは、あくまでも今回は企画盤的な要素が強く、次回はまた全く違うものになりますか?。

BC:ジャックとは今後も一緒にやって行くことになると思うけど、今回のアルバムの国内外での成功によるところが大きいかな。だから、今後の様子見だね。どう受け止められるのか、じきにわかるさ。このアルバムの一番いいところは、誰が聴いても気に入る曲が必ずあるということ。30年前からのファンもその子供たちも、気に入る曲が必ずあると思うな。

通訳:川原真理子

AOR AGE Vol.2では、このインタビューの他、ボビーがブレイクした直後の1979年のインタビュー、全アルバムレビューに加えてボビーが提供した曲&セッションワーク傑作選など、なんと46ページにわたるボビー・コールドウェル徹底特集を掲載。 ファンにとってはまさに永久保存版の1冊となっている。

ビデオ・メッセージ from ボビー・コールドウェル

ボビー・コールドウェル&ジャック・スプラッシュ「クール・アンクル」

クール・アンクル

2015/11/11 RELEASE
VICP-75153 ¥ 2,970(税込)

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Disc01
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  2. 02.ゲーム・オーヴァー feat.メイヤー・ホーソーン
  3. 03.ブレイキング・アップ feat.デニース・ウィリアムス&エリック・ビディンズ
  4. 04.ネヴァー・ニュー・ラヴ・ビフォア
  5. 05.マーシー feat.シーロー・グリーン
  6. 06.デスティニー
  7. 07.エンブレイス・ザ・ナイト
  8. 08.マイ・ビラヴド
  9. 09.ブレイク・アウェイ feat.ジェシー・ウェア
  10. 10.マイアミ・ナイツ
  11. 11.ロンリー
  12. 12.ザ・キャット・ケイム・バック
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