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AAA 日高光啓インタビュー



SKY-HIインタビュー

 男女7人組のスーパーパフォーマンスグループAAAのメンバーで、ソロとしてSKY-HI名義でも活動中の日高光啓。今年10周年を迎え、初のアジアツアーや7ヶ月連続シングルリリース、ライブツアー【AAA ARENA TOUR 2015 10th Anniversary -Attack All Around-】を行うなど走り続ける彼が考えるヒットとは? Billboard JAPANチャートを見て感じることや、音楽チャートの必要性について話を聞いた。

ニュースを通じてチャートを知ることが多いですね

−−日高さんは、日頃音楽チャートをご覧になりますか?

日高光啓:そうですね。日々チェックするというよりは、ファレル・ウィリアムスの「ハッピー」やマーク・ロンソンの「アップタウン・ファンク」が何週も連続で一位を獲ったとか、ドレイクの新作が14曲同時チャートインした等のニュースを見て、チャートを知ることが多いですね。あとは気になるアーティストがいると、iTunesのチャートとオリコンチャートを見比べてみることもあります。

−−チャートの中に知らない曲があると、聴いてみますか?

日高光啓:別にチャート至上主義ではないですが、知らない曲が上位にあると、とりあえず聴きますね。聴いた結果、触手が動かない時もあるし、気に入ってそのまま買う時もあります。今って、フィジカルでもダウンロードでも24時間いつでも買えて便利ですよね。

−−最近は何を買いましたか?

日高光啓:松本隆さんの作品をパッケージで買いました。松本隆さんのことは、師と仰ぐくらい尊敬しています。大衆に届ける詩の世界の強さと、ある種対局にいる強固な自意識のバランスを感じる。松本さんって、歌詞をビジュアライズさせるのが超うまいですよね。ラッパーだなって思います。

愛してるのに、愛せない
▲ 「愛してるのに、愛せない」MV

−−日頃から、音楽はダウンロードするよりパッケージで買う方が多いですか?

日高光啓:両方あります。どちらかというとダウンロードの方が多いですね。今日もメイク中にダウンロードしました。

−−何の曲ですか?

日高光啓:アレサ・フランクリンの『ヤング・ギフテッド・アンド・ブラック』です。メイク中に「ROCK STEADY」が聴きたくなって。せっかくだからアルバムで買おうかなと。メイク中に、「あの曲なんだっけ?」って思い出して、買うことは多いですね。あとはCDで持っているけどデータでない曲があると、CDを探すのも面倒になって買ったり。色んな買い方がありますね。

−−アルバムを通して聴きますか? もしくは、色々気になる曲を曲ごとに買って聴きますか?

日高光啓:実は、最近それについてずっと考えていました。アルバムって、本来は一枚通して聴くものだと思っていたんですが、ウォークマンが出始めて、シャッフル機能やプレイリスト機能ができたころから、そうではなくなってきましたよね。サブスクリプション型音楽配信サービスが普及したことで、さらにアラカルトっぽい聴き方が普通になってきて。作る側としては、アルバムを通してのコンセプトはあるべきですが、両方の聴き方を大切にしたいなと思っています。

−−リスナーによって、色んな聴き方がありますもんね。

日高光啓:CDが売れなくなって、昔よく通っていたレコード屋さんとか、CDショップが軒並み潰れていった時期がありました。その時、アナログ神話や、SeratoでDJをするのは良くないっていう声を聞きましたが、それを聞いてかっこ良くないなって思いました。だって時代は変わるし、どうやって聴くかは聴き手が選ぶべきものだから。そもそも聴いてもらうだけで時間もお金も割いてもらっているのに、こっちが文句言う筋合いなんてないですよね。だからCDをコピーするのも、YouTubeから音源を抜いて聴く人がいるのも仕方ないと思う。だって、実際簡単に手に入るんだったら止められないですよ。そんなことを気にするより、良い曲を作って良いライブをして、「この人は、良いアーティストだな」って思ってもらえることにだけ集中する方が絶対に良いと思っています。

LOVER
▲ 「LOVER」MV

−−その通りだと思います。ちなみに、日高さんは子供の頃はどうやって新しい音楽を探していましたか?

日高光啓:CDを買ったり、レンタルショップに行ったりしていました。主な情報源は友達ですね。クラスに1人くらい、イケてる音楽に詳しい奴っているじゃないですか。あとは、スペシャ(スペースシャワーTV)とMTVが好きでした。学校が終わったら友達の家で、ずーっとMTVを見ていました。付けっぱなしで、楽器をいじったり喋ったり。最高に楽しかったなあ。だから、今 みんながYouTubeを見る気持ちはすごく分かる。今 中学生だったらYouTube見ている気がする。ちなみに、ラップをするようになったのもMTVがきっかけです。RHYMESTERの「ウワサの真相」を見て、すごく衝撃を受けたんです。イントロにCreamの曲が使われていて、日本語のラップってこんなにかっこいいんだって思いました。

−−今は、YouTubeだけを見てCDも全く買わないし、ダウンロードもしないというリスナーも、たくさんいると思います。日高さんは、そういう無料の聴き方と有料の聴き方を、どう使い分けていますか?

日高光啓:有料でも無料でも良いから、好きになってもらうしかないと思っています。自分のことを知ってもらうという最初の段階でお金のことを考えない方が、結果としてビジネスとして成立する気がします。まずYouTubeなどで聴ける、知る、見れるという機会は多ければ多い方が、絶対に好きになってもらいやすいですから。むしろ最近は、YouTubeもクリックしてもらわないと聴いてもらえないから、どうやったらクリックしてもらえるかが課題です。昔は、ミュージックビデオをフルバージョンで出す人が珍しかったので、フルバージョンで出せばとりあえず聴いてもらえたんですが、最近はそうでもなくなってきて。だって、やっぱり水着の可愛い女の子が大人数で踊っている動画があったら、そっちの方がクリックしたくなるじゃないですか。どうやったら水着の女の子に勝てるんだろうって、いつも考えてます。

−−笑。

Flavor of kiss
▲ 「Flavor of kiss」MV

日高光啓:フランスのJ-POPオタクから、「最近はK-POPしか聴いてない」って言われたことがあるんです。理由を聞いたら「K-POPの曲はYouTubeでたくさん聴けるけど、J-POPはYouTubeに上がってないから好きになりようがないじゃん」って。もっともだなって思いました。日本にはPSYみたいにYouTubeからスターになった人って(まだ)いないですよね。

−−そうですね。

日高光啓:今は、YouTubeに音源を上げる人が増えてきたから、変わっていくのかもしれないけど。でもその一方で、動画とか漫画とか娯楽がすごく増えているから、俺たちのミュージックビデオを見てもらうには、どうすれば良いのかってことを考えています。発信するからには楽しんでもらいたいし、さらに見た後に考え方でも信念でも良いので、なにか影響を与えられるものでありたいと思います。それが音楽の素晴らしさだとも思うから。

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  2. このデータ、ずっと見てても飽きないですね(笑)
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AAA「愛してるのに、愛せない」

愛してるのに、愛せない

2015/09/16 RELEASE
AVCD-83363 ¥ 855(税込)

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Disc01
  1. 01.愛してるのに、愛せない
  2. 02.愛してるのに、愛せない (Instrumental)
  3. 03.Think about AAA 10th Anniversary ~season 35~
  4. 04.Think about AAA 10th Anniversary ~season 36~
  5. 05.Think about AAA 10th Anniversary ~season 37~

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