Special

レイ・パーカー・Jr.&レイディオ 来日記念特集

 来月12月に来日公演を行うレイ・パーカーJr.&レイディオ。70年代末から80年代にかけて数々のR&Bヒットを世に放った彼らが昨年に引き続きまたしてもBillboard Liveのステージを盛り上げる。

 今回はそんなバンドの中でも、絶対的なリーダーとしてグループを率先するレイ・パーカーJr.を特集。90年代のレイディオ解散後はソロキャリアを邁進し、あの伝説的な映画主題歌のヒットも飛ばした彼は、実はデトロイト=モータウンのコネクションから誕生した腕利きのスタジオ・ミュージシャンでもあった。キャリアの初期から、円熟したプレイを見せる現在まで、その足取りをともに追ってみよう。

デビュー前は気鋭のスタジオ・ミュージシャンとして活躍

 レイ・パーカーJr.のミュージシャンとしての活躍は、他の多くのビッグ・アーティストと同様、スタジオ・ミュージシャンとして始まる。


▲The Honey Cone「Want Ads」(LIVE)

 パーカーは1954年、ミシガン州デトロイトに生まれた。50年代のデトロイトと言えば、やはり「モータウン」の影響を外しては語れないが、それはパーカーにしても同じだ。彼が10代の頃からハウスハンドの一員として活動の拠点としていたデトロイトの伝説的クラブ「The 20 Grand」は、しばしばタムラ/モータウン系のアーティストも出演した。若きパーカーはそこで腕を磨き、モータウン関連のリリースにも参加。その代表的な作品として、モータウンの派生レーベルであるホット・ワックスから71年にリリースされた、ハニー・コーンの「Want Ads」が挙げられる。パーカーが得意とするカッティング・ギターが冒頭からフィーチャーされた同曲は、全米1位という華々しい結果を残した。




▲Stevie Wonder「Maybe your baby」(LIVE)

 さらに、やはりモータウンつながりで、72年、パーカーはスティーヴィー・ワンダーの転機作『Talking Book』の「Maybe Your Baby」に参加。あのセント・ヴィンセントをして“自分が書きたかった曲”と言わせるこの珠玉のファンク・トラックでパーカーは、サイケデリックかつ変幻自在なギターを披露している(当時のライブ映像には若きパーカーも登場)。さらに翌73年には、次のステップとしてバリー・ホワイトズ・ラブ・アンリミテッド・オーケストラに加入。その他にも、1977年のレイディオの結成まで、スティーヴィー・ワンダー、ボズ・スキャッグス、アレサ・フランクリン、ハービー・ハンコック、ダイアナ・ロスなど、錚々たる面子のサポートで活躍し、プレイヤー/スタジオ・ミュージシャンとして、まずはキャリアを確立する。


順調なステップアップ~レイディオ結成からソロへ

 そんなパーカーにも独り立ちの時期が訪れる。1977年、キャリアの新たなステップとして、パーカーは4人組バンド、レイディオ(Raydio)を結成する。バンドは、パーカーの他、ジェリー・ナイト、 アーネル・カーマイケル、 ヴィンセント・ボナムというメンバーで、曲作りとレコーディングを開始。1年後の78年には、1stシングル「Jack And Jill」をリリースし、いきなりの全米8位を記録する。同年リリースしたセルフタイトルのデビューアルバム、『Raydio』も全米27位(R&Bチャートで8位)とセールス好調で、早くもバンドは軌道に乗り始める。


▲Ray Parker Jr., Raydio「A Woman Needs Love」

 そこからバンドはほぼ1年おきに2nd、3rdとアルバムをリリース。シングルでもヒットを飛ばし順調に活動を重ねていく。そして1981年、4thアルバム『A Woman Needs Love』をリリースすると、R&Bアルバムチャートで1位。さらにタイトル曲の「A Woman Needs Love (Just Like You Do)」は全米チャートで4位を取る大成功を収めた。バンドはそのヒットを置き土産にするように解散。パーカーは自身のソロキャリアへと歩を進めて行くことになる。



NEXT PAGE
  1. < Prev
  2. いよいよ運命の「ゴーストバスターズ」
    そして現在の円熟へ
  3. Next >

レイ・パーカーJr.「ウーマン・アウト・オブ・コントロール+セックス・アンド・ザ・シングル・マン」

ウーマン・アウト・オブ・コントロール+セックス・アンド・ザ・シングル・マン

2015/08/19 RELEASE
CDSOL-8396 ¥ 2,420(税込)

詳細・購入はこちら

Disc01
  1. 01.Woman Out Of Control (WOMAN OUT OF CONTROL)
  2. 02.I Still Can’t Get Over Loving You (WOMAN OUT OF CONTROL)
  3. 03.Electronic Lover (WOMAN OUT OF CONTROL)
  4. 04.In The Heat Of The Night (WOMAN OUT OF CONTROL)
  5. 05.I Don’t Want To Know (WOMAN OUT OF CONTROL)
  6. 06.She Still Feels The Need (WOMAN OUT OF CONTROL)
  7. 07.Invasion (WOMAN OUT OF CONTROL)
  8. 08.N2U2 (WOMAN OUT OF CONTROL)
  9. 09.Girls Are More Fun (SEX AND THE SINGLE MAN)
  10. 10.Good Time Baby (SEX AND THE SINGLE MAN)
  11. 11.Everybody Wants Someone (SEX AND THE SINGLE MAN)
  12. 12.I’m A Dog (SEX AND THE SINGLE MAN)
  13. 13.One Side Love Affair (SEX AND THE SINGLE MAN)
  14. 14.Sex And The Single Man (SEX AND THE SINGLE MAN)
  15. 15.I’m In Love (SEX AND THE SINGLE MAN)
  16. 16.Men Have Feelings Too (SEX AND THE SINGLE MAN)

関連キーワード

TAG

関連商品

フィーツ
ハービー・ハンコック ワゥ・ワゥ・ワトソン レイ・パーカーJr. ベニー・モウピン エディ・ワトキンス ビル・サマーズ レイ・オビエド ジェームス・ガドソン「フィーツ」

2024/06/26

[CD]

¥1,760(税込)

サンライト
ハービー・ハンコック ワゥ・ワゥ・ワトソン レイ・パーカーJr. ベニー・モウピン ポール・ジャクソン ハーヴィー・メイスン ジャコ・パストリアス トニー・ウィリアムス「サンライト」

2024/06/26

[CD]

¥1,760(税込)

アフター・ダーク +2
レイ・パーカーJr.「アフター・ダーク +2」

2022/09/21

[CD]

¥1,320(税込)

グレイテスト・ヒッツ
レイ・パーカーJr.「グレイテスト・ヒッツ」

2018/09/19

[CD]

¥1,430(税込)

フィーツ
ハービー・ハンコック ワゥ・ワゥ・ワトソン レイ・パーカーJr. ベニー・モウピン エディ・ワトキンス ビル・サマーズ レイ・オビエド ジェームス・ガドソン「フィーツ」

2024/06/26

[CD]

¥1,760(税込)

サンライト
ハービー・ハンコック ワゥ・ワゥ・ワトソン レイ・パーカーJr. ベニー・モウピン ポール・ジャクソン ハーヴィー・メイスン ジャコ・パストリアス トニー・ウィリアムス「サンライト」

2024/06/26

[CD]

¥1,760(税込)

アフター・ダーク +2
レイ・パーカーJr.「アフター・ダーク +2」

2022/09/21

[CD]

¥1,320(税込)