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次世代UKロック・キッズのアンセムを奏でるウェールズの新星、プリティ・ヴィシャス 初来日インタビュー

プリティ・ヴィシャス 初来日インタビュー

Cave Song
▲ 「Cave Song」 MV

 ブラッド・グリフィス(ヴォーカル/ギター)、トム・マッカーシー(ギター)、ジャーヴィス・モーガン(ベース)の18歳のメンバー、そして16歳のエリオット・ジョーンズ(ドラム)から構成される英ウェールズ・マーサー・ティドビル出身の4人組ロック・バンド、プリティ・ヴィシャス。現在ロックが復活の兆しを見せているUKの音楽シーンにおいて、一際注目を浴びる存在だ。

 彼らが彗星のごとくシーンに登場したのは、デビュー曲「Cave Song」をSoundcloudで公開した2014年11月のこと。小さな田舎町での刺激のない淡々とした日々を綴った詞とブラッドのパンキッシュで熱量のあるヴォーカルが絶妙にマッチし、同世代から大きな共感を得ることとなり、かつてオアシスがそうであった“ワーキング・クラス・ヒーロー”の再来と謳われるようになる。

National Plastics
▲ 「National Plastics」 (Live at Glastonbury)

 その“ハイプ”を聞きつけたメジャー・レーベル各社による争奪戦が繰り広げられ、2015年1月に晴れて<ヴァージンEMI>と契約。4月の<レコード・ストア・デイ>にはオアシス、そして現在もノエルのマネージメントを務めるマーカス・ラッセルのレーベル<Ignition Records>から「It's Always There」の7インチを発表。7月には、ザ・クラッシュを彷彿とさせる破壊力抜群のギターにブラッドのハスキーなシャウトが響きわたる最新シングル「National Plastics」が、BBC Radio 1で<Hottest Record in the World>として解禁された。

 2015年の夏はグラストンベリーをはじめとするUK主要フェスに引っ張りだことなり、そして8月には【SUMMER SONIC 2015】に出演するために初来日を果たした4人。演奏はやや荒削りなものの、堂々としたパフォーマンスで約30分という短い時間にも関わらず、観客の度胆を抜いた。さすが、たった2度のライブでメジャー・レーベルと契約しただけあり、ただならぬオーラを持ったバンドだ。本人たちもフェスで演奏するのは、すっかり慣れたようで、「むしろ小さい会場の方が緊張する。観客が近いと、動きをひとつひとつ監視されてるみたいで。」と話す。

Are You Entertained?
▲ 「Are You Entertained?」 (Live)

 プリティ・ヴィシャスの4人が出会ったのはマーサー・ティドビルのとある高校。元々知り合いだった4人がバンドを始めたのは「他にやることがなかったから。」というありがちな理由だが、インターネット世代だけに、4人が共通して好きなバンドを挙げてもらうと、ニルヴァーナからザ・スミス、同郷のスーパー・ファーリー・アニマルズやマニック・ストリート・プリーチャーズまで様々。既に、地元でマニック・ストリート・プリーチャーズの前座を務めた経験を持ち、この夜【SUMMER SONIC】で行われたマニックスのパフォーマンスも「絶対に観る!」と嬉しそうに教えてくれた。

 現在制作中のデビュー作について訊くと、バンドのメイン・ソングライターのブラッドが「アルバムを2枚リリース出来るぐらい曲を完成させてる。」とすかさず受答し、「曲がたくさんありすぎて、どれをアルバムに入れるか、今迷ってるところなんだ。」と笑う。レコーディングは、彼らの地元からほど近く、クィーン、モーターヘッド、オアシスなど名だたるアーティストがアルバムを制作した名門スタジオ<ロックフィールド・スタジオ>でも行われたそうだ。

It's Always There
▲ 「It's Always There」 (Audio)

 結成から15か月が経ち、バンドとして目指すサウンドも定まった。「捨て曲は1曲もないよ!ロック・バンドによるデビュー・アルバムとしては、完璧な作品に仕上がってる。」と全員太鼓判を押す、待望のデビュー・アルバムは来年初頭リリース予定。

 「とにかくいい音楽を作って、それを広げていきたい。同世代のバンドで、シンパシーを感じるバンドが誰もいない。だから、俺たちの曲がきっかけで音楽を作ることに興味を持ってもらえれば、それ以上嬉しいことはない。」と語る彼ら。

 ブレイクのきっかけとなった「Cave Song」の詞に「This is the anthem of the kids」とあるように、キッズによる、キッズのためのロック・アンセムで、UKのみならず、世界中のシーンを大いに賑わせてくれそうな4人。彼らが目標に掲げる「世界征服」は、始まったばかりだ。

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Q1. 初来日となりますが、日本で出会った一番不思議なもの、または変わったものは?

一同:日本のトイレ!

トム・マッカーシー:トイレの便座にのせる子供用のミニ便座みたいなの?

ジャーヴィス・モーガン:でも、無いと中に落ちちゃうだろ(笑)!

エリオット・ジョーンズ:ホテルにあるトイレはすごくハイテクで、ボタンがいくつもついてて、ちょっと怖い。押してみても、何もならなかったり、すごく不思議だね。

ブラッド・グリフィス:昔ながらのやつなのかな?床に穴があいてるだけのトイレはおかしかったね。

Q2. バンド内の信頼関係についてですが、10がお互いを完璧に信頼している、1がまったくしていない、として、1から10の間で答えてください。

一同:10!

−−本当ですか?

ブラッド:結婚みたいなもんだからね。お互い腹をわって話せなかったら、バンドなんてやっていけないよ。

Q3. ウェールズ出身ということなので、日常生活で使えそうなウェールズ語をいくつか教えてください。

ジャーヴィス:え~っと、私はコーヒーが好きは、「Rydw i'n hoffi coffi」。

トム:「Ble mae'r toiled?」は、トイレはどこですか。

ジャーヴィス:朝ごはんが「brecwast」で、お弁当が「phecyn bwyd」。

エリオット:で、フライドポテトが「glodion」。

トム:どうもありがとうが、「Diolch yn fawr」。これぐらいマスターしとけは大丈夫かな?

Q4. 音楽界におけるレジェンドに1日だけなれるとしたら、誰になりたいですか?

ブラッド:モリッシー?

ジャーヴィス:俺はブラッドだな(笑)。

トム:ボーイ・ジョージ!…って言うのは嘘。

ジャーヴィス:ジミ・ヘンドリックス!

トム:ピート・タウンゼントかな。

エリオット:僕は誰にもなりたくないから、自分のままでいるよ(笑)。

"National Plastics" Music Video

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