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【FUJI ROCK FESTIVAL '15】総力レポート

FUJI ROCK

 7月24日~26日から新潟県・苗場スキー場で開催され、約11万人の音楽ファンが一同に会した【FUJI ROCK FESTIVAL '15】。晴天に恵まれた今年のフジロックには、ヘッドライナーのフー・ファイターズ、ミューズ、ノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズをはじめ、200組以上の海外・日本人出演アーティストが出演、今年も様々な感動とドラマが生まれた3日間となった。
 骨折した経緯を映像&スライドショーで丁寧に説明してくれた、永遠のロックンロール小僧デイヴ・グロール、完璧なステージングで観るものの度肝を抜いたミューズ、「Don’t Look Back in Anger」で感動的なフィナーレを演出してくれたノエル兄貴らのヘッドライナー勢はもちろん、まさに異次元!ネクストレベルなライブを繰り広げたFKAツイッグス、最高にダンサブルなセットで苗場を躍らせたベルセバや恐るべきキッズ=ザ・ディストリクツ、さらにはトッド・ラングレンの衝(笑)撃のステージまでBillboard JAPAN編集部が総括レポート!

11:30~
STONE FOUNDATION @ RED MARQUEE
FUJI ROCK 2015

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12:50~
THE VACCINES @ GREEN STAGE
FUJI ROCK 2015

 デビュー以来、着実に人気を伸ばし、いまやアークティック・モンキーズやフォールズらUKロックのビッグ・アクトの後続集団先頭に控えるスター候補生となったザ・ヴァクシーンズ。今回のフジでは<GREEN STAGE>の出演の大役を得たが、そのステージングは間違いなくステージのサイズ感に見合うものだった。サポートメンバーを加えて厚みを増したウワモノと、タイトなビートを軸とした演奏は現代版ウォール・オブ・サウンドの優れたバリエーション。加えて、最新アルバムからの新曲「ドリーム・ラヴァー」ではダビーなアレンジを効かせるなど、単なる“ロック野郎”では片付けられない音楽的な深みが魅力だと思った。加えて、非常に印象的だったのが、大げさな身振りを交えて歌うヴォーカル、ジャスティン・ヤングのパフォーマンス。ロックの系譜におけるシアトリカルな歌な手の系譜に連なる、笑えて泣けるヴォーカルだ。シャンソンからの影響を感じるヴィブラートも、シンガーとしての個性を感じて興味深かった。

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14:00~
THE DISTRICTS @ RED MARQUEE
FUJI ROCK 2015

 今年出演した若手バンドの中で、その計り知れないポテンシャルを見せつけてくれたのが、米フィラデルフィアを拠点に活動する20代そこそこのキッズ、ザ・ディストリクツだ。哀愁漂う激シブな歌声とチョビ髭が魅力の(?)フロントマンのロブがハーモニカをプレイする「Funeral Beds」や「Long Distance」などアメリカーナにも通ずるゆったりとしたナンバーで固めた序盤から、イントロで大歓声が上がった「4th and Roebling」などでジワジワと会場を温め、ラストは8分強のナンバー「Young Blood」で烈々たるジャム・セッションに突入。佳境に入ると、ロブが「It's a long way down from the top to the bottom~」の感傷深いリフレインとともにギターを荒々しくかき鳴らしながら、ステージ上を野獣のごとく暴れまくり、観客の盛り上がりは最高潮に。これこぞ“ライブ・ミュージック”と言わんばかりに、身魂をもって表現してくれた彼らへの熱のこもった拍手は撤収が始まっても、しばらく鳴り止まず。この直後にMTVのブースで行われたミニ・ライブで最後にロブがソロで情緒たっぷりに披露してくれた「Suburban Smell」も秀逸で、感銘すら覚えた。これからが本当に楽しみなバンドに出会えた気がした。

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15:50~
DRENGE @ RED MARQUEE
FUJI ROCK 2015

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16:20~
JOEY BASDA$$ @ WHITE STAGE
FUJI ROCK 2015

 今回、ほぼ唯一のヒップホップ勢の参加となり、恵まれたシチュエーションとは言いづらかったジョーイ・バッドアス。実際、序盤は会場の雰囲気を掴むのに腐心していた印象があった。だが、一度調子に乗り出せば、やはりそこは未来の大物候補。DJと、さらに地元のクルー<プロ・エラ>の同僚ラッパー、Nyck Cautionも引き連れたパフォーマンスで、どんどん観客を引き込んでいく。曲間に何度も要求される「プロ!プロ!プロ!プロ!プロ!プロ!プロ!エラ!」というコールもすっかり耳に馴染んだ。生音のサンプリングによる浮遊感のあるトラックも気持ちよかったし、一曲一曲がサクッと終わるセットリストも興味深かった。こういう若手のヒップホップ・アクトを日本でももっと観たい!

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17:10~
KITTY, DAISY & LEWIS @ FIELD OF HEAVEN
FUJI ROCK 2015

 

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17:50~
ASH @ RED MARQUEE

 最近すっかりオールバックが定着したフロントマンのティム・ウィーラーが自らセッティングをしながら、トレードマークのフライングVを片手に「Shining Light」のコーラスを歌ってくれるというプチ・サプライズから幕開けしたアッシュのステージ。8年ぶりの新作『カブラーモ!』収録の「Evel Knievel」でライブがスタート。1992年からかれこれ20年近く一緒に活動していることもあり、ティム、マーク、リックの3人による息がピッタリの豪快な演奏が序盤から炸裂。新作からの楽曲は4割、残りは過去6作品からのヒット・ナンバーで構成されたファン歓喜のセットリストということもあって、過去の曲をプレイした際の盛り上がりが半端なく、新曲をやや申し訳なさそうに紹介する姿には、彼らの謙虚&ファン思いな人柄も伺える。ラストは、名曲「Girl From Mars」~「Burn Baby Burn」の観客を巻き込んだ大シングアロングでフィニッシュ。「Sometimes」とか「Jesus Says」とか、もっと聴きたい曲たくさんあったよ~、と名残惜しい部分もあったが、90年代から今日に至るまで良曲を書き続けている数少なきUKロック・バンドだ、というのを改めて実感させられた1時間だった。

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18:00~
BOOM BOOM SATELLITES @ WHITE STAGE
FUJI ROCK 2015

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18:50~
MOTORHEAD @ GREEN STAGE
FUJI ROCK 2015

 こちらの心配心など軽くへし折る圧巻の極悪非道ステージ。レミーの声もしっかり出ているし、フィル・キャンベル(gt)、ミッキー・ディー(dr)の演奏力も抜群で(ソロ・コーナーもすごかった!)、間違いなく今回のフジのベストアクトの一つ。メタラーからもハードコア好きまで、幅広いリスナーに最大限のリスペクトを贈られる彼らだが、その楽曲の多くはいわゆるブルースの進行に基づいていることにも改めて気付かされ、非常に興味深かった。やっぱり根っこは少年期に聴いたロックンロールやR&Bなんだな、と思うと泣ける。演奏後は、3日間でこの日のみ設置されていた花道を歩いて客席近くまで移動。メンバー全員で揃ってお辞儀を披露するという謙虚な場面も。あんなにヘヴィなステージを展開されて、そこまでされたら、それはもう大好きになっちゃうよな~。

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20:00~
ROYAL BLOOD @ WHITE STAGE
FUJI ROCK 2015

 

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21:00~
FOO FIGHTERS @ GREEN STAGE
FUJI ROCK 2015

 エモーショナルなステージだった。言うまでもなく、いまやフー・ファイターズは世界一のロック・バンド。そんなバンドのフロント・マンが、いまだに10代の男の子のように何度も「Do you love rock'n roll?」と客席に問いかけていた。そのことに少なからず胸を打たれてしまった。  ライブは予想どおり足を骨折してしまったデイブのための玉座付きセット。しかも、その玉座が花道を前後に動きまくる。さらに、ライブ中盤には懇切丁寧な紙芝居形式の映像で、骨折と玉座の制作の経緯が語られた。隙あらば、とにかく笑いを取ろう。みんなを楽しませよう、という気概がすごい。
 演奏曲はとにかくオールタイムベストな選曲で、「Everlong」から始まり、「Pretender」や「My Hero」などキャリアの名曲がずらり。その演奏の多くで50年代から続くロックンロールのリフやメロディーが何度も顔を出すところも、自分たちがロックンロールの系譜の中にしっかり居ることを言外に宣言しているようで最高だった。アンコール最後は「Best Of You」。大サビ前のブレイクではタイミングを引っ張り過ぎて若干つんのめるような感じになっていたが、これだけのビッグ・アクトが未だにぎこちなく、前のめりになっているのも、やっぱりめちゃくちゃ稀有なことだと思う。

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22:00~
RUDIMENTAL @ WHITE STAGE
FUJI ROCK 2015
FUJI ROCK 2015 FUJI ROCK 2015

Photo: Masanori Naruse


 裏がフー・ファイターズということもあり、観客が少なめ…なのもお構いなしで、のっけからハイテンションなステージで観客の心を鷲掴みにしたルディメンタル。グループのコアは4人だが、ドラムや管楽器を担当する生バンドに加え、アルバム参加のゲスト・ヴォーカルのパートを歌うシンガー4人という大所帯。9月には新作のリリースを控えていることもあり新曲を数多く披露し、初めて聴く曲も多数あったが、ドラムンベースの鋭敏なビートと生楽器の心地良い音色に揺られ、不思議と体が動く。ラストの大ヒット・ナンバー「Feel The Love」では、観客から自然とシングアロングが沸き起こり、メンバーの満面の笑みとともに最高にユーフォリックなフィナーレを迎えた。前評判でライブが素晴らしいというのは聞いていたが、ただダンサブルなだけでなく、こんなにも音楽性に満ちた“生身”なステージを披露してくれるとは。11月には初の単独公演も決定、是非この機会に彼らのライブ力を生で感じて欲しい。

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