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ジェイムス・テイラー 最新インタビュー~キャリア初の全米1位獲得作、音楽業界の現状、テイラー・スウィフトを語る。
先日13年ぶりのオリジナル・スタジオ・アルバム『ビフォア・ディス・ワールド』でデビュー47年目にして、キャリア初の米ビルボード・アルバム・チャート1位を獲得した、ジェイムス・テイラー。9月1日には、松本で行われる【マエストロ・オザワ80歳バースデー・コンサート】に出演するために、約5年ぶりの来日を果たすジェイムスが、新作はもちろん、テイラー・スウィフトや音楽業界の現状について話してくれた。
アルバムを作ることは安易になったけれど、
作ったアルバムに気づいてもらう方法を見つけるのは難しくなった
??年を追うごとにソングライティングへのアプローチは変化していますか?
ジェイムス・テイラー:曲を書き始め、その曲に導かれ行き着いた場所にたまに驚かされることがある、という感じかな。
??「Far Afghanistan」は何にインスパイアされて書いた曲ですか?
ジェイムス:僕自身、軍務に服したことはないけれど、服している知り合いが何人かいる。考えるのを止められないことなんだ。自分を危険にさらしてまでも、こういったことに身を尽くすことができるのは本当に素晴らしいことだ。極限な行いで、多くの犠牲を要することなので、この曲を書きたいと思った。戦争へ行くために心の準備をする、というのはどんなものなのかを僕なりに解釈した曲なんだ。
??2010年にキャロル・キングと行ったツアーは大成功に終わりましたが、再び一緒にツアーをしたいと思いますか?
ジェイムス:また一緒にツアーをする可能性はあると思うけれど、キャロル次第だね。一緒にヨーロッパ・ツアーが出来るか可能性を探っていて、実際にブッキングをしたんだけど、キャロルに「こういった興行は成功すると、永遠とやり続けて欲しいと言われるものだけど、先んじている時に止めることも重要なの。」と言われたよ。
??奥様と息子さんに新作に参加してもらっていかがでしたか?
ジェイムス:彼女は素晴らしく、ピュアな声質をしているから、僕のツアーに同行している時には、何曲か歌ってもらってるんだ…。ヘンリーに関しては、スタジオに居ることが頻繁にあって、ある時彼に「子供の歌声を思い浮かべているパートがあるんだ。試してみるかい?」って聞いてみたんだ。試しに彼の声でやってみて、後からピッタリな子を見つけようと思っていたんだけれど、とてもいい感じに仕上がった。
??彼らを通じて新しい音楽を知ることはありますか?
ジェイムス:あるよ。彼らはポピュラー・カルチャーに属していて、同世代の子たちが聴いているものを学校や友人たちを通じて同じように聴いているから。可笑しなものだよね、ビデオ・ゲームのサウンドトラックのように意外な場所を通じて知った音楽もいくつかあるんだ。あの界隈では素晴らしいものが作られているよ。
??テイラー・スウィフトの両親が、あなたの名前にちなんで彼女を名づけたのを知っていますか?
ジェイムス:彼女にもそう言われたことがあるけれど、とても光栄だね。テイラーのことは大好きで、尊敬しているし、彼女の母親と父親のことも尊敬している。もちろん、光栄だったよ。彼女がそう言ってくれた瞬間、羽が触れたぐらいの衝撃でも倒れるぐらいだった。それぐらい驚いたということさ。
??音楽業界の現状についてどのようにお考えですか?
ジェイムス:アルバムを作ることは安易になったけれど、作ったアルバムに気づいてもらう方法を見つけるのは難しくなったよね。コンピューターでProToolsを使ってレコーディングをすることが可能になったことで、より多くの人にとって身近なものになった。結果、人々は常にクオリティの高い作品を作るようになった。だが、音楽を聴いているリスナーに関しては同じことが言えないね。酷いスピーカーや小さなコンピューター・スクリーンを通して音楽を聴いていて、その点では改善の余地があると思う―Hi-Fiやよりクオリティの高い―実質的にクオリティの高い音楽を聴くこと。でも着実に前進していっていると思う―ニール・ヤングのPonoもあることだし。
??Ponoを試したことがありますか?
ジェイムス:うん、あるよ。きちんとしたサウンド・システムで聴くのには適しているけれど、それを3インチのスピーカーで聴くのであれば、意味がないよね?
??そういったHi-Fiオーディオ事業に参戦してみようとは思いますか?
ジェイムス:興味はあるよ。試してもらいたいアイディアはあるんだけど、それを実行するか、どうかはわからないね。
Q&A by Associated Press / 2015年7月7日 Billboard.com掲載
"Today Today Today" (Live)
来日公演情報
【マエストロ・オザワ80歳バースデー・コンサート】
2015年9月1日(火) キッセイ文化ホール(長野県松本文化会館)
出演:マルタ・アルゲリッチ(ピアノ)
リディア・トイシャー(ソプラノ)
ジェーン・ヘンシェル(メゾ・ソプラノ)
ナタリー・シュトゥッツマン(コントラルト)
アンソニー・ディーン・グリフィー(テノール)
ジャン=ポール・フシェクール(テノール)
マティアス・ゲルネ(バリトン)
マーカス・ロバーツ・トリオ(ジャズトリオ)
ジェイムス・テイラー(ヴォーカル・ギター)
サイトウ・キネン・オーケストラ
小澤征爾音楽塾オーケストラ
小澤国際室内楽アカデミー奥志賀
小澤征爾スイス国際アカデミー
東京オペラシンガース
OMF合唱団
指揮
ロバート・スパーノ
ナタリー・シュトゥッツマン
小澤 征爾
演出
デイヴィッド・ニース
INFO: http://www.ozawa-festival.com/programs/special-02.html
リリース情報
関連リンク
Photo: Timothy White
ビフォア・ディス・ワールド
2024/03/27 RELEASE
UCCO-1157 ¥ 2,860(税込)
Disc01
- 01.トゥデイ・トゥデイ・トゥデイ
- 02.ユー・アンド・アイ・アゲイン
- 03.エンジェルズ・オブ・フェンウェイ
- 04.ストレッチ・オブ・ザ・ハイウェイ
- 05.モンタナ
- 06.ウォッチン・オーヴァー・ミー
- 07.スノウタイム
- 08.ビフォア・ディス・ワールド/ジョリー・スプリングタイム
- 09.ファー・アフガニスタン
- 10.ワイルド・マウンテン・タイム
- 11.プリティ・ボーイ・フロイド (ボーナス・トラック)
- 12.アイ・キャント・ヘルプ・イット(イフ・アイム・スティル・イン・ラヴ・ウィズ・ユー) (ボーナス・トラック)
- 13.ダイアモンド・ジョー (ボーナス・トラック)
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