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BiS 『primal.』インタビュー
BiS 集大成インタビュー敢行! 目の前に立ちはだかる数々の問題。敬愛する高橋愛 モーニング娘。卒業公演で叩き付けられた現実。答えの見えない日々に苦悩しながら、彼女は【IDOL is DEAD】の先にどんな世界を望み、何をその手に掴もうとしているのか。アイドルとは? 仲間とは? 人生とは? 運営とは? プー・ルイ(リーダー)が涙ながらに語った真実。どうかそのメッセージを最後まで余すことなく受け取ってほしい。
ユケ(ナカヤマ ユキコ)への鬱憤
--もうすぐ今年も終わりますね。
プー・ルイ:終わっちゃいますね。早いもんですよ。楽しいこともあり、悲しいこともあり、出逢いもあり、別れもあり……。
--なんか、老けた?
プー・ルイ:アハハハ!
--メンバー同士で濃厚キス、脱退/加入、樹海で全裸、ももクロZに奇襲、バンド従えてフェス参戦、○○○のロゴをパクって社内ストップ、骨にヒビ、口内公開でR指定と、とてもアイドルのデビューイヤーとは思えない1年でした。
プー・ルイ:今の、何の経歴ですかね? 絶対アイドルじゃないですよね。犯罪者(笑)? 波乱万丈でした。確かに老けたかもしれないですね。1年で10歳分ぐらい歳を取った気がします。よく友達にも言われますよ。「若くなくなったね」って。
--12月20日のワンマンライブが【IDOL is DEAD】ということで、もうラストインタビューになるかも知れないんですよね、これ。
プー・ルイ:そうですよ。
--という訳で、今日はBiSの歴史を振り返りつつ、ここにいないメンバーへの鬱憤を爆発させてほしいんですが。まずはユケことナカヤマ ユキコ。彼女はリーダーにとってどんな存在でした?
プー・ルイ:でした(笑)。BiSが終わると仮定してですね。うーん……、一番最初、オーディションに来たときは「可愛いな」と思って。しかも気持ちも良さそうだし、いきなり「センター取ります」とか気合い入っていたし。その頃、まだ私は気が弱かったんで「凄いな!」って。それで一緒にやりたいと思って選んで、一番……なんだろう? 仲良かったんですけどね。一番話したんじゃないですかね、BiSについては。一緒に引っ張っていく存在、それはみんなから見てもそうだったみたいだし。頼れる存在でした。
--特に鬱憤はないの? 嫌なところとか。
プー・ルイ:それだけ一緒だったんで、逆に嫌いなところも一番ありますよ。例えば、たまに意見が人に流されて変わってしまったりとか。そういうのは、もうちょっと自分のことなんだから「自分の意思で行動しなよ」っていうのはあります。振り回されんなよと。
--すごくリアルな話ですね(笑)。意外と振り回されやすいんだ?
プー・ルイ:そうなんじゃないかなって! これはね、空想ですからね。イメージですから。ただ、周りの人からこういうことを言われてるんだろうなって、みたいなところが一番よく分かりますね。やたらやる気あるときもあるし、逆にないときもあるし。分かりやすい。
--また、ユケと言えば、ダイブ。最初は渡辺さん(マネージャー)の指令でダイブしたみたいですけど、次第に自分の意志で飛び込むようになったの?
プー・ルイ:いや、実はユケってそんなに飛んでないんですよ。3回ぐらい? で、最初は私も飛べって言われていたんですけど、裏切ったんですよ。怖くて飛べなかったんです(笑)。
--そしたら結果としてユケが“ダイブ担当”みたいな印象になったんだ。てか、最近飛んでる?
プー・ルイ:最近は、基本的には、変なことはやりたくないみたいです。
--なんでそんなことになっちゃったんですか?
プー・ルイ:それは彼女に聞いてください(笑)。
--では、そうなっちゃったユケに対してはどう思ってるんですか?
プー・ルイ:それは違うんじゃないかなとは思いますけどね。
--inmusicのインタビューによると、いろいろ悩んでいたみたいだね。知ってた?
プー・ルイ:「損だなぁ」とは思いますけどね。逆にあんなにキャラ付けされてるんだから、やりやすいじゃないですか。それを演じてるんなら、DiSられたとしても「自分じゃないから」って開き直ればいいし。と、私は思うんですけど、普通は思わないみたいですね。私、普通じゃなくなっちゃったみたい(笑)。まぁでも状況も変わってきたから、戸惑っているのかもしれない。
--その辺の相談は受けたりしないんですか?
プー・ルイ:昔はすごく相談されていたんですけど、いつからか全くされなくなってるんですよ!
--渡辺さんのこと、めちゃくちゃチラチラ見てますけど(笑)。
プー・ルイ:どこまで言っていいのかな?と思って。言っちゃいけないこととか、最近ありそうだから。内緒のこととか。
--すごく意味深な発言ですね(笑)。では、2012年もBiSが今の4人で続くとして、ユケに期待することは?
プー・ルイ:戻っておいで。
--いやいや、いるよ?
プー・ルイ:いや、あの頃のユケよ、戻っておいでと。もう1回、裸になろうよと(笑)。今「裸やろう」と言っても絶対やらないですからね。
--特攻隊長なのに?
プー・ルイ:特攻隊長じゃない……今は。タワレコとかは特攻するかもしれないですけど、いわゆる「BiSっぽい」って言われる部分での特攻は、今はのんちゃんの方がやってるんじゃないですかね。
--では、これからユケとどんな仲になりたいの?
プー・ルイ:前みたいになりたい。
Interviewer:平賀哲雄|Photo:佐藤恵
ゆっふぃー(テラシマ ユフ)への鬱憤
--続いて、ゆっふぃーことテラシマ ユフ。加入直後のインタビューでは、まだ自分のポジションについて悩んでいましたけど、最近はどう? リーダーから見て。
プー・ルイ:最近はイイ働きをしているんじゃないですかね~。まぁこのまま行ったら、旧メンバーは喰われるでしょうね。急速にゆふぃすと(※ゆっふぃーファンの呼称)は増えてますから。
--配信番組で「可愛い」言いながらヘビと戯れて。あの辺から変わった気がしません?
プー・ルイ:本当に「頭おかしい、この人」って思いました。引きました! 今まであんなに「やだ!やだ!やだ!やだ!」言ってて、「なんでヘビだけ?」って(笑)。
--それまでツッコミどころがない感じでしたけど、ヘビを機にだんだんおかしいところが出てきましたよね。
プー・ルイ:あの娘、ストーカーですからね。
--は?
プー・ルイ:ユフちゃんは入ったばかりの頃「辞めたい」って言ったんですよ。
--ごめん、話が見えないんですけど。
プー・ルイ:今だから言える話なんですけど、BiSに入ってすぐに「辞めたい」って言って。ウチらはりなはむが辞めた直後だったから「また辞めるの? 入ってすぐじゃん」ってなったんです。だって、調べようと思えば、ウチらがどういうグループであるか分かる訳だから。それで「やるって言ったらやりなよ」みたいな感じでキツく当たったことがあったんですけど。それ以降「プー・ルイさん、怖いな」みたいになっているのを感じていたから、仲良くしようって決めたんです。それで、女の子の話の8割って恋愛なので「どういう人が好きなの?」とか「付き合ったらどうなるの?」とか聞いてみたんですけど、どうもヤバイんですよ。私が男だったら一番付き合いたくない!
--(笑)
プー・ルイ:私、ドライなんですよ。でもユフちゃんはメールとか凄いと思う。電話出なかったら、泣きながら留守電とか入れてそうだし。それは最近自分でも言ってますよ。「私、ソクバッキーですよっ」って。
--やっぱり只者じゃないんだね。
プー・ルイ:凄いですよ。ファンの人にもソクバッキーですからね。
--じゃあ、確実に頭角を表している訳ですね。
プー・ルイ:そうですね。変な人です(笑)。
--あと、ゆっふぃーが自分を出せるようになったキッカケとしては、その歌声を個性として愛されることになったのも大きいんじゃないですかね? 元々シンガー志向でしたし。
プー・ルイ:よりアイドルじゃなくなっちゃいましたけど(笑)。りなはむの声がすごくアイドル的だったから。でもウチらは二十歳超えちゃってるんで、大人の魅力みたいな感じも良いんじゃないですかね。「あーはん♪」みたいな。あれは必要っす。
--ぶっちゃけ、加入したばかりの頃はどう思ってたの?
プー・ルイ:その頃は私、まだユケと仲良くて。「ユケと仲良くて」って過去形になってますけど(笑)。今も別に仲は悪くないんですよ? まぁその話は置いておいて、ユケと「どうしよう? 仲良くなれるかな? どう見てもマジメだよね」って話してましたね。まぁでも、今もマジメはマジメ。変だけど。
--“マジメ”で“変”って、一番危ないから(笑)。
プー・ルイ:だから何が嫌なのか分からないんですよ。それがちょっと怖い。
--加入当時はやたら裸にしたがってましたけど。
プー・ルイ:個人的にはもう何回か見たんで大丈夫です。
--ちょっと待って。個人的に見たいだけの話だったの?
プー・ルイ:それもありました。
--(笑)
プー・ルイ:だって、自分と同じ女だけど「違うの、付いてたりすんのかなぁ?」って、気になっちゃうんですよ。いや、上にあれがふたつあって、下にひとつ性器があるのは分かってるんですよ? その他、装飾されているものというか、色とか、大きさとか、等々が気になるんですよ。で、ユフちゃんのも見てみたんですけど、その結果、おっぱいはなかったです。イメージ通り。
--では、裸も見せてもらったし、ゆっふぃーへの鬱憤はないと?
プー・ルイ:鬱憤? うーん、もっとプー・ルイと仲良くしてください。怖くないですよ、私。意外と弱虫だし、多分、ゆっふぃーの方が怖いと思います(笑)。
--2012年もBiSが今の4人で続くとして、ゆっふぃーに期待することは?
プー・ルイ:私とゆっふぃーは「歌をやりたい」っていう想いが強いんで、歌の部分は2人で引っ張っていけたらいいなって思う。頑張って上手くなりたい。モーニング娘。における(田中)れいなと(高橋)愛ちゃん、みたいな感じになりたいですね。で、ユケとは愛ちゃんとガキさん(新垣里沙)になりたいんですよ。 (※高橋愛はモーニング娘。を卒業するまで、田中れいなとリードボーカルを2人で務めてきた。また、新垣里沙とは同期で、10年間にわたってモーニング娘。を支えてきた。言わば、盟友。参考:モーニング娘。高橋愛ラストインタビュー / 高橋愛卒業ライブレポート)
--その例え、泣けるね。で、のんちゃんは?
プー・ルイ:のんちゃんはのんちゃん。
--(笑)。確かにのんちゃんはのんちゃんだね。例えられない。じゃあ、まとめると、ゆっふぃーとはどんな仲になりたいの?
プー・ルイ:良きライバルみたいになれたらいいな。
Interviewer:平賀哲雄|Photo:佐藤恵
のんちゃん(ヒラノ ノゾミ)への鬱憤
--続いて、のんちゃんことヒラノ ノゾミ。彼女はリーダーにとってどんな存在でした?
プー・ルイ:のんちゃんは大好きです。のんちゃんはやたら変な安定感がありますよね。一緒にいると安心するんですよ。あと、のんちゃんは何も言わない。平賀さんがプー・ルイやユケの悪いところを聞いても答えないと思いますよ。何か思ってるかもしれないけど……思ってないのかな?
--まだ分かんないんだ? 1年ぐらい一緒にいますけど(笑)。
プー・ルイ:分かんないです! あれが素なのかな。のんちゃんはどんな揉め事が起こっても、どこにも偏らないで、のんちゃんでいるんで。そのときものんちゃんはのんちゃんです。何色にも染まらない。例えこっちがメンバーの悪口みたいなことを言ったとしても「そうだねぇ~。大丈夫かなぁ」。あっちが言っても「そうだねぇ~。心配」って言うのが、のんちゃん。
--バランスとして重要ですよね。そういうメンバーがいてくれるのは。
プー・ルイ:重要ですね。
--じゃあ、特に鬱憤はないの?
プー・ルイ:もうちょっとひとりで何か出来るようになったらいいかな~とは思います。あと、東京で友達を作った方がいいかなぁ。
--お母さん視点だね。
プー・ルイ:(笑)。BiSの活動がないとき、寂しいと思うから。
--のんちゃんってプライベートが見えないよね。
プー・ルイ:家でカタカタカタカタ、ずっとパソコンをいじってますよ。あ、でものんちゃんを中野で目撃したことがあるんですよ。ユケと2人で、プライベートののんちゃんを。結構前なんですけど、トコトコ歩いてたから「何してんの?」って声かけたら「うぉーきんぐぅ」って(笑)。すごく遅かったんですけど。それで「これから何するの?」って言ったら「何にもしない」って言うから、ユケと中野のスタジオで振り付けを考えてるところだったから「じゃあ、スタジオおいでよ」って言って、つれていきました。
--のんちゃんに関しては、どちらかと言うと、のんちゃんに似た人の話を聞きたいんですが、【BiSのハロウィンパーティー】にて前衛的な大胆プレイでフロアを扇情したDJ nozomiさん。彼女にはどういう経緯でDJをやってもらうことになったんでしょう?
プー・ルイ:DJ nozomiさんはのんちゃんの友達ですから、私はよく知らないんですけど。気付いたらDJやってました。最近、のんちゃんに「DJ nozomi、どうなの?」って聞いたら、「この前のDJで結構落ち込んだみたいで、練習しに行くって海外に行ったよ」って。
--(笑)
プー・ルイ:海外にいるらしいです。もう旅立って修行しているらしいですよ。
--相当、自信喪失したみたいですけどね。あれはあれで人間らしくていいなと思いました。
プー・ルイ:でも楽屋では凄かったですよ。足組んで。しかもウチらが何も言ってないのに、あの衣装を買ってきたから、そのセンスは凄いなと思って。ハロウィンパーティーは「好きなの、着ようね」って言ってたんですよ。渡辺さんも「何着てもいいよ」って言うから。それで、4人でクレアーズへ行ったんですよ。でもそこではあんまり買わなくて、のんちゃん。だから心配してたんですけど、当日、なんかいっぱい持ってきて(笑)。あの赤い羽とか、自分で買ったらしくて。のんちゃんのセンスは凄いと思いましたね。私服も一番派手だし。
--また、先日、DiSとかいう新人女性ラップユニットの『DEAR BEEF』なる楽曲のミュージックビデオを観たんですが、リーダーとのんちゃんにそっくりな女の子がラップしてて驚きました。アイドル戦国時代やRAU DEFをディスってるんですよ。あれ、観ました?
プー・ルイ:嫌ですよね、あの人たち! 腹立たしい。プー・ルイとのんちゃんに似てるっていうところが、まず腹立たしいですよね。ウチらじゃないのに、めっちゃDiSられてるじゃないですか。「何? 人違いだけど」って言いたいけど、言えないみたいな。DiS、何者なんですかね?
--個人的にはBiSとの共演も見たいなと。
プー・ルイ:1回会ってみたいですけどね。ただ、DJ nozomiとのんちゃんは友達ですけど、DiSとBiSは別に友達じゃないんで。
--のんちゃんにそっくりな女の子が「しゃぶっといたらイイんだよ」なんて言ってるじゃないですか。
プー・ルイ:何をしゃぶるんですかね?
--分かんないですけど、あれが一番驚愕でした。
プー・ルイ:(笑)
--それにしても凄いですよね。のんちゃんに似たキャラクターがあちこちに出没してるじゃないですか。
プー・ルイ:そうですね。やっぱり彼女はカリスマなので、マネしたい人が多いんじゃないですか。「のんちゃんがDJやったらこうかなぁ」とか「のんちゃんがヒップホップを始めたらこうかなぁ」みたいな感覚で派生してるんじゃないですかね。「あ、ノゾミ、意識してんな」と思いますよ。
--2012年もBiSが今の4人で続くとして、のんちゃんに期待することは?
プー・ルイ:そのままでいておくれ。変わらないでおくれ。まぁこの1年で全く変わってないんで。
--いや、成長はしてるでしょ(笑)!
プー・ルイ:成長はしてますね! 例えば、前は会議してても1時間もたないんですよ、表情が。たまに笑えなくてピクピクするんです(笑)。でも最近は楽しんで笑顔を作れるようになった。ただ、天敵がいるんですよ。多分、苦手なんですよね。その人と絡むとどんどん笑えなくなってくるんですよ。それを見ているのが面白いです。
--どんな仲になっていきたいですか?
プー・ルイ:今のままがいいですね。もはや、私が一番信頼できるのはのんちゃんになったので。
Interviewer:平賀哲雄|Photo:佐藤恵
BiSへの鬱憤(メッセージ)※長いです。
--最後にBiSそのものについて。この1年でBiSはどんなアイドルグループになれたと思いますか?
プー・ルイ:そもそもアイドルになれたんですかね? ただ、お客さんがいて、私たちがいて、歌って踊って楽しい空間を作るっていうのが、私のアイドルの定義だったので、そこには辿り着いたと思います。でも外から見てどうかは知りません(笑)。それは知らないです。皆さんが判断してください。自称アイドル。
--自分が描いていたビジョンとしては、どの辺まで進めた感じなの?
プー・ルイ:自分が描いていたものは相当小さかったんですよ。私は、全く、本当に、まぁ今も売れてないんですけど、無名の、無名の、無名の……ぐらいの存在だったので、この未来は想像できる訳がなかった。アイドルを漠然と始めたけど、1年間はやろうとか、そんなことも考えてなくて。それがこうなったのは、ただビックリ。この1年でTBSに出られるなんて思ってもなかったし、NACK5の番組に呼んでもらったり、アイドルライブで司会やらせてもらったり、そんなことは全く想像できてなかったんで。
--リーダーはモーニング娘。のファンじゃないですか。例えば、あそこまで登り詰めたい欲求ってあるの?
プー・ルイ:あります。でもある意味、モーニング娘。は最初からステージが用意されていましたけど、ウチらは成り上がり。ゼロの状態から進んでいくしかない感じだから、目指してもなれないんだなっていうのは…………気付きました。やっと(笑)。だって作り方がまず違うじゃないですか。
--気付いたってことは、それまでモーニング娘。みたいになれると信じていたってことだよね?
プー・ルイ:最初は気付いてなくて、モーニング娘。みたいに可愛くて、歌って踊れるグループになれると思ってた。でも無理です。作り方もそうだし、抱えているものが全然違う。最近見てて思うんですけど、ぱすぽ☆とか見てると、すごく切なくなるんですよ。モーニング娘。やAKB48は売れるのが確証されているけど、ぱすぽ☆とか、ももいろクローバーZとかは手売りしたり、何でもやって何とか売っていく訳じゃないですか。だから多分悩んでるんだろうなって。地下ドル見てても「あ、脱退か」「理由はああ言ってるけど、いろいろあるんだろうな」って思ったり、残されたメンバーの気持ちとか考えると、暗くなっちゃうんですよね。病んでんですかね?
--気持ちが分かるようになったってことでしょ? 同じ境遇に立ったことで。
プー・ルイ:まぁそれを含めて楽しむのがアイドルなんですけどね。難しいですよね。切ないですよ。BiSなんて入れ替わり、激しいじゃないですか?
--まぁ早々に1人変わっちゃったけどね。
プー・ルイ:激しいと思います。激しくなるんじゃないですか! 2012年! 48人ぐらいになってるかもしれないですからね。
--以前、来年には日本武道館のステージに立つと言っていましたが、高橋愛のモーニング娘。卒業公演を武道館で観て、どう思いました?
プー・ルイ:「すげぇ~」って思いました。愛ちゃんもすげぇです。あと、モーニング娘。は歴史があるなって思います。この前「つんつべ」で石黒彩さんを見たんですけど、石黒さんと愛ちゃんは接点ないんですよね。それなのに同じグループのメンバーだったんですよ。
--同じリーダーとして高橋愛の魅力って何だと思いました?
プー・ルイ:みんなに好かれてたんですよ!「凄いな! 私、嫌われてるし!」みたいな(笑)。後輩から先輩から、愛ちゃんが好きなんですよ。加入したばかりの10期メンバーですら、愛ちゃんの卒業に泣いていたし。
--それを感じた上で、プー・ルイはどんなリーダーであろうと思いました?
プー・ルイ:私は完璧を目指していたんですけど「無理だな」と思って。だから、もっと適当に生きま~~す。みんなを頼って、みんなで作っていきたい。そんなグループをやりたいなと。新生BiSで。
--新生BiSって?
プー・ルイ:来年になったら、何にせよ“新生”ですからね。2011年は終わりますから。
--そうですね。まぁどんなグループになるにしても、もう裸にもなってるし、口の中も晒してるし、今更引き下がれないですからね。
プー・ルイ:最近、本当に悩むんですよ。学校に行ったら、みんなスーツで、髪の毛も黒くしてて「今日、セミナー行く」みたいな。私が全然知らないことを知ってるんですよ。大人になってるんです。私はBiSで頑張ってるけど。
--頑張ってるよね。
プー・ルイ:それでいいんですけど、不安になるんですよ。後悔はしていないんですけど、現状の問題がありすぎて……「大丈夫かな? BiS」みたいな。12月20日 LIQUIDROOMでのワンマンライブが成功して、大手とかに移籍できたとしても、BiSはBiSです。多分、上手くいきませんっ!
一同:(爆笑)
プー・ルイ:BiSですから! そんなとんとん拍子で行く訳がない! そこへの勝手な不安。BiS辞めても事務とか絶対できないし、店長とケンカしてバイトも強制解雇になったし。友達がいなくなっちゃったから大学も辞めたいんですよ。高校のときは粋がってたんで、粋がってるグループにいたんですね。まぁその中の地味な子だったんで「ルイには何を言ってもいい」みたいな立ち位置。で、ウチはエスカレーター式なんで、そのままその子たちと一緒に大学へ上がったんですけど、アイドルやって授業に出なかったら「地味ルイが何?」みたいな空気をすごく感じて。あるときに出席頼んだら「は? もうみんな嫌だって言ってるよ」って言われたりとかして、心が折れちゃいました。
--それは折れるね。
プー・ルイ:今は部活を一緒にやっていた別の友達と仲良くしてるからいいんですけど。その子、BiSのライブにたまに来てくれたり、インタビューとかも読んでくれたりしてるんですよ。まぁ友達うんぬんの前に単位が足りなすぎて、今年3年生で、何を間違ったのか、来年3年生なんですけど(笑)。
--今回のインタビューは想定外に切ない内容になってますけど、今日話した切なさと、それでも突き進むしかない感じ。今回のニューシングル『primal.』にも現れてますよね。
プー・ルイ:そうですね。でも今より1,2ヶ月後に聴いた方がもっとすごく切ない曲になっていると思います。切ないというか、聴いたときに何かが思い出される曲になるんじゃないかな。個人的には「繰り返す思い出は 忘れられない 傷残してんだ」がすごくグッと来ますね。「BiSじゃん」って思った。
--この曲って、BiSがBiSのことを歌っているみたいだもんね。
プー・ルイ:何も分からない中で始まった『BiS』、りなはむが抜けて3人になっちゃった『My Ixxx』、結成からやっと1年経ってちょっと分かってきた『primal.』なんで。それぞれにいろんな想いがあると思いますよ。
--核心的な質問をします。12月20日のワンマンライブ【IDOL is DEAD】はどう解釈してるんですか?
プー・ルイ:【IDOL is DEAD】というタイトル、最初は話題作りでした。でもいろいろな状況とか、問題とか、結論とか、その先とか含めて、本当に“IDOL is DEAD”になるんじゃないでしょうか。っていう風にみんなが思ってくれたらいいんじゃないですか。そしたら来てくれるんじゃないですか。まだチケットあります。
--では、最後に。こんなにもプー・ルイに滅茶苦茶な1年間を経験させた、BiSの運営サイド。要するに渡辺さんへの鬱憤をぶちまけて下さい。
プー・ルイ:私、渡辺さん、大好きなんですよ!
--へぇ~。
渡辺さん:席を外しますか。
(※渡辺さん、部屋を出ていく)
--で?
プー・ルイ:みんな、渡辺さんを嫌いです!
--(笑)
プー・ルイ:渡辺さんも知ってます。みんなが自分のことを嫌っていることは。でも最近は好きです。別に自分の株を上げたい訳じゃないんですけど。最初は本当にすっごい嫌いだったんですよ。メールで「死んでください」って送ったこともあるし。電話でも言ったことがあって、そしたら「じゃあ、俺、死ぬよ。今から死ぬからな!」って、すごく幼稚なケンカみたいになっちゃって(笑)。あ、これは最近の話だ。でもBiSのリーダーになった頃から渡辺さんが言いたいこともなんとなく分かるようになってきて、今は好きになれてます。で、いろんな人がいろんなことを言うと思うんですけど…………………………。
(プー・ルイ、号泣)
--どうした?
プー・ルイ:……………………。
--何が今、一番苦しいの?
プー・ルイ:みんな、バラバラなんですよ。ただ面白いことがやりたくて、1年間やってて、いろんなこと言われて、嫌になるのも分かるんですけど………………でも目指しているのはそこじゃない。今はこうなったからいろんな人がいろんな話を持ってきてくれるけど、ウチらが信じないといけないのは、渡辺さんで………。こんなに自分のやりたいことをやらせてもらってるんだから、普通は「やりたくない」とか言えないし。それぐらい感謝をしなきゃいけないのに、全員が。渡辺さん、いろいろと極端な事やっちゃうんで、会社で立ち位置厳しいとこあるんですよ。でもBiSが何か問題になったときは、渡辺さんが表にたって頭下げたりとかしてもらって・・・・・・・・。
--守ってくれたんだ。
プー・ルイ:うん。なのに、恩を仇で返すようなことはしたくないし、してほしくない。2ちゃんとかで「プーもユケもヤリマン」「ユフは男関係すごい」みたいなことを書かれたとしても、そんなこと誰にも分かんないじゃないですか。本当にヤリマンかもしれないし、援助交際とかしてるかもしれない。ただ、いずれにしてもあれを『primal.』のPVで使うのは、格好良いと思ったんですよ。そもそも2ちゃんで叩かれるぐらいになれたのは喜ばしいことだし、せっかく盛り上がってるんだったらPVで使っちゃえと思ったし。そこで渡辺さんに対して……。まぁもっといろいろあるんですけど、言えないんですよね。
--ここまでの話が「言える」レベルなのか自体、疑わしいですけどね。
プー・ルイ:(笑)
--でも今の話を聞いたら、なおさらBiSは突っ走るしかないと思いました。来年……は無理にしても、武道館でライブするっていうなら、そこに向かってぐっちゃぐちゃになりながら。
プー・ルイ:『primal.』の歌詞のように。
--それにしても本当にぐっちゃぐちゃなんですね。
プー・ルイ:だから今はのんちゃんが良い存在なんですよ。ブレない強さは一番ですからね。多分、みんなはBiSを引っ張っているのがプー・ルイかユケだと思ってるんですけど、余計なものを削ぎ落としたときに一番しっかりしていたのはのんちゃんだったんですよ。のんちゃんは凄い。何にも考えてないだけかもしれないですけど(笑)。
--今日はいろいろお話し頂いて、ありがとうございます。ほとんど使えないかもしれませんが(笑)。
プー・ルイ:8割は使えないと思いますよ(笑)。
Interviewer:平賀哲雄|Photo:佐藤恵
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