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「これ以上の幸せはないというぐらいハッピー」― ケリー・クラークソン 最新インタビュー

ケリー・クラークソン 最新インタビュー

 2002年に1stシングル「Before Your Love / A Moment Like This」が米ビルボード・シングル・チャート1位を記録し華々しいデビューを飾った、オーディション番組『アメリカン・アイドル』初代王者のケリー・クラークソン。その後も「My Life Would Suck Without You」や「Stronger (What Doesn't Kill You)」など数々のヒット・シングルを発表、現在では2500万枚のアルバム・セールスと3600万枚のシングル・セールスを誇るアメリカを代表するポップ・ヴォーカリストとなった彼女。そんなケリーが【グラミー賞】を受賞した2011年リリースの『ストロンガー』以来となる最新スタジオ・アルバム『ピース・バイ・ピース』を3月3日(日本盤は3月25日)に全米リリースした。2013年には、タレント・マネージャーのブランドン・ブラックストックと結婚し、翌夏には1児の母となったケリーが、今作にかけた想いや母になったことが及ぼした心境の変化などについて話してくれた。

★ケリー・クラークソン新作『ピース・バイ・ピース』独占先行試聴

自分らしくあることに抵抗はないから
音楽やプライベートの面でもプレッシャーを感じたことはない

Piece By Piece
▲ 「Piece By Piece」 (Audio)

??『ピース・バイ・ピース』というアルバム・タイトルにちなんで、3月3日のリリースに先駆け、毎日収録曲が公開されていますね。このプロセスはケリーにとっていかがでしたか?

ケリー・クラークソン:最高だったわ!「1日1曲づつ公開していくというのは、誰のアイディアだったの?」って、みんなに訊かれてる。誰のアイディアだったかは、思い出せないけど、天才的よね。最近はシングルが重要視されることが多いから、一つの作品としてフル・アルバムに期待感を抱かせる方法がは有効だと思う。まずは、「Invincible」を聴いてもらって、「Piece By Piece」、「Run Run Run」と続き、「Take You High」、そして「Someone」を聴いてもらった。アルバムから少しづつ曲を聴いてもらえるのはいいわよね。1枚のシングルからだけではなく、アルバムの良しあしが判断できるから。

??どんなアーテイストにとって悩みの種ですよね―作品を象徴するような曲を一つだけ選ぶことは。

ケリー:1stシングルは前作から新作への架け橋だと捉えている。いつも前作に収録されていてもおかしくないけれど、それよりも少し先進的な曲を選ぶようにしていて、今回「Heartbreak Song」が新作への“橋”の役割を果たしてくれた。クリスマス・アルバムやグレイテスト・ヒッツ・アルバム以外で、アルバムを発表するのは2011年以来で、少し時間が経っているから、新作を聴きはじめる前にみんなに私がどんな曲を発表してきたか思い出してもらいたいという意図もあるの。

Someone
▲ 「Someone」 (Audio)

??2011年に『ストロンガー』がリリースされてから、キャリア、そして私生活の面でも忙しそうでしたが、スタジオ・アルバムをリリースするという点では長い期間だったと感じますか?

ケリー:みんなにそう思われるのは興味深いけど、グレイテスト・ヒッツ・アルバムも普通のスタジオ・アルバムと同じようにプロモーションした。クリスマス・アルバムのためにも、新たに5曲を書き下ろしたし、きちんとアルバムとして取り組んだ。妊娠中にも関わらず、一生懸命仕事をしていたから、みんなが言うように長くは感じてないわ。

??今回初めての妊娠となりますが、その途中で音楽のプロモーション活動を行うのはどうでしたか?

ケリー:当時、私が妊娠してると知っていた人はいなかったの。最初の3か月は誰にも言わないと決めていたから。NYで朝の番組出演するために午前4時に起き、1日中プロモーション活動を行って、ジミー・ファロンの番組に出演し、ロッカフェラー・センターへ向う。とてもハードなスケジュールの上、3か月は妊娠を秘密にしてなきゃいけなくて、みんなに怠け者だと思われたくなかった。特に私の場合、順調な経過ではなかったから、仕事をしようとするけど辛いこともあった。でも彼女が生まれてから6か月間の休みをとって、その後すぐに復帰したわ。

??ここ4年間のケリー自身の人生のハイライトは、どのぐらいアルバムに影響を与えましたか?

ケリー:リヴァーが生まれて、夫の前の結婚からの子供たちの継母になったことで、人生が180度変わった。好きな時に好きなことをするというジプシーのような考え方から、家族が中心へとなっていった。とても素晴らしい出来事で、私の人生とキャリアを平穏にした。今は、情熱を注ぐものが1つ以上ある。子供の頃、歌い始めた時に戻ったような気分よ。ただ歌うことが楽しくて、本業としてではなく自分が愛することをやっていた頃。今まさにそんな感じよ!

 私にとってこのアルバムを作ること…妊娠していたことやホルモンのバランスの影響で、ヴォーカルがすごく力強く、情熱的になった。自分が書いた曲に関わらず、デモを聴いて、もっとドラマチックにしょうと試みたの。とにかく楽しみながら進められた、それと…説明するのがとても難しいわ。妊娠してると、すべてが強調されるように思えるの。いいことも悪いことも、すべて感じることができる。具合が悪い時は最悪だけど、クリエイティヴィティに火がつくと素晴らしい体験になる。思考範囲が拡大しているような感じね。

Invincible
▲ 「Invincible」 (Audio)

??アルバムの中に、その体験と結びつくような曲はありますか?

ケリー:「Invincible」は、制作プロセスの終盤に出来上がった曲で、ヴォーカルがとても気に入っているの。私はシーアの大ファンで、彼女と今作のプロデューサーであるジェシー・シャトキンが書き上げた曲で、送ってきてくれた時にはとても興奮した。スタジオに入って―彼はわざわざナッシュヴィルまで来てくれたの、その当時私は長距離を移動することができなかったから―ヴォーカルのレコーディングをした時、私の好きなようにやらせてくれた。既にデモの時点で、ヴォーカルが素晴らしかったけど、少しだけ試す時間をくれたの。だから、「いくつか試したいことがあるの。もしかしたらヒドイ結果に終わるかもしれないけど、とにかく試してみたい。」って伝えて。その時、シンガーとして少し臆病になっていたから、新しいことに挑戦することに常に肯定的だった。さっき話したクリエイティヴィティと情熱というのはこのことよ。曲が終盤に差し掛かると、まるで教会にでも行ったような心持ちになった。楽しみながら、曲を歌えたと思う。あの曲は大好きよ―勇気づけられるようなメッセージ性を持った曲で、とてもリアルだから。

??母親になったことで、シングルやアルバムの売れ行きに対しての考え方は変わりましたか?

ケリー:音楽業界との関係性はこれまでと変わってない。『アメリカン・アイドル』に出演していた時、「それカメラの前で言っちゃっていいの?」なんてよく言われたけど、これが私で、これが私が愛すること、ってずっと言い続けてきた。自分らしくあることに抵抗はないから、音楽やプライベートの面でもプレッシャーを感じたことはない。自分は最高だって思ってるもの!そして、クリエイティヴな作品を発信しようと、人並みに努力してる。子供の時から、不安とは無縁で、自信があった。持って生まれた能力だと思う。トップへのし上がろうとか、何か変わったことをやろうとか、そういったプレッシャーはまったく感じたことはない。自分が長けてることをやるのみで、それが上手くいくこともあれば、そうじゃない場合もあるの。

Run Run Run ft. John Legend
▲ 「Run Run Run ft. John Legend」 (Audio)

??アルバムのトーンにも少し驚かされました―ダークではないのですが、とても内省的で、変化に溢れ、心の痛みについても触れていて。

ケリー:詞に関しては、自分が今感じていることはあまり関係ないの。もう32歳だし、1人の人間として持てる感情は大体すべて経験済みだから。私は19歳の時にこの業界に入って、普通の人より早く大人にならなければいけなかった。今は、これ以上の幸せはないというぐらいハッピーだし―素晴らしい夫がいて、魔法のような娘に恵まれ、継子に関しては宝くじに当たったようで、すべてが最高。同時に「Run Run Run」やシーアから「Invincible」のような詞が送られてきたら、過去の体験から感情を注入することができる。これまで様々なハードルを乗り越えてきた。今その時と同じ感情を抱いていないとしても、そういった過去の人生経験を利用することができる。3年前ぐらい前に書かれた「Tightrope」は、今とは少し違う状況で書かれた曲。「Good Goes The Bye」を選んだのは、シェーン・マカナリーの大ファンで、彼が書いた曲を入れたかったから。80年代のユーリズミックス的な曲に仕上げたの。

??母親になったことが、ツアーなどのアルバム・リリース後のスケジュールに与える影響は?

ケリー:?いまだかつてないほど忙しい。ちょうどニューヨークの予定をもらったばかりで、いつもと同じぐらいクレイジーなスケジュールになってる。クールなのは、アリーと言う名の素晴らしい乳母がついていて、私が働きながらでも、子供の世話をできるようにサポートしてくれること。リヴァーは私とどこへでも行くわ―ジミー・ファロンの番組や『グッド・モーニング・アメリカ』へも。あ、『グッド・モーニング・アメリカ』は、彼女には朝早すぎるから行けないかもしれないけど。でも、私が行くところには大体ついてくるし、働きながらでも彼女と一緒に入れる。

 既にツアーバスもデザインした―もう出来上がっていて、赤ちゃん用のベッドや他の2人の子供たちが遊べるような場所もある。今夏始まる全米ツアーの準備は整っているし、その後に他の国にも行く予定。母親になったことが、足手まといになるとは思わない。むしろ、より効率が上がり、より充実してるんじゃないかしら。

Q&A by Jason Lipshutz / 2015年3月2日 Billboard.com掲載

"Heartbeat Song" Music Video

ケリー・クラークソン「ピース・バイ・ピース」

ピース・バイ・ピース

2015/03/25 RELEASE
SICP-4400 ¥ 2,420(税込)

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Disc01
  1. 01.ハートビート・ソング
  2. 02.インビンシブル
  3. 03.サムワン
  4. 04.テイク・ユー・ハイ
  5. 05.ピース・バイ・ピース
  6. 06.ラン・ラン・ラン <feat.ジョン・レジェンド>
  7. 07.アイ・ハド・ア・ドリーム
  8. 08.レット・ユア・ティアーズ・フォール
  9. 09.タイトロープ
  10. 10.ウォー・ペイント
  11. 11.ダンス・ウィズ・ミー
  12. 12.ノスタルジック
  13. 13.グッド・ゴーズ・ザ・バイ
  14. 14.バッド・レピュテイション (海外限定盤ボーナス・トラック)
  15. 15.イン・ザ・ブルー (海外限定盤ボーナス・トラック)
  16. 16.セカンド・ウインド (海外限定盤ボーナス・トラック)
  17. 17.ハートビート・ソング (デイヴ・オーデ・リミックス) (日本盤ボーナス・トラック)

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