Special

鈴木茂×猪野秀史 Billboard Live スペシャル・インタビュー

鈴木猪野スペシャル

 2012年10月にビルボードライブ5周年記念公演として行われた鈴木茂×猪野秀史のスペシャル・ユニット・ライブが2015年4月、ビルボードライブに帰ってくる。しかも、今回はドラムに林立夫、ベースにハマ・オカモトという鈴木・猪野両名の盟友も参加し、前回以上にパワーアップしたライブが期待できる豪華布陣での公演だ。

 前回のビルボードライブでの共演以来、お互いがお互いの作品やライブに参加するなど、密なコミュニケーションをとってきた鈴木・猪野両名。前回以上に息のあったコンビネーションにも期待が高まる。今回は世代を超えて響きあう両氏に、ビルボードジャパンとしては約2年半ぶりのインタビューを行った。短い時間ながら、音作りやセッションの極意から、林×ハマというゲスト陣の印象や思い出に至るまで幅広い質問に、両者とも真摯に応えてくれた。

~音作りの秘訣~
「イメージを変えたのはやっぱりジミヘン」「自分のところで音像を作る」

――早速ですが、いま改めて振り返って、前回のライブはいかがでしたか?

鈴木:僕は初めてここで演奏したんですよね。こういうオシャレなお店で演奏するのも初体験だったので全てが珍しかったです。演奏の最後の方に、ステージの後ろのカーテンが開くと夜景が見えて、それもとても綺麗でした。演奏もほどよい緊張感を持って楽しめて、上手く行ったかなと思います。

猪野:それまでもビルボードライブでは毎年ライブさせて頂いてたんですけど、茂さんと演奏させて頂いたのは前回が初めてだったので緊張しましたね。

――それはやはり鈴木さんと演奏するという緊張ですか?

猪野:そうですね。リハの時に茂さんの弾く赤いストラトのギターの音が「キュイーン」と鳴った瞬間、鳥肌が立つくらい感動しました。あと、リハの間、立てかけてあったストラトが何かの拍子で倒れたんですけど、その時も「キュイーン」って鳴って、その音もカッコよくて感動しました(笑)。

――椅子から倒れた音もカッコいい(笑)。鈴木さんと言ったらストラトのイメージがありますが、やはり思い入れはありますか?

鈴木:思い入れですか。うーん、そうですねえ。とっても弾きやすいってことかな。ストラトってバッキングには最適なギターなんですね。パワーがあんまりないから、アルペジオにしてもリズムのカッティングにしても程よい音量で出てきて。ギブソンのハムバッキングとか、テレキャスだとパワーがあり過ぎて、歌っていて疲れちゃうことがあるんです。

猪野:茂さんのギターはものすごく小さい音でも抜けが心地いいんですよ。ご自分でエフェクターを作ったりされている方なので、やっぱり足元に色々な仕掛けがあるのかなとは思うんですけどね。

――昨年リリースされたDVD(『鈴木茂 ギター・プレイ・オブ・バンドワゴン』)でも、ものすごく細かく足元のセットを公開されていましたね。

鈴木:やっぱりストラトって頼りない音がするんですよね。それを、パワーのあるアンプとかエフェクターを使ってしっかりした音にするんです。昔はストラトって2番手、3番手のイメージで、僕がギターを弾き始めていた当時は、フェンダーだったらジャズ・マスターとかジャガーとかの方のウケが良かったんですよ。
 そのイメージを変えたのはやっぱりジミ・ヘンドリックスで、彼がマーシャルのパワーのあるアンプでストラトを弾いてみんな初めて「ああ、こんな音になるのか」ってなった。ストラトと、例えばフェンダーのツイン・リヴァーブみたいな、それほどパワーのないアンプの組み合わせだと、シャキッとしてバッキングには良いんだけど、ロックよりカントリーとかのイメージに近い音になり易い。だから、やっぱりパワーのある音を出すには、マーシャルみたいなアンプを使うか、その間にいくつかエフェクターを入れて音を作り直す必要があるんです。
 でも、僕の場合、エフェクト・ボードに色々置いているのはライブのためで、レコーディングではそんなに使ってないんですよね。ライブの時は色んな曲をやるでしょ? だから一個踏んで音を選べるようなセッティングにすると、どうしてもいくつかエフェクターが必要になりますね。特にソロとか、パワフルな音が必要なフレーズを弾くときは、歪み始めるくらいの音じゃないと様にならなかったりするんですよね。

――猪野さんも鍵盤で弾き語りをされますけど、やはり足元のセッティングなどには気を使いますか?

猪野:そうですね。僕の場合、トレモロとかビブラート系、エコーとかのエフェクターはリバーブも含めて結構通してますね。できるだけPAさんじゃなくて自分のところで音像を作るっていうことは、どの会場でも意識してます。

 

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