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マクバステッド 来日インタビュー
イギリスが誇る国民的バンド、マクフライとバステッドによるスーパー・グループ=マクバステッド。トム・フレッチャー、ハリー・ジャッド、ダニー・ジョーンズ、ダギー・ポインターからなるマクフライに、元々3人組だったバステッドからジェイムス・ボーンとマット・ウィリスの2人が加わり、2013年後半に結成。2000年代前半のデビュー当時から交流がある2バンドだが、ジェイムスがマクフライのライブに参加したことが発端となり、マクバステッドとして活動をスタート。11日間に及ぶアリーナ・ツアーを発表するとチケットは即完し、最終的にハイド・パークでのヘッドライナー公演を含む35公演を実施した。
2014年12月にリリースされた待望のデビュー作『マクバステッド』は、全英アルバム・チャート9位にランクイン。1stシングルとなった疾走感溢れる珠玉のポップ・ロック・ナンバー「エア・ギター」をはじめ、ウィーザーのリヴァース・クオモ、ブリンク182のマーク・ホッパスら、メンバーが慕うソングライターたちとコラボした楽曲など、マクバステッドの魅力が最大限に引き出された快作となっている。アルバム・プロモーションの為、久しぶりに来日したメンバーたちが、デビュー・アルバム、思い出のハイド・パーク公演、ギネス級の何かが起こる!?最新ツアーなどを和気あいあいと語ってくれた。
リスクを恐れずに行動へ移すことができたのは新鮮だった
――日本に来るのはすごく久しぶりですよね。
マット・ウィリス:ジェイムスと僕にとっては特にね。最後の来日から10年経つんだ、信じられる?
ジェイムス・ボーン:10年だよ!時の流れを感じるよね~。
マット:その時ちょうど僕の21歳の誕生日で、今は31歳だからね。
ジェイムス:多くが変わったようだけど、そうでもないような気がするし、複雑だね。また来日できるなんて、思ってなかったから不思議な気分。
――前回の来日時と大きな違いは?
ハリー・ジャッド:前に来た時よりも、街がクリーンになってる気がする。
ダニー・ジョーンズ:マクフライとして来た時、一人づつ携帯電話を渡されたのは憶えてる。でも、今はみんなiPhoneを持ってるから、その必要はないね。
トム・フレッチャー:そうそう、しかも折りたたみ式の携帯電話だった!
ダニー:SIMカードを入れなきゃいけなかったんだよね。
ダギー・ポインター:そんなこと、よく憶えてるよな(笑)~。
ジェイムス:あと、日本に着いた翌日っていつも時差ボケが酷くって朝4時間ぐらいに起きちゃうんだよね。当時は、今ほどインターネットが普及してなかったから、Wi-Fiもないし、誰とも連絡が取れなくて、部屋でボーっと座ってたのが、すごく記憶に残ってる。でも今回はiPhoneがあるから、それで時間を潰してた(笑)。
――なるほど。まずは、このバンドを結成した経緯を簡単に教えてください。
ハリー:ジェイムスとは、ずっと連絡を取り合っていたから、ある時マクフライの前座としてバステッドの曲をアコースティック・セットをやってもらったんだ。その反響が物凄くて、僕らのマネージャーとジェイムスを含めて、どうにかバステッドを再結成させられないかな、って考えたけど、チャーリー(・シンプソン)は、今ソロとして活動しているから絶対ムリだよねって、ことになって、マットに連絡してみたんだ。マットは乗り気で、試しに6人でライブをやってみたら、それがすっごく楽しかったから本格的にツアーをやろうぜ、ってことになり、マクバステッドの活動をスタートさせた。ごく自然な流れで始まったグループで、ツアーの反響を受けて、今回アルバムを作ることになったんだ。
ジェイムス:ねえ、ちょっと質問していい?今朝TVを観てたら、小さなロボットがお年寄りにエキササイズを教えていたんだけど、あれはなんだったの?
――よくわからないですが…老人ホームのような場所で?
ジェイムス:そうそう、そのペットボトルと同じぐらいの大きさのロボットで、すっごくクールだった。(ロボットの動きを真似し始める)
一同:(大笑)
ジェイムス:ビデオを撮ったから、後で見せるね。イギリスには、あんなのないから信じられなくて。
――(笑)。マクバステッドを結成したことに対して、ファンからの反応はポジティヴなものでしたか?
ハリー:すごくポジティヴだよ。ツアーは、マクフライやバステッドとして行ったもの以上に規模が大きくて、ハイド・パークではヘッドライナーとして6万人の前で演奏した。
ダニー:当初は11公演だけのはずだったのに、最終的には36公演もやったんだ。そしてアルバムもリリースされて、また日本に来ることもできた。3月中旬からは、イギリスで大規模なツアーを再び行う。すべてファンたちのおかげだよ。
――アルバムに関しては、こういう作品が作りたいという明確なビジョンがあったのですか?
トム:うん、きちんと考えていたよ。それって、これまでマクフライとしてはあまりなかったことだから、すごくエキサイティングだったね。曲も短期間で書かれたものだし。
――実際、スタジオにいたのはどれぐらいの期間?
トム:3か月ぐらいかな。
ダニー:そうだね。今回は、コンセプトもすごく良かったし、とてもスムーズに作業が進んだ。
――メンバーが6人に増えたにも関わらず?
ダニー:6人で一緒に曲作りするのは難しいから、何人かづつでスタジオに入って、行ったんだ。それに加えて、ブリンク182のマーク・ホッパス、ウィーザーのリヴァース・クオモ、オール・タイム・ロウのアレックスともコラボしたから、ソングライティングのプロセスには大勢の人間が参加してる。彼らと一緒に曲を書くのは、すごくクールだったね。
ハリー:プロデューサーが優秀だったんだ。「今日は、君と君が一緒に曲を作って。」、「君と君は、僕と書こう。」って具合に。とても的確に指示してくれた。
――因みに、彼とは以前仕事をしたことがあったのですか?
ハリー:僕らはないね。
マット:彼は、バステッドのデビュー・アルバムを手掛けてるんだ。
ハリー:彼とはすごく相性が良かった。具体的な指示をしてくれる人は、アルバムを制作する時にとっても重宝してる。じゃないと、バンドってすぐ怠けるから(笑)。それに、あまり長く時間をかけるのも良くないから、「これはいい曲だ、じゃあレコーディングしよう。」、「これはビミョーだから止めよう。」って即座に判断していく、効率的なプロセスだったと思う。
ダニー:本当にエキサイティングで、様々なインスピレーションをもとに、常に新しいアイディアが浮かんでくるような状況だった。これまでバンドとして何度も行っているプロセスだったけど、新しいバンドとして、新たなことにチャレンジしてる気がした。あまり深く考えず、リスクを恐れずに行動へ移すことができたのは新鮮だったね。
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自分が書いた曲に愛着を持たないこと、
批評を受入れる重要さ
――今、即座に判断していったと言いましたが、お互い正直に意見を出し合えたと思いますか?
ダニー:僕は、トムに対して正直じゃなかったかも…(笑)。
ハリー:そういう時は、プロデューサーに判断してもらった。
――仲裁人みたいに?
トム:そうそう、レフリーみたいにね。
ハリー:たとえば、6人のうち3人が気に入った曲があったとしても、アルバムに合わなかったら妥協して、いれなかったり。
トム:マクフライとしては、12年間活動してるけど、その間で自分が書いた曲に愛着を持たないことや批評を受け入れる重要さも学んだから、その点は大丈夫だよ。
ハリー:確かに、それは言えてるね。しかもトムはそれを貫いてて偉いよな。
トム:今回、1枚のアルバムに対して作った曲数が一番多かった、というのはすごく印象的だったね。35曲~40曲近くあったんだ。
――それは凄いですね。
トム:もちろん、それらの曲を全部アルバムに収録することは不可能だから、妥協しなければならなかった。
ハリー:アルバムに収録されてない曲で、素晴らしいものもたくさんあるんだ!
トム:僕が気に入ってた数曲は、候補リストにも入らなかったんだから。
▲ 「Get Over It」 (Behind The Scenes)
――たくさんあった曲の候補をどのように絞っていったのですか?
ハリー:言葉で表現するのが難しんだけど、ツアーを通じて、これが“マクバステッドらしさ”なんだ、というのを全員感じていたから、そのフィーリングに従い選んでいった。中には、大ヒットしそうなポップ・ソングとか、壮大なバラードもあったけど、それらはマクバステッドらしくなかったから、いれてない。
ダギー:そう、ただ単にいい曲を集めた作品は、僕らの目的にそぐわない。
――グレイテスト・ヒッツ的な作品ではなく、一貫したアルバムが作りたかったということですね。
全員:その通り!
ハリー:たとえば、過去にトムやダニーやダギーは1Dのために何曲か書いていて、それらは1Dにとってはピッタリだけど、マクバステッドには合わないんだ。マクフライのために作った曲で、全員気に入ってる曲もあったけど、それもマクバステッドとして発表するには違和感がある。だから、収録曲はかなりシビアに見極めていったね。
――アルバムには、ポップ・カルチャーについて言及した詞がいくつかありますか、今でも意識的にシーンの移り変わりを追っていますか?
トム:ちょっとからかってる部分もあるけどね
ハリー:僕らもその一員だというのは認識しているから、もちろんだよ。でも、今更そうする必要ないのかも、というのも感じるけど。
マット:今の時代、そうしないことの方が難しいんじゃないかな。あまりにも生活と密接しているから。
ダニー:良質なポップ・ミュージックはもちろん好きだから、最新の音楽チャートはチェックしてるよ。
▲ 「Love Me Like You Do」 (Ellie Goulding cover)
――最近は、どんなものを聴いているんですか?
ダニー:いいと思ったものは、何でも聴くね。ザ・ユースドから…。これまでにも他のメンバーから、知らなかったバンドをたくさん紹介してもらった。たとえば、ダギーに会わなかったら、ブリンク182について知らなかったと思うし、ニュー・ファウンド・グローリーもそうだし…。
ダギー:僕は、最近チャーチズにハマってる。綴りが、Vのチャーチズね!彼ら、すごくクールだよね。
ハリー:年を重ねることで、少し頑固になって、あまり新しいバンドを聴かなくなってきてはいるかな。でもアルトJは大好き。いいバンドで、新しいアルバムも最高。
ジェイムス:やっぱりテイラー・スウィフト。彼女の新作には、すごくハマってる。
ハリー:テイラー・スウィフト、ブルーノ・マーズ、ケイティ・ペリー、エド・シーランは、全員素晴らしいアルバムを発表しているね。
トム:クオリティの高いポップ・ミュージックだ。
――今、“クオリティの高い”という表現が出ましたが、たとえば10年前に比べてポップ・ミュージック全体のクオリティが上がっていると感じますか?今、名前が挙がったアーティストの多くは自分で曲を書いていますし。
一同:それは、すごく思うね。
トム:だから、ポップ・ミュージックがより強い影響力を持つような時代になったんだと思う。
ハリー:ヒット曲を無理矢理作ろうとするのではなく、単純にいい曲を書く自然体なアーティストが増えたよね。トレンドを過剰に取り入れ、コンテンポラリーになりすぎて、不作だった時期もあったけど、今はその心配もなさそうだ。そんな中で、マクバステッドのユニークなところは、笑えるような詞もあるけど、最終的にはいいポップ・ソングだということだな。
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時が経つにつれて、少しづつポップ・ミュージックも
真剣に受け止められるようになってる
▲ 「Sleeping with the Light On」 (Acoustic)
――メンバーのお子さんたちはマクバステッドの曲を聴いたりするのですか?
マット:僕の子供たちは、バンドのことが大好きだよ。
ハリー:1Dの方が好きなんじゃないの?
マット:最近マクフライにもハマり出して、イザベルは「Five Colours In Her Hair」のミュージック・ビデオをよく観てる。息子のエースには、車に乗るたびに「Air Guitar」をかけてって、言われるし。
ハリー:マジで?ちょっと飽き飽きしてるんじゃない?
マット:でも、『アナと雪の女王』の曲よりは、ましだから(苦笑)。
ジェイムス:(大笑)
ハリー:「パパ、パパ、「Air Guitar」をかけて~!」って?
マット:そう、当時は『アナと雪の女王』の曲も好きだったけど…。「Air Guitar」の前は、「Crash The Wedding」をかけてって、よく言われたね。
ジェイムス:「Let It Go」は日本でも流行ったの?
――もちろん。日本語ヴァージョンも大ヒットしましたよ。
ハリー:日本語で、「Let It Go」は、何て言うの?
――「ありのままで」です。
マット:(歌いだす)「アリノ…ママデ~♪アリノママ~♪#&%$#&&&%$&%$~♪」
(ジェイムスやハリーも参加し、しばらく歌い続ける)
一同:(大笑)
――(笑)。そしてバステッドやマクフライと言えば、ファイヴ・セカンズ・オブ・サマーやザ・ヴァンプスなど現在活躍している若いバンドにも大きな影響を与えましたよね。
ジェイムス:僕らのことを慕ってくれるなんて、すごくクールだよ。
ダニー:そう言われるのはすごく嬉しいんだけど、「年取ったな~。」、って思うよね(笑)。とは言え、彼らも自分たちで曲が書ける、クオリティの高いポップ・アクトだから光栄だね。
――それに加え、当時ポップ・ミュージックを聴いていたティーンたちにとって、ロックをより身近な存在にしたとも思います。
ハリー:その点で特に功績の高いのは、バステッドだね。たとえば、当時バックストリート・ボーイズを聴いてた若い女の子たちに、バンドやロック・ミュージックの素晴らしさを指し示した。もう少し上の世代には、曲のポップさがうけて、クロスオーヴァーしていった。当時そこに気づいてくれた人は多かったけど、その反面ポップ・アクトなのに、「何でギター弾いてるんだ?」って批判されることもあった。
――逆風にさらされることもあったのですか?
ハリー:でもそれって、どんなポップ・アクトにも起こりうることだからね。
マット:昔は、そうやって批判されると、すっごくイラッとしてたけど、今は笑い飛ばしてる。自分の好きなことをやってるんだから、どう思われようと関係ない。「何でちゃんとしたバンドとして受け入れてくれないんだ。」って、ずっと悩んでたけど、今はそんなことどうでもいいんだ。
ジェイムス:どんな音楽を作っているか、ということに対して、なぜそんなに批判的になるのか、僕には理解できない。もちろん、あからさまに酷い音楽も存在すると思う…。
マット:その通り、最悪なロック・ミュージックだってあるわけだし。
ジェイムス:でも、それは聴き手が判断することだよね。誰かにとって最悪な曲でも、それが好きな人だっているわけだから。
ダニー:この問題の背景にあるのは、偏見じゃないかな。ロックを聴く人たちにとっては、ちゃんと生で演奏ができて、バンド自身が曲を書くのが当たり前で、ポップ・アクトというのは、他人に描かれた夢を歌い、たまに口パクをすることだってある。その2つがクロスオーヴァーした僕らのようなポップ・ミュージックを演奏するギター・バンドは、どちらにも当てはまらないから、結局両サイドから批判されることになる。初期の頃は、批判的なことを言われるのが辛かったけど、今は全然気にしてない。時代も変わってきていて、さっき君が言ったように現代のポップ・ミュージック・シーンにおいて売れているアーティストは、自分で曲を書いている。時が経つにつれて、少しづつポップ・ミュージックも真剣に受け止められるようになってるって思うね。
ジェイムス:音楽を作ることを愛し、精魂を傾けて励めば、きっといい作品が生まれるはずだ。僕が気に入らないのは、音楽に対して情熱を持たない人々によって作られた中身のない作品。何の思想も情熱も持たない人々によって作られたアルバムは、聴いたらすぐにわかるよね。
ダニー:現代のポップ・ミュージック・シーンが興味深いのは、そこだと思う。アーティスト自身によって書かれた曲だから偽りがない。
――確かに。それにアーティスト自身が曲を書いている方がより真実味があって、共感できますしね。先ほど話に上がったバックストリート・ボーイズは、ハイド・パーク公演の前座を務めたそうですね。
ジェイムス:すごく不思議な経験だった。
ダギー:ジェイムスは一緒にステージに上がったんだ。
ハリー:あれは、事前に決めてたの?
ジェイムス:決めてたわけないじゃん!普通にファンだから、ステージ脇で観てたら、「Quit Playing Games (with My Heart)」の途中で、A.J.が「「I Want It That Way」の時に出てこい。」って言うから、出たんだ。だって、A.J.に対して「え~、嫌だよ。」なんて言えないじゃん…。
ハリー:1曲丸ごと出演したの?
ジェイムス:いや、曲の途中でステージに上がって、曲が終わる前にステージを降りたよ。「Tell Me Why~♪」の部分とコーラスを歌ったけど、すごくクールだった。名曲だよね。
――振り付けも完璧に?
トム:(笑)。ジェイムスのことだから、元々知ってたんじゃない?
ジェイムス:そんなわけないじゃん。音楽に合わせて体を動かしただけ。動画がUPされてるんじゃないかな。写真があるから見せてあげるよ。ほら、僕とA.J.とニック。夢のようだったね(笑)。
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とてつもなく大きなものを作ってるとしか言えないね
それが、世界一大きな“何か”になるはず
――この後すぐにオーストラリアで1Dのサポートを行い、待望の全英ツアーも控えてますね。シングル以外のアルバムに収録されている曲を生で演奏するのは、1Dとのツアーが初めてですか?
トム:そうなんだ。
ハリー:何週間かリハをしたから、準備は万端だよ。実際に何回か生で演奏してみないと、感覚をつかむのは大変だけど。不思議だよね。何回も練習してるけど、リハとライブではまた違うから。
ダギー:そう、6万人もの人に観られていると思うと余計にね(笑)。
トム:僕は「Hate Your Guts」を生で演奏するのを楽しみにしてるよ。
――今回のツアーも“タイム・トラベル”をコンセプトにしているんですか?ポスターは、『ビルとテッドの大冒険』をパロディーしたものですし。
ハリー:その要素も少し残ってるけど、今回は少し趣向が違うものになってる。
ダギー:日本にピッタリだと思うんだ。アーケード・ゲームがコンセプトになってるから。それから世界記録を樹立しようと思っているんだ。
――お~、そうなんですね。まだ内容は、内緒ですか?
ダギー:うん。とてつもなく大きなものを作ってるとしか言えないね。それが世界一大きな“何か”になるはず。
――先日スーパーボウルのハーフタイム・ショーで、ケイティー・ペリーが乗っていたライオンよりも?
ダギー:いや~、あれよリもさらに大きい何かだよ!ちゃんと動くはずだし。
ダニー:日本のみんなにもきっと気に入ってもらえるはずだから、是非ツアーで戻って来たいね。
マット:僕も100%戻って来たい。
ハリー:そうだね。東京や大阪でライブをやって、少し時間をかけて日本を満喫したいね。だから、みんなアルバムを買ってね(笑)!いつも日本に来るとプロモーションばっかりで、自由な時間があまりないからさ。
ダニー:今の季節はすごくいいよね。
トム:同感。いつも夏に来日してて、寒い時に来たのは1回ぐらいしかないから。
ハリー:日本でゴルフがしたいな~。
マット:僕はゴルフより、スノーボードかな。
――ジェイムスとマットにとっては、バンドとして活動するのは久しぶりだったと思いますが、マクフライのメンバーと一緒に演奏することに慣れるのは大変でしたか?
ジェイムス:全然。ごく自然な感じだったよ。サウンド的にも共通点があるし、ある意味最高のカムバックを果たせたと思ってる。
ダギー:初めて全員でスタジオに入った時は、感動的だったね。
――改めて演奏してみたバステッドの曲の中で、印象に残っているものはありますか?
ジェイムス:「Year 3000」!
ハリー:「Who's David?」も。
ジェイムス:あの曲は、昔演奏してた時もすごく楽しかったよね。
ダギー:僕らもバステッドの曲が演奏できて嬉しいね。
ダニー:「Britney」とか「Crash The Wedding」とか。ハイド・パークで「Crash The Wedding」を演奏した時、全員ヴィンテージのウェディング・ドレスでステージに登場したんだ。
ジェイムス:あれは最高だったね!ウェディング・ドレス姿で、ステージをピョンピョン飛び回って。
ダニー:笑いすぎで、全然歌えなかったよ!
ジェイムス:反対に、マクフライの曲だと、僕は「Star Girl」をプレイするのが好きだね。
――噂によると、マクフライはニュー・アルバムの制作を行っていたそうですが…?
ダニー:あれはお蔵入りしたよ。
トム:完成はしていなかったけど、ものすごく近い所までいってた。
ダニー:このプロジェクトも始まったしね。
ハリー:でも、ある意味リリースしなくてよかったんじゃないかな。そのアルバムについては、あまり話したことがないんだ。すごく時間をかけた作品だったから、リリースしないという決断を下すのは、最初はハードだったけど、正しい決断だったと思う。あのタイミングでリリースするべき作品ではなかったから。クールなタイトルもつけてたんだけどね。いい曲もたくさん収録されていたし、制作当時はすごく満足していたんだよ。
マット:じゃあ、お蔵入りにしちゃうのも、もったいなんじゃない?
ハリー:でも、物事が起こるのは、すべて必然的だから。
ジェイムス:いやいや、アルバムはアルバムとしてリリースすべきだよ!
ハリー:もう、2年半以上古い曲が収録されているからね…。
――今後リリースする可能性は、全くないと言うことですか?
ジェイムス:僕としては、そうして欲しくないけどね。
ダニー:でも、クールなのは、今の時代だとネットで配信できるということだよね。
トム:もしかしたら、次にマクフライのアルバムを作る時に、参考にするかもしれないし。“後知恵”的な感じだよね。その当時は見えていなかったことを、新たな視点で振り返ることができる。どの曲がうまくいって、どれがうまくいかなかったのか、とか。
ハリー:それは言えてるね。これまでの僕らにはなかった概念だから。まだ、どうするかわからないよ。
トム:もし、次のアルバムに使えるような曲がまったくなければ、ファンの為にネットで配信することも考えるし。
ハリー:僕らが好きなようにできるんだったら、ファンへのプレゼントとしてあげるけど、大人の事情で勝手なことは出来ないからさ(笑)。
▲ 「Hate Your Guts ft. Mark Hoppus」 (Audio)
――わかりました。では、最後にこれまでのマクバステッドの活動の一番のハイライトを教えてください。
トム:もちろんハイド・パークだよ!
ダニー:僕も同感。
ハリー:マークとコラボできたこと。
トム:リヴァースもね。
マット:後は、ライブの冒頭の部分。これまで行ったツアーの中で、一番好きなイントロダクションだね。
ダギー:僕は、ツアーを発表した朝。あれはすごくエキサイティングだったから。
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マクバステッド
2014/12/03 RELEASE
UICI-1137 ¥ 2,695(税込)
Disc01
- 01.エアギター
- 02.ヘイト・ユア・ガッツ (FEAT.マーク・ホッパス)
- 03.ホワット・ハプンド・トゥ・ユア・バンド
- 04.ゲット・オーヴァー・イット
- 05.ライディング・オン・マイ・バイク
- 06.ゴーン
- 07.センシティヴ・ガイ
- 08.ビューティフル・ガールズ・アー・ザ・ロンリエスト
- 09.ビフォア・ユー・ニュー・ミー
- 10.バック・イン・タイム
- 11.ハウズ・マイ・ヘア?
- 12.ゲッティング・イット・アウト
- 13.23:59 (海外デラックス・エディション収録曲)
- 14.イン・ダ・クラブ (海外デラックス・エディション収録曲)
- 15.アイ・シー・レッド (海外デラックス・エディション収録曲)
- 16.エア・ホステス (ライヴ・フロム・O2) (日本盤ボーナス・トラック)
- 17.オブヴィアスリー~ダメでもともと (ライヴ・フロム・O2) (日本盤ボーナス・トラック)
- 18.ユー・セッド・ノー (ライヴ・フロム・O2) (日本盤ボーナス・トラック)
- 19.スター・ガール (ライヴ・フロム・O2) (日本盤ボーナス・トラック)
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