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videoolio vol.20: Max Martin ~注目のプロデューサーをビデオで紹介~
旬なアーティスト、注目のバンドなどをビデオを通じて紹介する【videoolio】。今回は【第57回グラミー賞】にて「年間最優秀プロデューサー」に輝いたマックス・マーティンがこれまでに手掛けてきた華麗なるヒット曲の数々をビデオと共にご紹介。
2月9日に開催された【第57回グラミー賞】にて、年間最優秀プロデューサーに輝いたマックス・マーティンをご存知だろうか。スウェーデン出身にして、90年代にバックストリート・ボーイズ、ブリトニー・スピアーズ、インシンクなどのソングライティングを手掛けて大ブレイク。今日までに19曲の全米No.1ソングをシーンに送り込み、20年以上にわたって第一線で活躍を続けている“世界一のヒット・メーカー”である。
初の栄冠を手にした今年度もテイラー・スウィフトの「シェイク・イット・オフ~気にしてなんかいられないっ!!」を筆頭に、アリアナ・グランデ「プロブレム feat. イギー・アゼリア」、ケイティ・ペリー「ダーク・ホース feat. ジューシー・J」など、特大ヒットを連発。彼のことは知らなくても、彼の手掛けたヒット曲は誰もが耳にしたことがあるはず…しかも、それは1曲2曲だけではないはずだ。
そこで、これまでに彼が手掛けてきたヒット・ナンバーの数々をミュージック・ビデオとともに紹介しよう。(★印は全米ビルボードNo.1獲得曲)
全世界で915万枚の売り上げを記録、19か国でプラチナム・ディスクを受賞したブリトニーのデビュー曲。TV番組『ミッキーマウス・クラブ』出身、弱冠16歳の少女を一躍ポップスターへと飛躍させたことで、マーティンは“ポップ・ミュージック界の天才プロデューサー”として世界的に認知されるようになった。デビューからこれまでにマーティンが携わったブリトニーのナンバーは20曲以上にのぼる。
ブリトニー大ブレイクで波に乗ったマーティンは、翌1999年、全世界で3500万枚を売り上げ、日本でも150万枚を記録したバックストリート・ボーイズの3rdアルバム『ミレニアム』の制作に携わり、さらにその地位を確固たるものにしていく。全12曲の収録曲のうち、大ヒットナンバーとなったこの曲をはじめ7曲の作詞・作曲・プロデュース(共作含む)を行っている。
当時バックストリート・ボーイズと並ぶ人気を誇っていたジャスティン・ティンバーレイク率いるイン・シンクのプロデュースも。1週間で240万枚を売り上げギネス認定された大ヒットアルバム『ノー・ストリングス』収録の全米No.1獲得ソング「イッツ・ゴナ・ビー・ミー」もマーティンの作詞・作曲(共作)によるもの。
ブリトニー、BSB、インシンクと、“トップ・アイドル御用達プロデューサー”として活躍するなかで異色の組み合わせとして当時話題となったのが、ボン・ジョヴィとの楽曲制作。2000年リリースの7thアルバム『クラッシュ』のリード・シングルとして世界的ヒットを記録したこの曲は、ジョン、リッチーとともにマーティンの名が作詞・作曲にクレジットされている。
米・人気オーディション番組『アメリカン・アイドル』の初代優勝者、ケリー・クラークソンの2ndアルバム『ブレイクアウェイ』からのヒットナンバー「シンス・ユー・ビー・ゴーン」も、マーティンによるナンバーのなかでは非常にロック寄りのサウンド。同曲では惜しくもNo.1獲得ならず2位止まりとなったが、2009年に再びタッグを組んだ「ウィズアウト・ユー」で全米No.1獲得している。
2000年代後半以降にマーティンが手掛けた代表的なアーティストとして挙げられるのがケイティ・ペリーだ。センセーショナルな内容で8週連続全米No.1を獲得し、音楽シーンに一大旋風を巻き起こした「キス・ア・ガール」のライターとしてクレジットされている。「ホット&コールド」「ティーンエイジ・ドリーム」「カリフォルニア・ガールズ」「ロアー」「ダーク・ホース」などの代表曲含む、20曲近くのナンバーに携わっている。
ケリー・クラクソンと同じく『アメリカン・アイドル』出身でバンド活動からミュージカルまで、現在も幅広い活動を行っているアダム・ランバートのデビュー・アルバム『フォー・ユア・エンターテイメント』収録のこの曲もマーティンがP!nkと、マーティンと同じくスウェーデン出身の新鋭プロデューサー、シェルバックとともに制作したもの。3rdシングルとしてリリースされた同曲でアダムは自身最高位の全米10位を獲得している。
関連リンク
マーティンとP!nkとの親交は2006年リリースの4thアルバム『アイム・ノット・デッド』から。P!nkの代表曲のひとつであるポップでアッパーなこの曲もマーティン&シェルバック、P!inkの共作によるもの。3人のタッグで2008年のヒット・ナンバー「ソー・ホワット」に続き、同曲で2度目の全米No.1を獲得している。
アッシャーとピットブルのコラボによる2010年のヒット・ナンバーもマーティンとシェルバックの“最強タッグ”作詞作曲&プロデュースによるもの。2010年発表の同曲は全米4位、30週以上にわたりチャートインを果たすロングヒットを記録している。また、2012年リリースのアルバム『ルッキング・フォー・マイセルフ』からのヒット・ナンバー「スクリーム」の作詞作曲&プロデュースも彼らによるものだ。
“最強タッグ”による意外なヒット・ナンバーをもうひとつ。2011年にアルバム『グッバイ・ララバイ』の先行シングルとしてリリースされた、彼女の原点ともいえる疾走感溢れるポップ&ロックなヒット・チューン「ワット・ザ・ヘル」。スウェーデンで行われたというマーティンとのレコーディングについてアヴリルは「スウェーデンへの初めての旅は魔法のようだったわ。彼はスウィートな人よ!」と大絶賛。
『オーヴァーエクスポーズド』『V』と2作連続でマックス・マーティンをエグゼクティヴ・プロデューサーに迎えてアルバム制作を行ったマルーン5。いずれも楽曲ごとに複数のプロデューサーを起用して制作されたのだが『オーヴァーエクスポーズド』からのセカンド・シングル「ワン・モア・ナイト」はマーティン&シェルバックのプロデュースによるもの。マルーン5にとっては3曲目、マーティンにとっては、なんと14曲目となる全米No.1ソングである。
今年度もマーティン&シェルバックのプロデュースによる「シェイク・イット・オフ~気にしてなんかいられないっ!!」が大ヒットを記録した、テイラー・スウィフトとの仕事は『RED』から。アルバムからの1stシングルとして全米No.1を獲得、日本でも150万ダウンロードの大ヒットを記録した「私たちは絶対に絶対にヨリを戻したりしない~WeAre Never Ever Getting Back Together」含む3曲をシェルバックとともにプロデュースしている。
テイラー・スウィフトの「シェイク・イット・オフ~気にしてなんかいられないっ!!」、ケイティ・ペリーの「ダーク・ホース」と並んで、今年度、マーティンの初グラミー獲得を大きくアシストしたのが、アリアナ・グランデとイギー・アゼリアという“旬”な2人によるコラボ曲のプロデュースだろう。また、アリアナとゼッドのコラボによるシングル「ブレイク・フリー」もマーティンのプロデュースによるもの。
最後にもう1曲。2014年ブラジルW杯のテーマ曲として多くの人が耳にしたであろうコロンビア出身の歌姫 シャキーラの「La La La (Brazil 2014)」。マーティンは同曲のオリジナル・バージョン「Dare(La la la)」の作詞・作曲者の1人として、同じくポップ・シーンの最高峰プロデューサーの1人であるドクター・ルークらとともにクレジットされている。