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「新しい音楽を作る必然性があった」― フォール・アウト・ボーイ 最新インタビュー

>フォール・アウト・ボーイ 最新インタビュー

 2009年に無期限の活動休止宣言をし、米ビルボード・アルバム・チャート1位を記録した『セイヴ・ロックンロール』で、2013年にカムバックを果たしたフォール・アウト・ボーイ。その約1年半後には映画『ベイマックス』に起用された新曲「Immortals」、そして今年1月にはニュー・アルバム『アメリカン・ビューティー/アメリカン・サイコ』をドロップし、再び米ビルボード・アルバム・チャート首位に輝いた。一時期は、メンバー間で全く会話がなかったと話すベーシストのピート・ウェンツが、当時の苦悩と再スタートについて語ってくれた。

まだやり遂げていないことがあって、
新しい音楽を作る必然性があった

American Beauty/American Psycho
▲ 「American Beauty/American Psycho」 MV

??全米1位おめでとうございます。

ピート・ウェンツ:ありがとう、クレイジーだね。すっごく。

??フォール・アウト・ボーイについて記事を書き続けることが出来るのは嬉しいので、これからも期待してます。

ピート:俺にとって一番クレイジーなのは、FOBにとってのカムバック・アルバムだった前作より売れたと言うことだね。まったく予想してないことだった。

??“過去のバンド”にならないために活動を再開し、休止したところからそのまま再スタートを切りましたよね。

ピート:活動休止をする時に、カムバックする唯一の理由は新しい音楽を作るためだけだ、と決めていた。どのような道を歩むのかはバンドによって違うけど、FOBとしてそれが一番理にかなっていた。まだやるべきことがあるって、感じたんだ。最後にリリースした『フォリ・ア・ドゥ』は、俺たちにとって微妙な時期に発表した風変わりな作品だったと思う―ビジネスのパラダイムに変化が起きていたんだ。でも変っていたこそから、まだやり遂げることがあると感じた。怖いのは、今人生最高潮の時期を迎えているメンバーもいるということ。最も筋が通ったやり方に落ち着くことができたと思う。俺たちはアンダードッグで、その見解はずっと変わっていないし、それを保ちながら、これまで新たなアートを作ろうと努力してきた。アウトサイダーであるということが、昔から俺たちのコアとなっているんだ。

??全員が同じ考えを持つようになったのは、どんな感じでしたか?

ピート:活動休止する前は、メンバー間でコミュニケーションを図るのに苦労していたんだ。苦労してたわけじゃないな―まったく話していなかったから。俺たちは民主的なバンドだ。U2を手本にしてる―バンドは、バンドであるべき。そのスタンスでずっとやってきた。でも当時は、全然会話をしていなかった。最初になんとなく集まって、また活動をすることを考え始めた時、ちゃんと腹を割って話し合わなきゃならなかった。個別に電話で話し合った後、全員でニューヨークで落ち会い、8時間ぐらいハングアウトしながら個人的なことまで話し合って、これからのことを考えた。有意義な時間だった。長年閉ざされていたコミュニケーションの扉が開かれたから。

Nightrain
▲ 「Immortals」 MV

??同期のバンドは、名盤の10周年記念などをあてにしているような気もしますが、FOBとしてはそれを避けようとしましたか?

ピート:もしFOBがそういうタイプのバンドだったら、それをすべてのアルバムでやらなきゃいけなくなって、新しい音楽に専念する時間が無くなってしまう。そんなの俺たちらしくないと思う。もちろん、それらのアルバムは存在するし、俺たちの人生において特定の時期を捉えている。そこに戻って、未だにその瞬間を生きているかのように演奏するのは、俺たちには合わない。とは言え、最初から最後までライブで再現されるのを観たいアルバムは何枚もあるし、もちろんそれを実行するのは構わない。それは、そのバンドが考えればいいことだし、人それぞれだ。だけど俺たちの場合は、まだやり遂げていないことがあって、新しい音楽を作る必然性があったんだ。

??4人とも活動休止中に個々のプロジェクトをやっていたので、それも有効だったでしょうね。

ピート:多分ね…フォール・アウト・ボーイには合わないようなアイディアもあるから、それを外に出すのはいいことだと思う―春の大掃除というところかな。自分でプロジェクトをやり始めると、もう片方のプロジェクトにとってバンド・メンバーがどれだけ大切かが分かる。なぜかと言うと、全員異なる役割を担っているから、それを自分だけでやらなきゃいけなくなると、その有難みが分かるから。瞬きする間もなく、7年間活動を続けてきた。少し時間をとることは、これまでのキャリアを振り返るいい機会にもなった。ゼロから『TRL』に出演するようになるのは、スゴイことだった。フォール・アウト・ボーイなくして、自分がどんな人間なのかを探究する時間がなかったから、活動休止することでその理解を深めることもできた。

Q&A by Chris Payne / 2015年2月3日 Billboard.com掲載

"Centuries" Music Video

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