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【COUNTDOWN JAPAN 14/15】 特集レポート
国内最大級の年越しイベント【COUNTDOWN JAPAN 14/15】が千葉・幕張メッセ国際展示場1~11ホール、イベントホールにて12月28日(日)から12月31日(水)の大晦日カウントダウンまで4日間にわたり開催。計18万人が来場し、全184組のアーティストの熱演に酔いしれた。
DAY1. 12月28日
初日、最大動員数をほこるEARTH STAGEのトップバッターを務めたのは、フジファブリック。序盤から「夜明けのBEAT」や「シャリー」と爆音で巨大なメッセ内を揺らし、名曲「若者のすべて」のメロディーが大勢の音楽ファンの心に突き刺さる。同ステージの2番手に登場したmiwaは、先日成功させたアリーナツアーの勢いそのままに壮大な音楽空間を形成。「君に出会えたから」をキュートに披露したかと思えば、「Faith」「chAngE」などバンドサウンドを全面に打ち出したロックナンバーでファンを魅了してくれた。
GALAXY STAGEではKEMURIによるピースフルな幕開けを合図にHUSKING BEE、POLYSICSといったベテラン勢が年末のパーティーをぐいぐいと引っ張り上げる。負けじとWHITE ASH、グッドモーニングアメリカらが若手のパワーで渾身のパフォーマンスを披露していく。
また、アニソンシーンからも注目アクトが続々登場。MOON STAGEに出演したLiSAは「Rising Hope」などエッジの効いたバンドサウンドから最新曲のバラード「シルシ」など幅広い音楽性を見せつける。同ステージに登場したOLDCODEXも爆音バンドをバックに「絵描きがおります!」とペインター、YORKE.と共にカラフルなステージを展開する。そして、ASTRO ARENAにはKalafinaも初登場。<フェスのライブ>よりも<コンサート>という言葉の方がしっくりきてしまうほど美しく重なり合うハーモニーにオーディエンスから大喝采が贈られた。
大規模なライブツアーを終えたきゃりーぱみゅぱみゅは、魔法をかけるようにフロアをきらっきらに盛り上げ、母体結成20周年を迎えたRIP SLYMEもパーティーチューン連続投下で真冬の幕張を常夏に変えてしまう。終盤に差し掛かったEARTH STAGEにはデビュー10周年を迎えた木村カエラが登場。「Magic Music」で万単位のオーディエンスを飛び跳ねさせ,「おどるポンポコリン」で大合唱を巻き起こす。更に「BEAT」などロックナンバーもきっちり刻み込み、ステージもジャンルも縦横無尽に駆け抜けていった。
GALAXY STAGE、初日のフィナーレには先日無期限の活動休止に入ることを宣言したthe telephonesが登場。「愛とDISCOを叫ぼうぜっ!!」の宣言通りにステージもフロアも爆発し、狂喜乱舞。EARTH STAGEのトリは2年前に急病で出演キャンセルになってしまった星野源によるリベンジステージ。「ギャグ」「化物」「くだらないの中に」など、これまでの名曲たちを力強く、軽やかに披露。アンコールは「Crazy Crazy」でスカッと爽快に締めくくってくれた。
国内最大級の年越しイベント【COUNTDOWN JAPAN 14/15】が千葉・幕張メッセ国際展示場1~11ホール、イベントホールにて12月28日(日)から12月31日(水)の大晦日カウントダウンまで4日間にわたり開催。計18万人が来場し、全184組のアーティストの熱演に酔いしれた。
DAY2. 12月29日
12月29日(月)、【COUNTDOWN JAPAN 14/15】2日目、EARTH STAGEのトップバッターを務めたORANGE RANGEは「イケナイ太陽」や「上海ハニー」、真夏を彷彿とさせる熱いナンバーの数々で初っ端から幕張を熱狂させる。続くのは、昨年出演したGALAXY STAGEから1ステージ上がり、遂に最大動員数をほこるEARTH STAGEへと上り詰めたKANA-BOON。「フルドライブ」、「ないものねだり」、さらには新曲「シルエット」と疾走感たっぷりの、踊りださずにはいられないロックチューン連発で数万のオーディエンスをいとも簡単に揺らしてみせ、EARTH STAGEは熱気溢れるステージが続いていく。
一方、他ステージでも多彩なアクトが展開。GALAXY STAGEのトップバッターを務めたゲスの極み乙女。は「キラーボール」、「ドレスを脱げ」など、鉄板ナンバーを次々と披露。今年大躍進を果たした勢いそのままに、横浜アリーナ級の大会場へと生まれ変わったGALAXY STAGEでも、入場規制がかかるほどの人気を纏いながら巨大なダンス空間を演出してみせた。その後もDIR EN GREY、電気グルーヴといったベテラン勢が洗練されたステージでオーディエンスたちを引っ張っていく。
また、COSMO STAGEではtricot、赤い公園など、今ノリに乗る若手ガールズロックバンドたちが力強いパフォーマンスを披露。ASTRO ARENAでは、今年音楽業界を賑わせた“ギタ女”たちのスペシャル・ステージが開催。住岡梨奈、片平里菜らが清らかな歌声を響き渡らせ、集ったオーディエンスたちを魅了するなど、女性アーティストたちも年末の大舞台で躍動していく。
終盤に差し掛かったEARTH STAGEには、レーベルの移籍、武道館公演など、激動の1年を駆け抜けたクリープハイプが登場。スタートを切った「社会の窓」、「ラブホテル」など尾崎世界観(Vo/Gt)の無類のハイトーンボイスが広大な空間に降り注げば、今年11月の緊急入院、療養を経て復活したマキシマムザ亮君(歌と6弦と弟)擁するマキシマム ザ ホルモンが6度目のEARTH STAGEに登場。「What's up, people?!」、「絶望ビリー」と超重量級のナンバーを次々と投下。「シミ」では、オーディエンスたちがEARTH STAGE一面を埋め尽くし、一体感のある壮観な光景をみせてくれた。
そして、2日目のEARTH STAGEのフィナーレを飾ったのはサポートメンバーを率いて6人編成で登場したエレファントカシマシ。「さあ行こうかエブリバディ!」の一声で幕を開けた彼らのステージは、デビューシングル「デーデ」、代表曲「今宵の月のように」など、絶対的なロックサウンドを詰めかけた全オーディエンスに魅せつけてくれた。
国内最大級の年越しイベント【COUNTDOWN JAPAN 14/15】が千葉・幕張メッセ国際展示場1~11ホール、イベントホールにて12月28日(日)から12月31日(水)の大晦日カウントダウンまで4日間にわたり開催。計18万人が来場し、全184組のアーティストの熱演に酔いしれた。
DAY3. 12月30日
12月30日(火)、【COUNTDOWN JAPAN 14/15】3日目、EARTH STAGEに最初に登場したのは今年結成10周年を迎えた9mm Parabellum Bullet。12月に左足小指を骨折、その後に左手親指の靭帯を損傷した滝善充(Gt)はシンセイザー担当としてステージに姿をみせ、サポート・ギタリストを加えた5人編成で「生命のワルツ」や「Black Market Blues」など、この日ならではのアレンジを加えたスペシャルなアクトで幕を開ける。一方、GALAXY STAGEのトップバッターを務めたのはSCANDAL。2015年にはワールドツアーを控える彼女たちは代表曲「DOLL」でのスタートから、今年1年分の想いが詰まっていると語った最新アルバム『HELLO WORLD』から「Image」など、キュートなロックチューンでオーディエンスを魅了。
さらに、BLUE ENCOUNT、Hello Sleepwalkersら新進気鋭のロックバンドたちはASTRO ARENAで熱演を繰り広げ、詰めかけたオーディエンスを狂喜乱舞させれば、今年その音楽性で大きな話題を呼んだtofubeats、大森靖子&THEピンクトカレフら個性派アーティストたちもしっかりと存在感を魅せつける。
中盤のEARTH STAGEには、今年1年半ぶりに再始動を果たしたチャットモンチーが登場。紅白の旗を掲げ姿をみせた橋本絵莉子(Vo/Gt)、福岡晃子(Ba)の2人は、楽器演奏なしで、トラックに合わせてラップ調で歌唱した新曲「ぜんぶカン」でスタート。そこからサポートメンバーのHi-STANDARD・恒岡章(Dr)、the chef cooks me・下村亮介(Key)を招き入れ、4人体制で懐かしのナンバー「真夜中遊園地」を披露するなど、ファンの心を鷲掴みにするアクトを展開。続く10-FEETはHi-STANDARDの「Stay Gold」をカヴァー。EARTH STAGEに集ったオーディエンスたちは嬉しい誤算に熱狂した。そして、デビューから30年を経て、遂に【COUNTDOWN JAPAN】初登場となったTM NETWORKは、名曲「Get Wild」を奏で全オーディエンスを歓喜の音世界へと誘った。
イベントも終盤に差し掛かり、さらに熱を帯びていく幕張メッセ。GALAXY STAGEにはNothing's Carved In Stoneが登場。2015年1月リリースの最新シングル「Gravity」など、相も変わらず圧巻のバンド・グルーヴで会場を沸かせてみせれば、続いて同ステージに姿をみせたキュウソネコカミは、超満員の空間に「ファントムバイブレーション」、終盤にはステージと同名の「GALAXY」を放ち、今年の勢いを物語るようなエネルギッシュなアクトでオーディエンスたちをねじ伏せてみせた。そして、EARTH STAGEのトリを務めたthe HIATUSのステージは、新旧のセットリストで構築された圧倒的なアクトで歓喜と熱狂が渦巻く3日目のフィナーレを飾ってくれた。
国内最大級の年越しイベント【COUNTDOWN JAPAN 14/15】が千葉・幕張メッセ国際展示場1~11ホール、イベントホールにて12月28日(日)から12月31日(水)の大晦日カウントダウンまで4日間にわたり開催。計18万人が来場し、全184組のアーティストの熱演に酔いしれた。
DAY4. 12月31日
12月31日(水)、【COUNTDOWN JAPAN 14/15】4日目、遂に最終日を迎えたEARTH STAGEのトップバッターは驚異のお祭り軍団、グループ魂。彼らは2014年に話題となった時事ネタをいじり倒しながら「嫁とロック better」、鉄板チューン「君にジュースを買ってあげる?better」や下ネタ満載のMCで爆発的な盛り上がりと大爆笑を生み出し、いきなり幕張をでっかく揺らしてみせる。続いて同ステージに登場したスキマスイッチは「全力少年」で、オーディエンスとのシンガロングを作り出し、EARTH STAGEを歌声でいっぱいに満たしてくれた。
GALAXY STAGEでは、トップバッターのSPECIAL OTHERSをはじめ、ART-SCHOOL、DOESらの熟練されたバンド・グルーヴが立て続けに轟けば、COSMO STAGEにはサポート・メンバーとともに登場したドラムボーカリストであるシシド・カフカや、ハットリクミコ(Dr/Vo)擁するシナリオアートら、女性ドラマーたちのドラム&ボーカルが力強く、そして繊細に会場に響き渡る。さらに、2日目に続きASTRO ARENAで行われた“ギタ女”たちのスペシャル・ステージでは、新山詩織、Sakuらが出演。澄み渡るような透明感のある歌声がオーディエンスを包み込んでいった。
圧巻のパフォーマンスが披露されていく幕張メッセのアクトの中で、一際異彩を放ったのは清 竜人25。プロデューサー兼メンバーを務める清 竜人と、彼の6人の妻たちで構成される異色アイドルユニットだ。パフォーマンンスの中では、フォーメーションダンスはもちろんのこと、清は夫人たちとイチャついたり、時にはお姫様抱っこなど、ドラマチックでキャッチーな恋愛ソングを次々と披露し初見であったオーディエンスたちの度肝を抜く。さらに、バラエティー番組を飛び出し、【COUNTDOWN JAPAN】に乗り込んできたマキタスポーツ扮するDar’k~ness(Vo)が率いるヴィジュアル系ロックバンド、Fly or Die(マキタスポーツ)は、高クオリティーの演奏と笑い溢れるMCを織り交ぜながら強烈なアクトを展開した。
刻一刻と迫っていくカウントダウン目前のEARTH STAGEには、ストレイテナー、Dragon Ashらフェスには欠かせないバンドたちが最後の追い込みをかけるように熱狂を煽っていく。GALAXY STAGEでは2014年のアイドルシーンを席巻してきた1組であろう、でんぱ組.incがオンステージ。目映いほどのペンライトが視界を覆う中、スタートの「でんぱーりーナイト」からラストの「サクラあっぱれーしょん」まで、すし詰め状態のオーディエンスたちを、これでもかというほど大熱狂させてくれた。
そして、2014年、幕張メッセの最後のステージを飾るアーティストたちが続々と登場。BIGMAMA、SAKANAMON、The Flickersらロックバンドたちから、DJやついいちろう(エレキコミック)など、各ステージでカウントダウン・アクトが繰り広げられていく。その中、EARTH STAGEには今年ソロ10周年を迎えたKREVAが登場する。
生バンドを引き連れて登場したKREVAのステージは「パーティーはIZUKO?」でスタート。さらに「トランキライザー」、「アグレッシ部」など、新旧の代表曲を次々と披露し会場のボルテージを一気に高めていった。年越し間近となり、2014年に別れを告げたいと話したKREVAは「本当にお世話になったから、サヨナラ1回じゃ足りないかも! 2回言いたいかも!」と言葉にした瞬間、会場から歓喜の大歓声が涌き上がり、「というわけで……KICK THE CAN CREW!」のコールとともにLITTLE&MCUが登場。名曲「sayonara sayonara」を披露するスペシャルなサプライズはKREVAからの少し早い“お年玉”であった。そして2人を送り出し、いよいよカウントダウンが始まる。10秒前になるとカウントに合わせて舞台に火の玉が上がり、0になった瞬間、花火とキャノン砲が新年の幕開けを盛大に告げた。銀色の大量のテープが宙に舞い上がる中、新年1発目の「Na Na Na」では、新しい年の幕開けを祝うように壮大なシンガロングが会場中に降り注いだ。その後も「OH YEAH」からラストの「音色」まで、興奮冷めやらぬ、至極のアクトで2015年の幕開けを飾ってくれた。
TOPIC
今回の【COUNTDOWN JAPAN 14/15】は、2014年に大躍進を果たした、ゲスの極み乙女。、キュウソネコカミらを始め、今年1年を通してみてもメジャー・レーベルへの移籍が一際目立った、空前の“バンド戦国時代”を駆け抜けてきた若手ロック・バンドたちの台頭が凄まじかった。さらに、2015年要注目の次世代を担っていくであろうバンドたちも続々と登場。COSMO STAGEを超満員状態にした04 Limited Sazabysをはじめ、SUPER BEAVERなど、新生たちの活躍からも目を離すことができなかった。
さらに、近年、その年の音楽シーンでブームとなった分野に設けられるスペシャル・ステージ。【COUNTDOWN JAPAN 13/14】はボカロであったが、今回はギターを弾いて歌う女子、“ギタ女”をフィーチャーしたステージが設けられたほど、2014年の彼女たちは目覚ましい活躍をみせてくれた。2015年は彼女たちのさらなる飛躍とともに、新たなムーブメントの出現にも期待したい。また、もはや【COUNTDOWN JAPAN】でも必要不可欠の存在となったアイドル勢も忘れてはいけない。筆頭のて?んは?組.incをはじめ、ビルボードジャパン編集部が1年をかけて追いかけ続けたチームしゃちほこ、アイドルグループの最大手、ハロー!プロジェクトからは℃-uteなど、今回も年末の大舞台に大輪の華を咲かせた。
今回の【COUNTDOWN JAPAN 14/15】は、前回までの1~8ホールとイベントホールに加え、9~11ホールも使用し幕張メッセ全体を使っての開催となり、会場規模の拡大も大成功、イベント自体も最高のフィナーレを迎えた。2015年の年末には一体どんなカウントダウンを迎えることになるのか。今から楽しみで仕方がない。