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10cc 来日記念特集
全英1位、全米2位を記録した世紀の名曲「アイム・ノット・イン・ラブ」を筆頭に、数々のヒット曲を生み出してきた10cc。1970年代のデビューから個性豊かな作品を発表し、ブリティッシュ・ロックの歴史にその名を刻むグループとなった彼ら。2015年1月に、【ビルボードライブ】にてファン待望の来日公演を行う10ccの輝かしい歴史を振り返る。
10代の頃から音楽活動を開始、“ホットレッグス”結成への経緯
▲ 「A Groovy Kind Of Love」 / The Mindbenders
ブリティッシュ・ロックの歴史にその名を刻むグループ、10cc。曲名を知らなくても、「アイム・ノット・イン・ラブ」の切ないメロディとハーモニーは、誰もが一度は耳にしたことがあるだろう。70年代を代表するUKロックのグループであるが、彼らのことを的確に説明するのは難しい。レノン=マッカトニーやブライアン・ウィルソンに匹敵するソングライティング能力を持ったチームであり、トッド・ラングレンやスティーリー・ダンと並べても違和感のない高度で偏執狂的なサウンドを構築するバンドであることは確かだが、プログレッシヴ・ロックのようなコンセプチュアルな世界観を持っていたり、シニカルでユーラスな雰囲気で笑わせてくれるなど、一断面だけでは評価しきれない。逆にいえば、唯一無二のスタイルを持ったグループといってもいいだろう。
10ccのオリジナル・メンバーは、グレアム・グールドマン、エリック・スチュワート、ロル・クレーム、ケヴィン・ゴドレイの4人。いずれも1940年代半ば生まれの同世代だ。しかも、クレームとゴドレイは少年時代から面識があり、グールドマンとゴドレイは同じ中学校に通っており、いずれも10代の頃から音楽活動を始めている。
1963年にスチュワートはビート・グループのウェイン・フォンタナ&ザ・マインドベンダーズにギタリストとして参加。1965年には「Game Of Love」がヒットしたが、フォンタナが脱退したためスチュワートがメイン・ヴォーカルとなる。続く「A Groovy Kind Of Love」も、英米ともにチャートで2位を記録する大ヒット。ハーマンズ・ハーミッツのUSツアーに同行するなど、1968年に解散するまで精力的に活動を続けた。
▲ 「Baby Not Like You」 / The Whirlwinds
一方、グールドマンはザ・ホワールウィンズとして1964年にデビュー。その時、クレームの書いた「Baby Not Like You」を録音している。また、クレームとゴドレイはザ・セイバーズというバンドに在籍していたが、グールドマンが新たにザ・モッキンバーズを結成する際に、ゴドレイを引き抜いた。ちなみに、グールドマンがザ・モッキンバーズ用に書いた「For Your Love」は、後にザ・ヤードバーズがレコーディングし、彼らの代表曲となっている。しかし、ザ・モッキンバーズは成功せず、あっけなく解散。その後、グールドマンはソングライターとして様々なアーティストに楽曲提供している。そのうちのひとつが、ザ・マインドベンダーズであり、スチュワートと意気投合したことで、バンド解散後は一緒にストロベリー・スタジオを運営することになる。そして、スタジオ・ミュージシャンとして呼び寄せたのが、ゴドレイとクレームの2人だった。
スチュワート、ゴドレイ、クレームの3人は、グールドマンが仕事で渡米中に、お遊びでレコーディング・セッションを行った。その時に作った「Neanderthal Man」という楽曲がレコード会社の耳にとまり、1970年にホットレッグス名義でリリースすると意外にも大ヒット。急遽アルバムも制作。ムーディー・ブルースとツアーを組むことになり、そこに合流したのがグールドマンである。こうして、10ccの4人がついに揃うことになるが、しばらくはスタジオ・ミュージシャンとしての活動が続いた。
10ccとしてのデビュー・シングル「ドナ / Donna」が全英2位に
1972年に、彼らは一念発起。新たなレコード会社「UKレコード」が設立されたことを聞きつけ、契約を結ぶに至った。そのレーベル・オーナーであり、スチュワートの古くからの友人だったジョナサン・キングが、夢で見たというバンド名が「10cc」であり、彼ら4人組にその名を与えたという。そして、その年の8月にシングル「ドナ / Donna」でついにデビューを果たし、英国では2位を記録する大ヒット。翌1973年には「ラバー・ブレッツ / Rubber Bullets」が全英1位を獲得し、続くファースト・アルバム『10cc』も絶賛された。デビュー曲を聴けばわかるとおり、ビートルズを始めとするパロディと思われる楽曲が多く、ホットレッグスからの流れもあって、当時はコミック・バンドとして受け止められることも多かった。
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来日公演情報
10cc
Billboard Live Tour 2015
ビルボードライブ大阪:2015/1/21(水)
>>公演詳細はこちら
ビルボードライブ東京:2015/1/23(金)~1/24(土)
>>公演詳細はこちら
INFO: www.billboard-live.com
BAND MEMBERS: グレアムグールドマン / Graham Gouldman、リック・フェン / Rick Fenn、ミック・ウィルソン / Mick Wilson、マイク・スティーヴンス / Meic Stevens、ポール・バージェス / Paul Burgess
関連リンク
Text: 栗本斉
ベスト・オブ・10cc~ヒストリカル・ヴァージョン
2014/06/11 RELEASE
UICY-76233 ¥ 1,019(税込)
Disc01
- 01.ドナ
- 02.ラバー・ブレッツ
- 03.ディーン・アンド・アイ
- 04.ウォール・ストリート・シャッフル
- 05.シリー・ラヴ
- 06.人生は野菜スープ
- 07.パリの一夜
- 08.アイム・ノット・イン・ラヴ
- 09.芸術こそ我が命
- 10.アイム・マンディ
- 11.愛ゆえに
- 12.グッド・モーニング・ジャッジ
- 13.トロピカル・ラヴ
- 14.恋人たちのこと
- 15.アンダー・ユア・サム
- 16.ウェディング・ベルズ
- 17.クライ
- 18.ネアンデルタール・マン
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