Special
【#BJMA】2014年ビルボードジャパン・チャート解析/Jun Hayashi
新しい時代のプロモーション方法
CD全盛期時代、配信全盛期時代を経て、「今後、どのようなプロモーションをして楽曲を売り伸ばしていけば良いのか?」
そんなことを常々考えている中で
・今の時代、ラジオでのプロモーションは楽曲販売に繋がるのか?
・SNSを使ったプロモーション施策は楽曲販売に繋がるのか?
ということをよく耳にします。
そんな疑問にぴったりなのが「ラジオ放送回数」⇒ラジオオンエア回数のエアプレイ数、「Tweet数」⇒楽曲とアーティスト名両方をつぶやくTweet数だと思うのですが、「ラジオ放送回数」「Tweet数」でそれぞれソートし、「シングルセールスとダウンロードの販売データ順位」と見比べてみると、どちらの質問も、それだけの要素では、はっきりと「Yes」とは言えない結果だということに気付きます。では「楽曲販売数」を決定づけているものは何なのか?
自分の考えでは、今も昔も時代関係なく「楽曲(やアーティスト)に対して自分ごと化しているファンの熱量の総量」がその数字に影響していると考えています。
アイドルやジャニーズが上位を占めているのは、単純にその熱量の総量が高いからだということです。では元々興味がない人に対して自分ごと化させてその熱量を高めさせるためにはどうしたら良いのか?
今年のチャートでは
Happy from Harajuku Tokyo - Pharrell Williams
『アナと雪の女王 MovieNEX』Let It Go<25か国語 Ver.>
恋するフォーチュンクッキー サイバーエージェントグループ STAFF Ver. / AKB48[公式]
がその答えの鍵を握っているように思います。
ご存じの方も多いかと思いますが、いずれの楽曲も、カヴァー動画が他の楽曲に比べて非常に多く存在します。これは自然にカヴァー動画が増えていったというわけではありません。きっかけを与えているのはあくまで制作側です。「知らない楽曲だったけど、知っている人がカヴァーしていて好きになった」という、既にカラオケ(&CD)全盛期時代からあった流れを、今の時代に合わせて制作側が意図的に作り、その後「ラジオ放送回数」や「Tweet数」を上げるなど丁寧なプロモーションを行ったことが、結果的に「楽曲販売数」に繋がったと考えています。
今後は、『新しい時代のプロモーション方法』として、このような方法が定着していくように思います。
Jun Hayashi
1986年生。 ITベンチャーで3年、レコード会社で6年勤務後に、株式会社Spincoasterを設立。音楽を通じたコミュニケーションを豊かにするために日々活動。
リリース情報
キュレーション型音楽メディアSpincoaster
http://spincoaster.com/
株式会社Spincoaster
http://spincoaster.co.jp/