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【#BJMA】2014年ビルボードジャパン・チャート解析/中村真理
ヒットチャートを通じた音楽との出会い
アメリカのビルボードHOT100には50年以上の歴史がありますが、元になっているデータは時代とともに変ってきました。基本はシングルの売り上げとラジオ・エアプレイ。それが今ではネット上でのビデオの視聴回数(使われている曲がカウントされます)やストリーミング数も加算されています。それゆえハロウィンのあとにマイケルの「スリラー」が1週だけTop40入りしちゃったりもするのです。100回ビデオが見られるか100回ストリーミングされるとそのシングルが1枚売れるのと同等のカウント。人気ビデオは億を超える回数が見られるので、1億viewは100万セールスに匹敵するわけです。今、何がホットなのか?それをセールスやラジオ・エアプレイだけでは知ることが出来ない時代になりました。
ビルボード・ジャパン・チャートも日本の「今」に敏感です。それはデータの取り方に現れています。毎週100曲をランク付けするには何をベースにすればいいのか?
フィジカルとデジタルのセールスとラジオ・エアプレイに加え、CDをPCに取り込んだ時の回数やツイッターの数など、アーティストや曲がどれだけ一般に認識されているのかを、あらゆる方向で探っています。そしてそのデータをネット上で誰にでも見られるようにしようとしています。興味深い試みです。
洋楽不振という声が聞こえる中、AKBや嵐とファレル・ウィリアムスや1Dが肩を並べているのを見るのは不思議であると同時にとてもうれしいこと。
ラジオで聴いたり友達に勧められたり、音楽との出会いはいろいろあると思いますが、様々なジャンルの曲を知ることが出来るのがヒット・チャートのいいところ。そこには新たな出会いがあります。
ビルボード・ジャパン・チャートで私もこれまでに知らなかった日本のアーティストのファンになるかもしれません。
中村真理 VJ / DJ。80年代からビデオ・ジョッキーとしてテレビ神奈川を中心に活動。1983年10月から『Billboard TOP40』(tvk)のビデオ・ジョッキーを務め、同一司会者による同一形態の音楽番組として、2012年6月にギネス世界記録として認定された。ラジオDJ、ナレーター、執筆も手がけ、『TOP40』のアーティストにまつわる情報も自ら収集している。
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