桑原みずき流 アイドルブログ書き方講座

－－実は今回の取材では、どうしても桑原さんにお越し頂きたかったんですよ。

松井珠理奈：おー！

桑原みずき：やっぱり？ ゲストな感じで今日はお願いします。

－－というのも、先のじゃんけん大会の時、SKE48をメインとして記事を紹介したんです。桑原さんが選抜入りを果たした瞬間はもちろん、涙を流して喜んでいた珠理奈さんまで。

松井珠理奈：えー、撮ってたんですか!?

桑原みずき：（写真を見ながら）珠理奈、泣いてたん？ 知らなかったので感動しました！ マジで嬉しい！

▲桑原みずき

－－実際、初めてAKB48の選抜に入った今の心境というのは？

桑原みずき：北原（里英）さんとか、しいちゃん（大家志津香）とか、秋元（才加）さんとか、けっこう普段から話す方が入ってるので、凄い楽しいです！ （小林）茉里奈ちゃんとか（山内）鈴蘭とも仲良くなれたし、全てに興味津々なので、他のチームの人たちってどんな風なのかとか、色々訊いたり訊かれたりっていう交流が楽しいです。あと、ダンスを間違ったり足引っ張ったりは絶対いかんと思うんですけど、注意とかはけっこうしますね。

－－え、それはAKB48のメンバーにも？

桑原みずき：はい。私はSKE48でも、めっちゃ厳しいと思います。公演後とかに呼び出したりしますからね、「ちょっと来てー」って。

－－昔のヤンキーみたいですね（笑）。ただ、AKB48の選抜にSKE48が参加することは、他のメンバーにとっても嬉しいことですよね。

4人：…………。

桑原みずき：嬉しくないんかい！（笑）

松井珠理奈：私はみぃ（桑原みずき）で良かったと思います！ みぃのパワーだったら、SKE48の魅力をちゃんとに伝えてきてくれると思うし。SKE48では一番の先輩だからやりやすいかもしれないけど、AKB48さんという先輩が多い中でも、変に謙虚に小さくならずに、このキャラクターでやって欲しいって思いました。

▲小木曽汐莉

－－選抜ブログでも垣間見せる、アイドルを超越したあのキャラですね。

桑原みずき：最近ですね、ああいう内容を書けるようになったのは。やっぱりチェックが厳しくて、以前だったら3回に2回は「この写メはダメ！」って来てたんですけど、最近は殆どＯＫになってきました。私のキャラができてきたっていうのが、スタッフの方にも浸透してきて、やっと書けるようになりました（笑）。

小木曽汐莉：どこで撮ったのか分からないような写真を、隠し撮りされてたりするんです。隠し撮りのプロですよ！

松井珠理奈：あと、例えばふたりで撮ったとして、ちょっと変な顔に写っちゃった時とかあるじゃないですか。「絶対載せないから！ ほら削除したよ！」とか言っておきながら、忘れた頃にアップしてくるんですよ！ 昨日も“ふたりが似てる”って内容で、私とみぃの写真も載せてましたけど、あれだって「載せない」って約束だったんですよ！ 「ふたりとも疲れてて目が腫れてるから」って言ってたのに、わざわざ“目が腫れてます”って書いた上で載せてる！

桑原みずき：あらあら、しっかり見てらっしゃる。メンバーのみんなは、「嫌な写真を載せられてないか？」っていう検閲で私の投稿を見てると思うんですけど、メンバーが見れるってことはファンの皆さんも見れる訳で、全然検閲の意味がないんですよ（笑）。

▲秦佐和子

－－また、ブログといえば秦さんのブログも面白いですよね。特に研究生の頃は、美しい日本語で長文を投稿してました。

秦佐和子：いや、あの、はい。ありがとうございます……。研究生の頃は、一週間に一回くらいしか順番が回ってこなかったので、書くこともいっぱいあったんです。ただ、ある種「総括」という決まった形を崩せなくて迷っている時に、「選抜メンバースペシャルブログ」という新しい媒体を頂いたこともあって、最近は今までできなかったことを純粋にできているのがいいかなって思います。

－－桑原先輩、そんな秦さんにアドバイスは？

桑原みずき：変顔を載せる勇気？ まず、写メは撮り直さない！ 撮る子は何十枚も撮って、一番良いのを選抜しているみたいなんですけど、その“良い”は自分にとっての“良い”なので、面白いのを載せてみたらそっちの方が反応良かったりするんですよ。例えば他人から隠し撮りされた写真を、自分で載せた方が面白いんじゃないかと。

松井珠理奈：確かに！ 私は他人のこと言えないですけど、しゃわこ（秦佐和子）は優しい顔しか撮ってないイメージがあるんですよ。だから歯を出して笑ったりとか……

▲松井珠理奈

桑原みずき：あんたも全部こんなよ？（上目使い＋口角を上げた笑顔で）

松井珠理奈：だから“他人のこと言えない”って言ったじゃん！

桑原みずき：全部コレ（口角を上げた笑顔でピース）。

松井珠理奈：（無視して）もうちょい強めのとか見たいですよね、お茶目な感じとか……。

桑原みずき：まあ、みぃも「まさか」と思って送ってみる写真がＯＫ出ますからね。おなかがめっちゃ出たヤツとか、股間にハートのスタンプを貼って「禁」って書いた写真もＯＫでした。

小木曽汐莉：たぶん、スタッフさんもみずきさんに関しては投げやりなんですよ！

KII初のオリジナル公演＆東京初の戴冠番組

－－話は変わって前作『パレオはエメラルド』では、50万枚を超えるセールスを記録しました。今年で3周年迎える中、その人気はうなぎ昇りとなっています。

松井珠理奈：こんな状態になることを3年前に想像していたメンバーは誰ひとりいなかったし、むしろ「CDを出せるように頑張ろうね」って目標で頑張ってきました。だから、これを当たり前だと思っちゃいけないんだって、1期生はみんな分かると思うんですよ。昔は、野外でイベントをやっても、通りすぎて行く人が多かったし……。
そういう経験があるからこそ、ここまできたことが凄いと思えるんですけど、今は「人気だもんね」とか、「誰々さんみたいになりたくて」とか、そういう想いを持って入ってくる子が多いと思うんです。そういう子たちにも、「初めはこうだったんだよ」と伝えていって、（人気が）下がる可能性はあるかもしれないっていう危機感を持った上で、もっと成長したいって思います。

－－また、今年の総選挙で高柳さんが秋元康氏に直訴した甲斐あって、チームKIIは初のオリジナル公演【ラムネの飲み方】がスタートしました。

▲高柳明音

高柳明音：あれをきっかけに知ってくれたファンの方はけっこう多くて、興味を持って頂けるのは凄く嬉しいんですけども、公演を観て「KIIが良いな」と思ってもらえるようなステージをしていきたいです。（チームKIIは）公演ができなかった期間がけっこう長いので、その時に感じた公演の大切さを、当たり前と思わずに、忘れずに続けていきたいです。

小木曽汐莉：今までやらせて頂いた公演は、見本があった訳じゃないですか、チームSさんとかAKB48さんとか。それを自分たちらしく変えていくことと、イチから創り上げていくことは全然違うんです。本当に何もない状態から、自分たちが色んなことを生み出していかなければいけない。凄く難しいんですけど、その分やりがいがありますし、ちょっとずつでも細かく目標を立てていって、ひとつひとつ乗り越えていかなければいけないんだって思います。

秦佐和子：自分たちのオリジナル公演もいつか後輩や違う子たちがやる機会があるかもしれない訳ですから、ちゃんとしたモノを私たちが作らなければいけない。そういう責任感がありますね。リバイバル公演を続けていた頃とは、違う意識が芽生えました。

桑原みずき：この前、スタッフさんから聞いたんですよ、小木曽がＭＣを引っ張ってるって。あと、（石田）安奈が凄いっていう噂も聞いたりすると、余計に観たくなりますよね!?

松井珠理奈：あと、チームSの次のオリジナル公演は、いつかなって思いました。【制服の芽】をやり始めたのが2年くらい前ですから、そろそろ新しいのが欲しいなーって。

桑原みずき：来年の総選挙で、私が3位くらいに入って直訴します、泣きながら。

（一同笑）

桑原みずき：そこで笑ったら私に失礼やろ！

－－また、10月からは日本テレビにて東京初の冠番組「SKE48のマジカル・ラジオ」もスタートしました。あのドラマにおける役どころは、けっこう素に近い部分も？

高柳明音：私はけっこう作り上げたキャラクターになっていますね。喜怒哀楽の激しくて、いきなり怒り出したと思ったら、急に泣き出したりとか（笑）。毎回、無茶ぶりみたいなコーナーがあるんですよ、ワサビ入りのいなり寿司を食べるシーンとか。ああいう所で素になるのが面白いですよね。
バラエティで見れる素の部分と、ドラマで見れる作り上げられたキャラの部分と、「SKE48のマジカル・ラジオ」はどちらも見れる。全てが完璧に決められている訳ではないので、佐藤二朗さんがいきなりアドリブをやって、堪えきれずに笑っちゃったりとか（笑）。

松井珠理奈：オードリーの若林（正恭）さんも本当に面白い！ しんみりしたシーンでも笑っちゃうんです！

－－小木曽さんもAD役で出演されていますし、秦さんも3話に出演されるとか……。えっと、ひとりだけまだ出演してませんね。

桑原みずき：なんか私に合う強烈なキャラをご用意していただいているという噂が……。どんな役だろう？

－－カツオの被り物ですかね。

桑原みずき：やっぱりそうなりますよね！ やってみたい役ですか？ また全身タイツを着たいです。悪役をやりたいですね。普段が正義なので、悪っていう未知の世界をね！

松井珠理奈：ブログに書くことは全部、悪気があってですけどね。

桑原みずき：全部やらされてるんです（棒読み）。

『オキドキ』はアイドル好きじゃなくても聴きやすい!?

－－そして11月9日、SKE48はニューシングル『オキドキ』をリリースします。

松井珠理奈：曲調が次々に変わるイメージが強くて、曲を聴いてるだけで楽しくなってくるなって！ それに、『バンザイVenus』の時にもあったような、“泣くんじゃねえ”みたいな男言葉が入っているんですけど、それってSKE48だからこそ歌えるんじゃないかって、SKE48らしさの一部なんじゃないかって思いました。

－－楽曲を賑やかに盛り上げるコーラスも、SKE48らしいですよね。

桑原みずき：めっちゃ楽しかったです！ 8時間のレッスンの後、「まだ元気あるヤツ、来ーい！」って言われて、私とか珠理奈とかゆっこ（木下有希子）とか、その辺のメンバーが参加して色んなかけ声を録ったんです。……ただ、一番注目して欲しいのは、最初のイントロに「フ～フゥウ～フゥウ～♪」って裏声があるじゃないですか。あれ、私の声なんですよ！ レコーディングをしてくれたスタッフさんが、抜擢してくれたんです。

秦佐和子：間奏の“okey-dokey”の所で、高い声と低い声を使い分けているので、そこも聴いてもらいたいです。

小木曽汐莉：2番のサビで、“さあ ちょっぴり休もう！ いいチャンスじゃないか！”って歌詞があるんですけど、物事は考え方ひとつで変わると思うので、辛いことがあってもそれをチャンスだと捉えて、頑張って欲しいなって。悩んじゃったり落ち込んだりしちゃう時もあるけど、ひとりじゃないって気付かせてくれる曲です！

高柳明音：私は“いい加減な奴も（親身になって） 頼りない奴も（真剣な顔で）”って所が好きですね。普段はふざけ合っている私たちも、話を聞いたら真剣になって考える。意外な一面を垣間見られる瞬間って、さらに絆が深まる気がするんです。
それにミュージックビデオも凄くて、初めてＣＧを使ったので撮影時はグリーンバックだったんですけど、完成した映像を観たら凄いことになってました！ それに今回はチアダンサーの方々が協力して下さったんですけど、SKE48のＭＶってこれまでも色んな方々に強力頂いている作品が多いんですよ。

－－そういえば、ＭＶのダンス対決のシーンでは、桑原さんが考案したダンスが採用されているとか？

桑原みずき：私はタップダンスをやっていたので、先生に頼まれて、ジャズとか色んなパターンを組み合わせたスタイルでやりました。

松井珠理奈：ヒップホップチームも、私と（矢神）久美と（木崎［崎は山偏に立可］）ゆりあの3人で考えて踊りました！ タップチームとヒップホップチームの対決では、相手が攻めてくるからコッチも攻めるみたいな、いつもとは違う気持ちで踊っていたので、そういう姿を見て欲しいです。

－－ダンスが大きな武器のひとつであるSKE48にとって、桑原さんやゆっこさん、珠理奈さんの存在は大きいですよね。個人的にも、お三方が参加している『Glory days』や『思い出以上』が大好きで……

桑原みずき：えー、めっちゃ嬉しい！ そういう方がひとりでも増えてくれればと……

－－一番好きなのは『枯葉のステーション』なんですけどね。

桑原みずき：全然違うやん！（笑） あんなん傘差して歩いてるだけ！ しゃわこ、あれステップとか無いやろ？

秦佐和子：凄く難しい曲です～。マイクを持つ手が震えてるって、もの凄く笑われてしまいました……。あと、間奏にセリフのシーンがあるんですけど、「何て言ってるか聴き取れない」と（笑）。

桑原みずき：そりゃあ私だって、『枯葉のステーション』のセリフの所は、やっぱりやりたいですよ。（背中を向けてステージを去っていく直前）振り向く瞬間の切ない顔とかさ！

小木曽汐莉：絶対変顔する気ですよね!?

松井珠理奈：みぃって普通の顔してても変顔に見えてくるから。

桑原みずき：それ、アイドルとして末期やん。

－－また、シングル通常盤のA、Bには、白組紅組に分かれてのカップリング『バズーカ砲発射！』と『微笑みのポジティブシンキング』が。また、通常盤の全形態に共通して、SKE48フルメンバーによる『初恋の踏切』が収録されています。

松井珠理奈：白組は、やっとテンポが良い曲がきたなって！ 今作の中では一番、恋愛の曲だと思うですけど、歌詞の中での例えが凄いんですよ。『初恋の踏切』は、遮断機の下りた踏切を待っている時だけ、好きな女の子を独り占めできるみたいな世界観にキュンとしますよね！ 話せる訳でもないし、本当に見ているだけなんだけど、「その瞬間だけ俺のモノ！」みたいな（笑）。

－－そして通常盤Cに収録の『歌おうよ、僕たちの校歌』は、セレクション8が担当しています。

高柳明音：特別に歌をうたわせて頂けるのは本当にありがたいですし、嬉しいことなんですけど、前作に収録されていたセレクション8の『花火は終わらない』は、披露する場所が無かったんです（笑）。実際問題、公演でも一回も歌ったことがないんです！ だから今回は何処かで歌えるといいなー……と。

小木曽汐莉：それに、この曲は映画「ギャルバサラ」の主題歌にもなっていて、私はこの作品に出演させて頂いたんです。是非、映画と共に好きになって頂ければと思います。

－－では、シングル『オキドキ』はどのような1枚になりましたか？

松井珠理奈：この曲は、今まで以上に皆さんに知って頂けるタイミングだと思うんですけど、アイドル好きじゃない方にも聴きやすい曲だと思うんですよ。私だったら来年に受験を控えているので、勉強を頑張るために聴ける。夢に向かって頑張っている方にも聴いてもらいたいし、年齢も性別も問わずだし。この曲をきっかけにして頂けると嬉しいです！