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AZU『WINTER LOVE BEST』インタビュー
今、こんなにも人間臭さをさらけ出せるR&B系アーティストがいるだろうか。今、こんなにも老若男女が楽しめるライブをして、その場で観客に求婚しちゃう女性アーティストがいるだろうか。冬ラブソングベストについては勿論、その魅力的な人間性をフォーカスした。
人間臭さ全開ライブ~結婚できるかもしれないアーティスト?
--【AZU LIVE TOUR 2014】を観て、今、ここまでポップで老若男女を気持ち良くさせるライブが出来るR&B系女性アーティストはなかなかいないと思いました。自分ではどう評価されていますか?
AZU:私って配信アーティストや着うた(R)アーティストみたいなイメージで見られることが多いんですけど、実際にアルバムやライブまで踏み込んで頂くといろいろ面白いこともやってるし、みんなで騒げる曲、ちょっとエッチな曲、アホなこともやってて(笑)、ただ“泣きウタ”とか切ないラブソングばかり歌ってる訳じゃないんです。バラエティに富んだことを自分の中ではやっているつもりなんで、ライブも他の女性アーティストさんがやっていないこと……下ネタバンバン言うのもそうですけど(笑)、私じゃないと出来ないものをやってるんじゃないかなって思ってます。--あと、ちゃんと浪花節というか、「どんなに辛くても、人生を辞めようと思うぐらいボロボロになっても、必ず生きていてよかったと思える日は来る」「私をあなたの人生にお邪魔させてください」と「LIFE」を歌ったり、泣ける場面も多々ありました。自分の人生をしっかり歌やライブに乗せてますよね。
AZU:「必ず生きていてよかったと思える日は来る」みたいなことは常にメッセージとして伝えていきたいんです。今でも、33年生きてきても「もう嫌だ!」ってなることはいっぱいあるし、だからこそ「続けてきて、生きていてよかったな」って思うこともある。人間誰しも1回や2回、3回ぐらいは「死にたい」と思うことはあるじゃないですか。けど、そこで一歩踏み出すことに頑張れたらちゃんとご褒美がある。それは生きていた者だけが味わえる幸せだから「もうちょっと頑張ってみようよ」って伝えたいんです。もし諦めて死んでしまったら、残された人たちに「もっとああしてあげればよかった」って後悔させてしまうし、だから自分も「大事な人たちを傷付けちゃいけない」って思うし、それを伝えることができたらなって。--AZU自身がどん底に落ちて「死にたい」と思うのってどんなとき?
AZU:やっぱり人間関係の問題が一番多いですね。仕事とかは「この願い事が叶わなくても、また違う願い事を叶えられるように努力すればいい」って思えるんですけど、すごく信頼していた人に裏切られちゃったりとか、傷付けられちゃったりとかするとどうしてもツラくなる。--でもそういうときこそ強烈な歌詞やフレーズが生まれたりするのでは?
AZU:そういうときに限ってボン!って出てきたりする。あと、また違う友達が現れてくれたりもするからなんだかんだで救われる。--音楽やってる人って生き方が音楽みたいになっていきますよね。
AZU:そうなんですよ。自分の人生がそのとき書いてる歌詞の内容みたいになっていったりとか、例えば失恋の曲を書いてたら私の恋愛も上手くいかなくなったり、ラブラブな歌詞を書き始めたらすごく素敵な人に出逢ったり。それはすごく面白いなって思うんですけど、「ツラくて頑張らなきゃ」みたいな歌詞を書くとツラいことがバババッ!って重なったりするので……--その歌に相応しい人間にされてしまう。
AZU:そうそう!--そう考えるとツラい歌はあんまり創りたくない?
AZU:だからハッピーな曲やラブラブな曲を多めに創りたい(笑)。--ハッピーと言えば、結婚前に着てしまったウェディングドレス(【AZU LIVE TOUR 2014】で着用)。どんな気分でした?
AZU:あれはウェディングドレスじゃない!って感覚で私は着てるんです。ウェディングドレス風(笑)。でもそのあとに雑誌の撮影でウェディングドレスを着てしまったんですよ! だからもうアカン。ライブではあんなに「ウェディングドレスは絶対着ない」って言って、ワンピースっぽくしてもらったりしていたのに……婚期が……--遠のいたかなと。
AZU:そう(笑)。--あくまで迷信ですから(笑)。でも嬉しかったんじゃないですか。ウェディングドレスは女の子の憧れですよね?
AZU:いや、恥ずかしかった! 私、結婚式をしたい人じゃないんですよ。二人の馴れ初めとかプロジェクターで映されたりするじゃないですか。ああいうのに照れてしまう人なので、どちらかと言うと海外スタイル。みんな服装は自由で、レストランウェディングみたいな感じでいいかなって。で、オープニングで私が「A Whole New World」歌うぐらいな感じがいいかな(笑)。旦那とふたりでデュエット。そういうパーティー的なものがいいかなって思ってる人なので、ウェディングドレスとかがっちりした感じはちょっと照れちゃう。--あの日はウェディングドレス風の衣装も着つつ、観客に「ほんまにイケメン!結婚して」と求婚してしまう場面もありました。あのキャラもまたAZUの魅力ですよね。自分ではどう思います?
AZU:いや、本当に誰か結婚してくれないかなっていつも思っているんです(笑)。機会さえあれば。--その機会を自分のライブに求めるという(笑)。
AZU:でもファンの人と結婚される方もたまにいるじゃないですか。だからライブもひとつのチャンスなのかなって。常に歌いながら男の子を見ている。お客さんを男として見ている(笑)。それも出逢いなので。--じゃあ、AZUと結婚したい人はまずライブへ来なさいと?
AZU:そうです! 分かりやすい。--「会いに行けるアイドル」の上行ってますね。「結婚できるかもしれないアーティスト」。
AZU:凄いタイプの人とかいたらいいなぁ(笑)。Music Video
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Interviewer:平賀哲雄
『WINTER LOVE BEST』とにかくキュンキュンしてほしいなって
--で、イケメンに求婚したと思ったら「お金がなくてごみ箱に捨ててあったドーナツを食べたこともある」というエピソードも飛び出して、もうめちゃくちゃですよ、AZUのライブ(笑)。
AZU:ハハハハ!--でも辛い日々を送ってでも掴みたかったこの場所を「Sweet Home」と歌う流れもあって。本当に人間臭いですよね、AZUって。
AZU:ライブは毎回そんな感じなんですよ。本当に何も包み隠さずやってるタイプなので、それがウケたらいいかなって。それを好きになってほしいし、AZUという人間を全部出しても受け入れてくれたらいいなと思ってライブしてるんです。それはデビュー当時から変わらない。本当にあのまんま。プライベートもあんな感じだし、何も隠さず。隠す必要もないかなって。--そんなAZUのアルバム『WINTER LOVE BEST』が年末にリリースされます。そもそも冬のラブソングベストを出そうと思ったのは?
AZU究極の冬ベスト 『WINTER LOVE BEST』全曲ダイジェスト映像
--よくこれだけのウインターラブソングを歌ってきましたよね。
AZU:気付いたらたくさん歌ってましたね。今作の収録曲以外にもまだあったりするんですよ。--やっぱり冬はラブソングを歌いたくなる?
AZU:そうですね。キュンキュンしたくなりますよね。人肌恋しいというか、人心恋しいというか、キュンキュンが欲しくなる季節。「あったかくなりたいな」みたいな。だから基本的にはラブソングが多くなっちゃいますね。--実際、今作の収録曲のような冬の恋愛をしてきた?
AZU:実際に自分に起こっていることを歌詞に書いちゃうタイプなので、妄想とかではあんまり書かない。だから実際に経験した恋愛や冬の出来事を書いてます。--例えば「YOU & I feat. LOVE LOVE LOVE」はどんな背景やきっかけがあって生まれた曲なんでしょう?
AZU 『YOU & I feat. LOVE LOVE LOVE』
--では、歌詞は?
AZU:この歌詞は私の「好き好き」ぶりが入っている、意中の彼に対して「大好きなのよ、あなたが」みたいな感じの内容になってるんですけど。--ドリカムの大名曲をフィーチャーしてまで伝えたかった想いがあった?
AZU:そうそう(笑)。当時はこんなにピュアだったんだなって思う。--今はここまでピュアじゃない?
AZU:いや、ピュアですよ! 全然ピュアです(笑)。--印象に残ってる冬の恋愛エピソードってあります?
AZU:うーん……「BEAUTIFUL DREAMER」っていう曲があるんですけど、これは私の同級生に向けて創った曲なんですよ。その同級生がスノーボードの選手をやってて、オリンピックに出るときに聴いてもらいたかったんですよね。私が板になった気持ちで書きました。--板視点?
AZU:初めて物視点で書いた曲。--それで「あなたとならすぐに走り出せる」って歌ってるんだ。
AZU:そうなんですよ!「スピード上げて」みたいな!--ロマンティックな板ですよね。
AZU:女心を持ってる板。--あの、恋愛エピソードを……
AZU:ハハハハ! 恋愛エピソードか……--今作って恋愛というより、もっとでかい意味での“LOVE”を歌ってる曲が多いんですよね。決して毎回恋愛を歌ってる訳じゃないという。
AZU:そうなんですよね。でも「またね。」は、実際に私が付き合っていた元カレを想って書いた曲で、私が未練タラタラな感じの曲なんですけど。だから歌ってると相手の顔が浮かんだりもしますし、当時の風景や状況が浮かんできます。--そんな様々な“LOVE”を歌った『WINTER LOVE BEST』、どんな風に楽しんでもらえたらと思っていますか?
AZU:今作にはクリスマスソング「WONDERFUL■Xmas」(※■=ハート)も入っていますし、これからの季節にピッタリだと思うんですよ。カップルで聴いてもいいし、パーティーで流してもいいし、ドライブしながら聴いてもいいし……とにかくキュンキュンしてほしいなって思います!--AZU自身は最近キュンキュンしてるんですか?
AZU:最近は全然キュンキュンしてない。Music Video
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Interviewer:平賀哲雄
吉田山田と作ったムービーで才能開花?~売れたい気持ち
--まず自分がキュンキュンしないと(笑)!
AZU:そうなんですよ。キュンキュンしなくちゃ。でも今は忙しすぎて、男の人とあんまりふれあうこともないので……--なんか悲しい話になってきちゃいましたね。
AZU:男の人と遊ぶと言っても、吉田山田とか、DEPAPEPEとか、うーちゃん(urata naoya(from AAA)とか身内ばっかり……--いやいや、素敵な男性たちじゃないですか。
AZU:もちろん素敵なんですけど! もはや女という感覚で私を見ていないので、ほとんど男みたいな扱いを受けている訳ですよ。--(笑)
AZU:なので、もうちょっと女の子扱いしてくれる男性……お殿様たちと遊びたいな!みたいな気持ちはあります(笑)。--あと、AZUは『4seasons』『WINTER LOVE BEST』と、季節を重んじるアーティストですよね。R&B系女性アーティストでは珍しいと思います。
AZU 『AZUニューアルバム『4seasons』全曲ダイジェスト(歌詞付き)』
--ずっとパーティーしてる訳じゃないですからね。むしろ一人で大切な人を想ったり、帰り道に切なくなったり、今年もいろいろあったなーと振り返る瞬間のほうが圧倒的に多い季節。
AZU:そうなんですよね。そういうときに『WINTER LOVE BEST』は聴いてほしい。--あと、今年はミュージカル『FLYING PIRATES ネバーランド漂流記』にも出演。未来のタイガーリリーを演じましたが、やってみていかがでした?
AZU:本当に全部が初めてのことだったから、セリフを憶えることができないし、演技もどうしていいか分からないし、最初はテンパりまくってて。そんな中で特に緊張したのは初日のゲネプロ。もう吐きそうなぐらい緊張してて、自分が何をやっていたか最後まで憶えてないんですよ。で、ゲネが終わった瞬間に「あ、セリフ入った」ってなって。それでもテンパってはいたんですけど、いろんな人たちが観に来てくれて「面白かった」って言ってくれて。「演技やったほうがいいよ」って言ってくれたり。--クラブのママさんという役柄もあるんでしょうけど、貫禄ありましたよ。
AZU:みんなに「すげぇ良いババア感出てた」って言われました(笑)。--今後もミュージカルには挑戦していきたい?
AZU:やりたいですね。すごく楽しかったし、共演させてもらった女の子たちとすごく仲良くなれて、ミュージカル終わってからもみんなでご飯食べに行ったり遊んだりするぐらい。本当に良い現場だったので、またミュージカルはやってみたい。--どんな役をやってみたい?
AZU:時代劇っぽいのはやりたいです。……花魁とか。--やっぱりそっち側なんですね。夜の女。
AZU:そうそう(笑)。夜の匂いはするんですけど、そういう時代劇的な世界観で演じてみたい。セリフとかもすごく難しいとは思うんですけど、日本人らしいものをやりたい。あと、もっと歌えるミュージカル。つい先日も【RENT】のオーディションがあったんで応募したいと思っていたんですけど、気付いたら〆切が過ぎてて。だから次回こそは受けてみたい。歌を前に出せる舞台が良いですよね。--ミュージカル以外にも今後やってみたいことってありますか?
AZU:声優とかナレーション。吉田山田と私の3人で紙芝居書いて、アフレコして、ムービー作ったんですよ。BU-NIのお誕生日祝いに。そこで私がナレーションをやったんですけど、その評判が結構良くて。「これ、誰が喋ってんの?」「めっちゃナレーションやったらいいじゃん」と言われて、それで調子に乗ってるんです(笑)。いつかジブリとかディズニーの声優もやりたいですね。--では、肝心の本業において今後の目標はありますか?
AZU:やっぱり「売れたいな」っていう気持ちが一番大きいですね。もっともっと聴いてもらいたい。1月に初のコラボレーションアルバム『Co.Lab』をリリースするんですけど、自らフィーチャーリングアーティストさんに声掛けさせてもらったら、みんなすごく協力してくれて。「大事にされてるな、私」って愛情を感じたので、そういう人たちに対しても恩返ししたいし、もっともっといろんな人に聴いてもらいたい気持ちはどんどん強くなってます。--具体的に言うと、どれぐらい売れたい?
AZU:AZUっていう名前が出たときに「あぁ、AZUちゃんね」「知ってる、知ってる」「私、好き」って言ってもらえるようになりたい。10人中10人が知っている状況を創れたら嬉しい。なので、お願いします!--「了解しました!」で売れたらいいですけどね(笑)。
AZU:「じゃあ、明日から10人中10人が知ってる感じでー」みたいな(笑)。まぁでも今までもじっくり時間掛けてやってきたんで……もう8年目ですか。あと10周年まで2年しかないので頑張りたい。とりあえず10年は頑張らないと!--では、最後に。来年1月14日リリースのコラボレーションアルバム『Co.Lab』の予告をよろしくお願いします。
AZU:全曲新曲って初なので、制作は本当に大変だったんですけど、めちゃくちゃ良いアルバムになって。本当に1曲ずつ解説したいぐらい、いろんな面白いエピソードがあるんで、それも早く話したいし、アルバム自体を早く聴いてもらいたい。タイトルの『Co.Lab』の“Co.”には“化学”って意味もあって“Lab”は“実験室”なんで、化学実験。コラボレーションしてどうなるかの実験をするっていう意味で名付けたんです。その実験結果がこのアルバムには収められているので、今回のウィンターラブソングベストアルバム『WINTER LOVE BEST』と合わせて楽しみにしててください! Interviewer:平賀哲雄Music Video
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Interviewer:平賀哲雄
WINTER LOVE BEST
2014/12/10 RELEASE
BVCL-618 ¥ 3,080(税込)
Disc01
- 01.YOU & I feat.LOVE LOVE LOVE
- 02.Promise in a kiss feat.ユナク from 超新星
- 03.またね。
- 04.to the top
- 05.Hello
- 06.BEAUTIFUL DREAMER
- 07.ミルク
- 08.CLEAR LIKE CRYSTAL
- 09.モノクロ
- 10.Love letter ~君がいるから~
- 11.HAPPILY EVER AFTER
- 12.WONDERFUL□Xmas
- 13.IN MY LIFE
- 14.コイイロ -Daido Remix-
- 15.I WILL -LIVE version from AZUDECHANeeL Vol.1-
- 16.Ring~M&M~ -LIVE version from AZUDECHANeeL Vol.1-
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