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名倉七海『こうき心』インタビュー
エアギター世界チャンピオンの“SAMURAI GIRL”って何者?
【2014年エアギター世界選手権】でまさかの世界チャンピオンに輝いた彼女は、元エアギターアイドルグループ“テレパシー”のメンバー。解散ライブができなかった悔しさをバネに戦い、家族一丸となって新たなストーリーの扉をこじ開けて見せた。そして念願のソロ歌手デビュー。吉田拓郎イズムを受け継いで、今度はつま恋野外コンサートを目指す。
元アイドルがエアギター世界チャンピオンになるまで
--【2014年エアギター世界選手権】直前以来のインタビューですが、見事その大会で優勝。世界チャンピオンに輝いた訳ですけど、ぶっちゃけ世界一になれると思ってましたか?
※Nanami "Seven Seas" Nagura (JP), Air Guitar World Champion 2014
--前代未聞ですからね。エアギターの審査ポイントってどんなところにあるんですか? 何が優れてると勝てるんでしょう。
名倉七海:審査基準はリズム感やカリスマ性、芸術性、オリジナリティ、そしてエア感、みたいな感じでいろいろあるんですよ。私は他の挑戦者よりロックやギターのことの知識が少なかったので、オリジナリティを重視して、その部分で殺陣に挑戦してみたり、日本人らしく和柄の衣装を着たりしてやってみました。もしかしたら結果として、他の欧米の方たちにはないものを取り入れたことが良かったのかもしれない。普通のエアギターだと私より全然巧い人がいるんですよ。エアギター歴が長い人もたくさんしますし。その人たちと勝負する上で「自分にしかできないエアギターはなんだ?」って考えたんです。それでテレパシー(名倉七海が所属していたエアギターアイドルグループ)のときからやってきたステージング、激しい動きが自分らしいエアギターかなと思って。--テレパシー時代の活動が生きたんですね。
名倉七海:はい。どうしたら派手に見えるか、お客さんに楽しんでもらえるかもそうですし。お客さんを楽しませる難しさは知っていたので、そこは自己満で終わらせないように、観ている人にもちゃんと楽しんでもらえるものを考える努力はしました。--初めて行ったフィンランド(【2014年エアギター世界選手権】開催国)はどんな場所でした?
名倉七海:海外に行くこと自体初だったんですけど、ヘルシンキ空港で一回降りたときに外国の方ばっかりで、それにまず驚きました。「本当に海外来たんだ!」って。あと、私は元々北欧に行ってみたくて、街の色やデザインが可愛くて好きだったので、そこに行けたのは本当に嬉しかったです。絵本の中の世界みたいな建物とか、全然日本と違うんですよ。--大会前の写真とか見させてもらいましたけど、完全に観光してましたよね?
名倉七海:観光しまくりました(笑)。--「あれ、あんまり緊張感ないなぁ」と思って見てましたけど(笑)。
名倉七海:大会の前、4日間ぐらいですかね。フリーな日があったんですけど、とにかく朝早く起きて街を探索していたので、緊張とかなくリラックスして過ごしてました。それで「こんなにリラックスし過ぎてて大丈夫なのかな?」っていう不安もあったんですけど、大会前日に【2014年エアギター世界選手権】ダークホース枠の最終予選があって。それは現地に行けば誰でも参加できるフィンランドで行われる最終予選で、日本からも4人自費で参加してて、その中でケイスケ・ザ・忍者さんって日本人の方がトップ通過したんですよ。それですっごい悔しくなっちゃって、ヤバイと思ってホテルで夜中まで練習してました。直前に気合いが入った。でもそれ以外はフィンランドの街をすごく楽しんで……遊んでました(笑)。--そんな未踏の地で【2014年エアギター世界選手権】に臨んだ訳ですが、大会自体にはどんな印象や感想を?
名倉七海:ステージが作られる前から会場になる広場は見てたんですけど、フィンランドは街にたくさん人がいる感じじゃないから閑散としてて。でも決勝大会の日には何千人ものお客さんがうわぁー!ってなってて、一緒に戦うエアギリストさんも前日までの普段着から気合いの入った衣装姿に変わってて、すごく刺激的でした。エアギターってちょっとふざけてるイメージがあるじゃないですか(笑)。でもそれにみんな一生懸命で、本気でエアギターしてる姿を見て「すごく格好良いな」って思ったし、大会が終われば“エアギターファミリー”と言って家族みたいな感じになる。そのライバルだけどファミリーという関係性がすごく良いなって思いました。--1stステージでは1位に輝き、2ndステージではアメリカチャンピオンのマットアリストルバーンズと同率首位。史上初の同率決勝戦となる3rdステージに進み、見事優勝を果たした訳ですが、どんな心境で臨んだ感じですか?
名倉七海:私のエアギターは、脳味噌が磨り減るぐらい考えて創り上げた作品だったので、それがちゃんと認めてもらえるのかという不安があって。ダークホース枠で決勝に上がってきたケイスケ・ザ・忍者さんとか、私の前に登場したエアギタリストさんたちが会場をすごく盛り上げていたので、自分もちゃんとお客さんを楽しませられるのかな?とも思ったし。あと、振り付け間違えたらどうしよう?とか、どうでもいいような不安とかもすっごいあって、プレッシャーも凄かったんですよ。でもおじいちゃんに「楽しんでやるのが一番だ!」ってずっと言われていたので、その言葉を思い出してステージに立ったら緊張とかどっかに飛んでいってしまって、「私を見てください!」って気持ちでいっぱいになったんです。それで自分が持ってる力を全部出してパフォーマンスできました。--テレパシー時代から様々なステージには立っていた訳ですが、今までのどのステージとも違う景色でした?
名倉七海:全然違いました。お客さんも外国の方ばかりでしたし、知っている人も全然いないし、「私、今、どこにいるんだろう?」っていう感じ。夢の中にいるような感覚でした。--決勝の対戦相手、マットアリストルバーンズは凄かった?
※Matt ”Airistotle” Burns (US), Air Guitar World Championships 2014
--そんな相手を見事撃破し、世界チャンピオンに輝いたときはどんな気持ちに?
Japan's 'Seven Seas' crowned Air Guitar World Champion
--凄い経験ですよね。あと、面白いですよね。そもそもエアギターアイドルをやってなかったら、その光景を見ることはなかった訳じゃないですか。
名倉七海:そうですよね。--だって「エアギターアイドルをやりましょう」って最初に言われたとき、正直言って「は?」ってなったでしょ(笑)?
名倉七海:なりました(笑)。でも最初はエアバンドアイドルって聞いていたから、どうやるんだろうな?って思ってたんですよ。そしたらまさかの5人全員エアギターだったから、最初は“?”でいっぱいだったんですけど、でも他のアイドルとは全然違った形で、私たちだけのスタイルではあったので、ちょっと得した気分もあって。楽しかったですよ、エアギターアイドル。- < Prev
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リリース情報
こうき心
- 2014/11/26 RELEASE
- 初回限定盤[FLCF-4482(CD+DVD)]
- 定価:2,000円(tax in.)
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関連リンク
Interviewer:平賀哲雄|Photo:外林健太
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