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SuG『CRY OUT』インタビュー

SuG 『CRY OUT』 インタビュー

Chiyu(b)初単独インタビュー敢行!
masato(g)初単独インタビュー敢行!
yuji(g)初単独インタビュー敢行!
shinpei(dr)初単独インタビュー敢行!

4人それぞれに語ってくれたSuGと自分。武瑠(vo)と自分。何故に5人は共に生きたのか。生きるのか。一挙公開です。

◎Chiyu(b)
単独インタビュー~SuGにおける隠れたバランサーの愛

--こうして単独インタビューさせて頂くのは初になります。本当はChiyuさんとはそれっぽい飲み屋で話したかったんですけどね。ゴロツキが多そうな居酒屋とか(笑)。

Chiyu:アハハ!

--Chiyuさんはヤンキーキャラとして有名ですが、実生活もヤンキーだったりするんですか?

SuG『CRY OUT』インタビュー
▲Chiyu

Chiyu:うーん……ただ出身地にヤンキーが多いってだけで、俺はいたってマジメだと思います(笑)。でも仁義的なところはヤンキー気質だと思う。「それは違うだろ?」って思うところはガツガツ言っちゃうかもしれない。筋が通ってないと「言ってることとやってること違うでしょ?」みたいな。そこの沸点は低かったりする。だから接客業に対してもうるさいかも。

--例えば?

Chiyu:最低限の受け答えってあるじゃないですか。タクシーでも「どこどこまでお願いします」って言っても返事しない運転手がいたり。「はい」だけでもいいんですけど、「聞いてるんですか?」「いや、聞いてない」とか言う奴もおるんですよ。そういうところは違うと思うんで、まぁ書けないと思うんですけど、引き(以下略)

--(笑)。「ごちそうさま」って言っても無視する飲食店とかもありますしね。

Chiyu:多いですよね。最低限の、人としてのルールが守れない人はあんまり好きじゃないですね。そこの沸点は低いんですけど、普段はそんなに怒らないです。

--自分では自分のことをどんな人間だなと思いますか?

Chiyu:貧乏くじをよく引くなって思います。人の為に何かをしてあげるのは別に苦じゃないんですよ。苦じゃないから「全然いいよ。やってあげるよ」ってなるんですけど、その分と言ったらアレですけど、損な役回りが多い気もします。自分が良いなと思った人には、性別関係なく人として好きな人には何でもしてあげたくなる。だから恩を仇で返されるときも全然あるんですけど、それはそれでいいかなと。流せるというか、流そうと思っていて。見返りを求めてやるのは性に合わないんですよ。騙されても恨むかって言ったらそうでもないし、「仕方ないな。そういう人だったんだ」って思う。そこはサッパリしてるんですよ。

--でも傷つきません?

Chiyu:そうですね。関西人はガラスのハートなんで(笑)。

--表面的には元気なんだけどね。

Chiyu:だから裏切られた夜はめっちゃヘコむんですけど、次の日朝起きたら「ま、いっか」ってサッパリしているクチですね。

--では、SuGにおけるChiyuというミュージシャンはどんな存在だと思いますか?

SuG『CRY OUT』インタビュー

Chiyu:特攻型。ライブとかはどんどんグイグイ前に出ていこうと思ってる。そこは崩さずに、負けずに、メンバーもライバルだと思ってやってます。前のバンドのときが一番年下だったんで、そこで揉まれて育ったんですよ。で、SuGに入ったときに初めてバンドやるメンバーばっかりだったんで、自ずとライブでは特攻隊長的なポジションになったというか、「ライブは引っ張っていく」みたいなスタンスではありましたね。最初から。

--特攻隊長ゆえか観客にキレる場面もたまに見かけます(笑)。

Chiyu:でもインストアイベントの特典会とかは「Chiyuは神対応だ」って言われるんですよ(笑)。自分的には普通の受け答えやと思ってたんですけど。でもライブはライブでギャップがあるんでしょうね。最前で周りの空気を乱している奴がたまにいるんですよ。そこに一人いるだけで全部伝染しちゃうんですよ。そういう奴は後ろに行けばいいと思うし、来なくてもいいと思うし。本当は来てほしいけど、周りの輪を乱してまではいてほしくない。

--「ウチのライブで何してくれとんねん」っていう。

Chiyu:そう。自分は何されてもいいんですけど、周りに対して何かされると……っていうのは、ヤンキー特有なんでしょうね。

--ChiyuさんがSuGでやりたいこと。もしくは担いたいと思ってるポジションってどんなものなんでしょう?

Chiyu:第二の突破口。武瑠(vo)がいろんな窓口を作っている中で、武瑠が作れない別の窓口をもうちょっと広げるというか、武瑠に出来ないことをどんどんやっていってSuGに還元できるような立ち位置にはなりたい。だから自分だけ未だにメイクは結構濃くしてるし、ヴィジュアル系が大好きな子たちも離さずにいたいんですよね。だからヴィジュアル系の窓口っていうのはちゃんと担いたいなと思っていて。あと、男の子のファン、バンドキッズ、「Chiyuさんが好きでベースはじめました」みたいな男の子ももっと増やしたい。

--Chiyuさんは、女の子も結構激しいファン多いですもんね。

Chiyu:そうですね。結構ガラが悪い(笑)。でも根は良い娘たちなんで。

--個人的には、Chiyuさんは隠れたバランサーだと思っていて。これだけキャラがハチャメチャのバンドをまとめてる。自分ではどう思いますか?

Chiyu:例えば、ウチのムードメイカーはyuji(g)なんですけど、そのムードメイカーをムードメイカーにさせるように頑張って転がしている(笑)。そこはshinpei(dr)と2人でバランスよくやっているイメージはあります。でも別にそれをyujiに言う訳でもないし、自然とそういう風に誘導できていればいいなって。

--なので“隠れたバランサー”だなって。

Chiyu:裏番長的な(笑)。でもそっちのほうが性に合ってるんですよ。メインで回し役やるとかは好きじゃなくて。そこは武瑠がやって、その裏でやりたい派。だからベースというポジションを選んだと思うし、そういうところはいろいろ繋がりますね。

--ちなみに、SuGに入る前はどんな音楽を好んで聴いてたの?

Chiyu:歌謡曲ですね。J-POP。前のバンドが結構そういう曲多くって。暗い曲もあるんだけど、メイクがっつりでポップとか、昔、ソフトビジュアル系ってあったじゃないですか。あれの王道みたいな曲もあれば、「犬!犬!犬!」って始まる「ダルメシアン」っていう曲があったりとか、「眼鏡フェチ1984年」っていう全員メガネ掛けないとダメな曲があったりしたんですけど、サビはすごく歌謡メロディーラインっていう。

--そのバンドからSuGに入ってきたときはどう思いました?

Chiyu:SuGに入ってきたときは……文化祭以下だなって思いました。本当にそこは揺るがないですね(笑)。「どうしよう? 間違った選択したかな?」って思いましたもん。「来年帰るのかな、大阪に」って。でも奇跡的に事務所が決まって何とかなったという。

--そんなChiyuさんにとって武瑠くんがSuGで創り上げたい世界観ってどう映ってるんでしょう?

Chiyu:昔からそうなんですけど、SuGはみんな好きなものがバラバラで、でもバラバラだからこそ出来る世界観があると思うんです。シングルやアルバムを作る際に毎回テーマがあって、武瑠が資料を作ってくるんですよ。で、みんなで共有するんですけど、その武瑠の頭の中をどこまで具現化できるか揉む作業が楽しいというか。なおかつ、その武瑠の想像を超えられたときはこっちの勝ちじゃないですか。そこの駆け引きもSuGの魅力というか、楽しみというか。そういう意味では、yujiの作ってくる曲というのはハードルひとつもふたつも超えているもので、武瑠の世界観を広げている。相乗効果ですよね。

--武瑠くんと初めて会った日のことは憶えてますか?

SuG『CRY OUT』インタビュー

Chiyu:憶えてます。最初は意見を発さなかったんですよ、そんなに。バンドが初めてというのもあったんでしょうけど。で、前のドラムのMITSURUがしきってたんですけど、彼の話を「はい、はい、はい」って聞くみたいな立場。けど、目は……なんか企んでるんですよ! 昔から。それだけは今も変わらないですね。何か閃いたときとか、何か企んでるときって、意識はここにないんですけど、目はキラキラしている。そのスウィッチが入ったときって面白いんですよね、あいつ。

--Chiyuさんもそこに魅了されている部分はある?

Chiyu:俺は一番最初のフライヤーがきっかけでSuGに入ったんですよ。それで「すげぇ伸びそう」と思って。ヴィジュアルだけなんですけど、雰囲気というか、オーラというか、それも武瑠の目。目力が印象的だったんですよ。「あんまり見たことないな」と思って。で、その直感だけでSuGに入ったので。バンド未経験者だし、楽器隊も下手やし、学園祭みたいなレベルやったけど、なんか面白くなりそうって思ったんですよね。

--そんな武瑠くんたちと活動してきたバンドですが、途中で「これはもう無理だ」とか「辞めようかな」と思ったことはないんですか?

Chiyu:そんなんしょちゅうですよ。

--(笑)

Chiyu:しょちゅうあるけど……活動休止してなかったら解散していたと思います。活休したからまだ続けられている。多分、一番のピークはそこだと思うんですけど、そこの選択は間違ってなかったなって。あのまま活動してたら、何も修正できないまま進んでずーっと停滞していたでしょうし、おそらく1,2年後に終わっていたと思う。全員……本当に解散するかもしれなかったんで、メンバーひとりひとりと個別で話したんですよ。俺と二人っきりで。二人だからこそ話せることもあると思ったんで。そういうところも聞いた上で「あ、やっぱりSuGはやったほうがいいな」と。それで揉んで揉んで何回もミーティングして「じゃあ、続けよう」ってなったんですけど、それがなかったらお互い何考えてるのか分からなかったし、続けててもどんどん溝は深くなってた。だから腹割って話したかったんですよね。

--それはChiyuさんに“SuGを終わらせたくない”想いがあったからですよね?

Chiyu:もちろん。SuGが好きだし、続けたいと思っていたし、SuGやらないんだったら多分もうバンドやってなかったんで。「やーめた」ってもう趣味程度でしか音楽やってなかったと思う。でも一応やる方向に進んでいたので、活動休止中もSuGありきの動き方をしてました。

--復活が決まったときはどんな気持ちに?

Chiyu:「忙しくなればいいな」って。活動休止中、ライブしないとお金入らんし、「どうしよう?」ってなってましたもん。他のバンドの友達とかと呑んでても「明日ライブや」みたいな話になるじゃないですか。ちょっと切なくなりましたもんね。「今度ツアー一緒だね。よろしくね」みたいな話もしてて、すげぇ羨ましいと思って。だから「早くこの輪に戻りたいな」って思ってましたね。

--ChiyuさんにとってSuGってどんな存在なんでしょう?

Chiyu:とりあえず浮いてますよね。他のジャンルの友達と話してても「なんか違うよね、SuGって」って言われるんですよ。細かくはまだ分かってなくても「なんか違うよね」っていうのはちょっとずつ伝わってきてて。「なんか面白いことやってるなぁ」みたいなイメージはついてる。だからこのまま続けていけば来年とかにちょっとずつ結びついていくのかなって。

--そんなSuGのニューシングル『CRY OUT』は、ほぼ完全にヴィジュアル系という枠で語れない、過去最も攻めた作品になっています。自身ではどんな印象や感想を?

Chiyu:前作『B.A.B.Y.』が出たときに「「MISSING」と「B.A.B.Y.」ふたつ合わせてSuGです」みたいな言い方をしていたと思うんですけど、もう「CRY OUT」は「これがSuGです」って言い切れるなって。分かりやすい。まぁ“今のSuG”という言い方になると思うんですけど、復活後のSuGにとっての軸が出来たなと思ってます。ここからまたいろんな方向にも振れると思うんですけど、その土台になる曲。

--昔のSuG/今のSuGというところで、今のSuGに「ついていけない」と離れていくファンもいます。それについてはどんなことを思ったりしますか?

Chiyu:仕方ない。そればっかりは仕方ないですよね。結婚しても離婚する人はいるように。でもSuGの根本は全然変わってないんですよね、始めた当初から。出来なかったことがどんどん出来ていってるだけで、大元は変わらない。そこを分かってくれている人は今も離れていないし、そこを新たに好きになってくれている人たちもいるので。でも曲だけじゃなくて別のところでも俺は捕まえたいと思っていて。ヴィジュアル系だけ好きな人も多いと思うので、そこは俺がガッと引き戻したいなって思ってます。

--Chiyuさんがこの先、SuGのメンバーやファンと共に見たい未来や光景ってどんなものなんでしょう?

Chiyu:見たい光景…………もちろん武道館というのはあるんですけど、例えばフェスとか出て、マキシマム ザ ホルモンのファンとSuGのファンが一緒になってぐるぐる回っているような光景は見たい。全く異質なところでも、どんな場所でも楽しめるバンドになりたいですよね。それで他のバンドのファンの人も「SuGと対バンやったら、SuGのファンがすげぇ盛り上げてくれるから楽しい」ってなるような未来は求めたい。「何それ?」みたいなぐっちゃぐちゃな光景が見たいんですよ。あとは、自分たちの曲がどこの家でも流れていてほしい。ミスチルみたいに普通に「あ、これ、SuGじゃん」って誰もが分かる感じ。それはずっと思ってます。

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SuG「CRY OUT」

CRY OUT

2014/11/19 RELEASE
PCCA-4116 ¥ 1,890(税込)

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Disc01
  1. 01.CRY OUT
  2. 02.39GalaxyZ -Rebirth version-

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