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「今までやって来れた唯一の理由は、音楽への愛が23年前から変わらないから」―ボーイズIIメン 最新インタビュー
1988年に米ペンシルベニア州フィラデルフィアにて結成されたR&Bグループ、ボーイズIIメン。全米では2800万枚以上のセールスを誇り、4度のグラミー賞受賞、マライア・キャリーとのデュエット「ワン・スウィート・デイ」では、米ビルボード・シングル・チャート16週連続1位という、未だに破られていない前人未到の記録を打ち立てた正真正銘のスーパーグループだ。先日行われたジャパン・ツアーも大盛況に終わり、結成から20年以上経つ現在も精力的に活動を続けている彼ら。そして今年10月に約3年ぶりとなる最新作『Collide』の全米リリースしたボーイズIIメンのネイザン・モリスがインタビューに答えてくれた。
今までやって来れた唯一の理由は、
音楽への愛が23年前から変わらないから
??最新作『Collide』の制作は、いつもとは異なるアプローチで行われていて、バラードが1曲も収録されていないですね。
ネイザン・モリス:バラードを意図的に避けようと思ったわけではなくて、アルバムが完成した時にバラードが1曲もないと気付いたんだ。従来のボーイズⅡメンの作品とは違うものを作ろうと試みていたけれど、バラードを外そうとは思っていなくて、偶然とそうなったという感じだね。
??曲のインスピレーションとなったものは?
ネイザン:今回は、作曲、プロデュースに関わらないことにして、僕らが好みそうな曲を他の人が書いてくれた。難しく考えたくはなくて―曲と曲に関連性があるようなコンセプチュアルなアルバムなど、昔人々がやっていたようなアルバムを作りたかったわけではない。グレイトな曲を書いてもらい、サウンドがグレイトで、僕らがグレイトだと感じた曲をレコーディングしたんだ。
??作曲を行わなかった場合では、曲に対してのアプローチは変わりましたか?
ネイザン:どうかな。プロデューサーとソングライターによると思う。与えられた曲にグループの個性を加え、アーティスト性を活かした曲にしてほしいという人もいれば、自分が作った曲に手を加えて欲しくないタイプのプロデューサーもいる。だからその人によるね。大体の場合は、こうしたらいいんじゃないか、といつものようにアプローチしたけれど、プロデューサー次第だね。
??自分が気に入った曲でも、他のメンバーが「うーん、どうだろう?」と疑問を抱いたこともありましたか?
ネイザン:そういうこともあるけれど、このアルバムがうまくいったのは、最初から全員が合意しなければ、その曲は収録しないと決めていたからなんだ。今回のプロジェクトのためだけでなく、グループにとって大事だったのは、全員が心地よくレコーディングに取り組み、そして歌う曲を楽しむということだった。
▲ 「Diamond Eyes」 (Lyric Video)
??現在ラスヴェガスで長期公演を行っていることもあり、レコーディングする時間を作るのは困難ではなかったですか?
ネイザン:毎週末ラスヴェガスにいたので、レコーディングはとても難しかった。向こうでもやって、LAでも行った―どの都市にいても、少し時間が空けば、スタジオに入り、アルバムを完成させることに着手した。多くの曲は早い段階で完成した。でも7~8曲完成したところで、いい曲を見つけられないという壁にぶち当たった。そして、アルバムに上手く結びつく最後の数曲が見つかるまで、9か月ほどかかった。
??最後に追加されたのは、具体的にどの曲ですか?
ネイザン:「Believe Us」もそうだし、「Me Myself and I」もそうだ。あとは、「As Long As I'm With You」と「Don't Stop」も。これらの曲は、最終段階で出来上がったものなんだ。
??最近のR&Bは聞きますか?
ネイザン:あまり聴かなくて、好きなものも限られている―アッシャー、ビヨンセ、ニーヨやクリス・ブラウン。近年のR&Bには、あまり入れ込めないんだ。
??ボーイズⅡメンが、他のグループに比べ長続きできたのは?
ネイザン:グループにアイデンティティを持たせることと、きちんとブランディングすることから始まる。ボーイズⅡメンの名を聞くと、作品が一定のクオリティを保ち、どんなグループかが連想できるんだ。いい時期も、悪い時期もあったけれど、23年間続けてきたことを人々はある種の偉業だと受け止める―成し遂げるのが、とても難しいことだから。今までやって来れた唯一の理由は、音楽への愛が23年前から変わらないから。そこが、すべてのキーポイントなんだ。
Q&A by Elias Leight / 2014年11月4日 Billboard.com掲載
「Losing Sleep」 MV
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