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ジ・エンプティ・ハーツ来日直前インタビュー~アンディ・バビアック(The Chesterfield Kings)が語るバンド結成秘話
ロック黄金期70/80年代に活躍していたザ・カーズ(The Cars)のエリオット・イーストン、ブロンディ(Blondie)のクレム・バーク、ロマンティックス(Romantics)のウォーリー・パルマー、チェスターフィールド・キングス(The Chesterfield Kings)のアンディ・バビアックによる新バンド、ジ・エンプティ・ハーツ。8月6日にリリースした1stアルバム『The Empty Hearts』を引っさげ、10月末に来日を果たすジ・エンプティ・ハーツのベーシスト、アンディ・バビアックに話を訊いた。
作業はすごく楽だし、化学反応もすごかったよ!
??まずはジ・エンプティ・ハーツについてお聞かせください。このバンドを結成するきっかけはなんだったのでしょうか?
アンディー・バビアック:もともと俺らはずっと友達だったんだ。チェスターフィールド・キングスもザ・カーズも、昔ロマンティックスやブロンディとツアーをやってたしね。ブロンディのクレムも一時期ロマンティックスでプレイしてたこともあるんだ。
??みなさんニューヨーク周辺に住んでいらっしゃるんですか?
アンディー:いや、俺はニューヨークだけど、ウォーリーはデトロイト、クレムとエリオットはロスに住んでるよ。
??エンプティ―・ハーツのバンド名の由来は?
アンディー:うーん。名前はなかなか思いつかなかったんだ。良い名前はみんな使われちゃっててね…。思いついた名前をネットで検索してみると、どこかの誰かが大体そのバンド名を使ってる。結局数ヶ月くらい決まらなかったから、友達に聞いてみることにしたんだ。ブルース・スプリングスティーンのバックバンド、E Street Bandのギターで、最近は『The Sopranos』っていうドラマでシルビオ・ダンテって役で俳優としても活躍してるスティーヴ・ヴァン・ザントにね。彼が何年も蓄えていた、イケてるバンド名のリストを送ってくれたんだ。でも、そのリストにあった名前もほとんどがすでに使われていた。そしたらまた何か月か過ぎちゃって、ずっとバンド名のことを放置してたらスティーヴンからメールが来たんだ「お前らバンド名は決めたのか」ってね。俺は「No」って返したら、「じゃあお前らはThe Empty Heartsにしろ!」と言ってきたんだ。俺はそのメールをコピペして、「リトル・スティーヴンからメールが来たぞ。このシルビオ・ダンテと議論するつもりはあるか?でなければ俺らはThe Empty Heartsになっちまうと思う。」ってメンバーに送ったんだ。シルビオ・ダンテの性格は、スティーヴン曰く「人を殺すか殺さないかという部分しか違わない」っていうくらい実際のスティーブンと性格が似ていて、冗談のつもりで送ったんだよ。そしたらThe Empty Heartsがそのままバンド名になったんだ。
??かつては有名バンドのメンバーたちが組んだスーパー・グループが散見されましたが、今はあまりありません。ジ・エンプティ・ハーツがロック史に残すバンドのメンバーが4人も集まっているのは偶然ですか。それとも、狙ったところもあったのでしょうか?
アンディー:俺らはこのバンドのことを「スーパー・グループ」だなんていったことはないよ。みんなそれぞれ自分のバンドで成功した良い友達で、ただ単に一緒に音楽をやりたいと思っただけだよ。みんな同じような音楽に影響を受けてきたから、一緒にやるのも簡単だったし、すごく楽しいよ。
??アルバムに収められた曲はすべて4人の共作となっています。それを見ると、いかにも4人ががっちり重なったバンドであると思わせられますが。
アンディー:みんな聴いてきた音楽が同じだからね。それぞれのバンドの要素も詰まっている。一緒に集まった時に、みんなで曲作りに入るのはすごく自然にできた。作業はすごく楽だし、化学反応もすごかったよ!
??実際、どんな感じで曲作りはすすめられ、レコーディングされたのでしょう?
アンディー:そうだな…みんなそれぞれアイデアを持って同じ部屋に入って、そのアイデアを曲に注入していくんだ。曲はすぐにできたよ。ウォーリーと俺はLAまで行って、エリオット、クレムとスタジオに入った。アルバムは一週間で録音したよ。いくつかの曲は一発録りさ。ホントに楽しいレコーディングだったよ。「ミスった奴は20ドルの罰金ね」みたいな冗談も言い合ってたよ。
??ザ・チェスター・フィールド・キングス、ザ・カーズ、ザ・ロマンティックス、ブロンディらのファンをがっかりさせないようにしようとか、それらのバンドの表現との連続線を持たせようと考えたりはしたのでしょうか。
アンディー:いや。俺らは自分たちがどうやったら楽しく演奏できるかってアイデアもって、俺らの好きなように演奏してこのアルバムを作った。俺らはビートルズやザ・ローリング・ストーンズ、ザ・キングスとか偉大なバンドと一緒に育ったから、俺らが10代の時のことや音楽を始めた時のことを思い出して、俺らの好きなように曲を作っていったんだ。それぞれのバンドのファンにも気に入ってもらえたら嬉しいよ。
リリース情報
公演情報
THE EMPTY HEARTS
(ウォリー・パルマーof THE ROMANTICS、エリオット・イーストンof THE CARS、クレム・バークof BLONDIE、アンディー・バビアック of THE CHESTERFIELD KINGS)
ビルボードライブ東京:2014/10/22(水)~10/23(木)
>>公演詳細はこちら
INFO: www.billboard-live.com
関連リンク
インタビュー:佐藤英輔
本物のロックンロールと言える素晴らしいボーカルやメロディ、
そして曲を演奏しているだけさ
▲ 「I Don't Want Your Love, (If You Don't Want Me)」 MV
??パワー・ポップとかガレージ・ロックとか、あなたたちの表現を聞いて、いろんな語彙を思い浮かべることが出来ます。エレクトリックな音や機械経由の音楽があふれるなか、もっと生身の人間が重なっていると思わせる音を求めようという意図もザ・エンプティ・ハーツの表現にはあるのかとも思いましたが。
アンディー:うーん。俺ら自身はロックンロール・バンドだと思ってるよ。本物のロックンロールと言える素晴らしいボーカルやメロディ、そして曲を演奏しているだけさ。
??ジャケット・カヴァーは1960年代のUKのバンドを想起させるようなものになっていると思いましたが。
アンディー:俺たちみんな、若いときはメチャクチャカッコいいジャケットのレコードを買ってたし、今でも持ってるよ!だから撮影のときは色んな事を試したね。その中からカッコいいと思ったやつをアルバムのジャケットしただけだよ。
??フェイシズのキーボード奏者だった、イアン・マクレガンが参加もしていますね。
アンディー:イアンはクレムの友達だったんだ。一通りレコーディングした時に、ピアノとハモンド・オルガンを足した方が良いんじゃないか?ってなって、クレムがイアンを呼んでくれたんだ。イアンもめちゃくちゃ良いキーボードを弾いてくれたよ。マジで最高だと思った。実際にイアンにもバンドに入らないかって聞いたんだけど、彼もフェイシズのリユニオンがあるからって断られたんだ。
??エド・ステイシアムがエンジニアリングとプロデュースを担当しています。彼はザ・ラモーンズやリヴィング・カラー他を手がけているヴェテランですが、彼を起用した理由は?
アンディー:エドはそれぞれのバンドとも何年も仕事をしてたし、バンドで何回か練習した後に、ハワイから帰ってきたばかりのエドを呼び出したんだよ。それでこれまでのいきさつを説明しようとしたら「そんなことは言わなくていい。間違いなく良いバンドだと思う。やるよ!」って言ってくれたんだ。彼は素晴らしいプロデューサーでありエンジニアだよ。レコーディングをやっていく中でものすごく重要な役割を果たしてくれた。
??そして、アルバムを聞くと、ライヴ・パフォーマンスでこそ映える表現であるともおもいました。いかがでしょう?
アンディー:とにかく今はライブをやるのを楽しみにしている。みんながライブで楽しめる曲を書いてきたんだからね。
??夏にアルバムをリリースし、ライヴもやっていますよね。反応はどうですか。
アンディー:それは一体どこから聞いたんだ?俺らはまだ一度もライブをやってないぜ。ツアーは10月16日からスタートするよ。
??ライヴにおいてはアルバムの内容にプラスして、新しい要素も加味されるかとも思いますが、どうでしょう。
アンディー:来てくれたファンが絶対楽しめるメチャクチャ楽しいライブになるよ!本物のロックン・ロール・ショーだ!
??それぞれの旧バンドの楽曲も演奏したりもしているのでしょうか。もし、そうであるなら、どんな曲をやったのでしょう?
アンディー:もちろんジ・エンプティ・ハーツの曲が中心にはなると思うけど、それぞれのバンドのヒット曲もやるよ。
??日本に対する印象は?
アンディー:日本は人も、文化も大好きだよ!早く行きたいね!
??今後はどのように進んでいけたらと、思いますか?
アンディー:ジ・エンプティ・ハーツとして世界中をツアーして、どんどん曲を作っていきたいね。俺らは純粋に良い音楽を作って、楽しむロックンロール・バンドだから。
▼ミュージック・ビデオ特集&ビデオコメント公開中!
リリース情報
公演情報
THE EMPTY HEARTS
(ウォリー・パルマーof THE ROMANTICS、エリオット・イーストンof THE CARS、クレム・バークof BLONDIE、アンディー・バビアック of THE CHESTERFIELD KINGS)
ビルボードライブ東京:2014/10/22(水)~10/23(木)
>>公演詳細はこちら
INFO: www.billboard-live.com
関連リンク
インタビュー:佐藤英輔
ジ・エンプティ・ハーツ
2014/08/06 RELEASE
COCB-60116 ¥ 2,530(税込)
Disc01
- 01.90マイルズ・アン・アワー・ダウン・ア・デッドエンド・ストリート
- 02.アイ・ドント・ウォント・ユア・ラヴ(イフ・ユー・ドント・ウォント・ミー)
- 03.(アイ・シー)ノー・ウェイ・アウト
- 04.フィル・アン・エンプティー・ハート
- 05.ソウル・ディープ
- 06.ラウド・アンド・クリア
- 07.パーフェクト・ワールド
- 08.アイ・ファウンド・ユー・アゲイン
- 09.ジャスト・ア・リトル・トゥー・ハード
- 10.ドロップ・ミー・オフ・アット・ホーム
- 11.ジェラシー
- 12.ミート・ミー・ラウンド・ザ・コーナー
- 13.フィル・アン・エンプティー・ハート (アコースティック・ミックス) (日本盤ボーナス・トラック)
- 14.アイ・ファウンド・ユー・アゲイン (アコースティック&ピアノ・ミックス) (日本盤ボーナス・トラック)
- 15.アイ・ファウンド・ユー・アゲイン (アコースティック・ミックス) (日本盤ボーナス・トラック)
- 16.アイ・ファウンド・ユー・アゲイン (ホンキートンク・ピアノ・ミックス) (日本盤ボーナス・トラック)
- 17.アイ・ファウンド・ユー・アゲイン (ピアノ・ミックス) (日本盤ボーナス・トラック)
- 18.パーフェクト・ワールド (ローファイ・ミックス) (日本盤ボーナス・トラック)
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