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【SUMMER SONIC 2014】特集~Billboard JAPAN Party & 注目アクトのライブ・レポート大公開!
千葉・QVC マリンフィールド&幕張メッセと大阪・舞洲サマーソニック大阪特設会場にて8月16日~17日にかけて開催された【SUMMER SONIC 2014】。クィーン+アダム・ランバートとアークティック・モンキーズがヘッドライナーを務めた今年の【SUMMER SONIC】では、Billboard JAPANとのコラボによるビーチ・パーティー“Billboard JAPAN Party”も開催され、90年代初頭よりヒップホップ界牽引してきた3組のレジェンド・アクトも登場。日本屈指のヒップホップ・パーティーの総力レポートはもちろん、編集部が独自の観点でピックアップした話題の初来日アクトを中心に、日本を代表する都市型音楽フェスを大特集!
Billboard JAPAN Party
8/16 17:00~
今年初の試みとなったSUMMER SONICとビルボード・ジャパンによる共同企画Billboard JAPAN Party。90年代のヒップホップシーンを代表するグループ3組が揃い、SUMMER SONICのラインナップの中でもひときわ異彩を放っていた。そんな話題性もあって、スタート前からオーディエンスが集まりだすも、不運なことにライブ直前に大粒の雨が。ややテンションが下がった中でDJのマイク・レルムが軽快なスクラッチと共にオーディエンスを煽りイマーニ、ブーティー・ブラウンが登場。ここから一気に空気が変わる。二人はコミカルに動きながら「Ya Mama」「Soul Flower」「Drop」などを立て続けに繰り出す。息の合ったバンドに合わせコミカルに動きながら披露するメロウなヒップホップは、まさにビーチステージにうってつけ。ラップとビートに体を預けるうちに、いつのまにか雨はやみ、空には青空と太陽が覗いていた。音楽とロケーションが絶妙に融合したステージのラストを飾ったのはやはり名曲「Runnin'」。雨とは無縁の西海岸の人気者がトップバッターの役割を120%果してくれた。
8/16 18:20~
ファーサイドが見事に雨雲を蹴散らしたビーチステージに登場したのは、ジャジーなトラックでヒップホップ・シーンに衝撃を与えたピートロック&CLスムース。いきなりヒットトラック「In The House」をドロップ。鮮やかな夕日がビーチに降り注ぐマジックアワーは、まさに彼らのために時間。「Tell Me」、「Check it Out」、「Take You There」など今年20周年を迎える名盤『The Main Ingrediant』のトラックを惜しげもなく披露。CLスムースの歯切れの良いキレのあるラップ、そしてピートロックの図太いラップはファーサイドとはまた違ったグルーヴを与えてくれる。そしてトム・スコットの「Today」からサンプリングしたリフが鳴り響くと、ビーチにいた誰もが待ち望んでた瞬間が到来。ピートロックもステージ前方に繰り出し名曲「 T.R.O.Y. (They Reminisce Over You) 」。夕暮れに染まるビーチに、贅沢な時間が流れていく…完璧すぎるフィニッシュだ。メロウでジャジーなムードにオーディエンスは恍惚と酔いしれていた。
8/16 19:40~
Billboard JAPANステージのトリを飾るのは、ニュースクールのヒップホップの代表であり、今年25周年を迎えるデ・ラ・ソウル。開始前からDJのメイスがマイクパフォーマンスでオーディエンスを煽る。サウンドチェックかと思いきやそのままライブにフロントのポスとトゥールゴイが登場しライブになだれ込む。しかも5分ほど巻きでスタート(笑)。3人の大男による縦横無尽のステージパフォーマンスはラストにふさわしい勢いと迫力。「It's a Party!」を連呼する彼らは、オーディエンスがグルーヴしてないと容赦なく音を止める。そして容赦なくコール&レスポンスと歓声を求めビーチステージの支配者と化した。しかし繰り出す曲は「The Grind Date」「Oooh!」「Stakes is high」など往年のヒット曲ばかりだから盛り上がらないわけがない。そして何を隠そうこの日は土曜日。3人の小芝居を挟みながら「A Roller Skating Jam Named Saturdays」に突入すると、そこからさらに畳み掛けるように「Me Myself and I」をドロップ。会場のボルテージはこの日の最高潮に達した。アンコールの冒頭では、メイスがピートロックとともに登場し、ピートロックコールを煽り会場を沸かせる一幕も。そして代表曲「Ring Ring Ring」でオーディエンスのテンションは再び絶頂を迎える。ラストは「マジック・ナンバー!」…と思いきや意表を突く「Bionix」でクローズ。ゆるいビートとラップ、そしてDJメイスの高らかな笑い声でBillboard JAPAN Partyは幕を閉じた。
Billboard JAPANが注目する初来日アクト
8/16 13:50~
多くのファショニスタ的な若いガールズがステージ前を陣取り、一際甲高い声援が起こる中、3人の男性バンド・メンバーを引き連れ、黒のサングラスに白黒のオーバーサイズのジャケットを羽織り、レッドのルージュがアクセントとなったマニッシュかつセクシーなスタイルできめたスカイがステージへ。ライブのオープニングを飾った「24 Hours」やロック調の「Heavy Metal Heart」をこぶしをきかせながら歌いあげる声は、その細いルックスからは想像できないほど力強く、佇まいも堂々としている。晴れて日本でもリリースされたデビュー・アルバム収録のヴァラエティ豊かな楽曲を丁寧に紹介し、しっかりと表現しながら淡々とステージを進めていく姿には、音楽に対しての真っ直ぐで真摯な姿勢が伺える。過激な言動やゴシップ的なニュースが先行している部分もあってか、初見のアーティストとしての断固たる姿に驚かされ、ステージに見入る観客の姿も多数見受けられた。そしてそんな中披露された自身のイメージと現実との葛藤を歌った「I Blame Myself」は、多くの聴き手の心に突き刺さったに違いない。ラストは、80sチックなシンセが印象的な1曲「Everything Is Embarrassing」で締め、持ち前のカリスマ性と秘めたポテンシャルを大いに発揮したステージとなった。
8/17 13:45~
ロードを筆頭に新世代女性ポップ・シンガーソングライターの新たな波が到来しているが、そのUK代表格がこのチャーリーXCXだ。オリエンタル柄のキモノジャケット&ブラックのミニワンピにサングラスでステージに登場すると「London Queen」でライブがスタート。観客を煽りながら、長い黒髪を振り乱し踊りまくるチャーリー、そしてオール・ガールズのバンドのエネルギッシュで初々しい演奏も手伝い、早くもフロアは大盛り上がり。早口なラップ調ライムもカッコよくキメた「SuperLove」や先日解禁されたばかりの「Break The Rules」など音源のエレクトロ・ポップな印象とは一味違うロック色の強いステージが展開されていく。「この曲はみんな知ってるわよね?」とスタートした、自らが共同ソングライターを務め、客演もしているアイコナ・ポップの「I Love It feat. Charli XCX」では、コーラス部分の「I Don't Care! I Love It!」を白熱した観客が大合唱。そして夏にぴったりなフィールグッド・ナンバー「Boom Clap」では、コケテッシュなヴォーカルで女性らしい一面を醸し出しステージを締めくくった。40分弱という短いセットだったものの、ヴォーカリスト、そしてライブ・パフォーマーとしての圧巻の実力を見せつけてくれた。
8/17 17:05~
4人編成のバンドがステージに登場し、「Figure 8」のイントロがスタートするとともに、シースルーのトップスに、レザー・ホットパンツ(腹筋もバッチリ割れてました!)という装いのエリー・ゴールディングがステージ現れると会場は一気にヒートアップ。鼻にかかった独特のハスキー・ヴォイス、パワフルに打ち鳴らされるフロアタム、そして例のエビぞりと、これぞエリー・ゴールディング!というステージに念願の初来日が実現したファンたちから大歓声が上がる。そんな往年のファンへはデビュー作から「Starry Eyed」を捧げ、alt-Jの名曲「Tessellate」の秀逸カヴァーも披露。後半は怒涛のヒット・チューンの嵐で観客のテンションはマックスに。「Lights」では、「スマホのライトをかざして!」というエリーの言葉に会場一面が美しくライトアップされ、そのまま「You My Everything」へ突入。そしてラストの「Burn」ではエリー自らギターを演奏し、会場を大いに沸かせた。ライブ後には、「サマーソニック、素晴らしかった!自分のショウで早くまた日本に戻って来たいな。:-)」と日本語でご満悦そうなツイートしていた彼女。是非、是非単独公演で再び戻ってきてもらいたい。
8/17 17:30~
YouTube公式チャンネルの総再生回数5億回超えの脅威のアカペラグループ、ペンタトニックス。待望の初来日ということもあり、メンバーが登場するやいなや、ガーデンステージ全体から歓声が沸き起こった。一曲目は、日本でのブレイクのきっかけとなった『ダフトパンクメドレー』。もはや悲鳴にも近い歓声が場内を埋め尽くす。楽曲のもつパワーはそのままに、テクノ、ヒップホップ、ジャズ、ワールドなど様々な要素を加えながら、ペンタトニックス色に生まれ変わらせてしまうアレンジ。そして、そんな楽曲の数々が5人の“声”だけの緻密なアンサンブルで、紡ぎだされていく。
「みんなコンバンワ!来てくれてありがとう!」というカーティスからの挨拶をはさみつつ、アヴィ得意のホーミー、そしてケヴィンによるチェロ&ヴォイスパーカッションなど、次から次へと驚きのパフォーマンスが繰り広げられる。そして最後は、客席の合唱とともにFun.の「伝説のヤングマン ~ウィー・アー・ヤング~」と、アンコールのマックルモア&ライアン・ルイスの「スリフト・ショップ」。初来日にも関わらず、冒頭から客席を一体にさせてしまう、圧倒的な求心力でガーデンステージのフィナーレを締めくくった。
唯一無二のロック・レジェンド
8/17 17:30~
マリンステージ、日曜日のヘッドライナーを務めたクイーン+アダム・ランバート。「ナウ・アイム・ヒア」の演奏スタートと同時に、ステージをすっぽり覆っていた巨大な垂れ幕が一気に落ち、眩いほどの照明がステージ上のメンバーを照らす。ブライアン・メイとロジャー・テイラーの衰え知らずのパフォーマンスと、老若男女誰をも魅了する華やかさと確かな歌唱力を兼ね備えたヴォーカリストのアダム・ランバート。彼らによって立て続けに繰り出されるエネルギッシュなナンバーの数々に、思わず体を動かし、拳を振りあげ、一緒に歌わずにはいられなくなる。中盤の「キラー・クイーン」では、アダムがステージ上にセットされたカウチを使い、フレディのそれとは異なる妖艶パフォーマンスでオーディエンスを虜に。そもそも2人を比べる必要なんてないのだが、彼の個性が際立っていた同曲は特に印象的だった。
その後、他のメンバーがステージから捌け、残ったブライアン・メイがオーディエンスに一緒に歌ってほしいと促しアコースティック・ギターを優しく奏で始める。歌われたのは<手をとりあってこのまま行こう 愛する人よ>という日本語のフレーズが入った「手をとりあって」だ。続く「ラヴ・オブ・マイ・ライフ」では、ブライアンの背後にフレディの映像が投影されると、厳かで神聖な空気が会場を包んだ。続いては、ロジャーのヴォーカル・コーナー。とにかくブライアンもロジャーも抜群の歌唱力で、思わず圧倒されてしまう。クイーンの唯一無二のコーラス・ワークは、フレディのみならず彼らの歌唱力あってこそだと改めて痛感する。終盤~アンコールは、「ボヘミアン・ラプソディ」「ウィー・ウィル・ロック・ユー」「ウィー・アー・ザ・チャンピオン」と、文句なしの超ヒット曲が高らかに奏でられ、まさに豪華絢爛、祭典のフィナーレに相応しい一大エンターテイメントを存分に堪能させてくれた。
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