2020/09/21
ビルボードライブが、コンサート映像配信プラットフォーム「LIVE LOVERS」とタッグを組み、アーティストを迎えて行う配信ライブにNOKKOが登場、『NOKKO ONLINE SHOW ~LIVE LOVERS~ from Billboard Live supported by CASIO』と題し、2020年9月20日に無観客ライブを行った。
今年の3月から4月にかけて、ビルボードライブにて予定されていたプレミアム・ライブの開催が中止となってしまったNOKKO。今回はその雪辱戦ともいえる内容だ。サポート・メンバーにはREBECCA時代からの朋友である是永巧一(Gt)と高橋教之(Ba)をはじめ、パール兄弟の松永俊弥(Dr)、ボーカル・ユニットStandard Prototypeでも活躍中の真藤敬利(Key)という豪華布陣を率いて、自身ソロの楽曲はもちろん、REBECCAの代表曲を多数披露した。
「廃墟の夜」という意味深なタイトルバックの後、まずは2017年にリリースした、REBECCAにとって実に17年ぶりとなったシングル「恋に堕ちたら」でライブはスタート。ブルーグリーンのドレッシーなセットアップに身を包んだNOKKOが、ソウルフルかつパワフルに歌い上げる。間髪入れずにそこから一気にタイムスリップ、披露したのは1983年にリリースしたデビュー曲「ウェラム・ボートクラブ」だ。スカのビートを取り入れたニューウェイヴなナンバーで、NOKKOはバタフライマスクを顔にかざしながらおどけるように歌い踊る。狂気スレスレのパフォーマンスで観る者を圧倒したかと思いきや、続いてはシーナ&ザ・ロケッツによる1979年の名曲「ユー・メイ・ドリーム」のカヴァーでステージは一転。ロネッツやシュレルズを彷彿とさせるオールディーズ風味のバンド・アンサンブルの上で、キュートに歌い上げるNOKKO。最後は天国のシーナ(2015年に逝去)に向けて、「サンキュー、シーナ!」と呼び掛けた。
ライブ中盤では、ディレイの効いたギターのフレーズと反復するベースのフレーズが絡み合う「MOON」、レゲエ~ダブのリズムや音響を取り入れた「真夏の雨」と、REBECCA通算6枚目のアルバム『Poison』からの楽曲を立て続けに披露。「真夏の雨」の間奏ではNOKKOがジャジーなフェイクを即興的に行い、サポート・メンバーたちはそれに応えるように有機的なアンサンブルを展開していた。
途中、MCと会場の換気対策も兼ねて「リモート乾杯」のコーナーも。古い洋館をイメージさせるようなスタンドライトが灯るスペースでソファに座ったNOKKOは、自粛期間中に自身が撮影した動画や、愛犬、庭で採れたという桃やナスの写真などを紹介し場を和ませた。
早くもライブは後半戦へ。1994年にソロ名義で発表した名曲「人魚」、REBECCAの中でも屈指のポップチューン「LONELY BUTTERFLY」、そしてドリーミーかつサイケデリックな楽曲「RASPBERRY DREAM」と、ファンの間で人気の高い楽曲を畳み掛ける。リリース当時の向こう見ずでキレッキレのパフォーマンスから、年齢を重ねて円熟味を増した「歌唱」へと進化を遂げたNOKKOにより、35年近い年月を経ても色褪せぬ名曲たちに新たな魅力が注ぎ込まれていくようだ。
「過酷な環境の中で医療に従事してくださっている方たち、生活を支える物流に携わっている方たちに感謝とエールを送りたいです」と呼びかけた後、バラード「Maybe Tomorrow」を情感たっぷりに歌い上げて本編は終了。“だけど 明日はきっといいことあると信じてたいの”と歌う歌詞がコロナ禍に染みる。まるでザ・バンドのようにレイドバックしたこの曲のバンド・アレンジも、本公演のハイライトの一つといえよう。
アンコール1曲目は、満を持しての「フレンズ」。フロアへ降り、所狭しと動き回りながら歌うNOKKOの熱いパフォーマンスがPC越しにも充分伝わってくる。そしてアンコール2曲目は、この自粛期間にサポート・メンバーとリレーで作り上げたという「Saturday Night」を披露。「これはもう、泣かずに最後まで歌えたらOKということで!」と照れながら前置きした後、レゲエ風味のピースフルなメロディを丁寧に歌い込んだ。最後はメンバー同士、握手の代わりに「肘タッチ」でリスペクトを送り合うと、私たち視聴者に向かって大きく手を振りこの日の配信ライブは全て終了した。
「最高だね、ライブがやれて。」と嬉しそうにMCで話していたNOKKO。そのチャーミングな魅力を存分に堪能する1時間半だった。
Text by 黒田隆憲
Photo by Masanori Naruse
◎配信ライブ情報
【NOKKO ONLINE SHOW ~LIVE LOVERS~
from Billboard Live supported by CASIO】
2020 年9 月20日(日) Billboard Live TOKYO
オンライン視聴券:通常:¥3,500 / サポート1000:¥4,500 / サポート2000:¥5,500
チケット購入URL:https://eplus.jp/nokko-osll-st/
販売開始:2020年9 月23 日(水)21:00まで
※視聴可能期間:2020年9 月23 日(水)23:59まで
<Member>
Vo: NOKKO
Gt: 是永巧一
Ba: 高橋教之
Dr: 松永俊弥
Key: 真藤敬利
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