2020/06/08
ジョージ・フロイドの殺害を受けて全米から全世界へと抗議運動が広がる中、全米国内における新旧プロテスト・ソングのストリーミング回数が急増していることが、ニールセン・ミュージック/MRCデータの調べによって明らかになった。
現地時間2020年6月2日に、#TheShowMustBePausedと#BlackOutTuesday運動の一環として、Spotifyが全58曲入りのBlack Lives Matter (ブラック・ライヴズ・マター/BLM、黒人の命は重要)プレイリストを公開したこともあり、これらのタイムリーな楽曲の再生が特に急増した。中でも、プレイリストをキックオフする、ジェームス・ブラウンによる1965年の「Say It Loud - I'm Black and I'm Proud」のオーディオとビデオの再生回数が最も伸びており、前週の火曜日(5月26日)の総再生回数2,000から6月2日は375,000となり、15,740%増となっている。
プレイリストに収録されている現在最も人気の楽曲は、ケンドリック・ラマーが2015年にリリースした『トゥ・ピンプ・ア・バタフライ』からのシングル「Alright」と2018年に米ビルボード・ソング・チャート“Hot 100”で1位を獲得したチャイルディッシュ・ガンビーノによる「This Is America」の2曲で、両曲とも6月2日に100万再生を突破した。現代における公民権のアンセムと化した「Alright」は、前週火曜日の131,000から787%増となる116万回をマークしており、その挑発的なミュージック・ビデオも話題となった「This Is America」は、前週火曜日の273,000回から6月2日は182万回へ、570%の伸びを記録した。
警官による発砲事件を題材にした最近の楽曲も、大幅に再生回数を伸ばしており、リック・ロス、2チェインズ、ディディ、ファボラス、ワーレイ、スウィズ・ビーツ、ヨー・ガッティ、カーレンシー、プロブレム、キング・ファラオ、TGTが参加したザ・ゲームのマイケル・ブラウンのトリビュート曲「Don't Shoot」、ヴィック・メンサの「16 Shots」、キラー・マイクの「Don't Die」などが、前週に比べ数万回多く再生され、伸び率も上昇している。また、YGとニプシー・ハッスルが、就任前のドナルド・トランプ米大統領へ対する不満をぶちまけた2016年の「FDT」に関しては、前週の火曜日と比較して再生回数が1,106%も伸びている。
過去の楽曲も同様に再生回数を増やしており、現代においてもその緊急性を失っていないハロルド・メルヴィン&ザ・ブルー・ノーツによる70年代ソウル・クラッシック「Wake Up Everybody」が前週から1,363%増、ファイヴ・ステアステップスの「O-o-h Child」が262%増となっている。
パブリック・エネミーの「Fight the Power」、N.W.Aの「F--k tha Police」などラップ/ ヒップホップ界の黄金期におけるプロテスト・ミュージックの代表格は、プレイリストでの位置が低かったこともあり、火曜日には他の楽曲に比べて再生回数が伸びなかったものの、1週間を通して徐々に勢いを増し、前週と比べ「Fight the Power」が858%増、「F--k tha Police」が655%増を記録した。
◎5月26日と6月2日で最も再生回数が伸びたプロテスト・ソング15曲(アルファベット順)
「Keep Ya Head Up」2パック / ストリーミング数111,000回から436,000回 (292%増)
「Freedom」ビヨンセfeat.ケンドリック・ラマー / ストリーミング数36,000回から264,000回(625%増)
「This Is America」チャイルディッシュ・ガンビーノ / ストリーミング数273,000回から1,826,000回(569.5%増)
「O-o-h Child」ファイヴ・ステアステップス / ストリーミング数73,000回から265,000回(262%増)
「Wake Up Everybody」ハロルド・メルヴィン&ザ・ブルー・ノーツ / ストリーミング数13,000回から195,000回(1,363%増)
「Say It Loud - I'm Black and I'm Proud」ジェームス・ブラウン / ストリーミング数2,000回から375,000回(15,740%増)
「Alright」ケンドリック・ラマー / ストリーミング数131,000回から1,162,000回(787%増)
「Don't Die」キラー・マイク / ストリーミング数2,000回から547,000回(36,254%増)
「F--k tha Police」N.W.A / ストリーミング数77,000回から579,000回(655%増)
「Fight the Power」パブリック・エネミー / ストリーミング数19,000回から178,000回(858%増)
「A Change Is Gonna Come」サム・クック / ストリーミング数64,000回から239,000回(271%増)
「Mad」ソランジュfeat.リル・ウェイン / ストリーミング数14,000回から232,000回(1,700%増)
「Don't Shoot」ザ・ゲームfeat.リック・ロス、2チェインズ、ディディ、ファボラス、ワーレイ、スウィズ・ビーツ、ヨー・ガッティ、カーレンシー、プロブレム、キング・ファラオ、TGT / ストリーミング数111,000回から436,000回(292%増)
「16 Shots」ヴィック・メンサ / ストリーミング数2,000回から237,000回(15,022%増)
「FDT」YG&ニプシー・ハッスル / ストリーミング数19,000回から233,000回(1,106%増)
関連記事
最新News
関連商品
アクセスランキング
1
SEVENTEENが癒し&傷を表現、日本4thシングル『消費期限』コンセプトフォト
2
ミセス/Jung Kook/ILLITがキリバン突破:今週のストリーミングまとめ
3
サザンオールスターズ、2025年1月より全国アリーナ&ドームツアー開催 その名も“THANK YOU SO MUCH”
4
<インタビュー>三代目 J SOUL BROTHERSがアルバム『ECHOES of DUALITY』をリリース――“三代目だからこそ”見せられるグルーヴと制作で見つけた自分たちの役割
5
【ビルボード】東方神起『ZONE』がDLアルバム首位、藤井 風『Fujii Kaze Stadium Live "Feelin' Good"』は3位デビュー
インタビュー・タイムマシン
注目の画像