2019/10/21
10年前にオーディション番組で準優勝してデビューした時から、ゲイであることをカミングアウトしていたアダム・ランバートが、当時と比較して現在の方が多くのLGBTQアーティストが米音楽界のメインストリームで活躍できていることを嬉しく思っているとAP通信との最新インタビューで語っている。
「今は音楽業界でクィアでいることが以前ほどタブーじゃなくなっていると思う。たくさんの例を挙げて“ああ、彼はうまくいってるね、彼女もうまくいってるね”って言えるからさ。10年前はだいぶ違っていた」と彼は述べ、「10年前は、誰もはっきりとはわからない感じだった。僕は業界で重役とか、広報担当者とか、マーケティング担当者とか多くの素晴らしい人たちに出会ったけれど、みんな個人的には僕のことを受け入れて全く偏見なく接してくれたけれど、(カミングアウトしていることで)アメリカのメインストリーム、ましてや世界でうまくいくのかどうかわからない感じだったんだよ」と振り返っている。
そして、「今は研究も進んだし、彼らもよくわかってきた。人々は以前ほど怖がらなくなった。答えがあるからね。前例ができたから」と、「オールド・タウン・ロード」のリル・ナズ・Xを例に挙げ、「リル・ナズ・Xのように、自分の曲がNo. 1になるまで“ところで僕ゲイなんだけど”って言うのを待った人に共感できるよ。(ゲイであっても)成功できる。大成功できる。可能なんだよ。そのレベルでの成功を誰が掴んでもいいってことなんだ。最終的に重要なのはその人のセクシャリティではないってことなんじゃないかな。結局大事なのは、“その曲が好きなのかどうか”ってことだよね」と分析している。
クイーンのヴォーカリストとして何年もツアーしてきた彼にとって、4年ぶりとなるソロ作『Velvet: Side A』をリリースしたばかりだが、時間がかかってしまったことについて、「自分が作りたいと思うサウンドを掘り下げて、どうして音楽を作ることが好きなのか、原点に立ち返る必要があったから」と語っている。さまざまなジャンルの音楽をリリースしてきた彼だが、自身の“ベイビー”と呼ぶ新作は、バラード以外は全てグルーヴやファンク・ベースの曲ばかりで構成されている。
「単に現在のトレンドを追うだけなのは嫌だったんだ。アーティストとして、同じことばかりしたくない。新しいサウンド、新しいヴァイブスを探求するのが好きだから、それもあるね。新たなインスピレーションを発見する必要があっただけだよ」と彼は語っている。“A面”と題されている今回のEPだが、“B面”も後にリリースされる予定で、違うサウンドをフィーチャーしているものの、両面全体でまとまりのある構成になると彼は説明している。リスナーが踊り、楽しめて、世の中の理不尽を少しでも忘れられるようにしたいのだという。
「(新シングル)“Superpower”にこういう歌詞があるんだ。“僕たちを蹴り倒しても、いなくならないよ”って。人々は怒っている。至る所で人々が軽んじられている。そしてもし君がそう感じている人ならば、僕の曲を聞いて少し元気が出ればいいなって思うんだ。すごくダークじゃないし、ヘビーでもないけれど、力が湧いてくるといいなって思うんだよ」と彼は語っている。
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