Billboard JAPAN


NEWS

2019/09/09

<ライブレポート>ヒプノシスマイクが12人でのライブを大阪で初開催 2つの新ディビジョン誕生を発表した2デイズ・初日をフルレポート

 今、話題沸騰中の男性声優キャラによるラップ・バトル・プロジェクト、ヒプノシスマイクが、【ヒプノシスマイク-Division Rap Battle- 4th LIVE@オオサカ《Welcome to our Hood》】を、9月7・8日、大阪城ホールにて開催した。東京以外で行う初のライブとなった今公演は、両日ともに国内延べ198館と台湾10館の映画館でライブビューイングを実施。またライブ当日も早朝から物販に並ぶ長蛇の列ができるなど、その注目度の高さに目を見張るものが! そこで今回、Playgroundとサブタイトルが付けられた、初日公演の模様をレポート。初めてメンバー12人がそろい踏みした貴重な一夜をご堪能あれ

 セットにグラフティが施されたり、影アナに代わって山田一郎のアナウンスが流れたりと、開演前から世界観が濃厚な会場は一触即発的な期待に満ちる。そして12人が登場すると割れんばかりの大歓声があがり、まずは「Hoodstar」からライブスタート! Division All Starsが一列にラインナップし、それぞれの個性を全開にするマイクリレーは各メンバーが前に出るごとに"キャー!"の声が…。続く新曲の「ヒプノシスマイク-Alternative Rap Battle-」では重いトラックでラップも獰猛さを増し、ダークサイドを見せつける。そしてここからはディビジョンごとのカラーが異なるステージへ!

〈MAD TRIGGER CREW〉
 口火を切るのは、毒島メイソン理鶯。魅惑の低音ボイスで「What's My Name?」を放てば、"理鶯コール"も巻き起こり、その睨みつけるような表情がモニターに大きく映し出されて、ファンは早々にノックアウト状態に…。すると次はブルーのライトとスモークに包まれた入間銃兎が、どこかノーブルな雰囲気も漂わせながらスクラッチのきいたトラックで「ベイサイド・スモーキングブルース」を披露。前方を指す彼の指にまるで操られるかのようにオーディエンスのバングルライトやジュエルリングライトがアップ&ダウンする。だが、碧棺左馬刻はテンポをあげて「G anthem of Y-CITY」でもっとバイオレンスに! 炎が立ちのぼる舞台で荒々しいラップをぶちまければ会場も沸騰。さらに3人そろってのラスト、「シノギ(Dead Pools)」では、オートチューンの質感で不穏な空気も演出しつつ、"ハマにハマれ"を中毒性高くリピートさせ、"上出来だぜ、クソ野郎ども!"(碧棺)のキメゼリフでクールに締めくくった。

〈Buster Bros!!!〉
 山田三兄弟は1曲目に「おはようイケブクロ」をセレクト。ラジオDJ調の耳心地いいボーカルやユーモアあふれるアクションでいっきに会場をリラックスさせ、"みんな、おーきに!"の声も高らか。そしてソロ一番手は、山田二郎の「センセンフコク」。次々と火柱が立つなかそれに負けない前のめりのアクト。"Buster!"の雄叫びで全員をスパークさせ、弟・山田三郎にバトンタッチする。するとミラーボールが回り出しスペイシーなトラックで「New Star」へ…。「G線上のアリア」のサンプリングに混じるのは甘い歌声やおしゃべりのようなラップ。夢のひと時といったところだが、それをサイレンのSEと"ついてこいよ!"のひと吠えで山田一郎が急転! 「俺が一郎」で猛攻をかけ"One,Two"のカウントも盛大に、兄弟の絆を音にのせる。そして兄の愛を受け取った二郎&三郎が「BB's City」の無邪気さでキュンとさせてフィニッシュ。Buster Bros!!!らしい微笑ましさにファンも満面の笑みになった。

 ここで、山田一郎と碧棺左馬刻の「Nausa de Zuiqu」で小休止。メインステージの反対側にある舞台で、タオル片手にベンチに座り展開する"サウナタイム"はリリックもパフォーマンスも遊び心十分。観客も"ムン×3"のコールで気分上々だ。またそのあとには、メンバーの三浦康嗣が「おはようイケブクロ」の作曲などを担当した□□□(クチロロ)が登場。全6曲をメドレーでプレイして大いに盛り上げ、いよいよライブは後半戦に突入!

〈Fling Posse〉
 先頭バッター・有栖川帝統が"Freeeeeze!"のときの声から、軽やかかつメロディックに「3$EVEN」を響かせ、"Hey!"のコールを引き出して観客を再沸騰させると、続く夢野幻太郎は、原稿用紙に詞が綴られる映像を背景に「シナリオライアー」の朗読のようなラップと壮大さをまとったトラックで"文豪ワールド"を拡大。何とも幻想的な時間が流れる。しかしそれは、"ほな、いくで~!"という飴村乱数の声から「drops」で、ジェンダレスかつポップな感触に一変! メンバーがロリポップを掲げれば、観客のバングルライトやジュエルリングライトも高く上がり左右に揺れて一体感が生まれ、"lalala…"のシンガロングも聞こえてくる。そしてとどめは、イントロから歓声があがる「Stella」を3人で! 有栖川の感情がこもったラップとスピード感あるバースが交互に襲いかかり、飴村もさっきとは違う顔を見せて畳み掛ける。ユニゾンするパートも熱を帯び、余熱を存分に残したままチームは舞台をあとにした。

〈麻天狼〉
 "シンジュクの時間じゃ~!"と伊弉冉一二三がシャウトして彼流のパーティ・チューン「シャンパンゴールド」で攻撃開始。"一二三"コールは当然で、"僕のこと独り占めしてくれますか?"のセリフでファンを骨抜きにする。そして続くのはピアノがリフレインするトラックで妖しげに綴る観音坂独歩の「チグリジア」。舞台で揺らめく炎も絞り出すようなラップも、実に"大人の夜"のテイストだ。すると次はもっとディープに神宮寺寂雷が「迷宮壁」を投下。存在感あるバリトンボイスは口上的なバースから地続きでラップへ。ストリングスの音色も加わり悲壮感すら感じるナンバーは胸をキリキリさせる…が、彼らはコミカルな一面もサービス! 伊弉&観音坂がゲーム音楽チックな「Wrap&Rap ~3分バイブスクッキング~」で、曲名よろしくクッキング風景を描き出して楽しさも満点。しかも仕上げはトロピカルな「パピヨン」! 車窓風の映像と共にリゾート気分までも味あわせてくれた。

 各ディビジョンのパフォーマンスのあとは2組目のゲストがお目見え。「迷宮壁」の作詞を手がけたGADOROが緊張感あるヒップホップを鳴らすと、会場後方のステージにはThe Dirty Dawgが見参! GADOROに触発され"俺らもリアルなヒップホップ放つから!"(山田一郎)と、ここにきて重厚な「T.D.D LEGEND」でゴリゴリのダメ押しをし、4人が向かい合うシーンにはファンが沸く。そして再びメインステージに全員がそろい、しばしのMCタイムへ。"(大阪城ホールということで)結構緊張したんですよね"(山田一郎)、"した~。ま、ウソですけどね(笑)"(飴村乱数)などの感想が飛び出し、"初めて12人そろったというね!"(碧棺左馬刻)のコメントには、メンバーが口々に"(同じなのでは?と噂があった碧棺左馬刻と夢野幻太郎が)同じヤツじゃなかった(笑)!"のツッコミ。碧棺と夢野も肩を組んでスマイルだ。そんな肩の力の抜けたトークで和んだところで、"ステージでやるのは初めてだと思います"(山田一郎)と「ヒプノシスマイク-Division Battle Anthem-」でラストスパートへ! 4つ打ちビートにのせるパワフルなラップは、"Bang!×3"とメンバーが"発砲"して観客のハートを撃ち抜き、会場のボルテージも最高潮に到達。ついに大団円…かと思われたがここでなんと、後方舞台に東方天乙統女と勘解由小路無花果が乱入! またしても悲鳴にも似た声が会場にこだまする。
そして東方天と勘解由小路は、驚愕の重大発表へ…。それは、オオサカ・ディビジョンの誕生だ! 10月30日(水)にCDリリースもされるというチームの名前は「どついたれ本舗」で、メンバーは白膠木簓、躑躅森盧笙、天谷奴零の3人。しかも新メンバーが姿を現してご挨拶も…。白膠木は"ほんま幸せです。これから大阪旋風巻き起こしてくんで!"と言葉を残す。この突然のできごとに誰もが唖然! 声を失い、思わず山田一郎も「誰からしゃべる(笑)?」とポロリ。だが「メガネのヤツが増えましたよ(笑)」(入間銃兎)と笑いで切り返し、今度こそ本当のフィナーレへ! ゲスト2組も参加し、総勢16名と今日のライブを支え続けたDJ・U-ICHI(HOME MADE 家族)で繰り広げる「ヒプノシスマイク-Division Rap Battle- SP Ver.」は、迫力マックスで全員が昇天! もちろん大ラスはいつもの"C"マークをキメてスペシャルな夜は幕を下ろした。ペンライトも気持ちも揺さぶられ続けた約2時間半はすべての人の目と耳に焼きつき、2度と忘れられない思い出になったに違いない。

 なお、餓鬼レンジャーと山嵐をゲストに迎え行われた翌8日の公演では、チーム名に「Bad Ass Temple」とつけられたナゴヤ・デビジョンの発足も発表!  加えて来年3月28・29日に、メットライフドーム(埼玉)にて5thライブの開催も公にされた。まだまだこの先もヒプノシスマイクから目が離せない日が続きそうだ。

Text by 服田昌子
写真::田浦ボン/キシノユイ/渡辺慎一

◎公演情報
【ヒプノシスマイク-Division Rap Battle- 4th LIVE@オオサカ《Welcome to our Hood》】<終了>
場所:大阪城ホール
日時:2019年9月7日
詳細:https://hypnosismic.com/

◎リリース情報
オオサカ・ディビジョン
シングル どついたれ本舗「タイトル未定」
2019年10月30日(水)発売
KICA-3280
定価:2,300円+税
※5thLIVE最速先行申込シリアルナンバー封入

ナゴヤ・ディビジョン
シングル Bad Ass Temple「タイトル未定」
2019年11月27日(水)発売
KICA-3281
定価:2,300円+税
※5thLIVE最速先行申込シリアルナンバー封入

◎新規公演情報
【ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-5th LIVE(仮)】
日程:2020年3月28日(土)、29日(日)
会場:メットライフドーム
出演:木村 昴、石谷春貴、天﨑滉平、浅沼晋太郎、駒田 航、神尾晋一郎、白井悠介、斉藤壮馬、野津山幸宏、速水 奨、木島隆一、伊東健人、岩崎諒太、河西健吾、黒田崇矢、葉山翔太、榊原優希、竹内栄治
※その他詳細は随時公式HPをご確認ください。

・ヒプノシスマイク公式HP
https://hypnosismic.com/

・Twitter
@hypnosismic

ACCESS RANKING

アクセスランキング

  1. 1

    <ライブレポート>ano「次に会う時まで必ず生きて」――ツアー追加公演完走、音楽でたどり着いた“絶対聖域”

  2. 2

    ロゼ&ブルーノ・マーズ、11/22大阪開催【MAMA】で「APT.」世界初披露へ

  3. 3

    【先ヨミ】timelesz『because』24.9万枚で現在シングル1位独走中

  4. 4

    <インタビュー>米津玄師 新曲「Azalea」で向き合った、恋愛における“距離”――「愛情」の源にある“剥き身の生”とは

  5. 5

    【先ヨミ・デジタル】JIN『Happy』がDLアルバム首位走行中 NEXZ/Aile The Shotaが後を追う

HOT IMAGES

注目の画像