2018/05/22
チャイルディッシュ・ガンビーノの「ディス・イズ・アメリカ」が2週目の首位獲得を果たした、今週の米ビルボード・ソング・チャート。
先週、ストリーミング、セールス両チャートを制しNo,1デビューを飾った同曲は、今週も6,960万視聴、50,000ダウンロードを記録し、ストリーミング、セールス・チャートでも2週目の首位をキープした。また、ラジオ・エアプレイも好調で、先週より77%もポイント(回数)が上昇している。R&B/ヒップホップ・チャート、ラップ・チャートでも、2週連続の1位を獲得した。
「ディス・イズ・アメリカ」の登場により、先週2位にダウンしたドレイクの「ナイス・フォー・ホワット」は、今週も2位にランクイン。4,200万視聴を獲得しストリーミング・チャートでも同2位、売上はダウンした(25,000ダウンロード)がセールス・チャートでは4位から3位に浮上し、エアプレイ・チャートでは8位から6位にそれぞれ順位を上げている。11週のNo,1をマークした前曲「ゴッズ・プラン」も引き続き3位に、「ナイス・フォー・ホワット」に代わって今週<Airplay Gainer>に輝いたポスト・マローンの「サイコ feat.タイ・ダラー・サイン」も、先週同様4位にランクインし、上位はラッパーの楽曲が占めている。
1位から4位まで、2週連続でラップ・ソングが独占したのは、2009年2月28日付チャート以来、およそ9年振り。この時は、1位がフロー・ライダーの「ライト・ラウンド feat.ケシャ」、2位がT.I.の「デッド・アンド・ゴーン feat.ジャスティン・ティンバーレイク」、3位がエミネム、ドクター・ドレー&50セントの「クラック・ア・ボトル」、4位がカニエ・ウェストの「ハートレス」だった。2003年には、5月31日付~6月21日付チャートまでの4週間、ラップ・ソングが上位4曲を独占したことがある。
ヒップホップ全盛期の90年代以降、ラップ・ソングが常に上位ランクインするようになったが、近年特にその傾向が強く現れるようになったのは、やはりストリーミングがポイントとして反映するようになったからだろう。逆に、ストリーミングの弱いロック系のアーティストは、順位を上げにくい傾向にある。アメリカにおける2017年の音楽消費率は、24.5%がR&B/ヒップホップ・ソングによるものだった。
カントリー・ソングとして久々の大ヒットとなった、ビービー・レクサとフロリダ・ジョージア・ラインの「メント・トゥ・ビー」は、今週も5位をキープ。カントリー・ソング・チャートでは25週目の1位を獲得し、2017年に34週間No,1をマークしたサム・ハントの「ボディ・ライク・ア・バック・ロード」の記録超えにも注目が集まる。カントリー・ソングでは、ケーン・ブラウンの「ヘヴン」も先週の20位から15位に上昇し、TOP10入りが期待されている。ケーン・ブラウンは、カミラ・カベロの「ネバー・ビー・ザ・セイム」(今週9位)のリミックスにデュエット・パートナーとして参加したことが、自身の楽曲の売上(注目度)にも繋がった。
先週10位にランクダウンしたアリアナ・グランデの新曲「ノー・ティアーズ・レフト・トゥ・クライ」は、公開1ヶ月で間もなく2億回視聴を突破するミュージック・ビデオが好調で、今週7位にランクアップしている。アリアナは、現地時間5月20日に米ラスベガスで開催された【2018 ビルボード・ミュージック・アワード】に出演し、この曲をパフォーマンスした。その他にも、今週6位のゼッド、マリン・モレス&グレイの「ザ・ミドル」や、カミラ・カベロとファレル・ウィリアムスの新曲「サングリラ・ワイン」なども披露され、次週以降、アワード効果がチャートに反映する可能性が高い。
先週の17位から今週11位へ、TOP10入り目前となっているのは、英ロンドン出身の女性R&Bシンガー=エラ・マイの「Boo'd Up」。昨年2月にリリースした3作目のEP盤『レディ』の冒頭を飾るナンバーで、4月26日に公開されたミュージック・ビデオで火が付いた。90年代のR&Bを彷彿させるメロウ・チューンで、幅広い層に支持されている。シングル曲としては初のランクインで、R$Bチャートでは2位まで上昇中。Text:本家一成
◎【Hot100】トップ10
1位「ディス・イズ・アメリカ」チャイルディッシュ・ガンビーノ
2位「ナイス・フォー・ホワット」ドレイク
3位「ゴッズ・プラン」ドレイク
4位「サイコfeat.タイ・ダラー・サイン」ポスト・マローン
5位「メント・トゥ・ビーfeat.フロリダ・ジョージア・ライン」ビービー・レクサ
6位「ザ・ミドル」ゼッド、マレン・モリス、グレイ
7位「ノー・ティアーズ・レフト・トゥ・クライ」アリアナ・グランデ
8位「ルック・アライブ」ブロックボーイ・JB feat.ドレイク
9位「ネヴァー・ビー・ザ・セイム」カミラ・カベロ
10位「パーフェクト」エド・シーラン
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