2018/04/09 12:00
3週連続の全米No,1ヒットを記録したデビュー曲「ボダック・イエロー」(ラップ/R&B1位)に続き、ヒップホップ・トリオ=ミーゴス&ニッキー・ミナージュとのコラボ・ソング「モーター・スポーツ」も最高6位(ラップ/R&B3位)をマーク、更には、ブルーノ・マーズとのデュエット曲「フィネス」が3位(ラップ/R&B1位)まで現在上昇中という、躍進が止まらないカーディ・B。
そんな脂の乗り切った状態でリリースされた彼女のデビュー・アルバム『インベージョン・オブ・プライバシー』。「クリスチャン・ルブタンの靴でビッチを踏みつける」とラップする、2曲目のシングル「バーティエ・カーディ」のミュージック・ビデオが発売直前に公開され、女性の社会的立場が男性を上回ることを示唆する内容と、自身の婚約者であるオフセットと絡むシーンが話題になっている。パートナーでありファンだと公言するオフセットについては、「死に際にはオフセットって叫ぶわ!」と、意味不明な宣言もしているとか…
同曲「バーティエ・カーディ」には、ポスト・マローンの大ヒット曲「ロックスター」(全米8週1位)にフューチャーされた、アトランタ出身の人気ラッパー=21サヴェージが参加。本作には、その他にも女性R&Bシンガーのケラー二とシザ、人気ラッパーのYG、チャンス・ザ・ラッパー、ミーゴスに加え、「ミ・ヘンテ」を大ヒットさせたばかりのレゲトン・シンガー=J・バルヴィンもフューチャリング・アーティストにクレジットされている。プロデュースは、ボーイ・ワンダ、30・Roc、フランク・デュークス、ビニールズなどのヒットメイカーがクレジットされている。
発売1週間前にリリースされた3rdシングル「ビー・ケアフル」には、ネット上で「オフセットの浮気について歌われているのでは?」という憶測が飛び交っている。「あんた嘘ついたよね?/ もっと私を大事にしなさいよ!」など、確かにそれらしいフレーズも飛び出すが、この意味深なリリックも、プロモーションの一環ではないだろうか(?)。仮に事実だとすれば、愛を叫んだり、キレて警告したりと、なかなか感情の起伏が激しい人である。「ビー・ケアフル」は、メロディアスで耳に残るトラック含め、ミュージック・ビデオが公開されればヒットも期待できそうな1曲。
本作には、「ボダック・イエロー」の続編ともいえる「マネー・バッグ」や、シザのラップが光る「アイ・ドゥ」といったトラップから、J・バルヴィンと同じプエルトリコのレゲトン・シンガー=バッド・バニーも参加したラテン・ノリの「アイ・ライク・イット」、ラー二の癒し要素を含んだボーカルと、柔らかさを醸したカーディのラップが噛み合うメロウ・チューン「リング」、チャンス・ザ・ラッパーがドレイクそっくりに歌とラップを絡める「ベスト・ライフ」、和っぽさを演出するミーゴスとの「ドリップ」など、バラエティ豊かで“誰か”の亜流っぽさを感じさせないタイトルが揃っている。中でも、オープニングに相応しいド派手な「ゲット・アップ10」では攻撃的に巧みなラップを披露し、高音のフックが頭にこびり付く「スルー・ユア・フォーン」では猫なで声で歌う、カーディ・Bの歌唱力は絶賛したい。
米ニューヨーク州ブロンクス出身の25歳、フィーメール・ラッパーの代表格として君臨するカーディ・Bのデビュー・アルバム『インベージョン・オブ・プライバシー』は、水準・予想を上回る出来栄えだった。「ボダック・イエロー」がヒットしている頃は、どうにも一発屋のニオイがしてならなかったが、このアルバムで間違いなく払拭されるだろう。ただ、ゴールドのベリーショートに舌出しという、このイカにも過ぎるジャケ写は如何なものか… Text: 本家 一成
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