2018/03/06 10:00
ボン・ジョヴィの『ディス・ハウス・イズ・ノット・フォー・セール』が、およそ2年4か月ぶりに返り咲きの首位獲得を果たした、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。
本作『ディス・ハウス・イズ・ノット・フォー・セール』は、2016年11月4日にリリースされた彼らの通算14作目のスタジオ・アルバムで、リリース翌週(2016年11月26日付)のアルバム・チャートで、6作目のNo.1獲得を果たした。今週再び首位に輝いたのは、3月14日に米コロラド州デンバーからスタートする北米ツアーのチケットが封入されたため。今週の週間セールスはおよそ12万枚で、発売当初の初動ユニット数129,000とほとんど変わらない数字を叩き出した。
200位圏外から首位に返り咲くのは、集計が始まってから3作目の快挙。1作目はカントリー・シンガー=クリス・ステイプルトンの『トラベラー』で、2015年11月4日に開催された【カントリーミュージック協会賞】での受賞効果が反映したため。2作目は故プリンスのベスト盤『ヴェリー・ベスト・オブ・プリンス』で、2016年4月21日に急死した報道を受け、売上が急増した。
ボン・ジョヴィのように、アルバムにチケットを封入し、セットで売り出すケースが近年増えている。2016年10月には、レッド・ホット・チリ・ペッパーズの『ザ・ゲッタウェイ』が、ライブチケットを購入するとアルバムが付いてくるというプロモーションを行い、前週の24位から5位へランクアップした。昨年4月には、メタリカの『ハードワイアード...トゥ・セルフディストラクト』が前週の19位から5位へ、先月は、英ロンドンのダンス・ユニット=アバヴ&ビヨンドの新作『コモン・グラウンド』が、同じプロモーションで3位まで上昇している。
本作『ディス・ハウス・イズ・ノット・フォー・セール』は、2016年11月の発売前に、米大統領候補として選挙活動を行っていたヒラリー・クリントンの遊説に加わり、イベントに参加したり、投票日前日に支援集会でライブ・パフォーマンスを披露したりと、チケット封入とは違うプロモーションで売上を伸ばした。ストリーミングが主流になってからは、パッケージ・セールスやダウンロード数を増やすため、各アーティストが様々な方法でプロモーションを行っている。特に、ストリーミングの弱いロック・バンドは売上を上げるために必死だ。
2週間の首位を死守した『ブラックパンサー:ザ・アルバム』は2位にダウンしたものの、今週も99,000ユニットを獲得している。ミーゴスの『カルチャーII』も59,000ユニットで先週の2位から3位に落ちたが、ストリーミングは依然として強い。
今週4位に初登場した、米ブルックリン出身の新人ラッパー=6ix9ineのデビュー作『Day69』も、55,000ユニットのうち、22,000枚がアルバムの売上で、33,000ポイントがストリーミングによるものだった。本作に収録されたデビュー曲「GUMMO」が、全米チャート(HOT100)で最高12位/ラップ・チャート5位のヒットを記録したことが、アルバムのプロモーションに繋がった。同曲は、これまでに3億回以上の視聴回数を記録している。
映画『グレイテスト・ショーマン』のサントラ盤は、先週の3位から5位にランクダウンしているが、3月4日に開催された【第90回アカデミー賞】でのパフォーマンス効果を受け、次週は売上、ストリーミングが上昇することが予想される。映画関連の作品は、その他にもアワード効果でランクアップが見込める。
10位には、オーストラリアのシンガー・ソングライター=ヴァンス・ジョイの2ndアルバム『ネイション・オブ・トゥー』が初登場。2014年発売のデビュー作『ドリーム・ユア・ライフ・アウェイ』から4年振りとなる新作で、アメリカでは自身初のTOP10入りとなった。母国オーストラリアでは2作連続のNo.1獲得を果たしている。
Text:本家一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートの掲載は、3月7日22時以降予定となります。
◎【Billboard 200】トップ10
1位『ディス・ハウス・イズ・ノット・フォー・セール』ボン・ジョヴィ
2位『ブラック・パンサー:ザ・アルバム』VA
3位『カルチャーII』ミーゴス
4位『デイ69』6ix9ine
5位『グレイテスト・ショーマン』サウンドトラック
6位『÷(ディバイド)』エド・シーラン
7位『ストーニー』ポスト・マローン
8位『エヴォルヴ』イマジン・ドラゴンズ
9位『DAMN.』ケンドリック・ラマー
10位『ネイション・オブ・トゥー』ヴァンス・ジョイ
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