2018/02/13
カルヴィン・ハリス、2018年の第一弾シングル「ナー・レディ・ナー・レディ」は、 代名詞であるエレクトロニック・ダンス・ミュージックに、レゲエやワールド・ミュージックの要素を取り入れた意欲作。ここ最近のヒット・チャートでは、レゲエやラテン・サウンドが上位にランクインしていることもあり、流行を意識した感も強い。また、パーティーネクストドアをゲストに迎えたことも、そういった感覚を強めた要因だろう。
パーティーネクストドアは、ドレイクのレーベル<OVO Sound>に所属するラッパー/シンガーで、そのドレイクや元ワン・ダイレクションのゼイン、メジャー・レイザーなどの人気シンガーの楽曲にフィーチャリング・ゲストとして参加し、知名度・人気を高めている注目株。昨年6月にリリースしたカルヴィンの新作『ファンク・ウェーヴ・バウンシズ Vol.1』収録の「キャッシュ・アウト」にも参加している。ジャンルを問わず起用されまくっているだけはあり、その実力も確かで、カルヴィンも「天才」だと絶賛しているそう。楽曲は両者による共作。
その最新作『ファンク・ウェーヴ・バウンシズ Vol.1』は、80年代のディスコ~ファンクや、90年代初期のR&B/ヒップホップをリメイクしたようなナンバーが中心の内容だったが、新曲「ナー・レディ・ナー・レディ」は、クラブ・カルチャー全盛期の空気感が表れた、まったく違うタイプの楽曲で、今年発表される予定のニュー・アルバムは、また違うコンセプトになりそうだ。カルヴィン自身も、“踊るため”のダンス・ミュージックが多数収録されると話している。もしかすると、前作には収録されなかった大ヒット・ナンバー「ディス・イズ・ホワット・ユー・ケイム・フォーfeat.リアーナ」も収録されるカモ…(?)。
リリース同日(2月8日)に公開されたミュージック・ビデオは、プロジェクションマッピングを駆使した映像を交えて、メイン・ヴォーカルのパーティーネクストドアと個性的な女性ダンサーたちが入れ替わり歌い、踊る、まさにダンス・ミュージックのための映像作品。レトロな感覚を取り込んでいるのもイイ。このクラブ・サウンドと映像が一体化すると、部屋で聴きながら(観ながら)フロアにいるような気分に浸ることができる。数えきれないほどのイベントやフェスなどで、メインDJを務めてきたカルヴィンだからこそできる業。
そのフェスなどの活動について、“稼ぐための仕事”と割り切り、あまり好きではなかったこと、そして、今後は小さい規模のイベントに絞り、大きなフェスの出演からは引退するような発言をしているカルヴィン。「ナー・レディ・ナー・レディ」を聴くかぎり、フロアを盛り上げるための楽曲は引き続き制作してくれるようだが、実際に思っていても、フェスへの出演を「魅力が多額のギャラ」とは言うべきではなかった……ような気がする。
Text: 本家 一成
◎リリース情報
「ナー・レディ・ナー・レディ」
カルヴィン・ハリス
2018/2/8 RELEASE
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