2018/01/10
【第60回グラミー賞】で2部門にノミネートされているイマジン・ドラゴンズが、2018年1月9日に東京体育館で自身初の単独来日公演を開催した。
2017年に最も売れたロックバンド、イマジン・ドラゴンズ。全米1位を記録した最新アルバム『エヴォルヴ』を引っ提げたワールド・ツアーのため日本に戻ってきた彼らが、ここ日本でプレイするのは、【サマーソニック2015】以来、約2年半ぶりだ。2013年の日本デビュー以降、サマソニに2回出演していたものの、単独公演は今回が初となり、遂にその時が来たか、と公演発表から首を長くして待っていたファンも多いことだろう。筆者もその内の一人である。ライブへの期待が高まる中、ショーは『エヴォルヴ』1曲目の「アイ・ドント・ノウ・ホワイ」からスタート。バンドメンバー4名の登場に興奮するオーディエンス。どこもかしこもジャンプ&スクリームだ。興奮冷めやらぬ中、彼らのメジャー・ヒット曲「イッツ・タイム」を2曲目に持ってくるというセットに、早くも会場のボルテージはマックスに到達した。
ライブは『エヴォルヴ』の楽曲を中心に構成されたが、過去アルバムから外せない楽曲も披露された。幼少期からトラウマや不安に悩まされていたというヴォーカルのダン・レイノルズはMCで「人生には生きる価値がある。セラピーに通うことは決して格好の悪いことなんかじゃない。君はひとりじゃない」と力強いメッセージを届けた。そのコメントからの「ディーモンズ」は、どの観客の心に突き刺さるパフォーマンスとなったことは確かだろう。
「オン・トップ・オブ・ザ・ワールド」でもう一度興奮を取り戻すと、バンド一行は客席を通ってアリーナ後方へ。これまで「日本が大好き」と公言してきたイマジン・ドラゴンズだが、その本気度は「トーキョー」という曲を作るほどだ。(この曲はデビュー・アルバム『ナイト・ヴィジョンズ』日本盤にボーナス・トラックとして収録されている。)記念すべき単独初来日公演で、「長年この曲を歌ってこなかったけど、ここ東京で歌わないわけにはいかない」と、その「トーキョー」も披露してくれた。「あまりにも歌ってこなかったから上手く歌えるか曖昧だな。みんな助けてくれる?」と少し不安を見せたダン。幾度か出だしをやり直したが、オーディエンスは携帯電話のライトと声援で温かく迎え、その後はノーミス。観客にとって、かなり嬉しいパフォーマンスとなった。アコースティックで数曲歌い、またメインステージへ。そこからの「サンダー」、「ビリーバー」という流れは“無敵”と思えるほどパワフルなものだった。
何度もオーディエンスの興奮をピークに導いてくれたバンドメンバーは、アンコールでその上を行くステージを展開。やはりライブを締めくくるのは、最大のヒット曲「レディオアクティヴ」だ。ある意味、代名詞であった和太鼓演奏が、今回はクリアなドラムへチェンジされていたが、その迫力は変わらない。会場を大いに揺らし続けたライブはおよそ2時間に渡って繰り広げられたが、光陰矢の如しとは、まさにこのこと。日本のファンを完璧にノックアウトしたイマジン・ドラゴンズは、この後もアジア、ヨーロッパ、南アメリカでツアーを控えている。日本時間1月29日に発表される【第60回グラミー賞】では、「最優秀ポップ・アルバム」と「最優秀ポップ・パフォーマンス(グループ)」にノミネートされており、その結果に注目したい。2018年も引き続き、世界中で彼らに魅了される人が続々と生まれることだろう。
Photo: MITSUHIRO GONDAI
◎【IMAGINE DRAGONS EVOLVE WORLD TOUR LIVE IN JAPAN】公演情報
日時:2018年1月9日(火)OPEN 18:00/START19:00 ※終了
場所:東京体育館
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