2017/11/24
s**t kingz(シットキングス)が、結成10周年記念ライブ【s**t kingz 10th anniversary show in Billboard Live】を東阪ビルボードライブにて開催した。ここでは11月16日に行われたビルボードライブ東京での公演をレポートする。
2007年に結成されたshoji、kazuki、NOPPO、oguriの4人によるダンス・チーム、s**t kingz。2010年・2011年には米国カルフォルニアのダンス・コンテスト【BODY ROCK】で連続優勝を果たし、現在に至るまでチーム自身の単独公演や、海外ツアー、世界各地でのワークショップなど、ボーダーレスな活動を行ってきた。また、三浦大知やBIGBANG、EXOなど国内外のハイレベルなパフォーマー達ともコラボを重ね、比類なき存在感で日本のダンス・シーンを牽引している。
そんなs**t kingzが結成10周年の大きな節目に行った本公演は、全編生バンドとの共演という彼らにとってもオーディエンスにとっても、今までに見たことのない新たな試み。村岡 夏彦(Key)、Kan Sano (Key)、Shingo Suzuki(Ba)、関口シンゴ(Gt)、今村慎太郎(Dr)、と名うてのミュージシャンを携えたバンドメンバーとの共演で、s**t kingzの魅力と10年間の集大成を堪能できたスペシャルなライブとなった。
SEがストップし会場が暗転すると、突然「どういう登場にしたら皆びっくりするかな?」「皆同じ格好でステージに上がろうか」と演出を相談するs**t kingzメンバーのアナウンスが流れ、ハットとジャケットを纏い顔を隠した集団が登場。意表を突かれた観客らがどよめく中、その後もアナウンスの指示通りにバンドが定位置につき、それぞれがベールを脱いだ瞬間会場に大歓声が沸き起こった。ダンスのパフォーマンスはもちろん、こういった細やかなネタの構成力や演出もs**t kingzの大きな魅力の一つだろう。
合図とともにライブがスタートすると「TAKE BACK THE NIGHT」「ROLLACOASTA」など序盤から出し惜しみなく一気に4曲のメドレーを畳みかけていき、生バンドの音圧とダンスがバシッと合う音ハメ部分では思わず鳥肌が立った。MCでは「夢にまで見たバンドとのコラボです!」と興奮気味な挨拶を終え、結成10周年のお祝いにと乾杯。これまでの10年を振り返るとともに、今この瞬間を全力で楽しむメンバーたちの楽しそうな笑顔に、一気に祝祭感が高まった。
s**t kingzの一糸乱れぬダンス・パフォーマンスの凄さは無論だが、披露されたソロの楽曲では4人それぞれが全く違う個性と色でステージを彩った。NOPPOは、この日の為に録音されたというRickie-Gのアカペラに合わせた「逃避行」で、歌詞とリンクしたメロウなダンスを披露。Oguriは「SINGING IN THE RAIN」のタップダンスで観客を魅了し、ダンススキルだけではなく抜群の表現力も感じさせた。
また、shojiは「せっかくバンドさんとビルボード出るんだから楽器をしてみたくて、でも演奏したことがあるのがこれぐらいで…(笑)」と「SUNDAY MORNING」でまさかのピアニカを弾きながらダンスを踊るという難易度の高いパフォーマンスを披露。s**t kingz恒例の(?)shojiとNOPPOによるお茶面な喧嘩が勃発した「TYPEWRITER」では曲に合わせてkazukiがタイプライターの演奏を披露し、新たな挑戦でも観客の心をぐっと掴んだ。さらにkazukiは、s**t kingzの単独公演【Wonderful Clunker -素晴らしきポンコツ-】で共演したJUN (from Blue Vintage)(Vo)を呼び込み「Dancing in the Dark」で洗練されたステージングを見せた。
その後は総立ちとなった観客を巻き込んだセッションと「LOCKED OUT OF HEAVEN」で最高潮の盛り上がりの中本編を終え、アンコールでは、バックのカーテンが開きイルミネーションをバックにした「P.Y.T」で観客を虜に。結成10周年を迎えたことについて、oguriが「気づいたら10年経ってたけど、皆さんが掛けてくれる応援がいつも力になっています」と感謝の言葉を述べると、結成当初メンバーに声をかけたというkazukiは「若気の至りで『すごいことしようぜ』って皆を誘った
あの頃の俺、見る目あるな~」と笑いを交えて感慨深い様子で当時を振り返った。NOPPOは「自分たちは10年もやってきたなんて実感ないけど、これからの10年も楽しみにしていてください。すごいんだから!」と呼びかけ、shojiは「ダンスで自分に期待しちゃいけないんだ…と思っていた時にメンバーに出会いました。夢を見てもいいと思わせてくれた3人にまずは感謝です。そして皆さんへの感謝も忘れることなく、一つでも多いワクワクをこれからも届けていきます!」と力強く語った。
ラストの「WONDERFUL CLUNKER」では客席に降り、観客との距離感をさらに縮めて大団円の中ライブの幕を閉じた。結成から常に新しい景色の中を突っ走り、ストリートダンスの枠を超えダンスシーンを牽引してきたs**t kingz。「1人では成せないことも、この4人だからこそ実現できる」、全員がそう信じる真っ直ぐさがダンスからも表情からも終始伝わってきて、改めて“チーム”のあるべき姿を見せてもらった気がした。これからの10年どんな景色を見せてくれるのか、ワクワクは止みそうにない。
なお本公演中、s**t kingzが2018年に自身過去最多動員数となる全国ツアーを行うことが発表された。本ツアーは、10周年記念企画の一環となる自身第4作目となる単独公演で、2018年9月の神奈川・横浜赤レンガ倉庫1号館での公演を皮切りに、ツアーファイナルは東京・国際フォーラム ホールCでの開催。詳細は追って発表される。
Text:神人未稀
Photo:Takanori Tsukiji
◎公演情報
【s**t kingz 10th anniversary show in Billboard Live】※終了
2017年11月16日(木)- 17日(金)
ビルボードライブ東京
1st 開場17:30/開演19:00
2nd 開場20:45/開演21:30
2017年11月21日(火)- 22日(水)
ビルボードライブ大阪
1st 開場17:30/開演18:30
2nd 開場20:30/開演21:30
◎ツアー情報
2018年9月~
※詳細は後日発表
関連記事
最新News
アクセスランキング
インタビュー・タイムマシン
注目の画像