2017/11/18
この夏、Apple Musicを始めとする大手配信サービスにて初の音源となる「BURNING (feat. Priscilla Ventura & Daniel Bourget)」をリリースし、USENの週間リクエストチャートのポピュラー部門で1位を記録したDJ T.Oをご存知だろうか。
同曲は、同じく日本では今年の夏にGYAO!で配信された海外ドラマ『ライブラリアンズ3 呪われた混沌の神』のエンディングテーマにも起用されていたため、耳にした人はいるかもしれない。フォーマルなスーツに巨大な仮面をかぶった異様な出で立ちの謎のDJとして、突如現れたニューカマー T.O。
パーソナル・データのほとんどは明らかになっていないが、その素性は驚きだ。都内4箇所にオフィスを構える従業員400名の企業の代表取締役を務める青年実業家というのだ。神奈川県相模原市に生まれた彼は、FMラジオからジェームス・ブラウン、Pファンク、プリンスといったファンクや、ディヴィッド・ボウイやロキシー・ミュージックなどのグラムロックなど、洋楽を幅広く吸収。高校時代より兄の影響でDJを始め、18歳よりDJとしての技術を競い合う大会へ臨むことになる。
テレビやラジオを含めた各地の大会では思うような成績が出せない中、高校卒業と同時に様々な仕事にも従事しながら、時にはデビュー寸前のバンドに加入したこともあるという。そうして26歳の時にはWEB広告媒体やITスクール、人材コンサルティング等を行っていく現在の会社を起業。社会で奮闘していく傍らで、日本発の洋楽を作りたいという思いから国内に住む外国人コミュニティとの繋がりを積極的に求めながら、各国のシンガーたちとの楽曲制作にも打ち込む日々を送っていく。
「ほんとは音楽一筋で食ってきたかったんだけど、仕事の方が先に結果が出ちゃったんだよね。社員の前では絶対言えないけど(笑)」
(Billboard JAPAN.comインタビューより)
冗談交じりに笑うが、10年余りで400名を抱える企業にまで成長させた手腕は並大抵のものではないだろう。やがてクリエイターらのツテからサンディエゴでオーディションを行う中で、そのエンジニアを担当していたDaniel Bourgetという才能と邂逅し、彼を起用して「BURNING (feat. Priscilla Ventura & Daniel Bourget)」を制作することに。そして今、その楽曲が先述した通りUSENのリクエストで2週1位を記録するなど、人気を博して始めているのだ。
また、T.Oは2016年よりNACK5にてレギュラー番組『NO.16』のパーソナリティを担当しているのだが、こちらはラジオから流れる洋楽を聴いて育った彼らしい洋楽専門プログラムだ。プレイヤー、クリエイター、プロデューサーなど彼が持つ多角的な視点に加えて、自ら“どちらかと言うと理論バリバリ派”と豪語する通り、深い知識に裏付けされた寸評や解析まで論じてコアな音楽ファンを楽しませている。かつてはスカウトなども経験したという、饒舌なトーク力も聴きどころで、生まれ故郷からNACK5のある埼玉をひと繋ぎにする国道16号を番組タイトルに冠している点も好印象だ。
不敵な笑みを浮かべた瞳の奥を輝かせながら、“夢はグラミー”と語る。極東の島国にある相模原に生まれた人間が、前人未到の目標に踏み出した新たな一歩。DJのきっかけとなった兄をはじめ、家族や会社にも一切、本性は知られていないというT.Oという存在は、果たして成り上がりの社長の娯楽なのか、本気で世界を狙うミュージシャンなのか。その実態は各種配信サービスやYouTubeなどにもアップされている「BURNING (feat. Priscilla Ventura & Daniel Bourget)」から判断していただきつつ、日本の音楽シーンでは間違いなく異端児にして、自ら“爪弾き者”とまで称する新星をぜひチェックしてもらいたい。
◎T.O『BURNING』インタビュー
http://www.billboard-japan.com/special/detail/2160
◎シングル『BURNING (feat. Priscilla Ventura & Daniel Bourget)』
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