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2017/11/17

人気急上昇中の若手ラッパー、リル・ピープが21歳で死去 向精神薬の過剰摂取か

 2017年11月15日、人気急上昇中だった米若手ラッパー/シンガーのリル・ピープ(Lil Peep)が死去した。享年21歳、死因は向精神薬の過剰摂取と報じられている。

 AP通信によると、リル・ピープことグスタフ・アールは、ライブをするために訪れていた米アリゾナ州ツーソンにあるナイトクラブThe Rockの外に停めてあったツアーバスの中で死亡しているのを午後9時頃に発見された。現場の証拠からは向精神薬ザナックスの過剰摂取が推測されると地元警察のピート・デューガン巡査部長がコメントしているが、正式な死因はまだ発表されておらず、検視の結果が出るまで1か月以上はかかるだろうと地元検視局が話している。

 リル・ピープは、薬物摂取、うつ病、自殺願望などに関するダークな歌詞を、メロディアスな独特のスタイルでトラックに乗せる“lo-fi rap”(ローファイ・ラップ)、“emo trap”(エモ・トラップ)などと称される独自のジャンルを確立しつつあった。その音楽性と強烈なビジュアルからここ1、2年で急激にSNSで知名度を上げていた若手アーティストで、インスタグラムのフォロワー数は130万人を超えていた。最近では未確認の薬を何回か口に入れようとして失敗した末にようやく飲み込み、鏡の前で薬の瓶を振っている自身の動画や、「俺は空っぽだ」、「俺が死んだらお前は愛してくれるだろう」などとキャプションに綴っている写真などを投稿していた。

 リル・ピープは今年8月にリリースしたばかりのデビュー・アルバム『カム・オーバー・ウェン・ユア・ソーバー』を提げたツアーでツーソンを訪れていた。午後9時45分から始まる本番の数時間前にはファンと交流しているところをツアー・プロモーターが目撃していたが、本番1時間前にツアーバス内で死亡しているのを発見された。