2017/11/15
サム・スミスの2ndアルバム『スリル・オブ・イット・オール』がNo.1デビューを果たした、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。
全世界で1200万枚を売り上げたデビュー作『イン・ザ・ロンリー・アワー』(2014年)から約3年半振り、2作目のスタジオ・アルバムとなる『スリル・オブ・イット・オール』。初動ユニット数は237,000で、内アルバムの売上は185,000枚。セールスも好調で、ストリーミングとのバランスも理想的。9月8日にリリースされた1stシングル「トゥー・グッド・アット・グッバイズ ~さよならに慣れすぎて」の大ヒット(今週4位)も、アルバムのヒットに貢献した。母国イギリスやスウェーデンでは、『イン・ザ・ロンリー・アワー』から2作連続の首位獲得、その他、カナダやアイルランド、ノルウェーなどでも初登場1位を記録するなど、全世界で大ヒットしている。
1位のサム・スミスとは倍近く離されたが、初動ユニット数122,000を獲得して2位に初登場したのは、マルーン5の新作『レッド・ピル・ブルース』。アルバムの売上は94,000枚で、こちらもセールスとストリーミング・ポイントのバランスは良かった。本作からは、「ドント・ワナ・ノウfeat.ケンドリック・ラマー」、「コールドfeat.フューチャー」、そして今週のソング・チャートで9位にランクインしている「ホワット・ラヴァーズ・ドゥfeat. SZA」の3曲がヒット。しかし、アメリカやカナダ(同2位)では上位デビューを果たしたが、イギリスやフランスなどヨーロッパ諸国ではTOP10入りを逃し、前作『V』から売上も順位も落としている国が多い。
4位には、カントリー・シンガーのブレイク・シェルトンが初登場。本作『テクソマ・ショア』は、昨年5月に最高3位をマークした『イフ・アイム・オネスト』から1年半振り、通算11作目のスタジオ・アルバム。初動ユニット数は63,000でアルバムの売上は55,000枚、ストリーミングによるポイントはごく僅かだった。2011年リリースの6thアルバム『レッド・リバー・ドリーム』で初のNo.1に輝き、それから本作まで、6作連続のTOP10入りを果たしている。また、カントリー・アルバム・チャートでは、4作連続、通算5作目のNo.1獲得を記録した。
先週に引き続き、今週も初登場作品が多く、TOP10内5作が新作だった。7位には、テイラー・スウィフトのインスタグラムに登場し、注目された女性カントリー・シンガー、ケルシー・バレリーニの新作『アンアポロジェティカリー』が初登場。2015年リリースのデビュー・アルバム『ザ・ファースト・タイム』から2年半振りとなる2作目のスタジオ・アルバムで、自身初のTOP10入りを果たした。カントリー・アルバム・チャートでは、前作の4位を上回る3位にランクインしている。
続いて8位には、ベテラン・ロッカー、キッド・ロックの新作が初登場。本作『スウィート・サザン・シュガー』は、前作『ファースト・キス』から2年半振りの新作で、スタジオ・アルバムとしては11作目となる。アルバムの発売前に、政界進出をニオわせる今風(?)のプロモーションを行ったことも、ヒットにつながった。本作で、ダイヤモンド・アルバム(1000万枚)に認定された1998年の出世作『デヴィル・ウィズアウト・ア・コーズ』から、8作連続のTOP10入りを果たしている。
12位には、ヒット曲満載の人気コンピレーション『ナウ』シリーズの64作目が初登場。本作には、今年最大のヒット曲、ルイス・フォンシ&ダディ・ヤンキーの「デスパシートfeat.ジャスティン・ビーバー」や、ロジックの「1-800-273-8255 featアレッシア・カーラ&カリード」など、チャートを賑わせたヒット曲が多数収録されているが、毎作TOP10入りしていたこれまでのシリーズと比べると、売上は大分落ちている。おそらく、ストリーミングが主流になり、ダウンロードするリスナーが少なくなったことが原因かと思われる。
次週は、テイラー・スウィフトの新作『レピュテーション』が、首位デビューする。
Text:本家一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートの掲載は、11月15日22時以降予定となります。
◎【Billboard 200】トップ10
1位『スリル・オブ・イット・オール』サム・スミス
2位『レッド・ピル・ブルース』マルーン5
3位『ハートブレイク・オン・ア・フル・ムーン』クリス・ブラウン
4位『テクソマ・ショア』ブレイク・シェルトン
5位『ウィズアウト・ワーニング』オフセット、21サヴェージ、メトロ・ブーミン
6位『ライヴ・イン・ノー・シューズ・ネーション』ケニー・チェズニー
7位『アンアポロジェティカリー』ケルシー・バレリーニ
8位『スウィート・サザン・シュガー』キッド・ロック
9位『ストーニー』ポスト・マローン
10位『÷(ディバイド)』エド・シーラン
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